日本語の乱れと言われる、何年か前まで非常に気になっていた言葉に「何気に」というのがある、「何気なく」の変形だろうが同じ意味で使われている様だった、元々「楽しげに、悲しげに」と言った言葉が有り、無意識に見たと言う様な時に使われていた筈だ、「ナニゲニ」では意味が通じない、(漢字で書くよりカタカナ語だ)第一最初に有った”無く”が取れれば意味は反対になる位理解してくれ、タレントからニュースキャスターまで使われる時期があったが最近は聞かなくなってほっとしている、かわりに気になる言葉が台頭してきた、「悩ましい」という表現である、此れは「煩悩を刺激される・色っぽい風情」と言った言葉の筈である、念のため辞典を引いたがそれ以外の意味は無い、この言語をどうやら「悩む」と言う用法で使っている様だ、最初は取引先の営業マンが使っていた、「諸条件を鑑みるとA案が良いか、B案が良いか悩ましい」と表現されて実に違和感を覚えた事がある、「実に悩ましい」と言えば妙齢の女性が姿態をさらけている様子を思い浮かべるのは私だけか、第一「悩殺する」と言う言葉(此れも死語か)は此れから来ているのだが、しかし最近になってニュースキャスターが同じ用法で使っているのを聞いて愕然とした、もしかして自分が間違っているのかと再度国語辞典を見てみたがネットで複数の辞書を見ても「悩む、悩んでいる」と言った用法は載っていない、確かに言葉は時代と共に変化するのだろうが、その場に立ち会うとかなり複雑な気分だ、連綿と続いてきた言葉の世界がこの様に変化するのは実に居心地の悪いものだな、今江戸しぐさと言う事が言われているが、言葉の世界ももう少し文化伝承を大事に出来ないのだろうか。もう一つ気になるのは子供の言葉で(と思っていたがCMで若い女性も使って居た)「無理!」と言う表現だ、孫にお土産で和菓子を買って来て、「美味しいぞ、試しに少しで良いから食べてみるか?」と言うと「無理!」と返って来た、公園に連れていけと言われたのである公園に連れて行った時も「ここで良いか?」と聞いたら「無理!」」と返って来た、大体「無理」と言う言葉の意味が解っているのかと言う思いだ、子供だから仕方ないかも知れないが親や教師は少し日本語の用法を教えて欲しい、「子供だから」ではなく、徐々に大人になって行くのだから何歳になったら教えるでは子供のギャップは大きくストレスになる、15歳くらいになると自分は大人の仲間だと言う意識も出て来る、仲間内で使う言葉と大人との会話で使う言葉はそろそろ区別しないとならない事はその前から教えるのが大人達の責任だ、子供の世界の言葉を否定するだけではなく「それは一般社会では通じない言葉だから大人と話す時は大人の言葉を使わないといけない」という事を段階的に教えていかないとならないだろう