先日「真如堂」へ行ってきました。少しだけ色づき始めた境内の様子は前のブログにてどうぞ。真如堂は、正式名称を「鈴聲山真正極楽寺(れいしょうざんしんしょうごくらくじ)」といいます。比叡山延暦寺を本山とする天台宗のお寺で、「真如堂」とは、本堂の名称です。本堂周辺は、桜ともみじのコントラストか美しい紅葉の名所です。
真如堂は、永観2年(984)、比叡山の僧、戒算(かいさん)上人が比叡山常行堂の本尊阿弥陀如来像を、神楽岡にあった東三條女院(一条天皇の母、源氏物語の藤壺女院のモデルとも?)の離宮に安置したのが始まりです。
本尊の阿弥陀如来立像は「うなずきの弥陀」とよばれています。慈恵大師が霊木で如来を彫られた時「比叡山の修行者の本尊となりたまえ」と、眉間に百毫を入れようとすると、如来は三度首を振り拒否をされ「それでは京の都に下って衆生(しゅじょう:命あるものすべて)、中でも女人を救いたまえ」と言われると、三度うなずかれたそうです。そこでしばらくは比叡山常行堂に安置されましたが、やがて真如堂のご本尊として祀られることになりました。ちなみに、白毫とは、眉間にある丸い突起で、約4.5メートルの白い毛が右巻きに渦を巻いているものです。ほくろじゃないのです。(^m^;)
本堂の中央に祀られているご本尊は直接見ることはできませんが、庭園拝観(500円)で複製を見ることができます。ご本尊のほかに、安倍清明の持念仏の千手観音像も祀られています。この千手観音は、安倍清明を横死(突然死)から救ったといわれています。
ご本尊を参拝した後は、仏間や庭園を拝観(500円)できます。
まずは、鎌倉時代の石灯籠(堅い石なので劣化がほとんどありません)と、珍しい「シャシャンポ」という木です。石楠花科の木で、大きな葉と小さな葉が同じ枝から出ています。日本にはこれほどの大きな木はないそうです。
続いて「四季殿」です。4つに分かれた襖絵に四季の花や風景が描かれています。秋の間(写真左下)には、酔芙蓉、藤袴、ススキなどが描かれています。
そして「涅槃の庭」を眺めます。お釈迦さまが沙羅双樹の下で入定(亡くなられた)された際の様子を表しています。1988年の作庭です。
北(画面左)をまくらに伏せておられるお釈迦様の周りに、弟子や生類が嘆き悲しんでいる様子です。右手前の大きな岩は、天界から見守るお釈迦様のお母様です。写真ではうっすらとしか写っていませんが、東山、大文字山、比叡山が借景となっています。大文字山の山肌には「大」の文字がはっきり見えます。送り火を見るのには、絶好の場所ですね。もちろん、拝観時間ではないので一般の人は入れませんけど・・・。
仏間(撮影禁止)の中央には、若い頃の空海の座像がまつられています。この像は、自らが彫ったものとされています。 脇には、本尊を模した阿弥陀如来像と「女性の美」に霊験あらたかだという「不空羂索観音(ふくうけんじゃくかんのん)」が祀られています。女性は必ずお参りしましょうとの事でした。(^^)これらの詳細は、庭園拝観の際に、係の方が説明してくれますが、紅葉のピーク時は対応できない場合もあるそうです。
真如堂 http://shin-nyo-do.jp/ 参拝自由 庭園拝観:500円 駐車場わずか(2009/11/14~12/7は使用できません) *塔頭吉祥院の副住職のHPも楽しいです。
5.5×4.4mの「観経曼荼羅」特別公開が2009/11/1~30まで行われます。
*きものパスポート割引あります。なお、この日は着物で出かけました。拝観の際、日にさらされた廻廊なども(靴下で)歩くので、白足袋の汚れにお気を付けください。