南斗屋のブログ

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和解条項の内容の解説(交通事故訴訟)

2007年09月05日 | 交通事故民事
 前回、和解条項というのが、具体的にどういうものかを書きました。
 ただ、これだけでは、何が書いてあるのかよくわからないという方が、多いのではないかと思いますので、個別の条項について、簡単に解説をします。

 第1項は、
「被告は、原告に対して、本件損害賠償請求債務として、金*万*円の支払い義務あることを認め、これを平成*年*月*日限り、原告訴訟代理人弁護士の銀行預金口座に送金して支払う。」
でした。

 交通事故の訴訟では、被告=加害者、原告=被害者と考えていただいてよいと思います。
 「被告は、原告に対して、本件損害賠償請求債務として、金*万*円の支払い義務あることを認める」という部分は、
 ”加害者が被害者に民事訴訟で請求された金額のうち*万*円を支払います”
という意味です。

 その次の
 「これを平成*年*月*日限り」
の「限り」という意味が理解しにくいと思いますが、これは、”までに”と同じ意味です。
 つまり、”平成*年*月*日までに支払います”ということを述べているわけです。

 和解条項の第2項は、
「原告は、その余の請求を放棄する。」
でした。

 和解で認められる金額は、訴訟で請求した金額よりも低くなります。
 たとえば、訴訟で1000万円を請求しても、和解では900万円とかいうように必ず低くなります。
 そうすると、上記のケースでいうと、100万円(1000万円ー900万円)はどうするのだということが、法律上は問題となってしまうので、和解条項として、「その余の請求」(上記のケースで言えば、100万円)は「放棄する」、つまり、これ以上請求しませんよということを明らかにしておくわけです。

 第3項
「原告と被告との間には、本件訴訟について、本和解条項に定めるほか何ら債権債務のないことを相互に確認する。」
ですが、これは”清算条項”ともよばれています。
 被害者と加害者との間には、和解で決めた金額以外には、貸し借り(法律上の用語で言えば、「債権債務」)はありませんよという規定です。

 第4項
「訴訟費用は各自の負担とする。」
ですが、「訴訟費用」の意味については、以前書いたものがありますので、そちらをご覧ください(→こちら
「各自の負担とする」ですが、「各自」というのは”それぞれ”という意味ですから、

 ”訴訟費用は、それぞれが負担した分はそれぞれで負担してください。原告が既に出したものは原告が負担。被告が既に出したものは被告の負担。この和解では訴訟費用についてのやりとりはありませんよ”

という意味になります。

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