以前、民事訴訟の一審が終わるまで、どのくらいの期間がかかるのかという記事を書きましたが(→過去記事)、そのときに、人証の取調べを必要とする事件については18.8ヶ月という裁判所の統計を紹介しました。
この「人証」(にんしょう)という言葉が、気になった方もいるかもしれません。
過去記事では、大雑把に"証人尋問"のことと理解して下さいと書きました。一般の方であれば、そういう把握の仕方で間違いがないのですが、今日はその細かいところにまで踏み込んで書いてみたいと思います。
少しややこしい話になりますし、専門的なところにも少し踏み込まなければならないので、読まれる方は心して読んでください・・・
さて、厳密にいうと「人証」と「証人」は違います。
漢字ですと字が前後になっただけなのですが、法律上の意味が変わってきてしまうのです。
まず、「人証」の説明からします。
「人証」というのは、証拠の種類の一種です。
訴訟では証拠を、紙に書かれたもの、人によるものという風に分けます。
紙に書かれた証拠を書証(しょしょう)、証拠が人の場合を人証といいます。
証拠が人の場合の中には、証人尋問と当事者尋問という2通りの尋問があります。
当事者というのは、訴訟の原告や被告をいいます。証人というのは当事者以外の人のこと。
なぜ、当事者とそれ以外を分けるのかというと、尋問であえて嘘の供述をした場合の責任が、当事者と証人では違うからです。
一番の違いは、証人が嘘の供述をすれば、偽証罪になりますが、当事者の場合は偽証罪には、ならないというところでしょうか。
つまり、証人の場合は、他人の裁判だからといって、嘘をついたら偽証罪という刑罰を科しますよということになっています。
以上のように「人証」というのは"人が証拠"ということを示し、「証人」というのは、"原告とか被告以外の第三者で、法廷で証言する人で、嘘をいうと偽証罪になってしまう"ということになります。
こんな風に、証人に偽証罪もありうるという重い責任を科すと、証言してくれる人がいなくなってしまうのではないかと、思われる方もいるかもしれませんが、そのとおりで「証人として法廷で証言をして下さい」と頼んでも「法廷ではちょっと・・・」と断られることは、ままあります。
あまり知られていないことですが、法律では全ての国民は、裁判所から証言を命じられれば、証人として出廷して、証言をしなければならないことになっています。
つまり、証言をするように強制することが法律上できることになっていますが、少なくとも民事の裁判では(刑事裁判は違います)、そのような方法はほとんど使われません。
そのため、協力的な方がいなければ、証言がえられないという現状になっています。
この「人証」(にんしょう)という言葉が、気になった方もいるかもしれません。
過去記事では、大雑把に"証人尋問"のことと理解して下さいと書きました。一般の方であれば、そういう把握の仕方で間違いがないのですが、今日はその細かいところにまで踏み込んで書いてみたいと思います。
少しややこしい話になりますし、専門的なところにも少し踏み込まなければならないので、読まれる方は心して読んでください・・・
さて、厳密にいうと「人証」と「証人」は違います。
漢字ですと字が前後になっただけなのですが、法律上の意味が変わってきてしまうのです。
まず、「人証」の説明からします。
「人証」というのは、証拠の種類の一種です。
訴訟では証拠を、紙に書かれたもの、人によるものという風に分けます。
紙に書かれた証拠を書証(しょしょう)、証拠が人の場合を人証といいます。
証拠が人の場合の中には、証人尋問と当事者尋問という2通りの尋問があります。
当事者というのは、訴訟の原告や被告をいいます。証人というのは当事者以外の人のこと。
なぜ、当事者とそれ以外を分けるのかというと、尋問であえて嘘の供述をした場合の責任が、当事者と証人では違うからです。
一番の違いは、証人が嘘の供述をすれば、偽証罪になりますが、当事者の場合は偽証罪には、ならないというところでしょうか。
つまり、証人の場合は、他人の裁判だからといって、嘘をついたら偽証罪という刑罰を科しますよということになっています。
以上のように「人証」というのは"人が証拠"ということを示し、「証人」というのは、"原告とか被告以外の第三者で、法廷で証言する人で、嘘をいうと偽証罪になってしまう"ということになります。
こんな風に、証人に偽証罪もありうるという重い責任を科すと、証言してくれる人がいなくなってしまうのではないかと、思われる方もいるかもしれませんが、そのとおりで「証人として法廷で証言をして下さい」と頼んでも「法廷ではちょっと・・・」と断られることは、ままあります。
あまり知られていないことですが、法律では全ての国民は、裁判所から証言を命じられれば、証人として出廷して、証言をしなければならないことになっています。
つまり、証言をするように強制することが法律上できることになっていますが、少なくとも民事の裁判では(刑事裁判は違います)、そのような方法はほとんど使われません。
そのため、協力的な方がいなければ、証言がえられないという現状になっています。