南斗屋のブログ

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医師不足と弁護士サービスの格差

2008年01月28日 | 交通事故民事
医師不足がマスコミで騒がれています。
医師不足は人の生命に直結する問題だけに、放っておけない問題となっています。
医師不足の原因として、以下のものがあげられています。

①2004年に研修医制度の変更があり、研修医か研修先病院を自由に選べるようになった。
②医師側も多少給料が安くても、都市で生活したいという考えが支配的。
③それゆえ、研修医が都市に集中し、地方で医師が足りなくなった。

研修医制度の変更以前は、大学病院の医局が、その権力で研修医をいわば「強制的に」配置できたのですが、「自由化」によって、その権力基盤が崩されてしまい、大学医局の権力基盤の上に成り立っていた医師の配置政策が、崩壊してしまったということになりましょうか。

では、弁護士はどうなんでしょうか。
「弁護士不足」とは、今は言われていません。というか、弁護士がこのまま急速に増えたら大変なことになるということで、司法試験の合格者の増加をしないように、決議をしている弁護士会連合会もあるほどです。

どうも、それらの意見は、司法試験を合格したはいいけれど、就職先がない、そんな就職先のない弁護士資格のあるものだけを作っても無意味だ、というところにあるようです。
しかしこれは、"合格者が困る"という視点からのもので、弁護士サービスを受ける"消費者"側からの視点が入っていません。
医師と違って、弁護士の場合、弁護士がいなくても生命に直ちに直結するわけではないので、弁護士不足かどうかが見えにくいということがあるかとは思います。そこで、不足というよりは、弁護士のサービスを受けやすいかどうかの「格差」という点から、考えた方がよいのかもしれません。

 次回、どのくらいの格差があるのかを考えてみたいと思います(→次回の記事へ)。



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