股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

軟骨の話 2

2008-12-19 00:43:29 | 股関節の基礎
『軟骨がすり減らないように脚をかばって下さい!』

これ、間違いです。

脚に体重をかける=軟骨がすり減る・・ではない!
こんな単純な原因と結果ではないので~す。

脚に体重をかける=軟骨がすり減る・・この言葉によって多くの患者さんは脚を床に着けるのが怖くなっていますね。


なぜ、マラソン選手は何万歩も強く体重をかけているのに軟骨が減らないのですか?

子供の頃両側の股関節脱臼だった有森裕子さんは、あんなに体重をかけているのになぜ軟骨が減らないのですか?

臼蓋形成不全の方が、子供の頃にはげしい運動をしても、なぜ軟骨は減らなかったのですか?

私はなぜこんなにハンサムなんですか?


おかしいでしょ?


脚をかばうことは本当は正しいことではないはずです。
だって、筋肉も骨も弱くなるんだから。


筋肉が正常にちかい股関節では、軟骨は少なくなりません。
たとえ、臼蓋形成不全症でも、筋力が弱くても、よほど筋力が低下しない限り筋肉の質が正常であれば軟骨は減りません。

しかし、筋肉が病気になると、軟骨に“ある現象”が起きてしまいます。

そのある現象を、軟骨軟化症といいます。
股関節の軟骨に、軟骨軟化症が起こり、軟骨に栄養がいかなくなるから軟骨は減るのです!


ここで、詳しい図を紹介しようと思ったのですが、ネット上でいくら探しても、かつてあったサイトが見つからないので、自分で絵を描いてみました。

昔は上手にかけたのに・・・がまんしてチョ。


●筋肉が正常な状態●

股関節の模式図です。
上下に骨があって、真ん中のもちのようなものが軟骨のつもりです。
両サイドに2本だけ筋肉を書いてみました。




●筋肉が病気になると●

筋肉が病気になると、筋肉は縮みます。
下の図では、両サイドの2本の筋肉が縮みます。(→ 印)
すると、下の骨は上の骨に引き付けられます。
その結果、軟骨は押しつぶされてしまいます。
この状態は、筋肉の病気を治さない限り、寝ている時も起きている時も、つまり24時間こんな状態が続いてしまいます。

皆さん、軟骨を良く見ながら、前回のスポンジの話を思い出して下さい。
下の絵の軟骨の状態は、スポンジが押しつぶされている状態です。
つまり、軟骨に栄養と酸素を含んだ関節液が入っていかない状態です。

この状態が長く続くと軟骨はどうなりますか?
軟骨細胞は、栄養と酸素が無いと生きていけないのです。

このような状態を続けていると、軟骨は柔らかくなりお亡くなりになっていくのです。
かわいそう。
軟骨が柔らかくなる状態を、軟骨軟化症と言います。

この絵では、2本しか筋肉を書いていませんが、股関節では20本以上の筋肉が関節の隙間を縮める可能性があります。
筋肉が病気になる→軟骨がつぶされた状態となる→栄養と酸素がいきわたらない→軟骨軟化症→次第に軟骨が少なくなっていく・・・なんです。



この絵からは、次のことも説明できます。
レントゲンで、股関節の骨と骨の間の隙間=軟骨の量ではないということです。
もう一度下の絵を見て下さい。

軟骨は押しつぶされて横に広がっていますね。

ここで、筋肉をほぐして筋肉を緩めてあげると、上の絵の状態に戻ります。
すると、関節は広がりますね。
早いうちに軟骨を助けてあげるとこうなるかもしれません。

軟骨を助けないで、『また半年後にに来て下さい。』では遅すぎるんです!

筋肉をほぐした後に、レントゲンを撮ると、関節の隙間が広がる人がいます。
この方の場合、軟骨が少なくて隙間が狭くなっていたのではなく、軟骨が圧迫されて隙間が狭くなっていたのです。
ですから、隙間=軟骨の量とは言えないのです。

皆さん、軟骨軟化症にならないことが重要なんです。


銀サロでは、筋肉を緩めて軟骨軟化症を防いでいます。
そして、スポンジに栄養と酸素がいきわたるようにしてから、患側荷重法を指導してスポンジの圧迫→弛緩→圧迫・・・を行っているのです。
関節に良いサプリメントも関節液に溶け込んでいるでしょうから、軟骨に吸収しやすい状態なら効果がありそうだということもわかっていただけると思います。

軟骨が圧迫されっぱなしでは、サプリメントも軟骨には入って行きませんもんね。


大切なことは、脚をかばうことではなく、筋肉をほぐして軟骨軟化症を改善させることだったのです。

・・・何となくわかっていただければ結構です。



ところで、ネットで『軟骨軟化症』と検索してみると、『膝蓋軟骨軟化症』という、膝のお皿の裏の軟骨に起こる軟骨軟化症ばっかりが出てきます。
これは、大腿四頭筋の短縮によって起きる軟骨軟化症ですが、やはりそのように説明されている文献は見つかりませんね。

人間のほとんどの関節には軟骨があり、どの関節でも軟骨軟化症は起きるはずなのに、膝にだけ起きると考えられているんですね。

おかしな話ですね。

膝の軟骨が減るのも、股関節の軟骨が減るのも、背骨の軟骨が減るのも、すべて、この軟骨軟化症なんです。


以上の事をわかりやすく解説した図を見つけようとしたのですが・・・見つからなかったので、私の絵で我慢してください。
そのサイトが見つかり次第、再報告します。



大阪のホテルでさ、夜中にひとりで絵を描いてさ、さみしいものがあるさ~。

次回は人工関節の人工軟骨について書くさ~。



変形性股関節症を怖がらないでね







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