MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

カリフラワーの葉と茎を食べる

2014年02月28日 | 料理&美味しいもの
 カリフラワーの葉と茎(軸)って、食べられるのです。ちゃーんとカリフラワーの味がします。

 もちろん、あんまり硬そうな部分は食べませんが、つぼみ(花蕾)に近い部分の柔らかいところだけでも、ちょっとした量になりますし、捨てるのはもったいない!!
(上の写真は、カリフラワー1つ分の葉と茎です

 カリフラワーは生でも食べられる野菜ですが、我が家ではさっとゆでて食べています。
 太い茎(軸)の部分は、硬い皮を剥いてスティック状にしてゆでます。

 ゆでているところ。

 ゆでた後、そのままサラダでもいいですし、グラタンもピクルスも、葉や茎の部分だけでも美味しいです。

 カリフラワーのゆで時間は本当にお好みですが、「沸騰しているところに投入し、ガラス蓋をして再沸騰するまで」というのが我が家の目安。
 大きなカリフラワーは2~3回に分けてゆでることにしています。(一気にゆでるには量が多いので……
 一度ゆでてみて、自分の好みの時間を見つけてください。栄養価を考えると、短時間がおススメです。

 実はカリフラワーって、ブロッコリーよりも1個あたりの可食部が多いように思うのですけれど、いかがでしょう?

 カリフラワーの旬は冬。
 ちょうどグラタンが美味しい季節ですし、緑のブロッコリーと一緒に楽しみたいですね!

<追記>
 ハムと一緒にサラダにしました。
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『ないしょのおともだち』

2014年02月26日 | BOOKS
『ないしょのおともだち』
ビバリー・ドノフリオ文/B・マクリントック絵/福本友美子訳
ほるぷ出版


 人間の女の子とネズミの女の子のささやかなふれあいを描いた絵本。
 彼女たちの家の細かいところまで丁寧に描写されていて、1ページ1ページ見入ってしまいます。

 ネズミの家には、まるで『床下の小人たち』(映画「借りぐらしのアリエッティ」)のような、小さいけれど豊かな暮らしがあります。
 そして、時代をきっちり映しているところにも注目です。家の造り、調度品、洋服、家族の過ごし方……、子供は分からないかもしれませんが、大人はあれこれ気が付くのじゃないでしょうか

 Amazon.comでは、中を見ることができます。
Mary and the Mouse, The Mouse and Mary

 なんと、続編があるようです。
Where's Mommy? (Mary and the Mouse)
 『ママはどこ?』といった感じのタイトルですね。
 さらに彼女たちの暮らしの細かいところまで見ることができそうです。邦訳されるといいなぁ。


<追記2014.05.08.>
 5月中旬に続編が出版されるようです。
 タイトルは『ないしょのかくれんぼ』。楽しみですね!
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『ジャーニー 女の子とまほうのマーカー』

2014年02月21日 | BOOKS
 文字のない、冒険の絵本。
『ジャーニー 女の子とまほうのマーカー』
作: アーロン・ベッカー
講談社


 Amazon.comでは、中を見ることができます。
「Journey」 - Amazon.com

 文字はないですが、ストーリー性豊かな物語です。
 悪役が少し日本風なのが、日本人の私としてはちょっと残念ですけれど。
 世界中を旅するのが好きという著者らしく、出てくるお城は世界中の様式を混ぜ合わせたような建築。
空を飛ぶ乗り物を見て、娘は「ラピュタ(映画「天空の城ラピュタ」)みたいね!」と言っていました。
 読み終えたら、すぐ初めのページに戻りましょう。
 街・家の中・彼女の部屋に、この「ジャーニー」のかけらが見つかります。

 それにしても、今の子どもたちは「ジャーニー」と聞いて、「旅」だって分かるんでしょうか?
ジャズの名曲「センチメンタル・ジャーニー(感傷旅行)」なんて知らないでしょうね。
 英語で「Journey」というと、遠く離れた場所へ行く長期の旅行をいうようです。
(もともとはフランス語「journee」「日帰り旅行」だそうです)
 「トラベル travell」や「トリップ trip」よりも、「遠くへ!」というイメージを持った単語なのかもしれないですね。

 そうそう、英語では、マーカー(=「marker」)というとフェルトペン・サインペンを指すようです。
私は、「マーカー」というと「蛍光マーカー」(英語では「Highlighter」)のイメージなのですが。
 この本のイラストを見ると、道路に絵を描くときに使った「ろう石(石筆)」や「チョーク」に見えますね。
よく考えたら、「マーカー」は「マークするもの・印をつけるもの」という意味ですから、チョークも「マーカー」といえなくもないですねぇ。

 想像の扉を開けたら、どんな世界があるか。
 子どもにも大人にも、夢を与えてくれる素敵な1冊です。

 
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春を待つ絵本 『もうすぐ もうすぐ』

2014年02月19日 | BOOKS
 春を待つ、可愛い絵本をご紹介します。

『もうすぐ もうすぐ』
岡田 千晶・おかだ こう 作/絵
教育画劇


 春を待つ絵本といえば、『ぽとんぽとんはなんのおと』(神沢利子作 /平山英三絵・福音館書店)が名作ですが、この絵本も心に春風が吹くようなあたたかい絵本です。

 まだ春を知らない子ウサギとシロクマの優しいふれあいを、「春はまだなの?」と言っている子どもたちに読み聞かせてあげたいですね。
 小さいころは、前の春の記憶なんてわずかでしょうから、きっと子ウサギのように「春ってどんなだろう?」って思っているのでしょうね。


 季節はちょうど雨水。
 まだまだ寒いですが、近づいてくる春を少しずつ見つけていく楽しみのある季節です。
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『山賊のむすめローニャ』

2014年02月18日 | BOOKS
『山賊のむすめローニャ』
【岩波少年文庫】
アストリッド・リンドグレーン 作
大塚 勇三 訳
岩波書店

(写真は、「岩波世界児童文学集」(新装版)のもの。岩波少年文庫版は装丁が違います


 敵対する山賊一家の娘と息子が恋をする、山賊版「ロミオとジュリエット」。
 でも嬉しいハッピーエンドですから、ご安心を。

 彼らが住む、山賊の城のある森は、鳥女や灰色小人、暗がりトロルやずんぐり小人たちも住んでいる不思議な魔法が満ちているところ。
 森の四季は命に結びついていて、命あふれる夏の輝きと、冷たく厳しい冬が、全ての生き物に平等に訪れます。
 
 城や森の生活で日々成長し、友情や愛だけでは生きていけないことに気づいていく若い二人が素敵です。
 そして、親であっても「悪いことは悪い」と言える強さは、親の大きな愛情と信頼の賜物だと感じました。
山賊パパと仲間たちの「親バカ」っぷりと、山賊ママの千里眼のような気配り、子どもたちはしっかり受け止めています。

 自立する子どもの勇気よりも、自立を邪魔しない親の我慢・辛抱を見習わないといけませんね。

 作者リンドグレーンは『長くつ下のピッピ』で有名ですが、ローニャはピッピと違って特別な力があるような子ではありません。ただ、意志が強く、命を大切にして、動物と仲良くなるところなんて、似ているかもしれないですね。

 この物語を原作に、NHKのBSで アニメ「山賊の娘ローニャ」が今秋(2014年秋)始まるそうです。
 監督は宮崎吾朗氏。スタジオジブリの制作協力というので、ローニャの住む森の描写が楽しみです。
 「もののけ姫」のような神秘感漂う森と、「天空の城ラピュタ」のドーラ一家のような力強くてあったかい山賊一家が見られるでしょうか?

 

 

 
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ピョンちゃんのオリンピック

2014年02月17日 | いろいろ
 「ピョンちゃん」と聞いたら、皆さん何を思い浮かべますか?

 家族と話していたときに「『ぴょんちゃん』って可愛いよね」と言われて、「え?ウサギのキャラクターかなにか?」と聞いてしまいました。

 オリンピックのニュースを見ていたところ、2018年の冬季オリンピック開催地「平昌オリンピック」のことが話題になっていたようで、「平昌(ピョンチャン)オリンピック」の「ピョンチャン」という響きが可愛いということだったみたい。

 「平昌オリンピック」を「ひらまさオリンピック」と読む人もいるかもしれません。
「ぴょんちゃん」だったら、うさぎ
「ひらまさ」だったら、お魚。  私の発想って、子どもみたいですね。

 きっと、2018年もあっという間に来ちゃうんだろうな。
 そして、2020年の東京オリンピックも。

 
 
<追記>
 夫が「そういえば、NHKの朝ドラのタイトルにありそうだよね、『ピョンちゃんのオリンピック』って。」と一言。
たしかに、NHKの連続テレビ小説には「○○ちゃんの△△」って、タイトルありました!
「純ちゃんの応援歌」「ノンちゃんの夢」「なっちゃんの写真館」……。(「和っこの金メダル」も似てる?)
 若い人には分からないかもしれませんね。
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『いのち運んだ ナゾの地下鉄』

2014年02月15日 | BOOKS
『いのち運んだナゾの地下鉄』
野田 道子:作/藤田 ひおこ:絵
毎日新聞社


 2011年8月の毎日新聞(大阪版)「読んであげて」の連載童話だった「大阪市内炎上中~命はこんだナゾの地下鉄~」を単行本化したものです。
 太平洋戦争末期「大阪大空襲」の夜。
小さな3姉妹が炎に包まれた大阪の街を逃げ惑っていたとき、不思議な地下鉄に救われるという物語です。

 終戦の8月の連載童話として印象に残っていたのですが、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」を見ていて、この物語を思い出さずにはいられませんでした。主人公 め以子の夫が大阪の地下鉄を建設中で、彼の「空襲があったら、地下鉄は避難場所になる」というセリフを聞いたとき、歴史の上で「大阪大空襲」は避けられない事実なのだと分かっていてもせつなくなりました。

 この本では、公的な記録には残っていないけれど多くの証言がある「謎の救援電車」を、児童文学作家 野田道子さんが、子どもにも分かりやすく戦争の恐ろしさが伝わる物語にしてくださっています。
 小さな女の子が一人だけ家族と離れ離れになったり、妊婦さんの陣痛が始まったり、赤ちゃんが行方不明になったり……。恐ろしい戦火の中で多くの人が助け合うエピソードが、その当時を生きていた人々ひとりひとりの命を感じさせてくれます。

 本当に、もう二度と戦争になりませんように。
 人と人との助け合いだけは、いつまでも続きますように。

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ホワイトデーに「倍返し饅頭」

2014年02月14日 | いろいろ
 ドラマ「半沢直樹」に夢中だった実家の母へのホワイトデーのプレゼント、「倍返し饅頭」にすることにしました。

 先月、東京の知り合いから「倍返し饅頭」をいただいて、夫と「これはお母さんが喜ぶかも!」という話になったのです。
 「ホワイトデーは3倍返し」なんて説もありますが、ドラマ「半沢直樹」が好きな人へのお返しならピッタリじゃないでしょうか。

 黒糖の入った生地に、こし餡が入ってます。
 温泉まんじゅうに似ていて、美味しいです。(「倍返し」の文字が、ちょっと読みにくいかな?)
 1箱に、小ぶりのお饅頭が9個入っています。名刺を模したステッカーが入っているので、食べた後も「こんなの、もらったんだよ」と話題にできそう。
 
 賞味期限が「製造日より90日(常温)」ということで、開封しなければ2月に注文でもホワイトデーまで余裕で大丈夫!
(2月上旬注文で、届いた商品は賞味期限が4月末でした)
 お茶でもコーヒーでも紅茶でも合う美味しさです。

 東京にあるTBSストアや、TBSのオンラインショッピング TBSishopで買うことができます。
 私はオンラインで購入。会員登録なしでも購入できました。(Amazonなど、ほかのトコロは値段が倍以上しました

 ラッピングを「おまかせ」で注文したら、上の写真のような包装で届いたので、このままプレゼントできますね。
 オンラインでは現在「3週間前後でのお届け」ということなので、ホワイトデーまでに手に入れるためには少し早めに注文することをおススメします。(我が家には10日ほどで届きましたけれど、同じ発想の方が多かったら時間がかかるかもしれません
 店舗のほうも、在庫確認してから出かけたほうがいいかもしれないですね。

<リンク>
半沢直樹/倍返し饅頭(おまけステッカー入り) - TBSishop
 税込 840円 (記事投稿時の価格です)
 送料 全国一律790円
 9個入り おまけステッカー付き
TBSishop
TBSストア

<追記 2014.03.13.>
 ホワイトデーのプレゼントを受け取った母から電話がありました。
 予想通り、大喜び
「このドラマ、毎回楽しみにして見ていたから、嬉しい!包装紙も素敵だから、捨てちゃうのもったいない」と、楽しそうな声で話していました。
 喜んでもらえてよかった!


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『家と庭と犬とねこ』『みがけば光る』

2014年02月12日 | BOOKS
『家と庭と犬とねこ』
石井 桃子 著
河出書房新社

『みがけば光る』
石井 桃子 著
河出書房新社


 私の大好きなバートンの絵本や「うさこちゃん」シリーズの翻訳者、石井桃子さんの随筆集。
 石井さんは、1907年生まれ、2008年逝去。
と、いうことは、ドラマ「ごちそうさん」のめ以子ちゃんと同じぐらいの世代だったのですね。(め以子ちゃんは、1911年に小学校1年生でしたので
 私の祖父母世代よりは少し上になるようです。

 この2冊の随筆集は、古いものは戦後すぐ・1940年代後半、新しいものは2002年に書かれたエッセイで構成されています。
エッセイの多くが1950年代~1960年代のもので、私にとっては父と母の子どもの頃といった時代です。それでも、決して古い文章ではなく、びっくりするほど読みやすい!子どものための本に関わっていた方だからでしょうか?
 いろいろな新聞・雑誌に載せたものをまとめた随筆集ですので、同じエピソードが何度も形を変えて出てきたりもしますが、それが作者にとって、とても大切で心に残る出来事だったことが伝わってきます。 

 内容はというと、まさに自立している女性の随筆で、非常にさばさばと、それでいて温かくその当時の世の中を切り取っています。
しかし、半世紀という時間が間に横たわっているせいで、なんと世の中の変わったことか。
 一番、衝撃的だったのは、『みがけば光る』の中の「はるかなものをもって」という恋愛についてのエッセイの中の、「戦争中の北京の夕ぐれでした。中国は、空気がすんでいる国です。」で始まる、北京の美しい夕暮れと星空を思い出した一文でした。本の中には、東京の空気が汚れていることについて書かれているエッセイもいくつかあって、最近の「PM2.5」のニュースに接している私にとっては「北京の澄んだ空気・東京の汚れた空気」という過ぎ去った時代の中で息をしていた人なのだと、あらためて時の流れを感じたのでした。

 それにしても、「昔は良かった」「何で今はこうなっちゃったのかしら?」と、半世紀も前から嘆いているなんて不思議です。
 「仏頂面は不道徳」や「みがけば光る」というエッセイは、今でも「そうだ、そうだ」と頷きながら読む方が多いのじゃないでしょうか。世の中が忙しくなって、「躾(しつけ)」や「美しい言葉」が消えていったのは、私たちの世代に始まったことじゃないのですね。
 そう思うと「良いものは今でも残ってるんだから、案外簡単に消えちゃったりしないんだ」と、嬉しいような気もします。
 
 2冊はそれぞれ英語でもタイトルがついていて、
『家と庭と犬とねこ』は、「A HOUSE, THE GARDEN, A DOG AND A CAT」。
『みがけば光る』は、「POLISH, AND IT WILL SHINE」となっています。
 庭(THE GARDEN)の冠詞が「THE」なのは、エッセイの中に登場する庭が「ほかのどこでもない、まさにその庭」だからなんでしょうね。


<追記>
 最近、『プーと私』も出版されていて、こちらはプーさんの色=黄色い表紙です。(2014年1月21日発売)
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『パンダ銭湯』

2014年02月10日 | BOOKS
『パンダ銭湯』
tupera tupera・作
絵本館


 子どもと銭湯に行きたくなる絵本。
 動物園にパンダを見に行きたくなる絵本。
 そして、誰かに話したくなる絵本です。

 どのページも遊び心満載で、一つ見つけては笑い、二つ見つけては笑い、最後まで笑いっぱなしでした。

 昔ならではの銭湯の香りたっぷりで、ロッカーや服を入れるかごを見ては、「こうだった、こうだった」。
 牛乳やシャンプー・リンス、サングラスのブランド名もひねりが利いていて見事。
 湯船やマット・風呂敷や手ぬぐいの模様にもこだわりを感じます。
 カレンダーも、男湯ってこんな感じだったのかな?(飲み屋さんで見たことがあるようなデザインです
 壁に貼ってある張り紙の内容も、一枚一枚全部面白いのです。


 銭湯に行って「絵本と一緒だね」という声が聞きたい今日この頃。
 懐かしい銭湯は、まだやっているでしょうか?
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『兄妹パズル』

2014年02月08日 | BOOKS
『兄妹パズル』
石井 睦美/著
ポプラ社



 「うちの家族構成に似てる」と思って読んだ1冊。

 落ち着いた優等生、尊敬できる「長兄」。
 ケンカもするけど仲の良い、運動ができる賑やかな「次兄」。
 そして、明るい末っ子の「妹」。

 年齢は違うけれど、我が家も同じような兄妹関係なので、とても面白く読みました。
(子どもたちに「こんな設定なんだよ」と言ったら、3人はそれぞれ「なるほどね。」「おぉ。」「うちみたい!」って言ってました


 家族の中にある秘密。
 一人一人の抱える想い。
 距離と時間を置いて考えることの大切さ。
 離れても信じあえる家族の絆。

 あらためて「家族っていいなぁ。」と思えるストーリーです。

 高校生よりも大きくなって「うちの家族っていいなぁ」って思えるように育ってくれたら、母は幸せですね。


文庫版もあります。
『兄妹パズル』
ポプラ文庫ピュアフル(P[い]1-3)


 
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『「食道楽」の人 村井弦斎 』『美食探偵』

2014年02月07日 | BOOKS
 「食育」を100年以上前に提唱していたという 村井弦斎。
 NHK朝ドラの「ごちそうさん」に出てくる文士「室井幸斎」さんの発想の素になった人なんだそうです。(詳しくは下記リンク)
 (初めは、音が似てるので「室生犀星」がモデルかと思ってました

 
 彼に関係のある書籍を読んでみました。

『「食道楽」の人 村井弦斎 』
黒岩 比佐子 /著
岩波書店


『美食探偵』
火坂 雅志/著
角川書店


『「食道楽」の人 村井弦斎 』は、彼の作品と人生に光をあてた評伝です。
 明治時代後期に新聞小説で大人気のベストセラー作家だったこと。小説の執筆を止めた後も女性・家庭人の啓蒙に力を入れ、健康・健康法に著しい興味を持ち、自分の生活に取り入れていたこと。周りも羨む愛妻家であったこと。
 明治の男性のイメージとはかけ離れたエピソードに驚くばかり。
 彼の著作の中で最も有名な『食道楽』という作品は、彼自身がその題名を『The Pleasures of House-keeping』と英訳しているというところに彼の価値観を感じました。
 家庭を守るということ、食事・家事の重要性について、現代の男性よりも進んだ考えを持っていたのじゃないでしょうか。
 「食育」に注目しているところも、時代を超えた先見の明だと思います。
「小児には徳育よりも智育よりも体育よりも食育が先き」
 順番はともかく、たしかに食べることは生きることの基本・生きるエネルギーの源ですものね。

 一方、『美食探偵』は 村井弦斎を主人公にしたミステリーです。明治の著名な政治家も複数登場します。
あまりなじみのない明治という時代背景も、作中に登場する美味しそうなメニューも魅力的です。
 主人公村井氏は、お金の余裕もあり、知識豊かで、推理力は鋭く、語学に堪能な、おしゃれな紳士といったふう。
 評伝の中の村井氏とは、イメージがだいぶ違います。
 

 2冊を読んで感じたのは、頭が良すぎる人であったのだろうなぁということ。
 心が細やかで、いつも人の何倍も考え、仕事をし、執筆し、自ら実践した生き方は、真似のできない「天才」の人生のように感じました。
 今度、「食道楽」を読んでみようかな。


<参考サイト>
NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」 脚本家×プロデューサー スペシャル対談
<上記サイトから引用>「他のキャストとは違う発想から生まれたキャラクターはいますね。一人は、『食道樂』の作者・村井弦斎さんにオマージュをささげて誕生した、山中崇さんが演じる室井幸斎。もう一人は、大阪のまちづくりに多大な影響を与えた建築家武田五一さんへの敬意から生まれた、ムロツヨシさんが演じる竹元教授です。」(岡本チーフ・プロデューサー談)

<追記>
 今話題の「割烹着(かっぽうぎ)」も、 村井弦斎が考え、『食道楽』で発表したそうです。「音羽嬢式台所上衣」という名称だったということです。
村井弦斎と食道楽 - 平塚 村井弦斎まつり
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『まほろ駅前 狂騒曲』

2014年02月06日 | BOOKS
『まほろ駅前狂騒曲』
三浦しをん
文藝春秋



 「まほろシリーズ」とも、「まほろ駅前シリーズ」とも、「多田便利軒シリーズ」とも言われている、多田&行天という男性二人をメインとしたこのシリーズの第3弾です。
 個人的には、この第3弾でハッピーエンドといってもいいぐらい。

 心に傷を持つ大人の、再生への1歩。そんな1冊です。
  自分が幸せになることへの罪悪感と、その肯定。
  盲目的な「正しさ」への疑問。
  自己不信からの小さな解放。
  人とのつながりの再確認。

 人間の弱さと強さ。
 大人だからこそ深く傷つくこともあること。

 人生順風満帆の「勝ち組」ではない、「日陰者」や「負け組」と言われるような一風変わった登場人物たちから学ぶことがたくさんあります。


 タバコは苦手なのだけれど、このシリーズを読むと、非常に美味しそうに思えるから不思議。
単行本、文庫版ともに、表紙にもタバコが登場します。
 第3弾の並んだ2本のタバコが可愛いです。
 急な仕事が入って出かけなくちゃいけなくて、二人そろって、タバコを消したみたいに見えません?
 

<シリーズ既刊>
・第1弾 『まほろ駅前多田便利軒』(単行本)・ (文春文庫)
・第2弾 『まほろ駅前番外地』(単行本)・ (文春文庫)
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弱者を守る遺伝子(DNA)検査に

2014年02月05日 | 一考察
 遺伝子検査で、一番傷つくのは誰なのか。一番得をするのは誰なのか。

 もしも新聞やニュースで、次のような見出しが見られたとしたらどうだろう?

・乳がんリスク回避のための乳房切除後、DNA検査結果がインチキだったと判明
・DNA格付けで「遺伝子差別」
・子どもの才能に関するDNA情報 児童売買のブローカーが利用し誘拐
・検査で子どもの将来を悲観 育児放棄・子どもを捨てる親が増加
・美肌のための検査のはずがDNAデータ流出 探偵の調査で婚約解消に
・DNA検査会社の社員 DNA情報からストーカー
・親の婚活代行 釣書(身上書)の代わりにDNAデータで婚活
・DNA情報付き精子・卵子バンクで理想の子どもを計画

 SF(サイエンス・フィクション)の世界だけで済まない時代が、気がつけば「今」なのかもしれない。


 最近、遺伝子検査に関するニュース・記事を相次いで目にする機会があった。(参考:下記リンク)
 自分自身も遺伝子検査について多くのことを知っているわけではないけれど、報道を見ていると、遺伝子検査・DNA検査の持つ危険性に日本という国が鈍感なのじゃないかという不安を感じてしまう。
 「知る権利」だけではなく、今こそ「知りたくないことを知らないでいる権利」「自分以外に知られない権利」を、きっちりと議論しなければ、検査によって人生を狂わされる人も出てきてしまうだろう。

 今、もっとも気になっているのは以下の3つ。
・子ども本人の同意なしに、親がDNAを検査する権利はあるのか?
・DNA検査の結果が検査した機関から情報流出する危険性はないのか?悪用される可能性はないのか?
・検査結果が、本当に信頼できるものなのか?


 DNAによって、親子関係だけでなく、将来かかる病気、芸術やスポーツの素質、美容的な傾向などまで分かるのだとか。
けれど、その膨大な情報を持つ遺伝子を検査することによって、誰にでも見ることができるデータにしてしまうことの危険性は、まだ十分に議論されていないように思う。
 私は、検査データを扱う人に知られることに嫌悪感を覚え、ましてや、それがデータとしてパソコンに保存されることには不安と恐怖を感じるのだけれど、多くの皆さんの意見はどうだろう。
 また、たとえ実の親子であっても、子どもの遺伝子に関して「検査する権利」「情報を見る権利」があるのか、非常にデリケートな問題ではないだろうか。(誰にでも「親にも知られたくないこと」は確実に存在するはず。)一人検査しただけでも、親子だけではなく血のつながりのある多くの人に少なからず波紋を起こす可能性のあるのが遺伝子検査であることも、少し想像すれば分かるはずだ。
 究極の「個人情報」なのだから、検査をする側・検査される側の双方が、究極の危機意識を持つべきであるのは間違いない。現在の検査ビジネスは「遺伝子のデータ化」のはらむ危険性に、あまりにも無頓着であり無防備ではないだろうか。

 たしかに、遺伝子検査がもたらすメリット・利点も、たしかに存在する。
 将来の病気のリスクに備えることもできるだろう。
 しかし、検査の精度に対する国の認定制度の整備や、情報流出の防止に関する罰則など法的な整備、検査前のカウンセリングの徹底(カウンセラーの養成)など、遺伝子検査の分野にはまだまだ課題が山積している。

 弱者を傷つける・誰かが困るような可能性が少しでもあるならば、夢のような技術であっても、しばらく寝かせておいてもよいのではないだろうか。



<関連ニュース>
“遺伝子検査”その広がりと課題
NHKニュース おはよう日本 2014年1月27日(月)

「遺伝子ビジネス:ルール作りに着手 経産省が研究会」
毎日新聞 2014年01月23日

「特集ワイド:DNA 親子鑑定最前線
毎日新聞 2014年01月20日 東京夕刊
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『クリスピン』

2014年02月04日 | BOOKS
『クリスピン』
著/アヴィ 訳/金原瑞人 
求龍堂


 舞台は、14世紀イギリス。大領主に支配されている荘園の貧しい少年が、母の死後、命を狙われるところから始まります。
 母は何者だったのか、なぜ命を狙われるのか。命からがら逃げだした少年が冒険の末に獲得するものは、良い意味で想像を裏切ってくれました。

 英語のタイトルは「Crispin: The Cross of Lead」。
 「Lead」は、「鉛」の意味のほかに「先導・導くもの」の意味も。
 鉛の十字架(Cross)に導かれながら、少年は自分の出生の秘密に近づいていきます。

 大道芸人をしながら大きな使命のために動いている不思議な人物「熊」の存在が秀逸。
 若者を導く大人として、今、この厳しさを貫ける大人がいるでしょうか。

 生まれで命の価値が決まるような社会で、奴隷のように生きてきた少年が最後の最後にする生き方の選択は、深く考えさせられます。


 私は知らなかったのですが、靴屋や製皮・皮革職人の守護聖人クリスピヌスを英語では「Crispin クリスピン」というようです。10月25日が「Saint Crispin's Day」なのですが、シェイクスピアの『ヘンリー五世』に「聖クリスピンの祭日の演説」という名場面があり、有名なのだとか。
 きっと、英語圏の方は「クリスピン」というタイトルで分かるのかもしれませんね。


<参考サイト>
クリスピヌスとクリスピニアヌス - Wikipedia
 キリスト教の聖人、クリスピヌスについて。

 
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