わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動轤上達法(作品の振れ12)

2011-02-23 21:26:19 | 轆轤の上達方法
轆轤で作品が「振れ」た時の、対処する方法について、お話します。

 ⑫ 振れが発生した時の、対応(対策)の問題

  轆轤作業中に、完全に「振れ」を、起こさずに、作業する事は、熟練者であっても、難しい事です。

  但し、「振れ」が発生しても、その振れを解消できれば、恐れる事はありません。

 ) 「ゆれ」(振れ)が、起きたら、なるべく早く、「振れ」を止めます。

    この事は、当然の事なのですが、初心者では、現に「振れ」ている事を、認識出来ずに、作業を続 

    ける人が、たびたび見受けられます。即ち、手元のみに、関心が向き、全体の形や、動きを把握

    出来ない為です。 「ゆれ」が大きくなって、初めて気が付く事が、多い様です。

    大きな「ゆれ」を直す事は、小さな「ゆれ」を直す事より、難しくなります。

 ) 「ゆれ」は、背が高くなるに従い、又径が大きくなるに従い。「振れ」が大きくなります。

    「ゆれ」の原因は、背の低い時に芽生え、高くなるに従い、大きく成ると、考えられます。

 ) 「ゆれ」を止めるには、径を細める様に、両手で抱え込み、下から上に手を挙げていきます。

    その際、両手の肘は、しっかり「太もも」に、固定し、手が「ぶれ」ない様にします。

    轆轤で土を挽き上げると、土の表面の泥も、剥ぎ取る様になります。その為、水切れに成ります。

    次の作業の為に、 表面に水を付ける、必要があります。

    両手に水を付け、表面を濡らすと同時に、「ゆれ」を直す作業も行います。

    手の位置が、いかに固定できるかが、「ゆれ」の発生を防ぎ、「振れ」を取る為の、大事な要素

    です。 一度挽き上げたら、必ずこの作業を行います。

    (振れが発生していなくとも、行いたいです。)

 ) 表面に水を付ける際には、力は必要としません。「ゆれ」を直すにも、強い力は要りません。

    力を入れて、強く径を細くすると、拠れが発生したり、口縁部が、内側に折れ曲がる事があります。

 ) 「ゆれ」は、轆轤の中心からの距離が、部分的に、違っている事です。

    それ故、中心から遠い部分を、内側に押し込むか、中心から近い部分を、外側に押し出す、必要が

    有ります。どちらが容易かと言えば、後者の方法です。轆轤には、常に遠心力が働く為、外に、

    押し出す事は、容易になります。

 ) 回転の時にも、話した様に、回転がゆっくり過ぎても、振れを止める事は、出来ません。

    遅いと、「ゆれ」の動きに、手が追従してしまう為で、ある程度の、回転スピードが必要です。

 ) 「ゆれ」は、口周辺だけに見えても、実は、かなり下の方から、「ゆれ」ている事が、多いです。

    それ故、「ゆれ」が出始めている所から、直す必要があります。

    初心者は、何処から、「ゆれ」ているかは、作品から離れて、観察する必要があります。

    指導者がいる場合には、指導者に指摘してもらえれば、気が付く事が出来ます。

以上の様に、振れ(ゆれ)は、色々な場面で、発生します。

一度「ゆれ」が発生すると、初心者は、直すのが難しくなります。例えその場では、直った様に見える場合

でも、乾燥したり、焼成すると、作品が歪む場合があります。

その歪みの原因が、全て「振れ」が原因とは、限りませんが、大いに関係している可能性もあります。

以下次回に続きます。
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