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中国、北東アジアにおける外交上のブレークスルー(2)

2013-05-30 | ラジオ
中国にとって非常に重要なのは、北朝鮮が対話再開への意思を表明する場所が北京であったということだ。西側のパートナーたちは、中国がこの件に対 し影響力を発することができるかどうか、疑いを持ち始めていたが、北朝鮮が扇動を止め、北東アジアの緊張を拡大しないよう、これに圧力をかけねば ならない。
中国は察するに、ツォイ・リョンヘ氏を呼び寄せ、北朝鮮にも西側にも自国の外交能力を見せ付けようとしたようだ。そのためにあらゆる圧力のテコが 用いられ、経済的な圧力もかけられた。
北朝鮮が実際、6カ国協議の再開に踏み切れば、北朝鮮と日本、韓国の政府間の交渉も夢ではなくなる。しかも日韓ともこれをスタートさせることに関 心がある。これが実現すれば、誰が北朝鮮を交渉へ戻らせたか、その人物を記憶するに違いない。

金正恩氏も、朝鮮半島での紛争のエスカレートが自分の政治的イメージを害するものであることは分からないわけではない。北朝鮮は経済的な破綻に近 づいている。それと同時に中国との関係が、こんなにもはっきりと冷却化することで、正恩氏の党内、軍部内でのポジションはぐらついてしまうことに なる。
というのも正恩氏は父、正日氏を引き継いでリーダーとなっただけで、継承された先払い金はもう底をついた感がある。このため、北朝鮮からの回答は 中国のパートナーたちについては、いうをまたず、ロシアも、アメリカも待ちわびていているという合意が北京で表されたことは、正恩氏にとっては必 要不可欠な進展であり、同時に十分強力なものだった。
これは中国との揺ぎ無い友情の堅さを示すものであり、兄が兄は言う事に、弟は背かないということを示す行為でもあった。

正恩氏は中国訪問を非常に望んでいる。正恩氏が最後に中国を訪問したのは1度きり、父に伴われてのことだった。
今回ツォイ氏が北朝鮮第1書記の特別代表として訪れたのは、ナンバーワンの人物の中国訪問のための条件を詰めることが目的だろう。また結果から見 ると、正恩氏への招待状は外交上の突破がなければ出せないことが、ツォイ氏には明らかにされたのではないだろうか。
北朝鮮が実際にこれからも、兄貴分である中国の言うことを聞く構えであるならば、よいチャンスが与えられるだろう。

ベテラン女性アナウンサーの意味不明な言葉「兄が兄は言う事に、弟は背かない」

金正恩が消える日 (朝日新書)
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朝日新聞出版

5月24日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル