わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動轆轤上達法(回転速度2)

2011-02-11 21:47:37 | 轆轤の上達方法
前回に続き、轆轤の回転速度について、お話します。

2) 回転速度が、遅過ぎる。

  電動轆轤が、中々上達しない原因の一つに、轆轤の回転速度が、遅過ぎる事が、上げられます。

  前回も述べました様に、遅過ぎる回転は、遠心力が弱くなり、遠心力を利用して、作品を作る

  目的に、相反する行為とも、言えます。

 ① 回転が遅い理由

   初心者は、どうしても、回転が、遅く成り勝ちです。それは、速度に対する、恐怖心に由来

   していると、思われます。

   早く回ると、土の肉厚に差が出易く(轆轤目など)、その結果、作品が振れるのでないかと、

   又、一寸したミス(変化)で、それが、大きく増幅されるのでないか、更には、慎重に轆轤作業を

   すれば、振れも起こらないと、勘違いしている様です。

 ② 回転が速い方が、振れは少ない。

   独楽(こま)の原理と、同様に、ある程度の速さで、回転している物は、振れは起こり難いです。

   独楽も、止まりそうな、ゆっくりと、回転するに従い、自然と振ら付きが、発生します。

   (余談ですが、昔ベーゴマで、遊んでいた時には、この振ら付いた状態を、「笑う」と言った

    ものです。笑って来ると、独楽の勢いがなくなる事で、止まるのも間近になります。)

 ③ 回転が速い事は、手の動きが、その回転の狂いに、追従できなく成る事です。

   (追従している限り、狂いは直せません。追従できない事こそ、狂いを直す事が、可能になります。)

   手の位置を、「しっかり」固定する事は、轆轤上達の、もう一つの重要な要素です。

   轆轤が上達しない人は、手の位置を、固定できない方も、多いです。

   (この件に付いては、後日お話します。)

  ・ 手の位置が「しっかり」固定できなくても、回転が速いと、轆轤上の土の、小さな振れに、

    手の動きが、追従できず、結果的に、その小さな振れを、止める事が出来ます。

  ・ 但し、大きく振れている土は、回転を早くすると、一部に遠心力が強く働き、余計に振れが大きく、

    成ります。その為、最初は回転を押さえ、ある程度振れが、収まったら、回転を上げる事です。

 ④ 回転を早くすると、土を薄く伸ばし易い。

  ) 何度も述べる様に、遠心力は、土の外側の手(時計回転方向では、左手)によって、土を上に

    伸ばす方向に、変換されます。

  ) この力を利用すれば、強い力でなくても、土を上に伸ばす事が、出来ます。

    即ち、回転が速ければ、速い程、上への力が出てきます。

    但し、遠心力に負けない様に、「しっかり」外側の手を、固定する必要があります。

   ・ 外側の手が、「しっかり」固定されていると、土の外径は、細くなります。

     径が大きくなるのは、遠心力に負けている為です。

以下次回に続きます。

 回転速度
   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする