ジャガイモの芽掻きをしました。
ジャガイモは普通は、一個の種イモから5~6本の苗芽が出ます。苗芽が15~20cmぐらいの高さになりましたら、「芽掻き」をした方が良いのです。
大体2本仕立てと言って3~4本の苗芽は引っこ抜いてしまいます。気を付けないと地中で本体の種芋も一緒に動かしてしまったり抜いてしまうことがあります。
左手を拡げて地面に当て、指の間に引き抜く苗芽を挟み、右手で一瞬にして抜くのです。ゆっくり抜くのはダメで本体も一緒に抜けてしまいます。
そうは言っても地中では種芋と残さなくてはならない苗芽に少なからずの衝撃を与えていることは事実です。
ネギやサツマイモ、ナスやトマトなども少し育ってから、苗を所定の株間に移植して本仕立てに育てて行きます。
定植と当たり前に言いますが、定植後は必ずと言ってもいいほど、勢いがなくなり萎えて生育が乱れます。その後は活着しますが、ときには定植に失敗してそのまま枯れたりしてしまいます。
ジャガイモの芽掻きは必ずしも定植と同一ではありませんが、生育的には既に立派に育っている苗芽を敢えて引き抜く訳ですから定植と同様の影響が在るはずです。
しかし、不思議なことに芽掻きが終わっても、残っている二本の苗芽はしゃんとして立っていて萎えたりはしません。
イワン・アサノヴィッチも畑作業の年数だけは20年になり、幾多の定植・芽掻きをしてきましたが、ジャガイモだけは他の作物とは違うようです。
『いやあ、それはイワン・アサノヴィッチの芽掻きの手際が良いからですよ。』とお褒めの言葉を頂けるのは嬉しいのですが、褒められて浮かれている場合ではないようです。(えっ?誰も褒めたりなんかしていない…。)
ジャガイモには他の野菜作物と違った独特の生命力が在るのだろうと思われます。
芽掻きのあと、後ろを振り返り、萎えることなくしゃんとしているジャガイモの立ち姿を見るとミステリアスな気分になります。