先日(9月29日)、まいまい京都さんの「庭師と体感する浄土庭園、平等院のランドスケープ~鎮守社・宇治上神社から浮島十三重塔、修理中の鳳凰堂と対面~ 」に、まじくんと参加しました。まいまい京都とは、京都の店主、主婦、学生、占い師、職人さん・・・などバラエティに富んだガイドさんといっしょに、京都をまいまい(京都弁:うろうろ)する「京都のまち歩き」ツアーです。前のぶろぐで、出発から宇治上神社まで、仏徳山から中の島公園までの様子をお伝えしました。
続いて、中の島公園から橋を渡って宇治平等院へ向かいました。平等院は現在、鳳凰堂の工事が進められています。せっかく参拝していただいても・・・という観点からか、拝観料は通常の半額になっています。(ミュージアムは通常通り見学できます)寺務所の前には藤袴の鉢植えが置いてありました。万葉集に秋の七草として詠まれ、源氏物語にも登場する藤袴は、環境の変化により絶滅の危機に瀕していますが、京都のあちこちで育成プロジェクトが進められてきました。源氏物語では、夕霧が玉蔓へ思いを託したのが藤袴です。
![P1250297 P1250297](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/99/bcb48a36bea837bd6899884f012494bf.jpg)
平等院は、今から1000年ほど前、藤原頼道(道長の子)が、永承7年(1052)に別荘を仏寺に改めたのが始まりです。永承7 年は、末法思想が貴族や僧侶らの心をとらえ、極楽往生を願う浄土信仰が社会の各層に広く流行しはじめた年です。その翌年の天喜元年 (1053)には、阿弥陀堂(鳳凰堂)が落慶しました。堂内には、平安時代の最高の仏師定朝によって制作された丈六の阿弥陀如来坐像が安置され、華やかさ を極めたとされています。現在は足場が組まれ内部の様子が見えません。その代わりに普段見れない景色・・・これはこれで興味深いです。
![P1250314 P1250314](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/80/534e4e80111bc813f5ad02b2f1f96f74.jpg)
鳳凰堂は池の中島に建ち、極楽の宝池の浮島に浮かんでいる宮殿のように、美しい姿を水に写しています。鳳凰堂からは、先ほど訪ねた仏徳山、鎮守の宇治上神社、宇治神社、その手前を流れる宇治川が見え・・・まさに、この世に出現した極楽浄土を思わせます。ただし、現在は、庭園と宇治川の間に(拝観料を徴収する都合?)生垣が設置されており「極楽の眺め」とはいえません。残念。木が邪魔・・・。(^^;)
![P1250323 P1250323](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/31/9749441b5b08088f4cfcffe6694991c3.jpg)
極楽の眺めを木が邪魔している一方、木が極楽の眺めのお手伝いをしているケースもあります。↓鳳凰堂の背後に見えるマンション・・・このマンションの姿を隠すため、塔頭の「最勝院」境内に植えられた松や椎が、すくすく伸びてマンションの姿を隠しつつあります。頑張れ~!!!
![P1250325 P1250325](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/a3/9d065abef796b12aafdf03129a8873b1.jpg)
拝観受付から左手には鎌倉時代前期創建の「観音堂」があり、その先に「扇の芝」があります。前のぶろぐで、打倒平氏の令旨を掲げ、宇治での決戦に及んだ源頼政の家臣、初代通圓さんの事をお伝えしましたが・・・その頼政が自刃(じじん)したのがこの地とされています。
![P1250301 P1250301](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/5f/1828555b8d95ce206f1f986ef66b06cc.jpg)
その名の通りよく見ると扇形です。なお頼政と家臣の初代通圓さんのお墓は、景観保持のため、すくすく伸びてがんばっている木のある塔頭「最勝院」「浄土院」にあります。
![P1250300 P1250300](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/ba/452b0994f6ccb924affb6a5646b706cd.jpg)
平等院内の気になる木です。【左下写真】藤の名所として有名な「藤棚」です。今年の春は生育が悪く藤の花が伸びずに「期待に沿えません・・・」との案内がありました。来年はどうでしょう?きれいな藤棚は【前ぶろぐ】にて。【右下写真】塔頭の「浄土院」の境内の木瓜(ぼけ)の大木です。ソメイヨシノが散り、紅しだれ桜がぼちぼち終わる頃、見事な紅い花を咲かせます。
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【左下写真】前ぶろぐで二股に分かれ保険をかける木をご紹介しましたが、実例?を発見!池のほとりに二股に分かれた桜の木の片方が枯れた様です。もう片方は元気!【右下写真】池のほとりの百日紅(さるすべり)の木です。江戸時代に中国から日本に伝来した木とされていますが、実際にはもっと昔に伝来したらしく、平等院の古い地層から花粉が発見されているそうです。樹皮がツルツルなのでつけられた名・・・でも猿は滑らずにスイスイ登れるみたい。(^m^)
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宇治川周辺【カテゴリ:宇治】は、桜の季節などに何度か尋ねていますが・・・いつもとちがう、自然や庭を見る視点から眺めてみると、すべてのものに意味があり、人の想いがあり・・・とても興味深かったです。
【おまけ】鳳凰堂の周りをぐるっと回ってツアーが終了した後、有志でランチに行きました。再び宇治の住宅街を「まいまい」して・・・途中面白いものをキョロキョロ・・・
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中村藤吉さんの本店でランチを頂きました。明治時代の製茶工場を改修した店内は、当事のままの柱や梁や天窓などが残っています。
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私は宇治のふきよせ(780円)、まじくんは茶そば(820円)を頂きました。生茶ゼリィ・・・ふきよせに入ってなかった。まぁ、いいか。(><)
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まいまい京都 http://www.maimai-kyoto.jp/
以前、まいまいさんのツアー、京都銭湯部と行く長者湯【前ぶろぐ】、北野界隈天神さんの門前でマイ弁当【前ぶろぐ】、御用達連なる西本願寺門前へ【前ぶろぐ】、京都銭湯部と行くモザイクタイルの美術館【前ぶろぐ】、春の京都御苑できのこる【前ぶろぐ】、着物で佛光寺周辺街歩き【前ぶろぐ】、御所御用達店で買物&料理【前ぶろぐ】伏見稲荷できのこる【前ぶろぐ】森ガイドと歩く大文字山【前ぶろぐ】、近代美術館バックヤード【前ぶろぐ】に参加しています。