MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『プリンセス ブートキャンプ』

2015年09月29日 | BOOKS
『プリンセスブートキャンプ』
M・A・ラーソン /著
服部理佳 /訳
発行:アルファポリス
発売:星雲社


 戦うプリンセスの物語が始まります。

 英語のタイトルは「Pennyroyal Academy」。
 主人公たちが、学ぶ訓練施設(?)「ペニーロイヤル・アカデミー」がタイトルになっています。
 でも、「ブートキャンプ」だなんて、ピッタリです。 
 英語の「boot camp」は、軍隊の新兵訓練のこと。
(10年ほど前、ダイエットDVD「ビリーズブートキャンプ 」が流行りましたね)
 この本では、「プリンセス=民を守るために戦う戦士」という世界で、プリンセスを目指す女の子たちが切磋琢磨するのです。
鬼軍曹はいないけれど、厳しい妖精軍曹がいます。

 主人公は名前もない少女。仮に数字から「イレブン(11)」と名付けられ、友人たちからは「エヴィ」と呼ばれています。
 エヴィの出生の謎は、二転三転。非常に複雑で、この1冊では秘密は明かされないまま。
 不思議な言動をする美少年や、悲しい運命に翻弄される少女も登場。身分の差や偏見による差別に主人公も巻き込まれます。

 おとぎ話のエッセンスが、いたるところに練り込まれて、有名なプリンセスたちの名前も出てきますが、まるでパラレルワールドのように「幸せに暮らしました」というわけにはいかない様子。
 ハラハラドキドキの学園物としても、成長物語としても、非常に魅力的です。
 「パーシー・ジャクソン」や「ハリー・ポッター」に加えて「スパイガール」のように女の子が楽しめるドキドキ感も十分。
 思いやり・勇気・強さ。新しい時代を生きていく、これからの女の子たちに、是非読んでほしい!


 異世界の全容はまだ少ししか明らかにされず、あちこち伏線もありそうなので、「間違いなくシリーズ化する!」と思っていたら、著者 ラーソン氏のホームページによると、続編「Pennyroyal Academy 2」は、「2016年冬発売予定(coming winter 2016)」だそうです。
 これは、2016年の1月2月あたりを指すのかな?楽しみですね。
(日本語版は、たぶんその半年から1年後になりますが。)

<追記 2016.05.02.>
 出版社(Penguin Random House)のページによると、続編「プリンセス ブートキャンプ2」(英語版)は、「The Shadow Cadets of Pennyroyal Academy」というタイトルで、「Jun 14, 2016」発売予定だそうです。6月14日ですね。
 「The Shadow Cadets」「影の候補生たち」?どんな展開になるか、楽しみです。
 日本語版がいつになるでしょうね?

<追記 2017.08.08.>
 第2巻の日本語訳がまだなんですけれど、最終章第3巻が発売されるようです。
 発売予定日は2017年8月22日。
 「The Warrior Princess of Pennyroyal Academy」
 「Warrior Princess」直訳すると「戦士姫」ですけど、「戦うプリンセス」ってところかな?
 物語の結末も気になるところですが、日本語版は出るのか、出ないのか。こちらも気になるところです。

<関連サイト>
Pennyroyal Academy 公式サイト(英語)
 出版社による公式ホームページです。
M.A.Larson(英語)
 著者М・A・ラーソン氏のホームページ。
Japanese Edition of Pennyroyal Academy is Out! - M.A.Larson(英語)
 著者ホームページで、日本語版の発売を伝える記事。
 なんと、著者は当初この物語を「Princess Boot Camp」と呼んでいたんだとか。
 日本版カバーも、ラーソン氏のお気に召した様子ですね。
 
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オクラと木槿とハイビスカス

2015年09月27日 | 季節
 夏休み、娘がオクラを育てていました。
 とはいえ、なかなか花が咲かず、花が咲いたのは夏休みも終わりが近づいたころ。
 あのネバネバの食感からは想像もできないような美しい花が咲きました。

 先日、近くのお寺の前を通った時、木槿(ムクゲ)を見た娘が「オクラに似ているね」というので、家に帰ってきて調べてみたら……、

 オクラも木槿も、同じ「アオイ科」だったんです。  知らなかった!

 そのほかにも、
・ハイビスカス
・芙蓉(フヨウ)
・立葵(タチアオイ)

 たしかに、芙蓉立葵木槿って似ています。
ちなみに、芙蓉は落葉低木。立葵は多年草で、木槿は大きく育つ落葉樹です。
 それぞれの見分け方は、
 毎年、冬には枯れて、まっすぐな茎がにょきにょきと春から初夏に出てくるのが立葵
 そんなに大きな木にならず、大きめの葉っぱが付くのが芙蓉
 シュッとした高い木で、まっすぐな枝が空に伸びているのが木槿
 ハイビスカスは花柱(めしべ)が長く飛び出てますよね。

そして、なんと、同じ仲間に、
・綿(ワタ)

 コットンもオクラと同じ仲間だったなんて。
 絵本『そらまめくんのあたらしいベッド』を読んだら、たしかに立葵に似ていて、納得。

 身近な植物なのに、知らないことがたくさんあるものですね。

<参考サイト>
アオイ科 - Wikipedia
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『空棺の烏』

2015年09月24日 | BOOKS
『空棺の烏』(クウカンノカラス)
阿部智里 著
文芸春秋


 前回の『黄金の烏』も難読でしたが、今回も「からひつぎのとり」とか読んでしまいそう。
「八咫烏」シリーズの第4弾です。

 『烏は主を選ばない』『黄金の烏』にも登場の雪哉がこの本のメインキャラクターです。
 金烏を守る近衛になるための優秀な人材(烏材?)を育成するための訓練施設「勁草院」を舞台に、思春期男子の成長物語としても楽しめますが、ますます奥行きが広がる物語を彩り動かすために必要なキャラクターが揃えられていく課程を見るようで、わくわくします。

 雪哉の優秀すぎるがゆえの孤独は相変わらずですが、それぞれ悩みを抱えた少年たちとの生活が少しずつお互いに影響を与えていきます。

 巻末には次の巻・「八咫烏」シリーズの第5弾『玉依姫』の予告もあります。
 『玉依姫』っていうと、古事記の「豊玉毘売命」の妹の「玉依毘売命」ですよね。
 もちろん、「八咫烏」ですから「神武天皇の東征の熊野行に出てきたっけ?」とは思っていたのですが、今回久しぶりに古事記を読んでみて「尾のある人」と「光る泉」だとか、気になる言葉があちこちに。
 著者がどう物語を紡いでいくのか、次巻以降も本当に楽しみです。

<関連サイト>
勁草院で学ぶ若人たちの群像劇 - 『空棺の烏』 (阿部智里 著)本の話WEB
 著者インタビュー(聞き手「オール讀物」編集部 )

<追記 2016.05.31.>
 「八咫烏」シリーズの最新刊、第5弾『玉依姫』の発売日は、2016年7月21日の予定だそうです。
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洋菓子レーヌ「長芋の里」

2015年09月15日 | 料理&美味しいもの
 信州・塩尻の美味しいお菓子「長芋の里」です。
 10年前にもこのブログで紹介したのですけれど、再び紹介しちゃいます。

 材料に、「長芋・青のり・ブランデー」という不思議さ。

 長芋とブランデーの効果か、本当にしっとりふわふわの生地で、食べやすいのです。
 塩尻から近い山形村特産の長芋を使っています。


 サイズは、「縦23センチ×横8cm×高さ5cm」と大きいですが、5人家族で1回のお茶の時間で食べきってしまいます。
(手作りですから、サイズは微妙に変わるかもしれません)


 ブランデーケーキのようなズッシリ重い感じはなくて、カステラよりもスポンジケーキのような軽いやわらかさ。
 やわらかいですけれど、しっかりとした箱に入っているので、お土産で持ち歩くときも安心です。


 包装に貼ってあるシール。「この緑のは何?」と問い合わせがあったのかな?


 添えてある紙には「天皇皇后両陛下献上菓子」と書いてあります。
 信州訪問の際、お茶の席で皇后陛下が気に入って、お土産にされたという逸話があるそうです。
 白いほうの紙には「ブランデーを使用しておりますので、直ぐ召し上がると多少の苦みがございます。2、3日後にお召し上がりいただければ、宜しいかと存じます。」とも。たしかに、ブランデーの香りがしっかり。
 賞味期限が長いのも嬉しいです。(今回、8月15日に頂いたお土産が9月7日の賞味期限でした)


 洋菓子レーヌの包装紙は、紺色にカトレヤの模様。「長芋の里」には長芋のシールがあってあります。
 「レーヌ(reine)」というのはフランス語で「女王」なので、洋ランの女王「カトレヤ」のイラストの包装紙なのかな?

 帰省すると、松本の叔母が信州土産として持たせてくれるのです。一度自分でも買いに行きたいと思いながら、なかなか行けていません。
 お店は、JR篠ノ井線(JR東日本)の広岡駅から徒歩2分ぐらいのようです。
 いつか行ってみたいなぁ。
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『桜の下で待っている』

2015年09月05日 | BOOKS
『桜の下で待っている』
彩瀬まる(アヤセマル)
実業之日本社


 表紙には懐かしい、白に緑のラインの「新幹線やまびこ」が、裏表紙には「新幹線はやぶさ」が描かれています。
 5つの短編からなる、連作短編集です。
 物語はどれも、東北新幹線から始まります。

 「家族」「命」。
 きれいごとだけではない「つながり」に悩むそれぞれの登場人物が、東北新幹線が巡るそれぞれの「ふるさと」で、小さくも大切な発見をし、それぞれの「悩み」を乗り越える一歩を踏み出していきます。

 この夏も新幹線に数回乗ったのですが、この本を読んで、新幹線に乗り合わせる乗客もクルーも販売員も、いろいろな人生があるのだという、当たり前なことに気が付きました。

 「『家族』や『ふるさと』も、悪くないな」と思える、読後感の良い1冊です。

 そして、物語に出てくるあちこちへ行きたくなる「東北へのお誘い」本でもあります。
 仙台の瑞鳳殿や、宮沢賢治の童話村や記念館も、夏井の千本桜も。
 一番気になったのは、裏表紙にも描かれている、高さ25センチのソフトクリーム(なんと170円!花巻駅近くのマルカンデパートの食堂名物だそうです)。
 食べてみたいなぁ。
 
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