わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

続 電動轆轤上達法(作品の振れ6)

2011-02-17 22:32:25 | 轆轤の上達方法
作品の振れについて、話を続けます。

 ⑦ 底を広げる際の問題 

   土の中心に、穴を掘り込み、底の厚みが、所定の厚さになったら、底を作ります。

  ) 内側の底は、最初に形作ります。

   a) まだ土を薄く延ばす前に、底を作ります。穴の周囲が低い事により、作業がし易い為と、振れが、

      起こりにくい為です。

     後から、底をいじる事は、作品の根元を、変形させる事になりますので、振れの原因となります。

   b) 底の内側は、作品に応じて、平坦であったり、鍋底の様に、傾斜や丸味を持たせる事も、

      あります。

   c)  出来上がりの作品の、底が狭い場合は、内側の底は、狭くしますが、外側は、やや広くします。 

      即ち、裾野は肉厚にしておきます。

      裾野が狭いと、上部の土を、支えきれずに、歪んだり、土が、振れたりします。

      それ故、広く取る事は、これからの作業を、容易にする働きをします。

   d)  広く取った裾野の土は、乾燥後の削り作業で、削り取り、狭く出来ます。

      削り取った土は、無駄な土と見られがちですが、轆轤を挽く過程では、必要な土です。

      (乾燥させると、土は強くなり、狭くなっても、支える事が出来ます。)

 ) 底を作る

  a) 擂鉢状に掘り込んだ穴を、人差し指や親指を使い、中心より外側へ、押し広げます。

    この行為を2度程繰り返したら、指を中心に向かわせ、底の高さの狂いを、取ります。

  b) 皿の様に、底が広い場合などでは、内側の底に、轆轤目を付ける場合がありますが、底作りの

    際に、轆轤目を付けると、安心して作業が、出来ます。

    又、底が広い場合には、「コテ」等を利用し、広い面を一度で綺麗に、仕上げる事も出来ます。

  c) 大切な事は、内側の底の角の部分の、形状です。

    作品の外側の底周辺が、角ばる形の場合は、内側の角も、角ばらせます。外側が丸い形でしたら、

    内側も、丸くします。さもないと、角の肉厚が薄くなり過ぎ、削り作業で、穴が開いたりし、

    厚くなり過ぎた場合には、作品が重くなります。

    即ち、内側と外側の形状が、合う様に、内側の角を、形作ります。

    (外側は、内側のカーブに合わせて、削る様にします。)

 ) 底作りの際、周囲の壁(縁)の厚みと、高さを均一にする事。

   大きな作品の場合、内側の底を広げる時には、かなり大きな力を、必要とします。

   それ故、広げる手を、他の手で支える同時に、土の外側にも手を当てて、土が歪むのを防ぎます。

   ここで発生した歪みは、次の段階で、補正可能ですが、なるたけ歪まない様に、土の外側をしっかり

   押さえます。

 ⑧ 肉厚のバラツキの問題

   肉厚に差が出来ると、確実に、土に振れが発生します。

以下次回に続きます。
    
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