超マクロ撮影をできる限り、簡易にやりたくて、高倍率望遠機能を持つ、コンパクトデジタルカメラの前面に凸レンズを付けて、10倍を超える超マクロ撮影をやろうとしているが、当ブログでは、そのコンデジについて、どのような性能を求めるのかと、現在どのような機種が売られているかを具体的に明らかにしようとするものである。
1. 最低限必要な機能とそのレベル。
➀ 光学ズーム倍率
高倍率を求めるからには、最高倍率を求めたくなる気持ちは分かるが、今はいたずらに高倍率を探求すると、ピント合わせや実際の作業が高精度で動かさなければならず、極めて難しい作業になるので、きちんと段階を踏んで上げていくことが望ましいから、現時点では、20~30倍程度の倍率があれば、これにコンバージョンレンズを付ければ、計算上は80~120倍になり、十分と考える。
② フイルター取り付け可能構造
フイルターを取り付けるための、メネジを活用してコンバージョンレンズを取り付けるから、是が非でもそのメネジが無くてはならない物なのである。 単に、コンバージョンレンズを付けるだけであれば、レンズの外形を挟むようにして取り付けることは出来るが、レンズ先端と被写体の距離が25mmの所にピントがあうので、これをやると被写体にフラッシュの光が届かない恐れがあるからである。
一般的にコンデジは、フィルターを取り付ける構造にはなっていない機種が殆どであり、この件でこの実験に使えるカメラは大きく限定されるので、出回っているデジカメは山ほどあるが、この一点で使えるカメラは大きく絞り込まれるのである。 下表ではフイルターの径を表示しているが、ここに合うステップリングを調達しなければならないからである。単位はmm。
③ 手ブレ防止機構
高倍率になるから、手ブレ対策は絶対最優先でやらねばならないから、藁にもすがる気持ちで必要である。なお、通常三脚使用時は、逆に悪さをするので、この機能を停止しているが、この性能如何によっては、止めた方がブレが少ない事も有り得るので、この機構があっても万全とは言えず、あった方が“幾分まし“と言える程度でも、すがる気持ちがあって、期待が高まるのである。
④ ファインダーの有無
この機能もコンデジは無い機種が多いが、ピント合わせが、非常に重要であり、不自然な体勢での撮影とか、周りが明るすぎる場合とか、ファインダーでのピント合わせが必要な場面も多々あるので、私にはある方が便利と考える機構である。 通常がファインダーでやってるから、慣れの問題もあるが、超マクロ撮影に於いては、その時々に於いてどちらがベストかを、考えねばならない必要性が高まっている。
⑤ 可動液晶
通常は不自然な体勢で撮るときに使う事が多いが、マクロ撮影においては、この必要性が一層高くなり、積極的に使うべきと考えているところである。
⑥ カメラの重量(電池、メモリー込みの重量) 単位:グラム
現在、標準的に使っているカメラが約900gあり、これより出来る限り軽くなることが望ましい。超マクロ撮影の場合は三脚等持ち物が多くなるので、少しでも軽くしたいのである。
⑦ 価格 下表では、大手通販A社の価格を載せたが、通常使うB社は10~15%高い。
当然、安いに超したことはない。 単位:円(税込)
2. 該当機種のリストアップ
これらの仕様を念頭に、市販されている機種を取り上げてみた。 まだ、よく調べれば他にもあるやも知れないが、取り敢えず、この機種で検討してみる。 なお、価格がこれらよりも大幅に高い機種は高嶺の花として、ここでは対象外とした。
メーカー | 型式 | 有効 画素数 | 光学 ズーム 倍率 | フイル ター 径 | 手ブレ 防止 | ファイン ダー | 可動 液晶 | 電池込 重量 | 価格例 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Nikon Coolpix | P900 | 1605 | 83 | 67 | ○ | EVF | バリ アングル | 899 | 53,980 |
B700 | 2029 | 60 | 52? | ○ | EVF | バリ アングル | 570 | 37,180 | |
B500 | 1602 | 40 | × | ? | チルト | 542 | 22,980 | ||
P520 | 1808 | 42 | ○ | EVF | × | 550 | 31,500 | ||
Pana sonic Lumix | Dmc FZ18 | 810 | 18 | × | 電子式 | × | 360+α | 15,980 | |
Dmc FZ300 | 1210 | 24 | ? | 有機 EL | フリー アングル | 691 | 51,423 | ||
Dc FZ85 | 1810 | 60 | 55? | ○ | カラー 液晶 | 620 | 36,736 | ||
Canon PowerShot | SX60 Hs | 1610 | 65 | マルチ シーンIS | 液晶 ビュー | バリ アングル | 650 | 42,880 | |
SX 430IS | 2000 | 45 | 55? | ○ | × | × | 323 | 28,180 | |
Sony | DSC HX400V | 2040 | 50 | 55 | 光学式 | 電子式 | ? | 660 | 49,086 |
Fuji film | FinePix FX-S1 | 1640 | 50 | 72? | 光学式 | EVF | × | 640 | 49,800 |
3. 検討結果
➀ 合格機
価格を別にして、この表を見る限り、無条件合格するのは、NikonのP900とB700それにCanonのSX60Hsの三機種のみとは驚いた。 選ぶのに困るほどとは予想しなかったが、これほど候補が少ないのは、何故だろう。 私の望みが一般的でないということなのであろうか。 やはり、ここでも特殊なことをやろうとしているようである。
② 合格した三機の比較
先ず、NikonのP900がこの中では最も高性能であり、一番高価ではあるから、金銭を別にすれば一位になりそうであるが、一つはズーム倍率が高過ぎはしないかと言うことである。 最終的にはそこまで行くことになる可能性はゼロではないが、一連の作業が極端に難しくなり、失敗に終わる危険性があるように思える。 さらには、カメラの重量も大きさも現状機と変わらなく大きく重いので、もうひとつの使い道、つまり予備機にはなり得ないのである。
③ 決戦
決戦はNikonの B700と Canonの SX60の戦いになるが、この勝負は簡単に決着が着く。 なぜなら、B700の方が、画素数が多くて、価格が安いのであるから、この表上では、勝負にならないほどであり、軍配はNikonに上がるのである。 但し、B700とて、重量は下がったものの、外形寸法は現用機と大差なく、とても“コンパクトデジカメ”とは言えず、予備機としての価値は大きくないという欠点がまだあるのだ!。
4. 結論
時間ばかりが過ぎてゆくが、どのカメラにするかの結論は以上の結果から、まだまだ検討の余地ありとして、先送りとした。
<< つづく >>
私も使っているあの安物を想像していましたがとんでもない高価な機種に成長しています。昔から存在していましたか。
今まで所有されていた木燃人さんのニコンのカメラとそんなに違いがない程大きいですね。コンパクトとは思えないです。
もちろんレンズ交換は出来ないのですよね。
それをマクロの世界に入るためだけに購入を考えられているのですか。確かに前のシステムは機動性はありませんが。
しかもこんなに高価なカメラを本来は使わない方法で無理やりに(?)前面にフィルター(凸レンズ?)を差し込もうとされていると理解しました。
前に作り上げたあのシステムからどんどん興味が進み居ても立ってもいられない風に私には見えます。成功する確率は100%自信があるようですが見ていてハラハラです。
フィルターの取り付けがメーカー純正(又は同等)なら安心ですがそうじゃないんでしょ? よく考えて進めてください。カメラも新品でなく中古じゃだめなのですか?
貧乏性で申し訳ないコメントをお許しください。
今やコンデジが、普通のカメラに取って代わるような勢いで、元々軽くてコンパクトがメリットであったものに、高性能が加わり、超マクロをやらなくても、欲しくなってきたことは確かですが、結構高いですが、買うと現用機をほったらかしにしてしまいそうな状況です。
例として上げた、NikonのP900は光学2000mm、83倍ズームで、最短撮影距離が10mmまで近寄れますから、これ一台持てば、交換レンズなんて多くは要らなくなるのです。バカチョンカメラもそれなりに存在価値はあるでしょうが、もう既に完全に別の範疇に入ってきました。
コンデジは焦点距離が圧倒的に短いので、ピントの合った写真ばかりになり、ピンボケ写真と指摘されることも格段に減るでしょうねー!。 芸術的写真を撮るようなセンスはもともとありませんからね!。 また、老体にはカメラの重量が負担に感じることなどを考え合わせると、予備機というよりも、本機となるやも知れません。 考えれば考えるほどに、欲しくなってきます。
コンデジでの超マクロは理論的には出来ると言うだけで、今まで以上に難しく、後は運を天に任せるしかないから、新物喰いの儚い夢に終わるかも知れません。 しかし、難しいほど何とかやり遂げたい気持ちが高ぶるのです。
今度の場合は、部品がお釈迦になるなどの物的損失はありませんし、最も金の掛かるコンデジは次のカメラ本機の地位を得るかもしれないとなると、マクロは失敗におわっても、まだ希望がありますから、不安がないところがありがたいです。