しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

醤油

2023年06月16日 | 食べもの

自分の家でも、近所の子の家でも、
醤油は家で作っていた。

昭和33年頃だろうか?
作るのを止めて、店から一升瓶で購入するようになった。


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(母の話)2002年5月26日

小麦を植え、大豆を植え
麹を作り
彼岸を境に麹をつくる。時候が寒うてもできん。
長屋へいれて。熱うても、寒うても腐ってしまう。

その頃(彼岸)になると何処の家からも炊く匂いがしょうた。豆のかざがする。
空臼で搗きょうた。

 

実家のトノばあさんは村中で評判のええ麹をつくりょうた。
おばあちゃんは(実家へ行ったとき)習うて、真似をしたらエエ麹ができるようになった。
どこの家にも甕にいっぱい「ひしお」を作っておいとった。
途中から鴨方で麹を作ってくれるとこができだした。

醤油を搾る
麹を1年寝かして、塩と水をいれて、混ぜくるんじゃが。せいから搾る。
辛ぃ醤油ができるんじゃ。

二番醤油
せいからまだ、おばあさんはもったいない言ぅて塩を(更に)混ぜて二番醤油ゆうのをつくりょうた。
一回使ぅた麹を、それをもう一回使う。塩と水を足して。

(父の話)2002年5月26日

麹は作る人によって上手なウチがあった。

一番醤油は味がええ。
二番醤油は辛いばあじゃった。味がねぃ。

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「成羽町史民俗編」  成羽町 平成3年発行

調味料

醤油
古くは自家製であった。
昔は味噌の製造過程において,底に溜まった醤からしぼったものをいったが、
現在は店から買うようになった。

 

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「金光町史民俗編」 金光町 平成10年発行

醤油
昔は家で作ったと言われるが、
明治生まれの人でも作った経験はなく、
醤油屋から購入した。
一升徳利をぶら下げて買いにいっていた。

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「鴨方町史民俗編」 鴨方町 昭和60年発行

醤油
自家製醤油を手醤油といった。
原料は、大豆と小麦・塩である。
麹のもとは買ってきて麹作りをし、四斗樽に仕込む。
醤油袋に諸味を入れ、フネに石の重しで絞った。
絞った醤油は釜に入れて炊く。
一番醤油である。
絞りかすの諸味は、樽にかえして水を入れ、塩を加える。
しばらくの間発酵させ、フネで絞る。
二番醤油である。
比較的早くから、醤油屋といって醸造屋ができたので、たいていは醤油屋で買った。

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「岡山の食風俗」 鶴藤鹿忠 岡山文庫   昭和52年発行

醤油

原料は小麦、大豆、塩である。
醤油一斗作るのに小麦一升、大豆一升、水五升、塩五升である。
樽に仕込みかきまぜる。よく溶けたころ、醤油搾り袋に入れてフネで搾り、
それを釜で炊いて食用の醤油とする。

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「矢掛町史民俗編」  矢掛町 ぎょうせい 昭和55年発行
味噌、醤油は自家製で、漬物は季節の物を作った。

 

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「吉永町史」 吉永町史刊行委員会編 吉永町  昭和59年発行
食事・記述は、昭和35年ごろまでの食事である。

醤油

原料は大豆と小麦、塩であるが、一度に作る量は、大豆1斗に小麦1斗である。
仕込みをして、しばらくすると、桶に籠をいれ、もろみをすくっておかずにした。
また籠にたまった醤油は調味料として使った。

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