蟄居中、髭や月代を整えてもよし・仮刑律的例 48の3
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(要旨)蟄居中、髭や月代を整えてもよし
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【近江仁正寺藩主からの伺い】
明治2年3月29日、 近江仁正寺藩主からの伺い
預かりの者4人は、長期間の蟄居生活のため、最近頻繁に逆上するため難渋しております。差し支えなければ、髭や月代を整えてもよいように申し伝えたいのですが、問題はございませんでしょうか。お伺い申し上げます。
【明治政府からの返答】
伺いのとおりで問題ない。
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(コメント)
・仁正寺藩は、近江国蒲生郡仁正寺(現滋賀県蒲生郡日野町)に存在した藩です。
・「預かりの者4人」がどのような者か伺文からはよくわかりませんが、「蟄居生活」と記載されていることからすると、武士であり、現代風にいうと禁錮刑を受けていたのではないかと思われます。
・「差し支えなければ、髭や月代を整えてもよいように申し伝えたい」とありますので、髭や月代を整えることを認めず、伸ばし放題であったようです。
・伺いでは髭や月代を整えることの許可を明治政府に求めるものですが、政府は「伺いのとおりで問題ない」とあっさりと認めています。
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