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平壌は制裁措置が無効であることを示した

2013-02-15 | ラジオ
国連安保理は北朝鮮の核実験を決然と非難している。安保理は即座に対抗措置を講じるだろう。それが新たな国連安保理決議に反映されることにもなるだろう。
アメリカは北朝鮮に対する制裁措置の厳格化を提案している。ですがロシアのラヴロフ外相は、国連安保理決議の必要性ということには同意しながらも、一方で問題を外交的手段で解決する道を探ること、また朝鮮半島の核問題に関する、6者協議を早期に再開することへの呼びかけも行っている。実に北朝鮮に対する圧力や制裁は、既に無効であることが示されているのではないだろうか。

ロシアの著名な専門家ラニコフ氏は、そう考えている。
北朝鮮に対する制裁が導入されたのは、2006年、北朝鮮が最初の核実験を敢行した直後のことだった。
続く2度目の核実験が2009年に行われると制裁は厳格化された。北朝鮮は制裁に耐えかね、核兵器の開発を中止するだろうとの大勢の見方があった。しかしながらだ。しかしながら北朝鮮は3度目の核実験を成功させた。爆発の規模は回を重ねる毎に増大している。1キロトンから3キロトン、そして今回の6キロトンへ。

今回の第3次の核実験について今届いている情報によると、今回の実験に用いられた爆発物は、理論上、弾頭としてミサイルに搭載することが可能なものだ。すなわち、大陸間弾道ミサイルが北朝鮮の装備に組み込まれた日には、それに搭載することが可能なものだということだ。
その日はそう遠くはないだろう。というのも昨年12月、北朝鮮は大陸間弾道ミサイルのプロトタイプの実験を行い、軌道に人工衛星を投入することに成功しているからだ。
こうしたことはいったい何を意味しているのだろうか。制裁は完全かつ明白に、既に破綻しているということを意味しているのだ。おそらく現在、新たな形式の制裁が準備されているのだろう。たとえば財政上の制裁。理屈の上では、制裁が効果を発揮する可能性も全く排除はされない。ですが今回の制裁も甲斐なく終わるという見込みの方が大きいのだ。

ここで当然の疑問が生じる。北朝鮮の核問題を解決する方法は存在しないのか、というものだ。北朝鮮が核兵器の製造コースから完全に撤退する可能性ということならば、回答は否定的なものにならざるを得ない。
如何なる状況のもとでも、平壌は核兵器の開発を止めないだろう。外国からの攻撃に対する盾として、また最重要の外交カードとして、北朝鮮には核兵器が必要なのだ。ですが北朝鮮指導部は一度ならず、そして二心なく、相当の対価があれば、核開発プログラムの一部を凍結させもするし、核開発を国際のコントロール下に委ねもする、とのシグナルを送っている。この手に乗ることは、なるほど危険含みではある。
ですが原則的に北朝鮮は、完全な核兵器の開発を達成することは出来ない、という事情の下では、妥協にも一定の意味がある。そして、こうした妥協の成立には、制裁の厳格化などではなく、交渉を通じて至るほか道がないのだ。

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2月13日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル