ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

アメリカンな『母の日』とジャパニーズな『土作り』

2024年05月14日 | 家族とわたし
保育園児だった頃の息子たちから、母の日を祝ってもらえるようになったのは、今から34年前のことだ。
まあ、保育園時代の彼らは、『母の日』の意味などわからないまま、先生に言われた通りに鍋敷きを作ったり絵を描いたりして、それらの裏側に先生が「おかあさんありがとう」という言葉と一緒に彼らの名前を書き込んでくれた。
今やコンピューターエンジニアとして中堅の働き手となった彼らから、今年はお小遣いをもらった。
ありがたや〜。

どこもかしこも母の日を祝う家族でいっぱいだったが、エチオピア料理のレストランで予約が取れたので、ランチを食べに行った。


タイトルの写真は、帰り際にいただいた一輪のバラ。
レストランに来た女性は全員、このバラを渡されるみたい。

こちらでは『母の日』はめちゃくちゃ大騒ぎになる。
1週間前にもなると、出かける先々で、ちょっとした知り合いからでも「Happy Mother's Day!!」と声をかけられる。
楽しい母の日になりますように、という感じなんだけど、それはそれでいいことなんだけど、たまにう〜ん…と考えてしまうことがある。
だって、この世はほんと、人それぞれだから。
わたしはたまたま、ありがたいことにこの歳になって、理不尽なことや不幸なことから遠ざかることができて、これまでもずっとなんのこともなく普通に生きてきたみたいな顔をして暮らしている。
そして息子たちはどちらも、はちゃめちゃな親の行為に巻き込まれ、それはそれは大変な人生を送らざるを得なくなったのにも関わらず、グレもせず立派な大人になってくれた。
だから、誰から「Happy Mother's Day!!」と声をかけられても、自然に笑みがわいてきて、「Happy Mather's Day to you, too!!」と返事する。

でもね、例えばわたしは、母親になってからでもとてつもなく大変で辛かった時があって、そんな時の無邪気な「Happy Mothar's Day!!」には落ち込んだなあ。
それに、こんなふうに誰彼なく挨拶がわりに言っちゃってたら、中には母親になることを選択しなかった、あるいはなりたくてもなれなかった、もっと言えば、母親だったけど、いろんな事情で別れたり死別するというような、とんでもなく悲しいことが起こった人には辛い挨拶になるんじゃないかな。
でもまあ、お国柄というのか、成人したと見受けられる女性には、その人に子どもがいようがいまいが、言っちゃってる。
冒頭に言ったように、レストランなんかだと、成人女性全員に一輪の花がプレゼントされる。
あんまり難しく考えない方がいいのかなあ…。


母の日は家事をしない。
そういう決まりになっているんだけど、菜園の土作りだけはどうしても終わらせておきたかったので、渋る夫にお願いして手伝ってもらった。
師匠は日本野菜専門の農場主、鈴木さんである。
彼は毎年4月末から3週間、週末の土曜日に、デラウェア州からフェリーに乗って野菜の苗を売りに来てくれるのだが、わたしは毎年その苗を買うのが楽しみで、買いに行くと必ず鈴木さんにあれやこれやの質問をする。
鈴木さんはそのいちいちに丁寧に答えてくれる。
一昨年から発生したランタンフライの被害について話すと、どうやら鈴木さんの農場にはまだ現れていないらしい。
あれがひとたび発生してしまうと、胡瓜に大きい被害が出ると思うので、デラウェアまで広がらないことを祈っている。
そんなことを話していると、じゃあ今回は思い切って、土を一から作り直しませんか?と言ってくれた。
教えてもらったことを実行してみた。

まずは土起こしをしたところに、おからの粉、窒素とマグネシウムとカルシウムの粉、そして自家製の枯葉をよく混ぜ、



そこに水をこれでもか!というほど大量にまき、黒いビニールですっぽり覆って2週間待つ。


この間に土の中はかなり高温になるので、害虫の卵は死滅する。
その後、土の中にどんどん良い菌が繁殖し、野菜がよく育つ環境が整うのだそうだ。
さて、うまくいきますかどうか、ワクワクドキドキの2週間なのである。

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