ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

どんなにいっしょに頑張ろうが、元には戻れんことがある。それが原発事故の正体。

2012年09月26日 | 日本とわたし


重大原発事故の現場で、危険極まりない場所で、被ばくを覚悟で、環境も劣悪な状態で、

それこそ命を削りながら、一大事をなんとか収めようと、過酷な労働をし続けてくれてはる作業員さん達。

そして、やっても無駄やとわかってる土地や山や家屋を、少しでもマシな状態にして、元の暮らしが元の場所でできるという希望を持ってもらおうと、
必死で勉強して、いろんなアイディアを試して、何回も何回も、下がっては上がる線量計の数字を睨みつけながら、いつか下がったままになるはずやという希望を捨てられへん人がいる。
除染という、叶わぬ目的の作業をするための人を集める、こんな軽々しい広告が、日に日にサイズを大きくして、新聞や広告に載ってる。

放射能は除かれへんねん。
放射能は移動させることしかできひんねん。
そうやって、放射能を、ちょっとだけ離れたとこへ移動させてるその人に、放射能はしみ込んでいくねん。

なんでそれを、わかってくれへんのん?!

『以前の福島を、いっしょに……』

福島にはもう、元には戻れん場所ができてしもた。
原発が建てられたどの町も村も市も、重大事故が起きたら同じことになる。
元には戻れへんことを、はっきりと認めることが、前向きに進む第一歩。
以前の福島、以前の日本はもう、どんなにいっしょに頑張っても戻ってはけえへん。

それが原発事故の正体。

「そうならないよう万全の態勢を整えているので何も考えていない」安倍晋三の空っぽぶり!ど~ん!

2012年09月26日 | 日本とわたし
かずぽんさんのブログ『日々雑感』より、転載させていただきます。

↓以下、転載はじめ

自民党新総裁の安倍晋三は、提言された原発事故予防対策を、拒否し続けてきた男

福島第一事故の原因を作った人間の一人。と言っても過言ではない

提言された原発事故予防対策を拒否し続けてきた安倍


2006年12月13日 衆議院議員 吉井英勝
巨大地震の発生に伴う、安全機能の喪失など、原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a165256.htm

2006年12月22日 内閣総理大臣 安倍晋三
巨大地震の発生に伴う、安全機能の喪失など、原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対する答弁書
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b165256.htm



1-4
Q(吉井英勝):海外では二重のバックアップ電源を喪失した事故もあるが日本は大丈夫なのか
A(安倍晋三):海外とは原発の構造が違う。日本の原発で同様の事態が発生するとは考えられない

1-6
Q(吉井英勝):冷却系が完全に沈黙した場合の復旧シナリオは考えてあるのか
A(安倍晋三):そうならないよう万全の態勢を整えているので復旧シナリオは考えていない

1-7
Q(吉井英勝):冷却に失敗し各燃料棒が焼損した場合の復旧シナリオは考えてあるのか
A(安倍晋三):そうならないよう万全の態勢を整えているので復旧シナリオは考えていない

2-1
Q(吉井英勝):原子炉が破壊し放射性物質が拡散した場合の被害予測や復旧シナリオは考えてあるのか
A(安倍晋三):そうならないよう万全の態勢を整えているので復旧シナリオは考えていない



過去を振り返らない男
(都合の悪いことだけ)



コイツ福島原発で事故が起こったこと知らないんじゃね!?もしかして……。

↑転載おわり


この人が新総裁になったからって、別にそれがどうしたんって思う。
けど、たかが野党の総裁選挙に、なんでここまでやいのやいのと騒ぐ?
まあ、どうでもええことに対して大騒ぎするのが、特に昨今の日本のマスコミのポリシーなんやから、これが当然か。
この人が体調崩して入院したことについては、しゃあないと思う。
あの疾患の辛さと深刻さは、なった本人にしかわからんほどの大変なもんやったんやから。
けど、そんな病にかかるような、体調管理のまずさと、もともとの心身の弱さは、やっぱり長になる人物としては不相応。
さらに、上記のような受け答えをしてたのなら、無責任にもほどがある。
自ら学ばず、検討せず、ただただ知ったかぶって、過去から受け継がれてきた原発ホイホイのごきぶり連中の言いなりになっただけ。

今、なんや日本では、徴兵制とかいう物騒な言葉が急に世間で言われてるみたいやけど、
今頃なに言うてんのん?
どうしても徴兵とかするような社会にしたいのなら、そのしたい人本人(年齢を問わず)と、その家族がまず、一等はじめに徴兵されること。
ほんで、どこにでも行って、戦争ごっこしたらええやん。
絶対にその本人が前線に立つ。
日本は戦争なんかせんと、憲法がきちっと宣言してる国やから、日本軍としてではなくて、私設◯◯戦争大好き隊とでも名乗って、
今まさに内戦でえらいことになってるシリアとかにでも行って、まいてもろたらええやん。

ほんま、ええ加減にしてほしいわ。あほらしい。

賞味期限を誤摩化してた餅屋にあれだけ騒いだマスコミさん、水道水の汚染はどうでもええのん?

2012年09月25日 | 日本とわたし
前回の記事と同じく、『原発はいますぐ廃止せよ』ブログの記事を転載させていただきます。

↓以下、転載はじめ

降下物が多いと水道が汚染される、あたりまえだ!!!

月間降下物が降ると、上水(蛇口)が汚染されている。その逆は無い。
あたりまえだわ。




降下物と水道のデータを、合体して見たら、よくわかった。

以前は毎日だった、水道水の測定、今は、3ヶ月間のまとめ測定。
まとめて測るとは、どうするのだろう?
1日ずつの水を、3カ月分溜めていって、かき回して混ぜて、測定するのだろうか?

それでも検出されているのが、怖ろしい。
風呂は大丈夫だろうか?
まさか、全身が、ベータ線熱傷になるなんてことはないだろうな。
原発の、地下の溜まり水の汚染度ほどはないから、大丈夫なのだろうか?

水道水中の、放射性物質の検査について

引用
(2) 水道水の目標の設定対象核種
食品衛生法に基づく飲料水の放射性セシウムの新基準値は、前述の放射性核種による影響を考慮したものである。

飲料水における放射性物質の濃度の評価は、水源とする淡水(河川水及び湖沼水等)中の放射性核種のセシウム137に対する初期濃度比を使用している。
ストロンチウム90以外の核種は、土壌中濃度比を固相-液相間分配係数で割って、初期淡水中濃度比を求めており、
ストロンチウム90については、文部科学省が行ったモニタリング結果から得られた、河川水中のセシウム137に対する、ストロンチウム90の比から、安全側の数値を求めている。

こうして求められた初期淡水中濃度比で、最も大きなものは、ストロンチウム90の0.02であり、セシウム137の2%である。
ストロンチウム90の、WHO飲料水水質ガイドラインのガイダンスレベルは、放射性セシウムと同じ10Bq/Lであり、
また、文部科学省による、東電福島第一原発の、周辺地域の河川における調査によれば、
ストロンチウム90の最大濃度は、0.018Bq/kgと、低い状況にある。

ストロンチウム90等については、極めて低い濃度レベルにあることから、測定が困難であり、
また、ベータ線核種については、測定できる機関が、極めて限られている。

以上のことから、平成24年4月以降の、長期的な状況に対応する、水道水中の放射性物質に係る、目標の設定対象核種については、
食品衛生法の飲料水の新基準値と同様に、検査の実効性を確保することが重要であり、
測定機関及び測定機器の数、並びに、測定に要する時間等の観点から、放射性セシウム(セシウム134及び137)を対象として、目標を設定する。

放射性ヨウ素については、半減期が短いことから、周辺環境においても検出されておらず、
ウランについては、放出量が極めて少ないと考えられることから、いずれも、水道水の、新たな目標を設定する必要はない。

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水道には、ストロンチウムが、セシウムの2%入っていると考えなさい。
ウランは、考える必要は無い。
ヨウ素は消えている、と言っているぞ。
確か、食品には、セシウムの10%、ストロンチウム他の核種が入っていると考えなさい、と書いていたな。

よし、とりあえずは、これを覚えておこう。


--------

引用
入浴による線量は、原子力安全委員会の助言を受けて、環境省が、平成23年6月にとりまとめた、水浴場の放射性物質に関する指針において、用いられた仮定と同様に、
放射性セシウムを、全てセシウム134とし、その放射能濃度が10Bq/kgの浴槽に、毎日30分全身を浸したとして、
水中に、一様に分布する、セシウム134による実効線量を、換算係数2.62×10-10Sv/(Bq・s/cm3)(EPA-402-R-93-081,Federal Guidance Report No.12 p.82, 各臓器への線量のうち、最も大きい値である、骨表面の換算係数)を用いて計算すると、年間で、0.0017mSvとなった。


手洗いによる線量は、水と接触する部位が、全身と比較して小さく、また、時間も短いことから、入浴による線量と比較して、小さいものと考えられる。

水道水で洗濯した、衣類からの線量については、一般的に、セシウムは繊維に付着しにくく、
洗濯物に含まれる放射性セシウムは、ごくわずかであることから、無視できるレベルにあると考えられる。

また、放射性セシウムについては、水道水からの揮発等、その他の経路については、想定しにくい。

以上の推定は

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なんだ、推定か、実験はしてないのか。
セシウムガンマー線風呂、ラドン温泉みたいなものかな。
24時間風呂は、原発の再循環除去システムみないなものだから、相当な濃縮をするだろう。
今時、家庭で、レジオネラ菌騒動で使っているところはないと思うが、
ぽかぽか温泉は、水道代をけちって、再循環しているのではないだろうか。

手洗いはいいにしても、洗濯はいいのかな。

まあ、それにしても、大変な時代だ。

ホットパーティクルに気を取られていたら、水道も危なかった。

次は、再浮遊、舞い上がりの研究だ。

乾燥して、風が強くなる季節がやってきた。


↑以上、転載おわり


心配やからって、水を飲まんわけにはいかへんし、気色悪いからって、洗濯や食器洗いをせんわけにもいかん。
風呂にも入りたい。水浴びもしたい。プールで泳ぎたい。
日本の水は、世界の中でも有数の、安全で飲みやすい水やと、一年半前までは、こちらの人らも認めてた。
特に、田舎の井戸水の美味しさや、小川の清らかさは、その地域に暮らす人達にとっての誇りでもあった。

それがあの事故を境に、一気に汚され、政府や官僚の陰謀によって、濃縮汚染は南の九州にまで広がってしもた。

水と空気と土が汚されたら、そこで生きる生き物もすべて、汚されるのは当たり前のこと。
汚されても生き残れるもの、ちょっと弱るけど、とりあえず生き残るもの、かなり弱って死んでしまうもの、
いろんなふうに影響が出てくるやろけど、この汚れは、いったん発生したら、居座る時間が長い。
わたしら人の寿命の長さから考えたら、それは永遠、という時間を意味する。

人工放射能を管理したり制御したりできると、いつかそういう方法が見つかると信じて、必死に研究を続けてる科学者達がいる。
もちろん、その研究は、今後も続ける必要がある。
せめて、実際に汚されてしもたものを、少しでも元の状態に戻すためにも。
そして、どこにも保管の仕様がないほどに増えてしもた、使用済み核燃料などのゴミの処理のためにも。

けど、せやからというて、核物質をこれからも作り出したりしてもええのかというと、もちろんだめ。
もう人類は、核をコントロールする、などという妄想を、持たんようにせなあかん。
核を武器にすることも、武器を使うために戦争することも、自分の欲のために国を支配することも。

失うて、初めてわかるありがたさ。
もうこれ以上、初めてわかるもんが増えんようにするためにも。


↓以下は、今から10ヵ月も前に報道された記事。
この頃にはもう、億ベクレル、みたいな数字にマヒしてしもて、こんなニュースを読んでも、円が上がった下がったみたいな、
どうでもええわ、みたいな気になっては、あかんあかん、この数字の意味をきちっと捉えなあかんと、自分で自分を叱ってた覚えがある。

阿武隈川河口で放射性セシウム525億ベクレル 読売新聞 2011年11月24日 

東京電力福島第一原子力発電所から、北に約70キロ離れた、阿武隈川河口(宮城県岩沼市)から今年8月、
1日あたり、525億ベクレルの放射性セシウムが、海に流出していたことが、文部科学省の委託を受けた、京都大防災研究所や、筑波大などの調査でわかった。

東電が、4月時点で推計した、同原発からの海への総流出量に比べると、約10万分の1の値だが、
専門家は、「流域の生態系などの影響に、注意が必要だ」と指摘している。

同川の2地点と、計画的避難区域に指定されている、福島県川俣町などを流れる、支流の口太川の4地点で、
8月10~30日、流れる水や、土砂の量を調べ、土砂に含まれる放射性セシウムを計測、流下量を計算した。

岩沼市の河口では、放射性セシウム525億ベクレルが流出。
上流側に、南西約40キロの福島県伊達市内では、計1763億ベクレルに達した。
放射性セシウムの9割以上は、水中の土砂に含まれており、河口までのダムで、一定量はせき止められたとみられる。



この、千何百億ベクレルのセシウムの中には、仲間の核種がウジャウジャ混じってるわけで、
しかも、雨水みたいに蒸発して消えてくれるわけでもなく、しつこう、なにかに混じったり包み込んだりして、
今も厳然と、日本のどこかに存在してる。

そのことの恐ろしさを、マスコミはなにも伝えへん。
ほんまに終ってるわ。

都民がどれだけ被ばくしたかを、後々になって、平然と文書にできる政府の冷酷っぷり!ど~ん!

2012年09月25日 | 日本とわたし
kokikokiyaさんのブログ、『原発はいますぐ廃止せよ』の記事を転載させていただきます。

↓以下、転載はじめ

東京のホットパーティクルからは、ストロンチウムが検出されていたのだ! 

大気浮遊塵中放射性物質調査報告書 東京都立産業技術研究センター
引用



ガンマー核種は言うに及ばず、ベータ核種のストロンチウムが、空気中から検出。

ということは、地上に落下して、土壌からも、ストロンチウムが検出されるはず。

横浜のビルの屋上から、濃縮されて大量に検出されたストロンチウムを、
文科省が、測定方法に疑問があるとケチをつけて、うやむやにされてしまったが、やはり、真実だった。
米国式スーピーディな、測定法の同位体研究所を、バカにした文科省は、隠蔽の親玉だった。
土下座して謝れ!!!

その浮遊塵、英語で『ホットパーティクル』が、部屋の中まで侵入。



http://oharagazou.blogspot.jp/2011/04/hotparticle.html


http://fujifilm.jp/important/article_20110322.html

エックス線フィルムが感光した、という情報は、去年の事故後、すぐに出回っていた話だ。
掃除機の中のゴミからも、いまだに、セシウムが濃縮されて検出される。

食品の基準値は、セシウムが100ベクレル以下にする。
他の核種は、測定が大変だから、費用対効果を考えて、測らないことにした。
しかし、セシウムの10%は含まれているとみなすと、はっきり厚労省は言っている。

現実には、セシウムが多く含まれる食品に、一体どれだけのストロンチウムやプルトニウムやルテニウムやウランなどの、長半減期の核種が含まれていたのかを、出して欲しいものだ。

吸い込んで、食べて、飲んで、被曝したのは間違いない。
セシウムだけではなく、ストロンチウムも。

さらに、それを継続するのか、しないのか、体内濃縮することを続けるかどうか、が問題である。

数値は必ずあるはずだ、ソ連の二の舞をしないでほしい。

ここは自由民主資本主義の国ではないのか?


↑以上、転載おわり

ここに、大気東京都立産業技術研究センターによる、大気浮遊塵中放射性物質調査報告書の全文を載せておきます。

東京電力福島第一原子力発電所事故に係る、大気浮遊塵中放射性物質調査報告書

平成23年12月

地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター

1.調査期間
平成23年3月13日から9月30日まで

2.調査地点
(地独)東京都立産業技術研究センター駒沢支所(4月1日以降は同跡地)
東京都世田谷区深沢2-11-1

3.調査方法
(1) 大気浮遊塵の捕集
大気浮遊塵の捕集は、3月13日から4月10日までは、Staplex TFIA型 集塵装置を、 4月11日以降は、SIBATA HV-500R ハイボリューウムエアサンプラーを用いた。
ろ紙は、100mmφ、又は、110mmφのガラス繊維ろ紙(アドバンテック東洋製GB100R)を用いた。
捕集は、駒沢支所構内、地上から約1mの高さで行った。
吸引量は、0.6m3/minであった。
大気浮遊塵の捕集時間は、初期は8時間、高濃度時には1~3時間、低濃度時は24時間であった。
捕集ろ紙は、ポリ塩化ビニリデンフィルムで包み、測定試料とし、捕集後、速やかに測定に供した。
測定時間は、3月13日から3月14日までが0,000秒、3月15日から4月11日12時までが1,000秒、それ以降は、20,000
秒であった。

(2) ガンマ線計測による放射能測定
放射能濃度は、ガンマ線スペクトロメトリー(注1)により求めた。
Ge半導体検出器は、3月13日から4月10日までは、CANBERRA GR3019、4月11日以降はORTEC GMX25を使用し、
放射能標準ガンマ面線源を、校正用線源として、放射能濃度を算出した。
最も放射能濃度が高かった、3月15日午前10時から午前11時にかけて、捕集した試料については、
核種同定、及び詳細分析のため、2ヶ月後、及び6ヶ月後に、再度測定した。
放出するガンマ線のエネルギー、ガンマ線の放出割合、及び核種の半減期の相違による、ピークの減衰から、核種の同定を行った。

(3) ベータ線核種の放射能測定
放射能濃度が高かった、3月15日午前0時から午前7時12分までの試料、及び午前10時から午前11時まで捕集した試料について、
財団法人日本分析センターに委託して、ストロンチウム89、及びストロンチウム90の、放射能濃度を測定した。
分析方法は、文部科学省放射能測定法シリーズ2「放射性ストロンチウム分析法」(平成15年)に準じた。

(4) 吸入摂取による実効線量の算出(注2)
連続的に捕集した、試料の測定結果をもとに、呼吸率(成人)を用いて、累積吸入摂取量を求め、
次式を用いて、3月13日から9月30日までの、吸入摂取による実効線量(μSv)Hを算出した。

H=ΣKi・Ai

Kiは、放射性物質iの実効線量係数(μSv/Bq)、Aiは各放射性物質iの累積吸入摂取量(Bq)を示す。
呼吸率として、22.2m3/日(成人)を、吸入摂取した場合の実効線量係数として、ICRP Pub72のデータを用いた。
最も濃度が高かった、3月15日午前10時から午前11時まで、捕集した試料については、
ガンマ線計測、及びベータ核種計測の結果をあわせて、1時間の吸入摂取による実効線量、及び核種寄与率を算出した。

4.調査結果
(1) ガンマ線核種測定結果
平成23年3月13日から9月30日までの、測定結果と吸入摂取量を、表1に、
累積吸入摂取量、及び吸入摂取による実効線量、ならびに核種毎の割合を、表2に示す。

・ 累積吸入摂取量は、
ヨウ素131 が1,000Bq(28.0%)
テルル132 が960Bq(26.9%)
ヨウ素132が670Bq(18.8%)
セシウム134が230Bq(6.4%)
セシウム137が220Bq(6.2%)
テルル129mが190Bq(5.3%)
テルル129が160Bq(4.5%)と、主要7核種で、96.1%
を占めている。

総累積吸入摂取量は、3,600Bqであった。

吸入摂取による実効線量は、24μSv と算定された。
寄与率は、高い方から、
セシウム137が8.6μSv(35.3%)、
ヨウ素131が7.4μSv(30.4%)、
セシウム134が4.6μSv(18.9%)、
テルル132が1.9μSv(7.9%)、
テルル129mが1.5μSv(6.2%)
の順であった。

・ 実効線量への寄与は低いが、
ヨウ素133が68Bq(1.9%)、
テルル131mが24Bq(0.7%)、
セシウム136が33Bq(0.9%)と算出された。

平成23年3月から9月までの月別の吸入摂取量を表3に、吸入摂取による実効線量を表4に示す。

・ 各月の吸入摂取量は、
3月が3,600Bq 、
4月は13Bq、
5月は1.9Bq 、
6月以降は1Bq以下と算出された。

・ 吸入摂取による実効線量は、
3月が24μSv、
4月は3月の100分の1の 0.24μSv、
5月は0.05μSv、
6月以降は0.01μSv以下と算出された。

核種ごとの寄与率は、
3月には、
セシウム137が8.3μSv(34.6%)、
ヨウ素131が7.4μSv(30.8%)、
セシウム134が4.5μSv(18.8%)、
テルル132が1.9μSv(7.9%)、
テルル129mが1.5μSv(6.3%)
の順であったが、

4月以降、テルル132、テルル129mなどの核種の寄与はほとんどなくなり、ヨウ素131の寄与も順次減少し、

6月以降は、セシウム137とセシウム134によるものとなった。

(2) 高濃度時の詳細測定結果
ベータ線核種測定結果
・ 3月15日午前0時から午前7時12分までの試料については、
ストロンチウム89が0.020Bq/m3、ストロンチウム90が0.0022Bq/m3であり、
吸入摂取による実効線量は、それぞれ0.0011μSv、0.0024μSv
と算出された。

・ 放射能濃度が最も高かった3月15日午前10時から午前11時まで、捕集した試料については、
ストロンチウム89が0.120Bq/m3、ストロンチウム90が0.011Bq/m3であり、
吸入摂取による実効線量は、それぞれ0.00087μSv、0.0016μSv
と算出された。

3月15日午前10時から午前11時まで採取した、高濃度時大気浮遊塵試料の詳細

測定結果により、同定された核種と核種毎線量の、1時間値、および割合は、表5のとおりで
ある。

注1) ガンマ線スペクトロメトリー;
放射性核種は、半減期が異なり、放射性核種からのガンマ線は、それぞれ固有の、エネルギーと放出割合を持っている。
これら3つの情報から、核種を同定し、エネルギー分布のピーク面積と、校正線源との比較から、放射能を定量する方法。

注2) 吸入摂取による実効線量;
吸入摂取された放射性物質が、放射性壊変、及び排泄により減衰する間、継続して被ばくを受けるため、
予測される内部被ばくを、将来(成人の場合は50年)にわたって、積分した総線量のこと。
この場合、預託実効線量という。

核種毎、摂取方法毎に、実効線量係数をICRPが定めており、累積摂取量に実効線量係数を乗じて算出する。

注3) 表1の数値は、指数で表示した。
(例1) 2.5.E+02は 2.5×102=250
(例2) 2.5.E+00は 2.5×100=2.5
(例3) 2.5.E-02は 2.5×10-2=0.025
また、NDは検出されず、(検出限界値を下回った場合)を示す。

注4) 表中の数値は、放射能濃度の測定精度を考慮し、有効数字2桁とした。

人生のふるい

2012年09月25日 | ひとりごと
これは先週の土曜日の話。
それはそれは変な日で、一日中、雨が降ったり止んだり、かと思うと、カーッと晴れたり。

そして突如、晴れているのに大雨が降ってきた。


旦那とふたり、「きつねの嫁入り!」と叫んで外に出た。


旦那は、ドライブウェイに早くも出現した、小川のような雨水の流れをじっと見下ろしている。


その流れを見ながら、前日の、気功瞑想の後の、道教の勉強をしていた時に、ミリアムと話したことを思い出した。


彼女は突如、3才だった頃の思い出を話し始めた。
当時、彼女が住んでいたイスラエルの町では、空から恐ろしい爆弾が落ちてくるのは、特別珍しいことではなかった。
特別珍しくはない→日常茶飯事。
だからといって、恐くないのかといえば、そんなことは全然なくて、もちろん恐ろしい。
大人も子どもも、そして、事情を理解できない動物達も、一様に恐がっていた。
けれども、起きている間中恐がっているわけにはいかないので、皆それぞれのやり方で、その恐怖を心のどこかに押し込んだり、忘れようとした。

そんな毎日が続いていた時、ミリアムの頭の中に突然、奇妙なアイディアがぽっかり浮かび上がってきた。
明るい時は恐い物が落ちてこない→明るい時は目をあけている→目を閉じさえしなければ恐い物は落ちてこない。
ミリアムは興奮した。
すごいことに気がついた、と思った。
その日の晩から、だから彼女は、目を閉じないことにした。
いくら頼んでも、灯りをつけてはもらえなかったので、いつもそこだけほんのりと明るい、天井のある一点を見据えることにした。
そこから目を離したらおしまい。
あの恐ろしい物が、空から一斉に落ちてきて、わたしの身体はグチャグチャになる。

3才の女の子は、それからずっと夜の間中、一点を睨みつけ続けた。

「だから、気がついた頃には、重症の不眠症になってしまってたの。まだ小学校にさえ行ってない子どもなのに」
と、ミリアムは苦笑いをしながら言った。

わたしにも、状況は全く違うけれど、死がいつも、ついて離れない影のようにつきまとっていた頃があった。
それは、他人がもたらす死であり、自分自身もいつしか望んでいた死でもあった。
けれども、いくらそれが身近にあったとしても、やはり恐れていたわたしは、その影にすっぽりと包まれてしまわないようにと、心のどこかで祈っていた。
眠ると必ず金縛りに遭い、それがどんどんエスカレートしていって、しまいにはおぞましい化け物まで見えてきた頃、
わたしもとにかく、眠らないように、天井のある染みを睨みつけ、いつしかその染みと話をしたりしていた。

そんなお互いの昔話をしていた時、急に思いついたことがあって、口に出してしまった。

「わたしね、幸せになるのが今だに恐い」
「どうして?」
「子どもの時から、幸せやなあって思たらその後に必ず、普通では考えられへんようなとんでもない悪いことが起こって、その幸せが吹っ飛ばされたから。
そやし、結婚も、あんまり幸せ過ぎひんような感じが大事で、けどもやっぱり、それやと幸せになれへんから辛うて……。
でも、やっと母親になれて、もうどうしようもないほど幸せで、そしたらそれが恐くて恐くて、息子らが死んでしもたらどないしょうと、毎晩のように悪い夢見て……。
どうにかこうにか、息子らも、病気や事故で死にかけたことはありながらも、ほんで、このわたしの人生に巻き込まれて往生しながらも、無事に大人になってくれて、
わたしもようやく、アホなことを心配せんようになって、ピアノにも専念できる時間もできて、カーネギーで演奏するというような幸運にも恵まれて、
さあ、これからもっともっと勉強するで~!と意気込んでた矢先に、ピアノが弾けへん状況に陥って……」
「……」
「旦那は、それは、まうみが子どもやった頃の、運、不運とは違うって言う。
ただまうみが、いくら必要やからというても無茶をし続けてきたことと、更年期に入ってること、そういう諸々のことが重なってるだけって」

本当に気をつけないといけないこと。本当はちゃんと心配しなければならないこと。
それがわかっていながら、それらにも勝る情熱や喜び、あるいは恐怖がある時に、人は易々と、大切なことを無視して、自分に自分でウソをついてしまう。
それが、どれほど人の身体や心を傷つけてしまうか、弱らせてしまうか、そのことを知る時にはたいてい、もう取り返しがつかないことになっている。
よほど身体や心が強かったり、頑固だったりする人は、そのウソが死を招いたり、一生に渡る病に冒されることになる。
でも、多くの人は、そこまでに至るほどに強くもないし、頑固でもないので、ウソが続かない。
だからといって、本当の世界に戻ったからといって、その世界に一番適切な行動がとれるのかというと、またそこで、人はふるいにかけられる。

「そのふるいはいったい、誰の手が持っているんやろね」
「まうみは誰だと思う?」
「……神様、と言いたいとこやけど……自分自身」
「自分の人生のふるいをぎゅっと握っているのは自分ってこと?」
「イメージがあんまりはっきりとせんけど……ただ、自分しか決められへんってこと、かな」
「そうね。その人その人しか決められない。そしてその人が決めたことはその人だけしか変えられない」

わたしはまた、日本のことを考える。
その人が決めたのなら、その決定を尊重するべき。
その地に留まると決めた人に、留まることは危険だと呼び掛けたり、説得したりするのではなく、
留まりたくはないが、飛び出す勇気が持てなくて迷っている人、飛び出したくてたまらない人に手を差し延べることに集中する。

わたしのような考えの持ち主を、危険厨だとか放射脳だとかいうあだ名をつけて、苦笑混じりに呼んでいる人達はきっと、きっぱりと決めた人達なのだ。

少しだけまた、心の中のゴタゴタを、片付けられたような気がした。



みんながそれぞれに、穏やかな気持ちで暮らせる日がきますように。


原発に、地質学は明らかに重要。それが福島の主な教訓でないなら、何が教訓といえるのか分からない!

2012年09月22日 | 日本とわたし
ひとつ前の記事が出た頃は、ここアメリカでは、『原発ルネッサンス』とかいう言葉がもてはやされてて、
大金持ちのビル・ゲイツなんかも、夢の新型原子炉についての講演を、あっちゃこっちゃでやりまくってた。
彼の、貧窮する人々を救う、という思想は立派やけれど、方向が間違うてへんのか?
舞台の上で、CGたっぷりのスクリーンを後ろに、熱弁をふりまいてる彼と、その彼を興奮しまくりながら讃える観衆の姿は、まるで新興宗教の講演会のようや。

けど、オバマ氏なら、このバカげたお祭りを、なんとか鎮めることができるやろと思てたら、なんのこっちゃない、彼も賛成してる、という話を聞いてびっくり仰天!
大急ぎで、文法も多分間違いまくりながら、ホワイトハウスのHPの、オバマ氏宛に抗議メールを送った。

そうこうしてる間にも、日本というと、重大過ぎるほどの原発事故を起こした当事国やっちゅうのに、
反省も謝罪もろくすっぽ無いまま、米倉の爺さんをはじめとする、もう先も長いことない連中の言いなりになって、
子どもを研究材料にするために、汚染地区から動けんようにするわ、全国給食会に手を回して、汚染食品をバラまいて混入させるわ、
南の端っこと、本州の真ん中に、放射能汚染の拠点を設置するべく、運ぶことも燃やすことも絶対にしたらあかんもんを燃やさせるわ、
原子力規制委員会に、親父ギャグも吹っ飛ぶ、原子力に寄生しまくってる人間を、ゴリ押しで委員長(原子力寄生委員長!)にするという破廉恥さ!

ほんま、終ってるわ……けど、アメリカもやっぱ終ってるよな……と思てたら、


米原子力規制委のマクファーレン委員長、核燃料処分に注力へ 8.14.2012 ブルームバーグ

米原子力規制委員会(NRC)の委員長に、先月就任した、アリソン・マクファーレン氏は、使用済み核燃料の処分に、重点的に取り組む方針を示した。
米国では、この問題により、原発建設認可の決定が、凍結されている。

マクファーレン委員長は14日、7月9日の就任以来、初めて記者会見を行った。
同委員長は、議会やホワイトハウスに対し、国内104基の原発から出る、使用済み核燃料の最終処分地を、特定するよう要請した。

NRCは、今月に入り、使用済み核燃料に関する、リスクの再評価を完了するまで、原発建設認可の最終決定を、停止することを決めた。
米国の原発は、最終処分施設がないため、使用済み核燃料棒を、敷地内のプールに保管するか、乾式キャスク貯蔵を行っている。
当初は、ネバダ州ユッカマウンテンが、最終処分施設の候補地とされていたが、
同州選出の、リード上院院内総務(民主)の反対を受け、オバマ政権は、同地域での建設を断念した。

マクファーレン委員長は、地質学者で、ジョージ・メーソン大学(バージニア州)の、環境科学の教授だった。
同委員長は、NRCは、核燃料処分の選択肢をめぐる、スタッフの報告を評価しているところであり、提案に基づき、迅速に行動することを約束した。
また、核燃料処分のほか、国民とのコミュニケーションの改善、安全性、地震のリスクを含む地質学的な問題を、最優先課題として挙げた。

同委員長は、
地質学は、明らかに重要だ。それが、福島の主な教訓でないなら、何が教訓といえるのか分からない」と述べた。

米国の原発は、福島第一原発の事故前から、地震災害に関するリスクの再評価を始めていたが、
事故を受け、NRCは、原発に対し、追加のリスク分析を求めている。


原題:New U.S. Nuclear Regulator Pledges Action on WasteDisposal (1)(抜粋)


↑これが普通、人間やったら考えることとちゃう?
こんなバカでかい土地持った国でさえ、使用済み核燃料の最終処分地が無いからいうて、頭抱えてるねん。
日本でそんなとこ見つけられるわけないやん。
見つけられへんのやったら、あきらめたらええやん。
しゃあないねんから。

地震の問題も、いつ来るかわからんから、なんてこと言い訳になるわけないやん。
いつか揺れるかもしれん=建てたらあかん
それだけやん。

それにしてもアメリカの原発マフィアさん、こんなまともなこを言えるんやったら、
日本の一部の官僚と、金持ちと、政治家に、これ以上圧力かけんといてほしいもんや。

わたしらもそろそろ、独立させてもろて、また一からぼちぼちやり直しまっさかいに、まあ、温こう見守りながら放っといてんか。

「これが日本の政治なのだと認めた瞬間、民主主義国家としての実体は崩壊します」byこばじゅんさん

2012年09月22日 | 日本とわたし
コバジュンさんのブログ『星の金貨プロジェクト』に、丁度4ヵ月前に掲載された記事と、それに関連する最近の記事を紹介します。
どちらも、原子力発電についての、ニューヨーク・タイムズの記事です。

↓以下、転載はじめ
(*この記事↓は、4月半ばの、原発が全基停止中に書かれたものです。
再稼働をゴリ押しした原子力業界と政府、そして電力会社。
どうしてここまであからさまな愚行を押し切ろうとするのか。
それをこの記事から、読み取ってください)


『原子力ルネサンス』なるものはもはや存在しない!---【原子力発電の終焉は、少しばかり誇張され過ぎ?】

あるのは、『原子力発電の脅威への目覚め』だ – かつての原子力発電推進派・米共和党上院議員

【 原子力発電の終焉は、少しばかり誇張され過ぎ?】

「反転攻勢の機会をじっとうかがう原子力業界 – 全原発停止の今を過信してはいけない」


マシュー・ワルド / ニューヨークタイムズ 4月10日

『原子力発電は、今や、これまで経験したことの無い立場に追い込まれています。
原子力業界が、かつての繁栄を取り戻すことは無いでしょうが、彼らは、このままおとなしく引き下がるつもりなのでしょうか。



以下の状況こそ、今、原子力業界が、退潮に追い込まれている現状を、象徴しています。
テネシー州選出の、共和党上院議員ラマー・アレキサンダーは、今後数十年間で、100基の、新たな原子炉建設の必要性を、訴えてきました。
しかし彼は、2012年3月下旬に、原子力産業界の専門家を集めた会議で、
「これまで長く、鳴り物入りで喧伝されてきた『原子力ルネサンス』なるものは、もはや存在しない」と発言しました。
「今や、『原子力発電の、脅威への目覚め』が、それに取って代わってしまったのです」

しかし、その『目覚め』によって、300億ドル(2兆4,000億円)以上のビジネスが、失われることになります。
アレクサンダー上院議員の発言は、スリーマイル島事故から33周年を機に、開催された会議におけるものでした。
しかし、その数週間後には、アメリカ原子力規制委員会(NRC)が、ジョージア州オーガスタ近くのヴォグタイル原子力発電所において、
この30年間で初となる、2基の原子炉建設の、許可を与えたのです。

すべてが順調に進行しても、2基の原子炉の建設には、140億ドル(1兆1,200億円)の費用がかかります。
もしそうでない場合には、さらに、費用が膨らむことになります。
アレクサンダー上院議員の発言の数日後、NRCは、ほぼ同額の予算を必要とする、サウスカロライナ州の別の2基の、原子炉建設を許可しました。
さらに、いくつもの会社が、原子炉建設のため、それぞれ数億ドルの予算を確保しており、
原子力業界は、成否いずれであっても、画期的段階に入る可能性があります。

原子力業界にとって、最近発生した大きなつまずきは、
1. 福島第一原発の事故
2. 天然ガスの価格下落
3. 世界経済の停滞による電力需要の低迷
の3つです。
この3つが、数十か所に上る新しい原子炉建設計画に、水を差すことになりました。

しかし、地球温暖化に対する懸念が、世界の共通認識となっている今、原子力発電が存在し続けるための理由は、まだまだ豊富に残されています。

これに対し、
地球温暖化をテーマにする科学が、原子力産業によって創り出されたものである、というはっきりとした証拠はありません。
しかし、地球を守るための自然科学が、原子力産業と、これからもうまくやっていけるはずはないのです

核分裂を、人為的に発生させる原子力発電の弊害について、3月に出版された『地球を終わりに向かわせる機械』は、このように反論しています。

事実、アメリカの原子力産業界は、原子力発電は、二酸化炭素排出ゼロのエネルギー源だ、との主張を行い、
イメージを改善するための、大々的なキャンペーンを開始しました。
『地球を終わりに向かわせる機械』の著者、マーティン・コーエン氏とアンドリュー・マッキロップ氏によると、
ほとんどの国では、必要な電力量を確保するための計算とは無関係に、国際的につながっている政治勢力が、原子力発電に対し、支援を行っているのです。」
しかし、その指摘については、福島第一原発の、3基の原子炉がメルトダウンしたことにより、国内の54基の原子炉が停止している日本、
そして、原子力発電の中止を表明したドイツのことを考えると、多少の誇張も入っている、と言わなければなりません。

しかし、莫大な量の電力需要があり、地球温暖化の問題には関わろうとしない、中国とインドの2つの国では、
大規模な原子炉建設プロジェクトが、計画されています。


[写真 : インド・クダンカラムに建設中の、ロシア製原発に、抗議行動を行う地元の漁師たち]
(*最近ですが、抗議行動をしている市民に警察が発砲し、一人の市民が射殺された、というニュースを読みました)

さらに、日本で起きた大惨事は、新しい原子炉を構築するための、主要な理由のひとつにすらされているのです。
たとえば、ジョージア州とサウスカロライナ州に建設中の、原子炉AP1000型は、『進化した電力不要冷却システム』が、うたい文句になっています。
すなわち、福島第一原発の事故では、電源停止が冷却装置のポンプを止め、バルブを閉鎖してしまい、大事故につながりました。
これに対し、AP1000型の緊急冷却装置は、重力、蒸気圧、そして水圧といった、もともと自然界にあるエネルギーを利用して動作するため、電源停止に追い込まれても、冷却装置は稼働します。

先にご紹介した、アレグザンダー上院議員が、演説を行った同じ会議で、ウェスティングス・エレクトリックの経営最高責任者のジム・ファーランドは、
「もし、福島第一原発にあった原子炉が、AP1000であったなら、私たちは、今、このような会議を招集する必要は無かったはずです。
福島第一原発の原子炉が、すべてAP1000であれば、今頃はもう、正常に運転を続けていたはずなのです」

東京電力が運営する、福島第一原発にマークⅠ型原子炉を設置した、ゼネラルエレクトリック社も、
AP1000同様の、『進化した電力不要冷却装置』を開発済みであり、似たような指摘を行いました。



アメリカ国内にある、104基の原子炉はすべて、1980年代以前に設置されたものであり、現在、少しずつ原子炉の入れ替えが進んでいます。
新しい原子炉は、可動部品の数を減らし、事故が起こりにくい設計になっています。
しかし、他のエネルギー源の開発も進んでおり、原子炉の更新は、計画通りに進まない可能性もあります。

アメリカでは、オバマ大統領が掲げる『all of the above – これまでやって来たことをすべて続ける』戦略により、既存の路線が優先されているため、
エネルギー開発の多様性が制限され、原子力発電以外の、新たな資源開発が、前に進みづらくなっています。
新しい原子炉建設には、債務保証が行われ、税制面での優遇措置もあります。
これらは、ブッシュ前政権が創り出したもの
ですが、オバマ政権も、基本的には継承しています。

しかし一方で、『all of the above – これまでやって来たことをすべて続ける』戦略は、
太陽光や風力発電の支援も行い、石油や天然ガス生産、なかんずく、水圧破砕工法による、天然ガス生産の支援も行います。

今では広く知られていることですが、水圧破砕工法の開発は、天然ガスを競合するエネルギー源にとって、手強い競争相手に仕立て上げました。
天然ガスの取り引きには、100万BTU、という単位が用いられますが、これは、電力に換算すると、約150キロワット/毎時に相当し、
一般的家庭なら1週間分の、使用電力量に相当します。
仮に、100万BTUの価格が14ドル(約1,150円)だとすると、1キロワット/毎時の電力の発電には、9セントの費用が掛かることになります。
現在、天然ガスの価格は、100万BTUにつき約3ドル(240円)で、1キロワット/毎時の電力の発電には、2セントの費用しか掛かりません。
ただし、この中には、天然ガス処理工場の設備費用は、含まれていません。
しかし、その他の費用はすべて含まれ、ゼロカーボン・エネルギーである太陽光、風力、原子力と比較すると、価格優位性は明らかです。

新型原子炉の可能性にかける原子力発電を含め、その他のエネルギー産業は、この天然ガスと競合することを、余儀なくされます。
アメリカのエネルギー省は、老朽化した石炭火力発電所や、電力不足の地域に、
「小型モジュラー原子炉」を設置する予算として、4億5000万ドルを使う用意がある、とアナウンスしました。
政府は、商業ベースでの採算性に関わらず、あらゆるタイプの原子炉について、検証を進めています。

福島第一原発の事故が引き起こした、メルトダウンの教訓は、生かされませんでした。
いつ何時、何が起きるかわからない、それが、原子力発電が宿命的に持つ危険性であることを、福島第一原発の事故は教えました。
あらゆる危険が、可能性としてある、それが原子力発電なのです。
もう、原子力産業に、未来はありません

5人いる、アメリカ原子力規制委員会のメンバーの一人で、かつての原子力発電推進機構の副理事長であった、ウィリアム・D・マグウッド4世が、このように語りました。



また、テネシー州選出の上院議員(民主党)で、かつての下院の、科学・宇宙・技術に関する委員会の議長であったバート・ゴードンは、以下のように語りました。
福島の事故は、環境問題に関するこれまでの概念を、いくつか覆す結果となりました。
そのために、政治的な決断をくだすことは、より難しいものになったのです


福島の事故は、エネルギー省が、特に、4つの案件を選んで債務保証を行う事になった、原子力発電所建設計画のうちのひとつ、
テキサス南部のプロジェクトに、水を差すことになりました。
この計画は、2011年3月以前に、関連する主要な自治体が、撤退を表明し、計画が頓挫していました。
この自治体に代わって、パートナーとして名乗りを上げていたのが、東京電力でした。
しかし、東京電力は今や、海外で、新たな原子力発電所開発に取り組む余裕などはありません。
さらなる候補は、債務保証機構ですが、おそらくこれもだめでしょう。
なぜなら、同機構は、首都ワシントンの南40マイルにある、カルバートクリフ3号原子炉の保証を行っていますが、
ここでは、安価な天然ガスの供給が行われ、原子炉が完成しても、商業的に運営不能に陥る可能性があるのです。
この原子炉の将来については、エネルギー省でさえ危惧しています。



しかし、前出のマグウッド氏は、「原子力ルネッサンス」が、一部の人間が騒ぎ立てたほどには、巨大なプロジェクトでは無かったため、
逆に、そのことによって、原子力産業界が置かれた状況は、それほど悲惨なものではない、と主張します。
彼が、2008年に行った調査では、当時検討されていた、23の開発計画のうち、実行に移されたのは12件だけであり、
それらの中で、ライセンスの問題や、技術的問題に遭遇しなかったのは、10件にとどまっていました。
さらに、財政面での見通しが立ったのは、この中の5件だけでした。
結局彼は、総合的に判断して、建設計画が実現できるのは3件だけ、と判断しましたが、実際に建設が開始されたのは、2件にとどまったのです。
これに対し、原子力産業界は、たとえ規模が縮小されるにしても、計画は実行に移される見通しである、と述べています。
2組の原子炉建設の基礎工事が、今、開始されました。

ウェスティングス・エレクトリックのファーランド氏は、中国での経験から、
「AP1000sの、アメリカ国内での建設は、より容易である」と語りました。
彼は、この工事で、技術者が、重量の大きな部品を誤って装着し、工事が2週間遅れたことを、例に挙げました。
「しかし、こうしたトラブルは、ジョージア州やカリフォルニア州南部の、原子炉建設現場では起きないだろう」と語ります。
「アメリカでは、ケーブル容器を効率的に使用するなど、細かなノウハウの蓄積があるため、
後で、別の装置を設置するために、必要となる場所を、異なる装置で占有してしまうようなことは無く、工事は手際よく進められるはずだ」と語りました。

地面を掘り返して、基礎を埋めただけですが、アメリカで、30年間行われなかった原子炉建設が、今始まってしまったのです。


http://www.nytimes.com/2012/04/11/business/energy-environment/nuclear-powers-death-somewhat-exaggerated.html?_r=1&scp=1&sq=fukushima&st=cse#



日本政府、原子力発電の段階的廃止を実質的に放棄≪この記事に対する、世界の人々の声も翻訳・掲載!≫

【政財界の圧力により、原子力発電の段階的廃止の決定を撤回】

ヒロコ・タブチ / ニューヨークタイムズ 9月19日



突然の方向転換が行われ、日本政府は、19日水曜日、先週発表したばかりの、2040年まで(2030年代)の原子力発電の段階的廃止を、政策として決定することを見送りました。
財界と、原子力発電所が立地する自治体からの、反対の圧力が強まった結果によるものです。

野田政権は、2011年に発生した、福島第一原発の事故後の経済政策の決定にあたり、
2040年までの原子力発電の廃止については、考慮の余地があり得るものの、
公式には、『地方自治体、国際社会との議論を充分に行った上で、一般国民の理解が得られるよう努力する』という、漠然とした表現を行うにとどまりました。
野田内閣が公表した、最終決定報告書によれば、新たなエネルギー政策は、『柔軟な姿勢を保ちつつ、不断の見直しと再検討を行う』としています。

この日の午前中、日本において、主要な経済団体が、合同の記者会見を行い、
この中で、経団連の米倉会長は、野田首相が、2040年までの原子力発電の段階的廃止を、実質的に放棄したことを、高く評価しました。
2040年の期限は、「第一に掲げるべき、現実的な選択ではありませんでした」
岡村正日本商工会議所会頭は、記者会見でこう語りました。




原子力問題の、民間の専門家は、先週発表された政府の方針について、
漠然としており、決定は先延ばしにされ、どのような解釈もできる内容だとして、当初から疑念を抱いていました。
水曜日、政府が後退して見せた事を受け、これら専門家は、政府の態度を、日和見であり、腰砕けもいいところだ、と指摘しました。

私たちが見たものは、経済界の圧力に屈し、譲歩の上に譲歩を重ねる、日本政府の情けない姿、それだけでした

民間の核問題・原子力発電の監視組織である、原子力資料情報室(http://cnic.jp/)の、共同代表である伴英幸氏が、こう語りました。



古川元久内閣府特命担当大臣(経済財政政策・科学技術政策担当)は先週、
独自の、『エネルギーと環境のための、革新的戦略』と銘打った文書を公開しましたが、
この中で、28年のうちに(2040年までに)、原子力発電を廃止し、天然ガスなども利用しながら、
最終的に、再生可能エネルギーへの依存に切り替えること
、をうたっています。
しかし、水曜日になると、同大臣は、2040年の期限を実質放棄するという、野田政権の方針に従い、
先週発表された計画について、政府はもともと、それをひとつの参考材料とするために用意したのだ、と語りました。
政策決定のための、ひとつの参考資料です。内容そのものに、実質的な変更はありません

しかし、こうした内閣の発言や行動は、日本の原子力発電を廃止する意思が、本当にあるのかどうか、その疑いを、さらに深めさせることになりました。
この方針を、最初に打ち出したのは、2011年、当時首相であった、菅直人氏でした。
昨年9月、菅前首相の後継者となった野田首相は、
『日本の、原子力発電への依存を減らす方向で…』といった、漠然とした発言を繰り返しながら、停止していた原子力発電所の、再稼働を行いました。

日本は、3月11日に襲った巨大地震と、巨大津波がきっかけとなり、福島第一原発の3基の原子炉が、メルトダウンを引き起こし、大量の放射性物質を、環境中に放出する前までは、
国内に、54基の原子炉を持ち、発電量の30%を、原子力発電に依存し、その割合を、50%にまで高める計画を持っていました。
現在は、2基を除き、これらの原子炉は、すべて停止しています。



福島第一原発の事故後、連続して開催された公聴会では、原子力発電の廃止を求める意見が、圧倒的に多数を占め、
野田首相は、原子力発電に代わる発電手段を、検討することを迫られました。
これらの公聴会において、誰の目にも明らかになった事実は、原子力発電の安全性を確保する、政府の能力に対する、深刻な不信でした。

しかし、経済界は、原子力発電への依存を減らすための、あらゆる取り組みを、
非現実的であり、すでに、アジア各地の、低価格攻勢に追いつめられている、日本の製造業を衰退させるものだ、と強力に批判しました。
そして、日本各地の、原子力発電所が立地する自治体は、高額の補助金、税制上の優遇措置、そして、原子力発電所関連の雇用が失われるとして、原子力発電の廃止に、反対の立場をとりました。
そして、原子力発電所が停止することにより、使用済み核燃料を貯めこんでいる、原子力発電所の施設が、
そのまま、核廃棄物の最終処分場になってしまう事を、恐れています。



そして水曜日、失われた国民の信頼を回復すべく、原子力規制委員会が発足したと同時に、
日本政府の、原子力発電の段階的廃止の方針は、覆ってしまったのです。
前身である、原子力安全・保安院が、規制されるはずの電力会社と、深く癒着し、共謀を繰り返しながら、
結局は、福島第一原発の事故を防ぐためのどのような対策も、取ることはできなかったことを受け、原子力規制委員会が、新たに発足することになりました。

しかし、5人のメンバーによって構成される、原子力規制委員会の委員長に、田中俊一氏が就任したことで、
新たな核監視機関も、すでに、批判の対象になっています。
田中氏は、より厳しい安全基準を、厳格に適用してもらいたいとする立場の人々から見れば、
旧体制の下にあった委員会で、日本の原子力産業界の立場を、強めるために働いてきた人物です。
せっかく、新たに、原子力規制委員会が設けられても、田中氏が委員長になったのでは、旧原子力安全・保安院と何も変わらない、
いい加減な規制しか行わなのではないか、というのが、大方の人々の懸念になっています。

枝野幸男経済産業大臣は、原子力規制委員会は、
「原子力発電を運用する側と、管理監督する側を、厳しく分離」することを実現する、新たな枠組みとなる、と語りました。
そして、日本政府は、
「世界の中で、最も高水準の、規制と災難準備計画作成」のための助力を惜しまない、そうつけ加えました。

取材協力 : 井上まり子

http://www.nytimes.com/2012/09/20/world/asia/japan-backs-off-of-goal-to-phase-out-nuclear-power-by-2040.html?_r=1&partner=rss&emc=rss

★ この記事に対する世界の人々の反応 ★

「何と悲しむべきことだろう……私が考えていた以上に、日本という国は、国民一人一人の利益より、大企業の利益を優先する国だったのだ。
これじゃアメリカ以上だ」
米国マサチューセッツ州ニュートン・isoisaさん

「日本政府は恥を知れ!」
米国フロリダ州・smile mcguiさん

「ニューヨークタイムズが伝える、日本とはそういう国なのだろうな、という報道。
再生可能エネルギー分野で、成長が続く中、ドイツの大企業に、何か困った事態は起きているだろうか?
答えはノーだよ。
たとえば、アルミの精錬業は、莫大な電力を必要とするけど、彼らは公正な競争の下、提示された電気料金を比較し、最も有利な取引を行い、利益もきちんと得ている。

原子力発電が無くなった、ドイツの地方自治体は、困窮しているだろうかか?
こちらもノー。
原子力発電所が雇用する人数は、300人程度。これに対し、再生可能エネルギーは、もっと多くの雇用を実現させている。

ドイツ政府が、2022年の、原子力発電の廃止を決定して、一番変わったことは、巨大電力会社の、原子力発電のためのロビー活動が、パタッと止んだこと。
今や彼らも、再生可能エネルギーの将来性が明るいことに気がついて、嬉々として、開発に取り組んでいるよ」
ドイツ・ルパートさん

  + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

みなさん、お気づきでしょうか?
19日に、日本政府が下した「具体的決断」は、現在建設中の、原子炉の工事続行と、完成後の稼働だけなのです。
そして、同日に発足した、原子力規制委員会の役割は、現在停止中の原子炉の再稼働に、許可を与える事です。
従って、以下の式が、将来現実になる可能性がでてきました。

停止中の原子炉50基(原子力規制委員会の承認があれば再稼働)+建設中の原子炉(日本政府が工事の継続を承認)=?基

これでは、原子力発電の段階的廃止どころか、3.11以前の54基を上回る原子炉の稼働に、道を開いただけなのではありませんか?
しかも、高速増殖炉『もんじゅ』に関する、国家予算の浪費も止まらなければ、核燃料サイクルも継続です。
これでは、原子力発電の段階的廃止どころか、原子力ルネッサンスの復活です。

原子力発電の段階的廃止について、『討議の場』を設けながら、肝心の廃止については、何の結論も出さず、
『ついでの方の』原子力発電所の、新規建設の方だけ承認する。
こんな狡猾なやりかたがあるでしょうか?

これが日本の政治なのだ、と認めた瞬間、大げさに言えば、日本の民主主義国家としての実体は、崩壊します。
それほどの、国民(=主権者)に対する、痛烈な裏切りだと思っています。

↑以上、転載おわり

北九州市、瓦礫焼却と同時に「ツイッター監視」スタート!予算1200万円?!

2012年09月21日 | 日本とわたし
ざまあみやがれいさんのブログから、気になってた件の記事を転載させていただきます。

↓以下、転載はじめ



北九州市が、今回の震災がれき処理の関連予算案で計上した、1200万円のウェブサイト調査について、
市は、ツィッターなど、ネット上を監視する同調査を、民間業者に委託し、1日1回の報告、
風評被害につながる可能性がある書き込みを見つけた場合は、即時報告してもらうなど、調査概要を説明しました。


▼現場発:震災がれき焼却開始 西日本初でも後続なし 北九州市- 毎日jp(毎日新聞)

北九州市は17日、宮城県石巻市から受け入れた、震災がれきの焼却を始めた。
がれきの広域処理を、西日本で実施するのは初めてで、市は、同日から、風評被害対策として、ネットへの書き込み調査も始めた。
【内田久光、宍戸護】』

↑以上、転載おわり


即時報告してもらいたいのはこっちのほうやっ!
ろくな説明もせん、市役所の市長秘書室がある5階の、エレベーターのボタンが消されてる。
非常階段で上っても、階のドアに鍵までかけて、きちっとした説明が聞きたい市民を、暴徒扱い。

異常過ぎ!

やりたい放題されっ放しのわたしらやけど、せめてこの子らを救たろうな!

2012年09月21日 | 日本とわたし
3.11以後、最悪の健康被害の発表「女子小学生の54.1%、女子中学生の55.3%に『のう胞』か『結節』発見」

あなたの署名が子どもたちを救います。まだの方は今すぐ-->こちらから

昨年12月、疎開裁判の、福島地方裁判所郡山支部の判決が、野田総理の欺瞞的な「事故収束宣言」と同日同時刻頃にセットされて出され、
その結果、マスコミからニュースを知る人の殆どが、疎開裁判の判決を知らなかったように、
福島県の県民健康管理調査の検討委員会(座長=山下俊一・福島県立医大副学長)は、
県内の、子どもの甲状腺検査の3回目の結果を、「事故収束宣言」に匹敵し、人々の目がそちらに向けられる日として、9月11日を選んで発表しました。

その結果、この日は、21世紀の日本で最大の事件と言われる、9.11となりました。
なぜなら、今回、発表の4万2千人の子どものうち、6~10歳の女子の54.1%、11~15歳の女子の55.3%に「のう胞」または「結節」が、
男女合わせた全体でも43%に、「のう胞」または「結節」が見つかった
からです(以下の福島県発表資料)。



「のう胞」と「結節」の割合ですが、以下の福島県発表資料(H23年度省略)によると、
「のう胞」が1万8139人(43.13%)、「結節」が385人(0.92%)、つまり、殆どが「のう胞」であることが分かります。




これは、山下俊一氏らが2000年に、放射能非汚染地域の、長崎の子どもたちの甲状腺検査した結果⇒(のう胞が見られたのは0.8%)(*1)、
チェルノブイリ事故の5~10年後に、チェルノブイリ地域の子供たちを調査した結果⇒(のう胞が見られたのは0.5%)(*2)と比べて、途方もない数字です。

本年4月の、2回目の発表で、3万8千人の子どもの35%に「のう胞」が見つかった時ですら、
これを知った、被曝問題に詳しいオーストラリアのヘレン・カルディコット博士は、次のように警告しました。

「この子ども達は、追跡調査をしてる場合じゃありません。
のう胞や結節などの、全ての異常は、直ちに生体組織検査をして、悪性であるかを調べるべきです。
こういった甲状腺異常が、1年も経たないうちに現れるというのは、早過ぎます。
普通は、5~10年かかるものです。
これは、子供達が、大変高線量の被ばくをしたことを意味します。
もしも悪性なら、甲状腺の全摘出が必要です。
子供達に、甲状腺結節やのう胞があるのは、まるで普通ではありません!」 

 
また、アメリカ甲状腺学会の次期会長の、ブライアン・ホーゲン博士は、Business Insiderの取材に、こう答えました。

「カルディコット博士の、上記見解に同意します。
福島原発事故後に、これほどすぐに、多くの子どもたちに、甲状腺の嚢腫や結節が見られることに驚いています。
なおかつ、この事実が、世間に広く知られていないことに、驚いています」


今回の検査結果、(4万2千人の子どものうち6~10歳の女子の54.1%、11~15歳の女子の55.3%、男女合わせた全体の43%に「のう胞」が発見)を知った、2人の衝撃はどんなでしょうか。

今回の甲状腺検査は、原発周辺の子どもからスタートし、次第に、原発から離れた地域の子どもたちへと、実施されましたが、
検査結果は、検査対象が、原発周辺から遠くなるにつれて、逆に、甲状腺異変の割合が増加しています(1回目は30%。2回目は35%。3回目は43%)。

さらに、前回2回目の、3万8千人の中から、初めて1人が、甲状腺ガンと診断されました。
これについて、山下俊一氏らは、「チェルノブイリ事故後の発症増加は、最短で4年」等を理由にして、原発事故との因果関係を否定しました。
しかし、これは、真っ赤なウソです。
3.11以前の山下氏が、3.11以後の彼のウソを、最も鮮やかに見破る人物です。

2009年、彼は講演で、通常なら、子どもの甲状腺ガンは、百万人に1名と述べています(*3)。
さらに、2000年に、原発から150キロ離れた、ベラルーシ「ゴメリ」地区の小児甲状腺ガンは、
チェルノブイリ事故の翌年に、4倍に増加したデータを、紹介しているからです。

明らかに、福島の子どもたちに、異変が発生しています。
このままいくと、福島は、健康な子供が2割しかいないという、今日のベラルーシや、ウクライナのようになってしまいます。
これは、政策問題ではありません。
危機に瀕している命を救うのか、見殺しにするのかという、人権の根本問題です。

 
政府は、「命こそ宝」という政治の原点に立ち帰り、チェルノブイリの教訓から学んで、今すぐ、福島の子どもたちを、安全な地域に逃がすべきです。

次に、なぜ福島市に、これほど沢山の、甲状腺異変が発見されたのか。
それは、単なる偶然ではありません。
作為的に作り出されたものです。
その鍵を握った中心人物が、ほかならぬ山下俊一氏です。
これについて、別便で報告します。

その次に、なぜ、「4万2千人の子どものうち、6~10歳の女子の54.1%、11~15歳の女子の55.3%、男女合わせた全体の43%に『のう胞』または『結節』が発見」という重大な事実を、マスコミはここまで徹底して隠そうとしたのか、
刑事責任が問われてもおかしくないほどの、マスコミの大罪について、別便で報告します。


(*1) 山下氏らの論文
(*2) 日本財団調査
(*3) 山下俊一「放射線の光と影:世界保健機関の戦略」(2009年)536頁1~2行目
(*4) 山下俊一「チェルノブイリ原発事故後の健康問題」(2000年)表2



もう時間無いねん。経ち過ぎてんねん。
ちっちゃい子が、お兄ちゃんやお姉ちゃんが、怖い思いして生きてんねん。
ほんまは、一日も早う、こんなとこから脱出して、ちょっとでもマシな状態になりたい思てんねん。
けども、大人がダラダラと、あ~やこ~やと言い訳ばっかりして、なんも決められへんままでいるから、
けど、悩んでるのがわかってるから、だまってんねん。

疎開させな、死んでしまうで!!

『空飛ぶ恥』、オスプレイを飛ばすな!

2012年09月21日 | 日本とわたし
昨日、報道された、ふたつの沖縄からの記事を紹介します。

ヘリパッド工事再開 高江住民ら重機確認 【沖縄タイムス】9/20/2012

【東】米軍北部訓練場の一部返還に伴う、ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の移設工事が19日、東村高江の移設予定地で、12日ぶりに再開した。
工事は、オスプレイ配備に反対する、県民大会の開催後初めて。

午前7時半前、防衛局職員らが到着。
工事に反対する住民らが、車に乗った職員に、工事の中止や説明を求めたが、
職員は、車から降りることなく、作業員が予定地内に入ったことを確認し、現場を離れた。
作業員は、午後4時半までに撤収した。

また、住民らは同日、風船を使って空撮し、予定地内で重機を確認。
「安全宣言」が出されたことも受け、配備や工事を推し進める政府の姿勢に憤った。

『ヘリパッドいらない住民の会』の石原岳さん(41)は、
「県道70号も提供区域内。高江住民は、訓練場の中で生きてきて、危険性は変わらない」と批判。
比嘉真人さん(34)は、
「今までだまし討ちのようなことを続けてきて、今更、『安全』という言葉を信じられるわけがない」と憤った。

 

『安全宣言』と沖縄 『空飛ぶ恥』を飛ばすな 【琉球新報】9/20/2012
 
日本の戦後の基軸をなしてきた、日米安全保障体制は、その土台を支えてきた沖縄から、崩壊しかねない危機的な状況を迎えた。
 
米海兵隊の、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの、米軍普天間飛行場への配備をめぐり、政府は、見切り発車で「安全宣言」を出した。
努力規定ばかりで、実効性が乏しい代物である。
安全だ、と納得する県民はいまい。
 
日米両政府は、21日にも、一時、駐機先の山口県岩国基地で、試験飛行を始め、沖縄への配備を、遮二無二強行しようとしている。
 
ごく限られた地域に、他の大多数の地域が恩恵を受ける、安全保障の犠牲を負わせ続け、
その重圧に苦しむ、人々の叫びを無視して恥じない、為政者の姿がくっきりした。
 
仲井真弘多知事は、
「今の首相、今の政府が、責任を全て持つということだ」と突き放し、
翁長雄志那覇市長は、
「日本が、沖縄に甘えているのではないか」と問い掛けた。
 
もはや、沖縄と政府の溝は、埋め難い。
基地に向けた県民のまなざしは、敵意を帯び始めた。
 
万が一、県民の命を脅かす事故が起きれば、沖縄の民意はたちどころに、日米安保の根幹と在沖基地閉鎖に、矛先を向けるだろう。
 
基地の島・沖縄からは、この国の成熟度がよく見える。
統治機構の差別的対応を、もはやこれ以上甘受できない。
国際社会に向けて、より強く、より徹底的に、日米の差別的政策を、告発せざるを得ない。
 
普天間飛行場の県内移設と、オスプレイの配備をめぐり、県知事と全41市町村長が反対し、県議会と全市町村議会が反対を決議した。
 
県民は、間接民主主義の手立てを、誠実に尽くした。
そして、直接民主主義を生かす手法として、10万人超が結集した県民大会を催し、強固な意思を発信した。
それからわずか、10日しかたっていない。
 
沖縄には、生身の人間が住み、声を上げている。
決して政治的無人島でも植民地でもない。だが、日本政府の処し方は、米国の意向一辺倒に、物事を進める呪縛にとらわれている。
 
米メディアが、「空飛ぶ恥」と称したオスプレイの配備強行は、沖縄への構造的差別を帯び、民主主義の価値を破壊する愚行である。
 
だが、私たちは諦念を抱いたり、打ちひしがれることはない。
日米の厚い壁を崩すため、ためらわず、粘り強く、自己決定権を取り戻す主張を続けたい。
民主主義の正当性は、沖縄の側にある。

↑以上、転載おわり

だが、私たちは諦念を抱いたり、打ちひしがれることはない。
日米の厚い壁を崩すため、ためらわず、粘り強く、自己決定権を取り戻す主張を続けたい。
民主主義の正当性は、沖縄の側にある。


こんな今になってやっと、55年も生きてやっと、上記の言葉が身にしみるようになった。
自分のこととして考えられるようになった。
日本のこととして考えられるようになった。
同朋の苦しみとして受け取られるようになった。

なんちゅうこっちゃ。
わたしは、自分の人生さえ無事に、なんとか人並みに保てたらそれでええと思てた。
空港の設置や、沖縄の基地や、原発のことを、チラチラとニュースで聞いてたけど、
我が身に起こらんことを幸運と思い、当地の人達を気の毒と思う。ただそれだけやった。

そんなことしてたから、アメリカの財閥や政府につけこまれた。
その粘着力というたらもう、ちょっとやそっとでは剥がされへん。
皆の『無視』が作った糊は、皆の『有視』で溶かしていくしかない。

基地も原発も、それからでっかいもんの立地も、みな根っこはおんなじ。
民主主義の正当性を、根本から腐らす差別と押しつけ。

みんな、なんか方法を考えなあかんと思う。
これまで、なにひとつ、止めることができんかった。
なんか手を考えよう。
どれかひとつ、止められたら、そこから突破口が拓ける。
なんか考えよう。