わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動轆轤上達法(作品の振れ7)

2011-02-18 21:14:44 | 轆轤の上達方法
引き続き、轆轤作業で起きる、作品の振れについて、お話します。

 ⑧ 肉厚のバラツキの問題

   肉厚に差が出来ると、確実に、土に振れが発生します。

   肉厚の差は、上下方向に出る場合と、円周上の一部に、発生する場合があります。

   特に、問題になるのは、円周上の一部に、発生する肉厚の差が、振れに大きく関係します。

  ) 上下方向に出る肉厚の差

     土の下部、即ち裾野と、土の上部、即ち口縁の肉厚は、当然差が出ます。

   a) 上部の土を、支える為には、裾野は肉厚でなければ、ならない事は、明らかな事です。

   b) 理想的には、裾野の肉が厚く、上部に行くに従い、肉厚が段々薄くなる事で、口縁部がやや、

     肉厚になる様に、する事です。

     口縁部が、薄過ぎると、割れが発生したり、口作りが、上手く行かない場合が、ありますので、

     ある程度の、肉の厚味が必要です。

   c) 初心者は、裾野が極端に厚く、口縁部が、極端に薄くなり勝ちです。

     裾野と口縁部の肉厚の差が、少ない程、轆轤技術が上達している、証拠にもなります。

   d) 土の硬さによっても、この差が、大きくなる事があります。

     即ち、軟らかい土では、裾野の肉厚が、どうしても、厚くなります。

   e) 挽き上げた、土の高さによっても、当然裾野の土は、厚くなければなりません。

   f) 高さの途中で、急に肉厚が変化すると、振れが発生し易いです。

    ・ 特に、一部で肉厚が、薄くなると、そこより上の土を、支えきれず、そこから、撚れが

      発生します。轆轤では、土を薄くする事は、得意ですが、薄くなった土を、厚くする事は、

      かなり難しい作業です。

      (尚、ある程度の、肉厚のある薄い土なら、肉を厚くする事は、容易ですが・・)

      それ故、一度撚れが発生すると、後々悪い影響が出ますので、思い切って、没にした方が

      良いでしょう。又は、撚れた部分の、やや下から、切り取る事を、薦めます。

    ・ 勿論、撚れを補修する方法は、あります。

      一般的には、轆轤の回転方向を、逆にする方法です(右回転を左回転にする)。

      但し、左右の手の使い方が、逆になります。

      又、回転方向は変えずに、手を上から下に移動させる方法です。

      更に、ドライヤー等で、撚れの発生した部分周辺を、乾燥させ、土の強度を持たせてから、

      上から下に手を移動させると、より効果的です。

    ・ いずれにしても、補修には、手間隙が掛り、没にして、最初からやり直す方が、早く綺麗に

      仕上げる事が出来ます。

    ・ 逆に、高さの途中で、肉が急に厚くなった場合は、その付近で、内外からの力が、弱くなって

      いる為です。原因は、その近辺で、空気や異物がある場合や、やや硬い土の塊が混入している

      場合です(練り不足)。空気や異物は度り除きます。硬い土の場合には、大きさと硬さに

      よって、対応が異なります。塊が大きい場合には、没の方が良いでしょう。

      少々の塊や硬さならば、やや強引に轆轤挽きで、解決する場合も、有ります。

    ・ 作品の振れに関しては、高さの途中で、肉が厚いからと言って、大きく関係する事は、ありま

      せんが、口縁が極端に、肉が厚くなると、「頭デッカチ」状態になり、振れが発生します。

 ) 円周上の一部に、肉厚の差が、発生する場合

以下次回に続きます。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする