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中国が10年以上ぶりにジニ係数を公表

2013-02-04 | ラジオ
中国は実に10年以上ぶりにジニ係数を発表した。ジニ係数と言いますのは社会層の格差を示す指標。
中国では2012年度のジニ係数は0.474とされた。専門家たちはこの0.4という値について、社会福祉が行き届いておらず制度的な震撼の恐れがあることを示すと解釈している。
習近平氏率いる中国新体制は、この問題を意識しているのだろうか。また社会格差を緩和するために、どんな措置をとっているのだろうか。

中国国家統計局が前回ジニ係数を発表したのは2000年のことだ。つまり社会の状態を示すこの重要な指標を、第4世代の胡錦濤体制は一度も発表してこなかったことになる。胡錦濤体制が掲げていたスローガンには、社会の協調の達成というものが入っていたが、中国社会は所得分配の不平等さについて、信憑性のある情報を手にする機会を逸していたことにします。(何だこりゃ???)

ロシア科学アカデミー極東研究所のポルチャコフ副所長は、中国にとってはジニ係数に反映される社会層の分離問題は、非常に切迫したものだとして次のように語っている。
「こうした問題が切迫化しているからこそ、ジニ係数が公表されてこなかったといえる。所得分配の大きな開きはずっとあった。全体としては過去10年間、胡錦濤体制の下でさらに拡大さえし、0.4という危機的ラインを超えたこともあったが、それよりさらに悪化した状態にはおそらく達しなかったと思われる」
副所長のコメントだ。

ポルチャコフ副所長は、社会の抗議行動が増えたことから社会格差を伺い知ることができると語っている。
社会の富が不平等に分配されていることに対する不満が高まり、その不満はいろんな形で噴出している。ですが、その根底にはまさに所有の不平等というものが横たわっており、これが安定を深刻に脅かす要因となっている。
このことは指導部も認識している。しかし今のところ講じられた措置も、社会が期待するような効果は生んではいない。
ポルチャコフ氏は、中国社会がかなり前から所得配分に関する、法律の採択を希求していると語っている。
しかしながら国家からの巨大な資本を独占し、甘い汁を吸っているグループたちは正面を切って抵抗している。このような構造を持っている企業では、上層指導部と、その下の普通の労働者との所得格差は、あまりにも拡大している。このほかに都市部と農村部の収入格差も依然として 大きな問題となっている。

専門家ポルチャコフ氏によると、所得格差は習近平体制が突き当たる最大の問題だと指摘し、このため近い将来に中国指導部は、これに対する何らかの措置を講じるのではないかとの憶測を示している。中国が再びジニ係数の公表に踏み切ったということは、社会政策の活発化への重要な歩みといえる。

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朝日新聞出版

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