わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動轆轤上達法(作品の振れ4)

2011-02-15 22:35:13 | 轆轤の上達方法
引き続き、作品の振れに付いて、お話しします。

 ⑤ 土殺しが不十分 

   土を中心に移動する行為を、土殺しと言っています。轆轤作業では、どうしても、行う必要がある

   大切な、基本的作業です。

  ) 土の量

    土が多過ぎても、少な過ぎても、土殺しは、やり難いです。

    0.5~1Kg程度の土の量が、やり易いです。

   ・ 1.5Kgを超えると、この土全体を、殺す事は、かなりの力が、必要になります。

     女性の力では、土が言う事を、聞いてくれません。その為、水を多量に使い、土を軟らかくして

     仕舞勝ちです。又、最初から、軟らかくした、土を使いたくなります。

   ・ 0.5Kg以下の土では、少な過ぎて、掌で全体を、上手に囲い込む事が、難しくなります。

     それ故、土の外形が、綺麗な円になり難いです。

     (少ない土の場合、通常の土殺しではなく、布などを使って、別の方法で、行います。)

   ・ 2~3Kgの土を、轆轤上に据えても、上部の1Kg程度しか、土殺しができません。

     それ故、大きな作品を作る為には、2~3Kgの土を、殺す必要がありますが、熟練者でも、

     体力勝負となります。

  ) 土殺しが、終わらない内に、作品を作る事は、出来ません。土が轆轤の中心に載っていないと、

     土は、不安定な動きをして、まともな作業が、出来ません。

  ) 土殺しは、延べ上げと、延べ下げが、1セットとなり、数度行います。

     延べ上げよりも、延べ下げの方が、難しく、上手に行かない人が、目立ちます。

    ・ 即ち、延べ上げは、両腕の肘(ひじ)を、太ももに固定して、両方向から、締め上げる様に

      して、土を上に延ばします。当然、手に水を付け、手が滑る状態にします。

    ・ 延べ上げで注意する事は、スムーズに上方に、手を移動させる事です。

      一箇所で手が、止まってしまうと、その位置から、土が「ねじ切れ」る、恐れがあります。

      下部では、径が大きいですから、強い力が必要で、上部に行くに従い、力を除々に、抜いて

      生きます。手は、途中で離さず、最上部まで、移動します。

      (途中で手を離すと、必ず狂ってきますから、注意が必要です。)

    ・ 延べ下げが、難しいのは、上から潰す事に、気を取られ、土の外形を「しっかり」押さえ込ま

      ない事で、綺麗な円に成ってなく、外形がいびつに、成り易いです。

      土の裾野まで、両手で「しっかり」押さえ込みむには、「コツ」と「力」が必要です。

      (土を押さえ込む際には、両手の肘は太ももに、固定しておきます。)

  ) スピードも大切です。

     土殺しに時間を取られると、土が水を吸い込み、腰が弱くなります。

     それ故、手早く終わらせたいものです。

  ) 土殺しの終了の確認

     轆轤上の土を、左手(時計回転の場合)で抱え、その手が動かずに、固定されていれば、完了

     です。手が振動していれば、土殺しが不十分と、言う事になります。

     この場合には、振れが止まるまで、数度土を殺して下さい。

⑥ センターに穴を掘り込む際の問題

以下次回に続きます。

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