みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

「人民志願空軍」デカールの使い方 その1

2009年04月16日 23時23分18秒 | 航空機(露・軍用機)
 さて、台湾のおみやげとしていただいた「人民志願空軍」のデカール。これをどのように使うかという話を始めたいと思います。問題のデカールについては、ここ

 手始めに、機首に「中国人民志願空軍」の文字を書いたMiG-15の写真をネットから拾ってきました。上はこの文字を書いたMiG-15の写真として書籍などに最もよく見かける写真です。ところが、パイロットが一斉に愛機に搭乗するというカッコいいシーンが選べれているだけに、まことに残念ながら機体後半が全く写っておらず、国籍マークがどうなっているかが分かりません。他の資料も探さねばなりません。
 下の写真は北京郊外の航空博物館の所蔵機です。同じく機首に文字を描いた機体ですが、こちらは胴体後半がかろうじて写っています。これは星に八一の文字、その左右にウイング、という中国空軍の国籍マークですね。しかし、前にも触れましたが、うちの常連さんによると、中国の博物館では塗装を再現した別の機体を堂々と展示することがあるそうで、これが朝鮮戦争当時の塗装であるかどうかは信用できません。

 現在、朝鮮戦争に参戦した中共軍の航空機は北朝鮮のマークを付けていたということが知られています。いや、中共軍だけではありません。ソ連軍パイロットの搭乗した機体もマークは北朝鮮のものをつけていました。とすると、この博物館所蔵機の「八一」マークは、参戦前のものでしょうか、それとも戦争後元に戻したものでしょうか。
 素人なりに考えると、中国の朝鮮戦争参戦は、宣戦布告を行っておらず、あくまで志願軍(義勇軍)を派遣したんだ、という建前です。ソ連に至っては、直接航空兵力を送り込んでいることさえひた隠しにしていた状態でした。するといずれも、基本的には機体のマークは北朝鮮マークを付けていたということになるのでしょう。ならば「人民志願空軍」の文字を書き、なおかつ中国の「八一」マークを付けているという状態は、参戦前にとりあえず文字を書き、国籍マークはまだ描き直していない、という段階だと考えられます。
 ところが、エアロマスターデカール(AMD)のソ連人パイロット搭乗のMiG-15用デカール「Korean War Aces Aces Pt I / Pt II」(48-229/48-230)には、「八一」マークの機体と、ソ連の赤星マークの機体が、一つずつ含まれています。エアロマスターデカールの説明書には、ロシアの個人から提供された写真を元にマークを作成したようなことが書いてありますから、かなり信用に足る塗装例だと言えるでしょう。すると北朝鮮マーク以外に、「八一」や赤星のミグもいなかったとは言い切れません。
 では、この台湾みやげの「中国人民志願空軍」デカールを使う場合、やはり胴体と主翼には「八一」マークを使うべきなのでしょうか。いや、もうちょっと資料を探してみることにしましょう。それに皆さんお気づきでしょうか、字体そのものにもまだ問題がありまして…