先週、とつじょ都知事の石原はJR東日本社長を呼びつけ『なんで大震災発生の夜、駅に居た帰宅避難者を閉め出したのだ。』と一喝している。
それもちゃんと音声をマスコミに拾わせている。マスコミのカメラの前でJR社長は平身低頭するばかりであった。
これが石原の狡猾と知るのは23日の今日であった。3月11日の大震災の東京は通勤電車がほぼ全面的にストップしてしまった。夕方から、帰宅する勤労者は都内の各駅であふれかえり、運転再開の見通しがたたないJR各駅ではシャッターが下ろされてしまった。
大混乱で携帯電話も全く通じなくなってしまった人々は不安になり、やがて徒歩帰宅の大集団が出来上がった。ざっと10万人が寒い3月初旬の夜を飲食・トイレ不十分の中を歩かされたのである。
長男もその一人であり、帰宅時間は深夜3時過ぎとなり、その嫁は娘を保育所に迎えに行くのに普段は30~40分のところを、道路渋滞で5時間半掛けて迎えに行ったのである。
震災後、100日も経ってから、なに故に都知事がJR社長を叱ったのか不思議であった。というよりは何で今頃になって、もっともらしく、石原がわざわざマスコミのカメラの前でパフォーマンスを演ずるのかハラが立った。
今日(23日)、石原は東京オリンピック招致のために体協の選手たちから陳情を受けて『震災復興に向けてオリンピック開催という、明るい材料を提供する』旨の記者会見をした。
そもそもこの陳情も”やらせ”臭いのであるが、「震災復興のため」というキーワードを使うに当たって石原は帰宅難民を放置していたという失態に気付いたのである。
従って慌ててJR社長を呼びつけたのであろうことは容易に想像がつく。イワン・アサノヴィッチは最近、わが街のジャーナリスト(メルマガ:田中良太の目覚まし時計)から”マスコミの裏技”なるものを学んでいる。
当然のことながら狡猾な都知事の石原も、同様に学んでおらばこそ今日のオリンピック招致記者会見の露払いに、先週のJR社長抗議会見だったのである。
JR社長とマスコミは狡猾な石原に旨い具合に利用されただけのことだったのある。尤も、マスコミ各社は石原のパフォーマンスを見抜いていたと思われるから同罪の共犯者になるのだろう。
余談になるが、大震災以降というもの旧態依然のマスコミの堕落が識者から指摘されるようになってきた。
『イワン・アサノヴィッチ、素人がマスコミの裏技を妄(みだ)りに推慮してはいけない。生兵法はケガの元だよ。』と、わが街のジャーナリスト(メルマガ:田中良太の目覚まし時計)に怒られるかも知れないので、この辺にしておく。(笑)