わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動轤上達法(作品の振れ9)

2011-02-20 21:35:04 | 轆轤の上達方法
引き続き、轆轤作業で起きる、作品の「振れ」について、お話します。

 ⑧ 肉厚のバラツキの問題、

 ) 円周上の一部に、肉厚の差が、発生する場合

    前回、高さに差が出る原因は、土を挽き上げる際、最初から、壁の肉厚に差が有る為と、お話し

    しましたが、その他の原因に、空気や異物の混入、更に土の硬さの「むら」が挙げられます。

    この様な場所では、土が十分に薄くならず、高さが低くなります。

    更に、土に拠れが、出た場合にも、高さに差が出ます。

    この場合の対策は、前に述べましたので、省略します。

 ⑨ 土を挽き上げる際の問題

  ) 土を挽き上げる際、注意して頂きたいのは、常に肉厚を感じながら、両手を上に移動する事です。

    即ち、土を挟んで、向かい合わせた、両手の指の間隔を、常に意識して、作業する事です。

    慣れないと、この感覚が判り難いですが、意識する事により、感覚が磨かれます。

  a) 当然、基準になる外側の手(右回転の場合)の肘は、太ももに、固定します。土が高くなっても、

    肘は浮かせない事です。肘を支点として、円弧運動させれば、肘は浮きません。

    内側の手の肘は、固定しませんが、両手が繋がる高さならば、必ず両手を繋げます。

  b)  手の位置を、しっかり固定出来なければ、高さが増すほど、「振れ」が発生し易いです。

  ) 両手の間隔が狂えば、肉厚に差が出てきます。それ故、固定されていない、内側の手が、「ぶれ」

    ない様に、注意します。

  ) 挽き上げる際の、力の入れ方も、重要になります。

  a)  一本調子で、挽き上げるのではなく、裾野の様に、肉が厚い所では、両方から強く締め付け、

     段々薄くなる、上部に行くに従い、力を抜いていきます。

  b)  そして、土の最上部まで、手を持って行く事です。途中で、手を離してしまうと、必ず「振れ」

     が発生します。最上部では、一呼吸入れてから、手を離します。

  c)  手を離す方法は、真上に手を抜く方法と、外(外形方向)に逃げる方法があります。

    急に真上に抜くと、縁の一部の肉厚が、薄く成りがちです。外に逃げる方法も、会得すると上手く

    行く事が、多いです。(特に初心者向きです。)

  d)  手の上昇スピードも、状況に応じて、加減します。

    轆轤目をつけたい時には、回転をやや早めにして、上昇スピードを上げます。

    但し、口縁近辺では、スピードを遅くします。

    勿論、綺麗に回転している時に、轆轤目の作業をする必要があります。

  e)  手の上昇スピードは、一定の速度で行います。ある場所だけに、時間をとられると

    (遅くなると)その部分のみが、肉が薄くなります。

 ) 土の高さに差が有ると、土の径を細くした場合に、その差が増幅されます。

   又、皿の様に、径を大きくすると、綺麗な円にならないだけでなく、高い部分の土が、他の部分より

   重い為、「振れ」が出たり、一部が落ちる現象が起きます。

 ) 高さの差は、高い部分を切り取る事で、又、切断面の肉厚差は、厚い部分のみを、針で切り取る

   事で対処出来ます。それ故、最終的には、肉厚の差を、感じさせない事も出来ます。

   但し、何度も切り取る事は、土を無駄にする事になり、作品が、所定の大きさに成らなくなります。

   それ故、少々の高低差なら、最終段階で切り取り、土を無駄にしない方法も、ありますが、

   初心者向きでは、ありません。

) 土を挽き上げる際に、他の重要な事は、口縁の径を、大きくしない事です。

   内側に入る手(右手)が、入る程の径で、十分です。径が大きくなると、「振れ」が発生し易い
   
   ですので、極力細くします。

 尚、轆轤の技法は、標準と呼ばれる物は、ありません。各自の技法が有りますので、上記の技法は、

 あくまでも、私なりの方法ですので、参考程度として頂ければ、有り難いです。 

 ⑩ 形を作る際の問題

 以下次回に続きます。

 
コメント
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