1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

レトリックを和らげた安倍首相

2013-02-14 | ラジオ
安倍首相は選挙公約の実行に取り組んでいる。日本ではロシア、中国、韓国との領土問題で日本政府の立場を大きく打ち出す目的で(?)のストラク チャーとして、領土主権対策企画調整室が創設された。
選挙活動中、安倍氏は強い日本というスローガンに反応し、領土問題について強硬かつ直接的な政策を行なうことを約束してきた。

ところがこれに対し、ロシア科学アカデミー極東研究所のキスタノフ氏は、特別にプロパガンダ用のストラクチャーが創設されたものの、これも安倍氏 が選挙活動中に行った声明が、あまりに柔軟化されているという事実を変えるものではないとして、次のようにコメントしている。
「より得票を得ようとして強硬なスローガンを掲げる道をとることと、すでに首相職を占め、具体的問題に取り組んでいる今、外交政策に反応するこ ととは違う。
日本の首相は困難な状況に今ある。なぜなら同時に複数の領土問題を中国、韓国、ロシアの3国と解決しなければならないからだ。しかもこのような領 土問題は、それぞれに異なる。中国は非常に強硬に自国の国益を維持しようとしているようだ。韓国との関係でも妥協の余地があるとは思えない。この 背景では露日問題はより穏やかで安定し、改善のために良い将来性をはらんでいる」
キスタノフ氏は、このように語っている。

これは先日モスクワで行われた定例の戦略対話も根拠付けた。この対話は今年の露日の政治コンタクトの開始を告げるものだ。キスタノフ氏は森元首相 が安倍首相の公使としてロシア訪問を行なうことを取り上げ、これは両国間の関係を著しく刷新するために、現実的な将来性があることを裏付けている として、さらに次のように語っている。
「安倍氏は日本が今困難な状況にあり、中国、韓国との緊張関係を何らかの形で解く必要があると理解している。ロシアに関していえば、森氏は安倍氏 からの親書を持ってくるだろうと期待されている。
おそらくそれはロシア全島を返還せねばならないが、その返還はある期間は自治権を維持しつつ、段階的に行われるということが書かれているのではな いだろうか。そしてこれは日本が執りうる最大限の道だろう。おそらく森氏の課題は、これにロシア側がどう反応を示すか、その感触を探ることにあ る。
ところがロシアがこんなスキームに乗るはずはない。ロシアの立場は変わらず、何度も繰り返されている。これらの諸島は第2次世界大戦の結果として ロシアに一属したもので、法的にもその主権がロシアにあることは疑う余地もない。このため、これからの交渉で何らかのブレイクスルーは期待できな いだろう。しかしながら、これは露日関係がこれからの近い将来、今の安定した状態に在り続けることを阻害するものではない。なぜなら両国の関心は ここにあるからだ」
キスタノフ氏は、このよう語っている。

領土問題の矛盾が毎回、第一の問題へと提起されず、多少脇に除けられ、他の分野での両国関係の発展に取り組まねばならない。キスタノフ氏は、今日 まさに露日関係を質的に、新たな段階に押し上げることができるとの考えを示している。

(?)は相変わらずベテラン女性アナウンサーの舌がもつれ何語を言っ てるのか不明

日本の外交―明治維新から現代まで (中公新書 (113))
クリエーター情報なし
中央公論新社

2月5日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル