MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『うちの火星人 - 5人全員発達障がいの家族を守るための“取扱説明書”』

2014年07月30日 | BOOKS
『うちの火星人
5人全員発達障がいの家族を守るための“取扱説明書”』
平岡禎之/著
光文社


 父(著者)以外、母・長女・長男・次女・次男の5人全員が発達障害という一家の日常と、家族が互いに伝え合い理解し合いながら「生きづらさ」への対策をまとめた“取扱説明書”が紹介されています。

 普通の人以上に過敏な感覚のことや、想像もできないような悩みなど、発達障害ではない「地球人」である私たちも勉強になりますし、今「生きづらさ」を抱えている人やその家族にも非常に役に立つ内容です。

 それぞれの特長を生かして、笑顔で生きられるようにすること。
それは、地球人でも火星人でも、全ての人に共通の人生目標ではないでしょうか。

 発達障害のある成人のお子さんのいる方にお話を伺ったことがあるのですが、「成長とともに普通に生活できるレベルに落ち着いたなら『障害』ではない。『障害』のある人は成人してからも『生きづらさ』と『困り』を抱えている」ということでした。

 「空気の読めない人」「おかしな行動をする人」と周りから思われるような行動をしてしまう本人が、一番困っているということ。
同じ星で生きている一人として、少しでも多く知識を持って、理解できるようになれたらと思います。

<関連サイト>
 著者 平岡さんのブログ。
地球人なりきりスーツ
 
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『日本一の女』

2014年07月25日 | BOOKS
『日本一の女』
著/斉木香津
小学館


 「こんな生き方はしたくない」と思うような、一人の嫌われ者の人生。
 「それじゃ嫌われるのも当たり前」と、ついツッコミを入れたくなる出来事が次から次へと起こる物語なのに、読み続けるのが苦痛ではありません。

 なにが「日本一」って、「意地」でしょうか。
 不器量な女の子が、媚びることもせず甘えることもできないまま、それでも力強くまっすぐ前を向いて生きていく姿は、どこか痛々しくもあります。

 自分の存在価値を確かめたい、家族に愛されたい、認められたい。
 自分のせいではない男女の差、美醜の差、都市と田舎の差、貧富の差を、自分で乗り越えようとする才覚がありながら、頑固で、愛情表現どころか感情表現も下手で、ついつい憎まれ口ばかりたたいて人を傷つけ、嫌われる。
 読んでいて、我が事のようにせつなくなったり悲しくなったり、彼女の分まで腹を立てたり……。
 誰にでもある「あの時に素直に気持ちを伝えられていたら」という後悔を最後まで口に出さない・口に出せなかった主人公の不器用さと、隠し続けた寂しさが、たんたんと語られる人生の出来事を通じて確かに伝わってきて共感せずにはいられません。
 語り手と聞き手と一緒に、読者も彼女の「懺悔」の理解者になることで、みんなが救い救われる、そんなふうに感じるのは、物語の構成が素晴らしいからかもしれません。


 昭和という時代を生きた女性たちには、妻としても母としても働く女性としても、今の私たちには想像もできない苦労があったのだろうと、今は亡き田舎の祖母たちを思い出しました。
 もっと話を聞いておけばよかったと、今さらながら思います。
 夏休みに帰省したら、きちんとお墓参りにも行かなくちゃ。


 
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『伝説のエンドーくん』

2014年07月22日 | BOOKS
『伝説のエンドーくん』
著/まはら三桃 (マハラ ミト)
小学館


 先生が口にした一言が人生を大きく変えることって、確かにある。
 それが良いほうに働くか、悪いほうに働くかは別として……。
「先生」は、学校の教師だけでなくて、まさに「先に生きる」すべての大人でもあるし、ときには同世代や年下であるかもしれない。

 胸に突き刺さる言葉は、一歩前へ進めたり、立ち止まるきっかけになったり、ときには翼にも足かせにもなる。
 この物語は、そんな言葉が持つ力の物語なのだと思う。

 とある中学校の2年生を担当する担任教諭たち6人の葛藤と、それを乗り越えていく力を与えた「言葉」を描く6つの章、そして、謎解きの第7章。
 先生たちの物語でありながら、若者たちへの大きなメッセージにもなっている1冊である。


 それにしても、定年前の先生のことを「おじいちゃん先生」だと思っていたけれど、60歳前だったのだなぁ。
(実際、小学校のA先生は祖父の同級生だったのだから、「おじいちゃん先生」でも間違いはないのだけど
それだけ、自分が歳を重ねて、あの当時の彼らの年齢にだんだん近づいているということなのだけれど。
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『初恋は坂道の先へ』

2014年07月19日 | BOOKS
『初恋は坂道の先へ』
著者 藤石波矢
KADOKAWA メディアファクトリー


 もうすぐ始まる夏休みの読書にぴったり!!中学生&高校生におススメします。

 第1回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞受賞作品だそうです。

 さわやかな青空の表紙のイラストのイメージを裏切らない、さわやかな読後感。(裏表紙も素敵です
 心揺れる主人公たちにハラハラしつつ読み進めると、なんとも楽しい仕掛けにうなってしまいます。

 1度目は是非、素直に最初から最後までページをめくって。
 そして、2度目は章のタイトルをヒントに、もう一つの違う味わい方で。
 ホントに2度美味しい物語。

 過去と未来。大人と少年少女。
 ちゃんとちゃんと、つながっているのよね。





 余談ですが、「脱字なのかなぁ?」という箇所と「これは、名前間違えてる?」という箇所が1つずつ。
発売してすぐだったら出版社に連絡するんだけど、どうしようかなぁ。
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『忘れ物が届きます』

2014年07月15日 | BOOKS
『忘れ物が届きます』
大崎梢/著
光文社


 記憶の中にある、「あれって、どういうことだったんだろう?」「結局、犯人は誰だったんだろう?」「なんで、あの人はあんなことをしたんだろう?」。
 そんな忘れかけていた疑問が、慎ましく密やかに解きほぐされていく短編集です。

 物語は5つ。
 それぞれに趣きが違って、どれも魅力的。
 読み終えて切なくなるものあり、微笑んでしまうものあり、「あれ?ちょっと待って」とページを遡ったりしながら登場人物たちと一緒に謎解きを味わうことができます。
 5つの物語は、どれも人間の哀しみと優しさと強い「想い」があって、人間を嫌いになったり好きになったり……。

 私の大好きな 大庭賢哉さんの描いた表紙も素敵です。
よくよく見ると、細かいところまで本当にいろいろなものが描きこまれていて、この表紙イラストも一つの物語のよう。
 中を読む前に、表紙絵から楽しんでもいいですね。
 実はこの表紙、大庭さんの単行本『郵便配達と夜の国』(青土社)の世界観とつながっているように思えます。
 どちらが先でも素敵ですけれど、表紙絵が気に入った方は『郵便配達と夜の国』もどうぞ。

<関連記事>
『郵便配達と夜の国』 - MOONIE'S TEA ROOM
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『アルフィ と くらやみ』

2014年07月13日 | BOOKS
『アルフィとくらやみ』
サリー・マイルズ/文 エロール・ル・カイン/絵 ジルベルトの会/訳
評論社


 さびしがりやの「くらやみ」と友だちになれる絵本。
読み終えたら、大人の私まで、あらためて「くらやみ」と友だちになれた気がします。

 小さい頃、暗闇が本当にこわかった!
 今思うと、本当の暗闇なんて探すのが難しいほどなのに、見えもしないオバケや妖怪、幽霊などを「自分を傷つけるかもしれない」と恐がって、夜のトイレはもちろん、人けの少ない校舎も、祖父母の家の裏座敷も、味噌蔵もビクビクしながら、「こわくない・こわくない」と自分に言い聞かせて……。
 大人になった今でもホラーものは完全拒否だし、時々夜の廊下がこわくなってしまうのは、私が恐がりだからなのかなぁ?

 それにしても、絵本『白猫』『おどる12人のおひめさま』(ほるぷ出版)でも鮮やかだった エロール・ル・カインの描く絵の素敵なこと!
何も見えないはずの「くらやみ」が優しくてあたたかい、本当に愛すべきものに見えてくるから不思議です。

 暗いところを怖がる小さなお友だちに。
 寝る前に、電気を消す前に、一緒に横になって読んであげたい1冊です。
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『郵便配達と夜の国』

2014年07月10日 | BOOKS
『郵便配達と夜の国』
大庭 賢哉 著
青土社


 ハードカバーの本を手に取ると、中は優しいファンタジーを描いた漫画。
そして、主人公はみんな子どもたち。
 児童書のイラストなどで活躍されている 大庭 賢哉(オオバ ケンヤ)さんの1冊です。

 10の作品は、どれも子どもらしい命の輝き、ワクワクだとかドキドキだとかソワソワをあたたかい筆遣いで描いています。
大人からしてみると懐かしいような、まだ自分の中にも見つけられるような気がして、何度となくページをめくってしまいます。

 大場さんのイラストは、富安陽子さんの「シノダ!」シリーズ(偕成社)で好きになったのですけれど、書店や図書館でイラストを見つけると嬉しくなってしまいます。
 最近では、『忘れ物が届きます』(大崎梢・光文社)の表紙イラスト。
 この『郵便配達と夜の国』とつながっているような世界観のイラストで、一目で好きになりました。
 こちらも是非。
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極小バエ (キノコバエ) 対策 ~ベランダの植木鉢を片付ける~

2014年07月08日 | いろいろ
 ベランダで発生する小さな小さなハエ。サイズは2ミリほど。
 なんと腐葉土から発生するんだとか。と、いうわけで、ベランダの植木鉢&プランターを片付けることにしました。

 京都新聞にも、こんな記事が。
小型ハエ、大発生に困惑 京都市「衛生面に注意を」 - 京都新聞(2014年07月08日)
 拡大写真あり。虫の苦手な方は注意。

 種類は「クロバネキノコバエ科」の一種のようで、とにかく小さい!
 そして、朝から午前中にかけて大量に発生します。
 腐った植物やキノコなどの菌類を食べるそうなので、腐葉土は大好物なんでしょう。
(カブトムシ・クワガタ飼育用の土にも発生するそうです
 キノコを食べるから「キノコバエ」なんですね。

 とりあえず植物を植えていない鉢とプランターの土を屋外で古新聞の上に出してみたら、いるわ、いるわ。
植えていたものが枯れた後、放置していたのがいけませんでした。(ちなみに、昨年のアサガオとバジルの鉢です

 今年のバジルの鉢にも発生しているけれど、これは我慢。
 梅雨時が一番の発生時期だというので、もう少しの辛抱かな……。
 網戸には「網戸用防虫スプレー」をかけて、午前中網戸を開ける回数を減らすことにしました。

 このサイズですから、目の粗い網戸だったら入ってきちゃいますよね。(色もサイズも「黒ゴマ」みたいでしょう?

 普通の蚊やハエ用の殺虫スプレーも効きますし、水を霧吹きでかけても飛べなくなってしまいます。(一番上の写真も、水で飛べなくなったキノコバエです
刺すわけでもなく、毒もないのですが、蛍光灯のカバーの中に入ってしまったりするので、ちょっと迷惑ではあるのですよね。
 我が家同様にお困りの皆様、まずは使っていない植木鉢の土を片付けることをおススメします!!
(我が家では、植木鉢を片付けたベランダには、翌日から全く発生していませんでした!

<参考サイト>(拡大写真あり。虫の苦手な方は注意)
京都市:キノコバエ類の発生について
 京都市のページ。
 キノコバエの特徴・人への影響・対策について載っています。
クロバネキノコバエについて - 広島市ホームページ
 広島市のページです。
 特徴・生態・発生時期や対策などが載っています。
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『わたしのいえ』

2014年07月07日 | BOOKS
『わたしのいえ』
たかはしなおこ
ブロンズ新社


 小学生の娘が、とっても楽しそうに読んでます。
 明るくて楽しくて元気な絵本。
 ドキドキもわくわくもあって、ビックリもある、大満足の絵本です。

 とくに、私と娘が気に入ったのは狛犬さんたち。
 思わず「いいなぁ」とつぶやいてしまいます。

 就学前のお友だちでも読めますよ。
 
 
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『医学のたまご』

2014年07月05日 | BOOKS
『医学のたまご』
海堂 尊
理論社



 話題を呼ぶようなニューフェイスによる医学的大発見(?)。
 医学雑誌への投稿、掲載、記者会見、華々しい報道。そして、不正発覚。    
この小説、2008年の出版なんですが、最近のニュースを見ているよう。
 「日経メディカル」という医学専門の月刊誌に連載されていたものなんだそうです。

 主人公は中学生男子。
 ひょんなことから大学の医学部の研究室で研究することになった少年が、論文ねつ造疑惑に巻き込まれていきます。
大人の自分勝手な思惑や、厳しい上下関係、金(研究費)と名声を得るための競争や、倫理観の欠如……。
 たくさんのマイナスの側面を目の当たりにしながらも、「医学のたまご」である若者たちは希望を見つけていきます。
 けっしてドロドロとした話ではなくて、小気味よく、ちょっとハラハラしながらお話は進みます。
個性的で面白い仲間との協力や、ちょっと変わってる家族とのつながりも、この小説の魅力です。

 自分の未熟なところを認めて成長していくこと、大人になってもまだまだ難しい今日この頃。
 爽やかなラストに、「私も頑張らなくちゃなぁ」と思うのでした。 
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『お兄ちゃんは自閉症 ~双子の妹から見たお兄ちゃんの世界~』

2014年07月03日 | BOOKS
 双子の妹さんが、自閉症のお兄ちゃんを身近に見てきた、10歳のときの手記。
 アメリカにある自閉症の専門学校 ボストン東スクールの森先生の解説付きで、自閉症の子どもとその家族(とくに「きょうだい児」)の生活について知ることができます。

『お兄ちゃんは自閉症 ~双子の妹から見たお兄ちゃんの世界~』
牧 純麗(まき すみれ) /著, 森 由美子 /監修・訳
出版社:クリエイツかもがわ


 読んでみて、アメリカでの自閉症の子育てが、日本よりも制度として保障されているのだと感じました。
障害のある子が寮生として学校で暮らすことや施設で過ごすことで、家族や「きょうだい児」に、ホッとできる時間ができること。当たり前のようで、当たり前ではないのだと思います。
 障害を持った子どもを養子にした人(アメリカ人女性)のエピソードで、「だって制度がきちんとしているから、大丈夫だと思ったわ」という言葉があってビックリ。「障害児を育てること」を前向きに考えられる制度、日本にはどのぐらい整っているでしょうか?
 「私が死んだら、この子はどうなるの?」という親の嘆きや、きょうだい児が親代わりになって犠牲になることが、まだまだあるような気がします。そしてそれが生まれる前の子どもの差別にもつながっているような気がしてなりません。


 この本は、図書館では「378 障害児教育」か「936 英米の記録、手記、ルポルタージュ」の棚を探してみてください。
著者(純麗ちゃん)が英語で書いたものを翻訳して日本語にしているので、日本人の作者ですが「英米」の棚にあるようです。
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汗疱 と 水虫  真菌検査に行きましょう!

2014年07月01日 | いろいろ
 若いころから「汗疱(かんぽう)」持ちの私。
 「汗疱」というのは、「汗」の「庖」。汗をかく手のひらや足の裏、手足の指に小さな水疱ができて皮がむける皮膚の症状です。
皮がむけるときに、少しかゆみを伴うこともあります。

 でも、この症状って水虫の症状にとっても似てるんです。
 水虫と違って「汗疱」は人にうつるものではないのですが、「汗疱だと思っていたら水虫だった!!」なんてこともあるので注意が必要です。

 私も水虫になってしまったことが何度か。
最近は良い薬もあり、きちんとケアすれば治るので、疑わしい症状が出たら病院(皮膚科)へ行くことにしています。
 水虫を家族にうつすのは避けたいですから、ここ数年は汗疱の症状が出たら、年に一度は真菌検査(水虫の検査)をしてもらうことにしています。
(上の写真は、皮膚科でもらった検査結果。検査するとその場ですぐ結果が出ます。)
 汗疱の症状が出始めるのは、私の場合、サンダルを履き始める前の春から夏の初めごろ。この時期にチェックすれば、水虫も早期発見&治療できます。もちろん、症状に応じて再度通院することもあるわけですが……。

 皮膚科のお医者さん曰く「汗疱と水虫を併発している人も多いですよ」とのこと。
「いつも清潔にしているから大丈夫」と言わずに、念のため検査することで、素足もサンダルも安心して楽しめますよ。

 「汗疱」の治療はというと、私の場合は症状がひどくはないので今のところは薬も治療も無し。
それでも、重症化する方もおられるということなので、やっぱり皮膚科へ行くことをおススメします。

<追記>
 「水虫だと思ってずっと市販薬を塗っていたのに、違う皮膚疾患だった」という人もいるそうです。
自己判断はダメですね。

<追記その2>
 「汗疱(かんぽう)」って、「漢方」と読み方もイントネーションも同じです。
なので、私は皮膚科で「『かんぽう』ですね」と言われたときに、一瞬「漢方」と漢字変換してしまいました。
 医学用語で同音異義語って、ちょっと紛らわしいですね。
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