リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

茗荷をもらえる話と選挙の郵便投票の話

2022年10月13日 | 日々の風の吹くまま
10月12日(水曜日)。☀。今日も晴れ。朝方にちょっと冷えたのか、クィーンズ公園の市の公園課の育苗施設があるあたりから、この秋初めての白い蒸気がもくもく。来週の終わり頃には本格的に気温が下がり始めるらしい。そりゃあいつまでも夏の名残りってわけには行かないよね。

修理やメインテナンスで停止していたあちこちの製油所がいっせいに稼働を再開するということで、ガソリン価格が「歴史的な」下落になると言う記事があって、「歴史的」は大げさだとしても、窓の下に見えるガソリンスタンドの料金表示は、連休直前の金曜日にリットル241円だったのが土曜日に228円に下がって、連休が明けてもそのままで、けさも228円。業界内では下がるとわかっていたんだろうな。まあ、我が家のエコー君は190円のガソリンがまだほぼ満タンだからどうでもいいけど、「歴史的な下落」ってどのくらいの下落になるのか興味津々。

きのうの夜、家族付き合いの仲良しのイーディスからカレシに「庭に植えた茗荷が良く育ったのでお裾分けしたい」と電話。ポットに入れて今夜のArts Club第2作のオープニングに持って行くと言うので、私たちは電車で行くから、何だったら日曜日にディナーに来ないかと持ちかけたら、とんとん拍子に決まり。コロナでなかなか行き来できなかったから久しぶりだね。でも、ワタシは茗荷に関しては「食べると物忘れをする」と言う言い伝えしか知らないし、食べる「茗荷」は東京の店先でちらっと見たことしかないので、元生物学教授で園芸大好きのイーディスが育てた「ミオガ」ってどんな植物なんだdろうと思っていたら、SMSで写真を送ってくれた。ふうん、けっこう大きいんだな。どんな風に実(だよね?)が生って、どんな風に食べるんだろうな。さっそく、マットにグルメきのこのお伺いを早めに立てて、明日はマーケットでケイラの野菜類を仕入れて来て、ヴィクターには4人分の骨付きラムを頼もうかなあと、メニューの計画。日曜日が楽しみ。

買い物に行って来て、ロビーの郵便箱を開けたら、あは、大きな封筒が2通入っていて、市政選挙の郵便投票の用紙。今月2日に用紙を申請した時に送られて来た受付確認メールのリンクから「処理状況」をチェックしたら、5日に郵送したことになっていたので、そろそろ来る頃だと思っていたけど、申請が期限ぎりぎりだったし、三連休があったから、きのう正午の投函期限には間に合わなかったんだろうな。それでも、市役所に持って行って裏口に特設された郵便ポストに入れるなら、期限は投票所に出向くのと同じ15日の午後8時。市役所はファーマーズマーケットの会場になっている公園の隣で、いつも市役所裏の駐車場を通って近道するから、あしたマーケットに行く途中でポストに「投票」すればいいよね。それにしても、封筒に一緒に入っていた説明書によると、中身は投票用紙(D)、投票用紙を入れる封筒(A)、Aを入れて有権者本人が投票したことを確認署名する封筒(B)、Bを入れて返送する封筒(C)、そして(私たちには不要だけど)視覚や運動障碍のある人の投票を助けた人の宣誓書(E)。投票用紙には候補者の名前が印刷されているから、市長(1名)、市議会(6名)、教育委員会(7名)のセクション別に名前の横の楕円を塗りつぶして投票。投票数は定数以下でもいいけど、それ以上の場合はそのセクションの票は無効になるから注意が必要。で、投票用紙を元の折り目でたたんで、封筒Aに入れてしっかり封をして、それを封筒Bに入れて封をして、上に名前、住所、有権者であること、郵便投票の資格があること、投票券による二重投票はしていないことを宣誓して署名して、それを封筒Cに入れて封をして投函、という手順。よし、明日の朝のひと仕事ということにして、急いで晩ご飯を食べて、Arts Clubの第2作目のオープニングに駆けつけなくちゃ。ああ、忙し。



インフルエンザ予防接種の予約もまずは登録してから

2022年10月12日 | 日々の風の吹くまま
10月11日(火曜日)。☀。連休明け。来週早々の雨の予報がまたさらに1週間先に遠のいていてがっかり。でも、空はきのうよりも透き通っている感じで、ルーフデッキに出ると風が冷たい。沿岸地方一帯に出ていた強風注意報は解除になっていたけど、主に北の方で吹いていたらしい。風に煽られて、せっかく抑止できていた山林火災がまた勢いを増すやら、新しい火災があちこちで発生するやらで、大干ばつの影響で山火事シーズンはだ終わりが見えないらしい。ほんと、雨らしい雨が降ったのがいつだったのか、もう思い出せないくらい雨を見ていない。普通なら雨の季節に入っていて、降り始めたら止まることを知らないから困るとこぼしているのになあ。それでもひと晩で秋になったのか、ウォーキングに行ったら歩道の落ち葉が急に増えていて、日が当たっていても空気はちょっと冷たかった。

朝のコーヒーを飲みながら新聞サイトを見ていたら、「今年のインフルエンザ予防注射は登録が必要」というニュース。去年までは自分で薬局などに行って予約をしていたのが、今年はまず州政府のワクチン接種のサイトに登録して、案内が来たら予約するしくみになったよという記事だけど、私たちはとっくに案内をもらって予約を入れちゃっているのに、何で今ごろなんだろう。感謝祭の翌日から接種を始めると聞いていたので、早めに予約するつもりで行きつけの薬局があるスーパーのサイトにアクセスすると、「予約しましょう」みたいなボタンがあって、それを何度クリックしても開くのは政府の「登録サイト」。コロナのワクチンは登録してあるけど、インフルエンザも別途登録しなければならないのかもしれないと思って、めんどうだなあとぶつぶつ言いながら必要なデータを入力して「登録」をクリックしたら、「あなたはすでに登録されています」だって。

そこで行き止まりのようなので、サイトを閉じたけど、じゃあコロナワクチンのように案内が来るのを待っていればいいのか、それとも薬局に行って予約を入れるのか、どこにも説明がない。しょうがないから薬局で聞いてみなくちゃと思っていたときに案内メールが来て予約を入れたわけだけど、スーパーのサイトには直接予約できないことは書いていなかったから、この記事を読むまで「新しい」システムの全貌は知らずじまい。もっと早くに記事を載せてくれていたら、何度もアクセスしたり、登録しようとしたりのよけいな労力と時間を無駄にしないで済んだのにな。ある家庭医が前にはなかったお役所事務を導入して、「招待」されなければ受けられなくするのは理解できないとツィートしたそうだけど、PCやスマホがなければ電話でも登録できるんだし、今年は州の医療保険番号があれば「無料」で受けられるんだから、他州の人たちや旅行者のようにBC州で税金を払っていない人たちが便乗するのを防ぐ意味でも、誰に接種するか管理したいだろうと思うね。今年はインフルエンザが猛威を振るいそうだという予想で、普通の風邪だってちょっとひどかったから、さっさと予防注射をしておくに越したことはないよね。インフルエンザも普通の風邪も、コロナのせいでもう2年も「活躍の場」がなかったようなもんだから、今年こそは我らの番だぞっと腕まくりして意気込んでいるかもしれないから。

コロナワクチンと同じシステムだとすれば、案内メールも同じ優先順を基準にして自動的に送信されているだろうから、コロナワクチンの5回目の案内メールも来月早々に来るだろうな。インフルエンザと一緒にまとめて受けてもいいと書いてあったけど、それはちょっとなあ。ま、それはともかく、ランチの後でスロークッカーを持ち出して来て、今日の晩ご飯のポットローストビーフの仕込み。グレービーソースになるシャンテレルきのこをどっさりと松茸の大きいのを1本裂いて入れて、ビーフブロスをかけまわして、タイマーをセット。買い物は明日に回してのんびりしていたら、ほのかに松茸の香りが・・・。

目の前をフィリピン航空機がしずしずと


感謝祭の三連休の最終日はおいしいものに感謝しよう

2022年10月11日 | 日々の風の吹くまま
10月10日(月曜日)。⛅⛅。三連休の最終日は感謝祭。朝からずいぶん雲が広がっているなあ。でも、何日も地平線にへばりついていたもやはどこかに行ってしまったみたいで、秋らしい青空に白い雲。というよりは、白い雲のあちこちで青空がのぞいていると言った方がいいかな。その雲も時折ちょっと厚くなって、灰色っぽい色。それでも、天気予報サイトで雨粒がついていのは来週の月曜日で、それもおしめりにもならない「通り雨」程度らしい。午後には青空が増えて、ひつじ雲かうろこ雲か、白に戻った雲は間違いなく秋の雲。

朝から今年の感謝祭のご馳走メニューを思案。目玉は郊外のケイラの農場で育った直径が12センチくらいの小ぶりの赤皮栗かぼちゃ。生ソーセージを詰めてローストするレシピがあったので、ヴィクターのお父さんが手作りしたウクライナ式ソーセージを使ってメインコース。ニンニクはケイラのチベット種のハードネックのがまた何よりもニンニク臭が少なくて、スーパーで売っている中国産のニンニク(ソフトネック)とは比べ物にならないおいしさ。さて、付け合わせは、マットが山に入って採って来た松茸とハナビラタケの天ぷらにしてみようかな。ヘッジホッグはスープにしてみるとか、たっくさんあるシャンテレルは、はて。ゆうべはきのこ4種類を全部混ぜたクリーム煮をパスタソースにしたら、1本しか使わなかった松茸の香りと味が飛びぬけていてびっくり。いや、おいしかったの何のって、パスタ好きのカレシも「うまいっ」の連発。ほんとに自然の恵みのぜいたくな地産地消で、まさに感謝祭のご馳走にふさわしいよね。

きのこに関しては、きのうあちこちググっていて見つけたミシュランガイドの雑誌に高価なきのこについて、なぜそんなに高価なのかを解説する記事があって、人間は手の届かないものを欲しがる動物なんだけど、取り上げた6種類はいずれも人工栽培がほぼ不可能で、自然の気まぐれに任せるしかないために高価なんだというのに、なるほどぉ。一番先に取り上げていたのがポルチーニ。味が濃くて好きなきのこのひとつ。イタリア産の小ぶりの冷凍ものを買ったことがあって、1回に大量に使うのでなければ単価としてはそれほど高いとは思わなかったけど、ローマのカンポディフィオリの屋台で売っていたゴロンとでっかいのを見て、そっか、小さ過ぎて見向きもされないのを冷凍して輸出したってことだったのかとナットク。次は黒トリュフで、何度か料理の香り付けに乗っかっていたのを食べたけど、ワタシとしてはキャビアと同じで何か今ひとつ物足りない感じ。続くシャンテレルは特定の条件がそろわないと生えないために高価なんだそうで、BC州ではその条件が揃っていることが多いと言うことかな。ああ、そうか、お裾分けしたらヴィクターのお父さんが大喜びしてくれたのは、ヨーロッパでは希少だからかもしれないね。次のモレルも、生態がはっきりしていなくて見つけるのが難しいということだけど、BCでは毎年たくさんモレルが発生しているから、これも自然条件に恵まれているってことかな。松茸は周知のとおりで、最後に出て来た白トリュフは間違いなくもっとも高価なきのこだと思う。前菜のリゾットに薄く、薄くスライスしたかっきり1グラムを載せてもらったことがあるけど、おかげで前菜の値段がメインコースの倍になってしまったっけ。でも、あれはほんっとに一生に一度の感激的な味だった。(後日ラスベガスのホテルの有名レストランで食べた時は感動するほどの味がしなかったけど。)この6種類の中でどれが好きかと聞かれたら、1にシャンテレル、2にポルチーニかな。

まあ、シンプルだけどけっこうぜいたくなご馳走のメニューが決まったところで、きのう来た案内状のリンクからインフルエンザの予防注射の予約。クリックすると保健省のサイトが開いて、登録番号と名前がすでに表示されているので、医療保険番号を入力するだけで「次」。一番上にワクチン接種の「推奨予定日」なる欄があって、コロナワクチンの5回目(ブースター)は11月1日、インフルエンザワクチンは10月1日になっていた。その下にある「どのワクチン接種を予約するか」の欄で「インフルエンザ」を選択して、「希望するワクチンの種類」の欄で2番目の「注射(65+)」を選択。高齢者は高用量のワクチンが無料だそうなので、これは「65歳以上」ということだろうな。(3番目は「鼻腔用スプレー」で、これは子供用。)次に接種場所について、駐車場や車いすのアクセスが必要かとか聞いていて、当てはまらないので無視して、次の接種場所の選択。デフォルトで、登録してある住所がから「半径10キロ以内」に57ヵ所と出ていたので、「半径5キロ」に変えたら選べるのは10ヵ所。行きつけの薬局が入っていなかったけど、ニューウェストミンスター駅の下にあるドラッグストアなら一番行きやすいと選択。横に接種日を選択するカレンダーが開いて、あっはぁ、来週20日に〇がついているじゃないの。ちょうどArts Clubのファンドレイジングのディナーの日で、電車で行くつもりだったから一石二鳥とばかりクリックしたら、15分刻みのスロットがずらり。ディナーの時間から余裕を見て遡って「午後4時」を選択して、後は「情報に間違いはありません」をクリックして送信。ここまで5分もかからなかった。受付完了のメッセージが出たので、すぐにカレシ宛のメールからまた同じ手順で同じ場所の同じ日の4時15分を確保。さっそく確認番号がEメールで送られて来て、あっさり完了。簡単、簡単。お役所の手続きがみんなこうだといいのになあ。さぁて、ご馳走のしたくにかかろうっと。


メインはソーセージを詰めた栗かぼちゃ

マティニのグラス片手に天ぷら作り

秋の夜空に月と木星


感謝祭の三連休の中日

2022年10月10日 | 日々の風の吹くまま
10月9日(日曜日)。☀🌤。感謝祭の三連休中日。空は相変わらずもやっているけど、大気の質(AQHI)はごく普通の「3」(夜には「2」)。でも、連休最終日の明日の午後からはこの秋の「嵐」の第1号が通過するそうで、今度は強風注意報。ただし、最大15、6メートルの突風が予想されるそうだけど、雨を伴わないので、注意報の焦点はもっぱら「風で飛ばされたものや干ばつで弱った木の折れた枝などで、けがや物品の破損、停電などの恐れがあります」。でもまあ、大風は我が家の後ろ側から吹いて来るようだから、バルコニーもルーフデッキもあまり影響はないかな。カレシが水遣りに使っているジュースの空ボトルは取り込んでおいた方が良さそうだけど、ま、明日の話。

連休の中日だからか、金曜日からリットル241円になっていたガソリンスタンドの料金表示がけさは228円。連休で遠出する人たちはみんな連休前に満タンにしてどこかに行ってしまって客が来ないからということなのかな。連休前に2円くらい値上がりするのは夏にはよくあることだけど、木曜日は236円だったから5円値上げはぼったくりもいいところで、それをいきなり13円も値下げするなんて、いったい何のゲームをやっているんだか。連休明けの火曜日の朝はどんな数字になっていることやら。どこにも行かない我が家は断食明けで、なぜか2人揃って体重がいつもより減ったので、今日は掃除の日でもあることだしと、ベーコンとシャンテレルきのことオムレツで先週よりも多い卵4個のスクランブルエッグでカロリーたっぷりの朝ご飯。

掃除が終わって、さて後はのんびりと思ってPCを立ち上げたら、あら、インフルエンザのワクチン接種の「ご案内」。去年は行きつけの薬局があるスーパーのサイトで直接予約したんだけど、今年はコロナのワクチン接種のために州が立ち上げたワクチン登録サイトを通すようになったようで、Eメールの送信時刻はワタシ宛のは午前3時33分、カレシ宛のは午前5時5分だから、登録データを基準に自動的に送信されるんだろうな。予約サイトのリンクが貼ってあって、そこでメールにある登録確認番号と医療保険番号を入れて、日時と場所、ワクチンの種類(シニアは高用量のワクチンを選べる)を選べるとのこと。コロナワクチンは2回目からこれまで3回このサイトを通して予約したけど、お役所のサイトとしては使いやすくできるていると感心したっけ。よし、カレンダーと相談して、あしたにでも予約を入れようっと。

親しくしているトッドとヴァレリーの夫妻が結婚25周年の記念旅行中で、FBでつながっているトッドが毎日ハイキングやカヌートリップ、立ち寄ったパブなどの写真をアップしていて、おしどり夫婦っぷりにあてられつつ、すてきな景色だなあ、行ってみたいなあと楽しんでいたんだけど、記念日当日の写真の中に野球の実況中継のテレビ画面があって「唯一の失望」。ええ、何で?と思ったら、メジャーリーグのプレイオフでトロント・ブルージェイズが5回までシアトルのマリナーズを8対1でリードしていたのに、何と9対10で逆転負けしてプレーオフから脱落してしまったのだった。昔チャーリーブラウンのマンガにあったような負けっぷりで笑っちゃったけど、トッドは大のスポーツ好きで、パスケットボールの審判員の資格を持って、国際試合での審判の経験もある人。そっかあ、ブルージェイズは大ファンの節目の記念日を祝ってくれなかったのかあ。それは残念だったねえ。それでも、2人の娘を育て上げて未だに熱々の2人に、結婚25周年、おめでとう!


東の空に昇って来た満月は「狩人の月」・・・。

感謝祭の三連休の初日

2022年10月09日 | 日々の風の吹くまま
10月8日(土曜日)。☀☀。感謝祭の三連休の初日。今日は断食の日なので、のんびりと9時起床。さすがに朝方の気温が下がって来たので、洗濯日でもあるしと、ベッドのシーツを肌に涼しいパーケールから温かなフランネルに切り替え。外したシーツが洗濯機で回っている間にウォーキングに行って来て、シャワーをしてからいつもの洗濯。キッチンは、毎週念入りに掃除をしていたせいかあまり汚れていないので、シンクを簡単に洗っただけでおしまい。シーツの取替えで重いマットレスを持ち上げてのベッドメーキングで汗をかいたから、ここはエネルギーの節約ってことで、後は乾いた洗濯物を畳んでしまったら今日の「家事」は終了。

カナダの感謝祭も、アメリカほどの熱気ではないけど、大きな七面鳥を焼いて、家族が集まってご馳走のテーブルを囲む日ということになっていて、バンクーバー島と本土を結ぶフェリーは大幅増便、と言うところまでは良かったけど、きのうは人手不足とかで何便かがあっさり欠航になって、混雑を避けて金曜日のうちに移動しようとした人たちの連休計画がおじゃん。バンクーバー空港では、アメリカ行きのターミナルでの手荷物検査の時間を出発の72時間前から予約できるようになったそうで、長い長い行列で何時間も待たなくてもよくなるらしい。アメリカで導入されたアプリを使ってパスポートなどの情報を予め提出しておけば、アメリカでの入国手続きの時間も短縮できて、カナダに帰って来る時も義務からオプションに変わったArriveCANのアプリを使って事前に税関申告を済ませるとさらに時間の節約になるそうで、これで少しは空港での大混雑が緩和されるのかな。

プッチンが勝手に併合したクリミア半島にロシアからアクセスする唯一の橋で大爆発。映像を見る限りでは、爆発のすごさからして、トラックに積まれていた爆薬は相当な量だっただろうな。誰かが手持ちの爆発物で事件を起こしたというようなレベルじゃなくて、周到に計画されたものとしか考えられない。ウクライナ側では誰もウクライナがやったと認めていないけど、かなりの祝賀ムードに浸っていることは確かで、SNSには大胆なユーモアたっぷりの投稿が溢れているそうな。プッチンの誕生日の翌日だったので、ウクライナの安全と防衛を司る評議会のトップがマリリン・モンローがケネディ大統領の誕生日に歌った「Happy Birthday, Mr. President」を有名なビデオを添えて投稿して、何万人もの人たちが「いいね」を付けたとか、郵便局が映画『タイタニック』のシーンを模した切手のデザインを発表するとその大きな看板の前て自撮りする人が続出したとか、ある銀行が壊れた橋と燃える列車をデザインしたカードを発行したら、短時間に30万回以上もダウンロードされたとか、ウクライナの国鉄は燃えている列車の写真に「禁煙マーク」を重ねて「列車での喫煙は禁止されています」とツィートしたとかで、まさにplucky(困難に直面したときの勇気や肝っ玉の太さ)と言う形容詞がぴったりで、これじゃあプッチンがいくら侵略して殺戮の限りを尽くしても、ロシアは勝てないと思ってしまった。見くびり過ぎていたってことで、プッチンがそれを認めるとは思えないけどね。

バンクーバーでのファーマーズマーケットが閉まるタイミングを見計らって、マットに今日は何があるか問い合わせるメール。折り返しで「松茸がどっさり。後はカリフラワーきのこ(ハナビラタケ)とかシャンテレルとか、他にもあるかもしれない」。じゃあ、寄ってくれた時に欲しいものを欲しいだけもらうことにしよう。ということで、マンションの前に駐車したマットがきのこ満載のトレイを歩道に並べて、ワタシはいい香りの松茸を大きすぎないのを紙袋にぎっしり。免疫機能を高める薬効があるというてカリフラワーきのこもバラバラにならずに袋に入るだけ入れて、ヘッジホッグ(シロカノシタ)は残りを全部ゲット、シャンテレル(アンズダケ)はヴィクターの一家にお裾分けするつもりで2袋にぎっしり。ビジネスが終わったところで、いま日本で問題になっている猛毒のカエンタケの写真を見せて、トレイを車に積むのを手伝いながら、ひとしきり毒キノコ談義。日本では食べて死んだ人もいると言ったら、「色と形を見ただけで食欲がなくなりそうだけどなあ」とマット。そう、おいしくないそうだし、逆にどっさり買い込んだ(安全な)きのこ4種はどれもおいしいから食べ甲斐があるよね。感謝祭には腕をまくってごちそうを作ろうっと。


右上から時計回りに、松茸、ヘッジホッグ、シャンテレル、カリフラワー


クサギカメムシが襲来するやら選挙の宣伝が来るやら

2022年10月08日 | 日々の風の吹くまま
10月7日(金曜日)。🌤⛅。ミネカダ公園の山火事の煙がまだ薄いながらも漂っているようで、大気の質(AQH!)は低リスク上限の「3」と中リスク下限の「4」の間を行ったり来たり。火災自体は抑制に成功して、後は鎮火を待つだけらしい。でも、きのうはミネカダから数キロしか離れていないバークマウンテンの森林地でも火災が発生して、幸い10メートル四方ほどが焼けただけで済んだそうだけど、一時はひやり。ミネカダ公園が立入禁止になったままだから、じゃあバークマウンテンに行こうってことでアウトドア好きがそっちに流れて、その中の誰かが(タバコかマリファナか何かの)火の不始末をしでかしたということかな。どっちも新興の住宅地が迫りつつあるんだから、無責任もいい加減してほしいもんだね。

ローカルニュースのサイトに、メトロバンクーバーで「クサギカメムシ」の発生が問題になっていると言う記事があって、きゃっ。このところ毎日のようにルーフデッキ側のガラスにはり付いているから、見つけるたびに丸めたカタログを持って出て行って、狙いを定めてパシッとやっていたんだけど、記事を読んで、うは、やぁ~だっ。カメムシはこっちにだって昔からいるけど、このクサギカメムシは20年ほど前に東アジアから渡来した「侵略的外来種」で、数年前からメトロバンクーバーで急激に増えていて、BC州の果樹とワイン生産の中心である内陸のオカナガン地方などに広がるのを警戒していると言うことだった。冬越しするための温かいところを探しているんだそうで、今のところはルーフデッキ側の窓の外側や手すりの上にいるところを一発勝負で退治してるから、幸いまだ悪臭を経験したことはないけど、うっかり叩き損ねたらどうなるか。水に洗剤を混ぜて吹き付けると窒息死するそうだから、蟻んこ退治用に用意したスプレーボトルを出しておいて、試してみよう。それにしても、オフィスにいてふと外を見た時に大きな虫が視界の中にへばりついていたら、やっぱりぎょっとするよね。


きのうは郵便箱に市長・市議会選挙の投票券と一緒に市役所からの「有権者ガイド」みたいな冊子が入っていたので、投票日や投票所のリストが書いてあるだけの投票券は郵便投票の用紙が間に合わなかった場合に備えて横に置いとくことにして、「有権者ガイド」にざっと目を通して見る。宛先は我が家の住所で、宛名は「現居住者」になっていて、全部で26ページ。投票資格とか、有権者名簿に登録されていなくても投票できるかとか、住所不定の場合はどうしたいいかとか、身分を証明するものがひとつしかない場合はどうするかとか、投票するのに助けがいる場合はどうするかとか、とにかく何としてでも投票してくれと言った感じで、何だか焦ってるなあ。選ぶのは市長1名、市議会議員6名、教育委員会の評議員7名で、投票する候補者の名前の横の楕円形の中を塗りつぶすしくみ(バツ印やチェックマークは無効)。市議会は定員6人だけど、必ずしもきっちり6人に投票する必要はなくて、「6人まで」選べるということで、支持する候補者が4人しかいなければその4人だけに投票すればいい。候補者のリストが顔写真と一緒に載っていて、それぞれの経歴や抱負の他、連絡先として電話番号、EメールやSNSのアドレス、ホームページがずらり。職業や経歴といった背景情報がわかるのはいいね。


投票券

有権者ガイド

午後に、きのこ屋のマットに干ばつできのこが生えていないんじゃないかと心配して送ったメールに返事が来て、「少しは生えてるよ。明日いくらか持って行けると思う。松茸もね」。わっ、松茸っ。マットはよくアメリカのワシントン州やオレゴン州まできのこ探しに行くから、あるところにはあるってことだな。折からこの週末は感謝祭(月曜日)の三連休。我が家はシニアが2人だけだから、何キロもあるばかでかい七面鳥料理はとっくの昔に卒業しちゃったけど、収穫を感謝する伝統的な行事の日であれば、やっぱりごちそうを作っておいしいものを食べられることに感謝したいわけで、今年はケイラの農場で育った栗カボチャにヴィクターの店で作っているウクライナソーセージの肉を詰めてローストしてみようと言うプラン。そこにマットが山に入って採って来る松茸や他のグルメきのこが加われば、もう言うことなしの感謝祭のご馳走ディナーになりそう。


久々の同世代のファミリーランチで

2022年10月07日 | 日々の風の吹くまま

10月6日(木曜日)。☀☀。カレシの朝のレッスンがないので、のんびりと8時半に起床。朝霧がフレーザー川に沿って低く立ち込めて、何とも幻想的な眺め。見た目はしっかり秋なのに、気温はまだ平年より10度くらい高いままで、冗談に「夏バージョン2.0」なんて言っているけど、夏、もういいよ、ほんと。

今日は久しぶりにメープルリッジでファミリーランチ。弟のジムとドナがいつも行っているパブで、妹(ジムの元妻)のマリルーとロバートが加わって、今までコロナ感染を免れたことを祝ってワインやビールで乾杯。コロナに関しては、私たちの世代はジムとロバートががん、カレシは心臓の手術の経験者で、ドナとマリルーも心臓発作を起こしてステントを入れた、感染したら重症化しかねない「基礎疾患」の持ち主だから、意図的に集まるのを避けていたおかげでみんな無事。それに対して、ジムの会社を継いだ次世代に感染者が出て、製造現場の息子のビルとサンドラの夫婦はわりと軽症、社長になっている娘のセーラはすわ入院かというくらい重症で、営業部長の娘婿のロブはほぼ無症状だったそうで、やっぱり働き盛りの世代がコロナウィルスに遭遇するリスクを避けるのは難しいってことなんだろうと思うな。

近況報告が済んだら、ランチのテーブルでの話題はもっぱら市議会選挙。メープルリッジ組は現職市長には投票しない、落選させると息まけば、ニューウェストミンスター組は市議会を独占して独裁が鼻につく現職議員を一掃するとぶち上げて、ああだ、こうだ。どうも今年の市町村選挙はどこも混戦もようと言う感じだけど、争点は住宅問題がトップなのはどこも同じで、それに次ぐのが道路などのインフラ整備(の不備)や犯罪防止などの市民生活に密着した問題。特に極左に近いwoke族が牛耳るニューウェストの市議会は、道路や公園の補修や市民の生活環境の改善なんかそっちのけで、植民地時代の歴史を清算して先住民と和解するとかダイバーシティ推進による差別撤廃とか、どうみても市政のレベルというよりは州政府、連邦政府の政策のレベルじゃないかと思うような「政治」にうつつを抜かしていると言う観があったけど、ニューウェストよりちょっと人口が大きいメープルリッジも似たようなものなのかな。前回の市町村選挙では、生まれ育ったバンクーバーのウェストサイドに家を買えなくなって(やむなく)郊外に移り住んだ急進的な活動家たちがそこで市政に進出するという現象が起きていたから、「ミニバンクーバー化」への反発が燻っているとすれば、さもありなんかな。

政治論議の後は、旅行の話に花を咲かせて、久々のファミリーランチはほんっとに楽しかった。元々人付き合いが苦手で、出不精なせいで家族や友だちとも疎遠になりがちだったカレシが帰り道に「家族なんだからもう少しまめに付き合いたいよな」とポツン。何の心境の変化か知らないけど、年をとるほどに人との交流は認知症を防いだり、進行を遅らせるためにも重要だと言われているから、どこかでそんな記事でも読んだのかな。ワタシは昔から息子の嫁というよりも義両親の養女になったように感じていたから、カレシの弟のジムもデイヴィッドもワタシにとっては弟(ジムは4つ年上だけど特にウマが合う)、「嫁」のマリルーもジュディもドナもみんな「義」を取っ払った姉妹の付き合いだし、どこの誰とでも素のままで向き合えるのも、何よりも「来る者は拒まず、去る者は追わず」の姿勢を通した亡きママの薫陶を受けたからに他ならないと思う。みんなそれぞれの生活が確立しているから、直接の行き来は頻繁でなくても常にEメールやSNS、時には電話でつながっていて、カレシはワタシを通じて自分の家族の近況を知るような形になっていたのが、何かのきっかけでこれではいかんと思ったのかなあ。そのあたりは知る由もないけど、何にしても、家族や友だちとの「心の交流」を保つのは、残された人生の時間を心豊かに過ごす上でも大切なことだと思うよ。


いきなり入金した政府からのお金の正体は

2022年10月06日 | 日々の風の吹くまま
10月5日(水曜日)。⛅☀。けっこうよく眠れて、元気回復に何より。東の方の地平線はまだ完全にかすんでいるけど、大気の質(AQHI)は「3」(低リスク)で、空の色も心なしか青みを帯びて来たので、ミネカダ火災は落ち着いて来たんじゃないかな。ただし、郊外の奥の川の上流一帯はミネカダの煙だけじゃなくて、チリワックや国境の南側の山林火災の煙も流れているそうで、AQHIは「4」(中リスク)。やれやれだなあ。

今年のBC州沿岸地方は記録的な干ばつなんだそうで、9月の1ヵ月の雨量はアメリカ南西部のモハーヴェ砂漠よりも少なかったらしい。メトロバンクーバーでも、もう何週間も雨らしい雨が降っていなくて、最後に見た雨はお湿り程度。平年なら10月は秋たけなわで雨期に入る頃なんだけど、窓から見たクィーンズパーク地区の緑はまだ青々としていて、ところどころ色づき始めたかなという程度。沿岸地方中部の河川では水温が高いうえに流量が少なすぎて、遡上して来たカラフトマスとシロザケが産卵場所に行き着けないまま大量に死んで、サケの死骸がびっしりと川面を覆っているところもある。そうでなくても、最近は遡上して来るサケの数が年々減っているのに、こんなにたくさん産卵することなく死んでしまっては、絶滅危惧種になってしまいかねないな。途中でサケを捕獲して卵を採取して上流の産卵地に運ぶ試みもあるそうで、状況はそれだけ危機的ということで、早くどばぁ~っと雨が降らないかなあ。降ると今度は水害が多発するのかもしれないけど、っとに、もう。

いつものように銀行の口座をチェックしていたら、あれれ、当座預金の口座に約1万3千円の入金があって、送金の主は「Canada FPT」。心当たりがないので、どこからだろうとググってみたら、FPTは「連邦/州/準州」の頭文字で、連邦政府や州政府の各種の給付金の支払いを一括して扱っているらしい。そう言えば去年だったか、1回だけだったけど連邦売上税(GST)の還付があったっけ。ほとんどの給付金は前年の確定申告の世帯所得がベースになっていて、一定の金額を超えると段階的に減額されるから、所得が多いと給付金はゼロになるしくみ。我が家にGSTの還付があったのは、ワタシがリタイアして事業所得がゼロになり、コロナの特例で個人年金(RRIF)の払出しを減らして、さらにコロナでキャンセルになったクルーズの払戻しをArts Clubにそっくり寄付したせいでかなりの税額控除があったりして、所得税申告の上では「低所得」になってしまったから。でも、去年は規定通りにRRIFを引き出したし、寄付や旅行保険のような大きな控除が減ったせいで、世帯収入はほぼ公的年金と個人年金だけなのに、確定申告では「高所得」(統計的には「中流の上」だそうだけど)になって、がっぽり税金を取られた上に今年の所得税を前納させられるはめになって、給付金なんかはすべて所得制限に引っかかってアウト・・・。

そんなところへいきなり政府からお金が来るから、何だ、これ?となっちゃうわけだけど、よく調べてみたら、どうやらBC州の気候変動対策に関する「炭素税」の還付金で、急激なインフレの影響を緩和するとかで、所得制限の上限を一時的に倍に引き上げたおかげで、我が家も今回に限って給付対象になったらしい。もっとも、よく読んで見ると、減額なしの所得レベルなら2人世帯で7万円ぐらいになるところ、段階的減額の対象になる所得レベルの上の方ということで、がっちり減額されて5分の1。まあ、おこぼれ頂戴ってところで、「3週間分のマティニを買ってくれたと思えばいいじゃん」とカレシ。あはは。でも、元々私たちが払った税金をちょっぴり返してくれたというだけの話なんだけどね。


おバカ連中も、ダンナ様や亭主やご主人さまもいらないけど

2022年10月05日 | 日々の風の吹くまま
10月4日(火曜日)。🌤⛅。やっと咳で目を覚まさずにぐっすり眠れた。ああ、やれやれ。ミネカダ公園の方角はまだ煙っぽくて、ポートマン橋も見えないけど、ニューウェストのけさのAQHIは「3」でほぼ平常。山火事のけさまでの延焼面積は14ヘクタールで、抑え込みに成功した模様。出火当時は落雷などがなかったので、原因は「人間の不始末」ということで、ハイキング/サイクリングの人気スポットだから、タバコのポイ捨てあたりかな。消火活動の現場上空にドローンを飛ばすのは違法のはずなのに、インスタやユーチューブにアップしてどや顔したい連中が後を絶たないらしく、消火作業の妨害になるし、ヘリコプターのパイロットに危険を及ぼすから「ドローンを飛ばすのはやめろ」ときつい警告。

コロナに脳をやられちゃったのか、あるいはその前からソーシャルメディアにどっぷり漬かって思考停止していたのか知らないけど、コロナの行動制限が解除されてからというもの、やたらとout of control(制御不能)のおバカが増えているという気がする。土曜日の早朝には、バンクーバーのダウンタウンにあるバンクーバー冬季オリンピックの聖火台の一部が壊される事件があって、警察が発表したセキュリティカメラの映像には、人っ子一人いない午前3時半の広場に2人組が入って来て、そのうちひとりがハンマーか何かで聖火台の足元を壊し、もうひとりがその様子をスマホで撮影しているのが映っていた。警察は「自慢話のネタ作り」が目的の計画的な犯行とみて、「もしもこの映像を見せられたら、人として正しいことをして、通報してほしい」とアピール。でも、ビデオがメディア中いたるところに出回っているから、ヤバいと思って誰にも見せないんじゃないかな。それとも、おバカ過ぎて「あれはオレたちがやったんだぜぇ」と吹聴して回るのかな。どうなることやら、ああ、やれやれ。

カレシの午前中のレッスンが終わって、ランチを食べた後、買い物に出かけるまでの時間をだらけて小町横丁をぶらぶらしていたら、『あれ?旦那様いらなくないか?!』と言うトピック。何とも挑発的なタイトルにひかれてのぞいたら、生活費を入れず、家事には一切関与せず、育児も気が向いたときだけ、飲み仲間とべろべろになるまで飲んで家に帰って来ないダンナ様に、ある日急に「あれ?旦那なんていらないんじゃない?」と思ってしまった超高収入の奥さん。息子たちにまで「基本いなくてもいい」と言われるしまつで、離婚の文字が頭に浮かんだけど、正直、ダンナ様がいることのメリットもなく、デメリットも感じないそうな。家族の問題と言っているけど、要するに「結婚とは、夫婦とは何ぞや」という永遠の問いかけだな。ワタシも、子なしだし、2人の収入は共同口座に直行だし、お酒にあまり強くないカレシは外で酔んで回るようなこともなかったけど、自営業でカレシの3倍近く稼いで、日常の家事から家計管理、果ては家のメインテナンスまで全部ワンオペでこなしていて、ワタシの人生に「夫」という存在は必要なのかと思ったことがあったし、最大の夫婦の危機で葛藤していた時はいなくても(離婚しても)困らないんだという結論に行き着いたこともあったので、それと重ねてつい笑っちゃった。

そういう波を乗り越えて今でも一緒にいるのは、力関係を匂わせる「亭主」も「旦那」も「主人」も法的な「夫」もいらないけど、カレシは「伴侶」としてかけがえのない人だと結論したから。そもそも、結婚したのは国境と言う厳然とした障壁があって、法律婚と言う形式を取らないと一緒にいられなかったからで、その必要がなかったら、コミットメントの問題なんだから、事実婚かあるいは同棲カップルの形でもよかっただろうと思う。逆にカレシが「女房も妻もいらないんじゃないか」と思ったことがあるかどうかは知らないけど、大波を乗り越えて穏やかな海に出てからは、何かカレシなりに思うところはあったらしい。少しは家事に関わるようになって、住み替えと同時に自主的にバスルームの掃除を始めたときはちょっと面食らったけど、どういう心境の変化なのかは聞いたことはない。カレシが別れを選ばなかったのはカレシなりにワタシの存在価値を認めたってことだろうし、まあ、50年近くも夫婦でいた今となれば2人なりの形に固まっていると思うな。件のトピックでは、ダンナをペットだと思えばいいなんてコメントもあって、おいおいそれはないだろと思ったけど、ペットを飼っている独身者はごまんといるしね。さて、冷蔵庫が空っぽだから、まずは買い出しに言って来ようっと。ひとりでも2人でも食べなければならないのは同じなら、2人一緒の方が楽しいじゃない。



中国人が京都で土地を爆買いしていると聞いて

2022年10月04日 | 日々の風の吹くまま
10月3日(月曜日)。☀☀。咳で目を覚ましたのは1回だけで、それもちょっとの間だったので、やっとまともに眠れた気分。昼間はもう鼻をかむ必要がなくなったし、咳をしてもほとんど痰が出なくなったのに、寝ている間にだけ窒息しそうなくらいのひどい咳が出るのは、気道が横になって痰が溜まりやすくなるからかもしれないな。ワタシは風邪をひくと気管支の方に行くことが多くて、カレシは逆に鼻の方に行く傾向があるんだけど、まあ、今回のは元々カレシの風邪だからねえ。それでも体調は上々だから、どうやらあと一歩というところかな。

土曜日から燃えているミネカダ自然公園の山火事は、朝までにほとんど燃え広がらなかったそうで、まだ抑制できているとは言えないけど、希望が持てるところ。でも、完全に消し止めるにはまだ数日かかりそうという話で、心配なのは煙による大気汚染。風があまりないせいか、メトロバンクーバー全体に立ち込めたままで、午前中はニューウェストミンスターのあたりのAQHIが何とか「3」(低リスク)を保っていたけど、夕方近くには「4」(中リスク。呼吸器疾患やその他の持病のある人は激しい運動を避けるべき)に上がっていた。何年か前に1ヵ所で何千ヘクタールも焼くような大規模な山林火災が多発して、メトロバンクーバーが2週間ぐらい煙に覆われていたときはAQHIが「14」まで上がったことを考えると、たかが12ヘクタールのごく小さな山火事の煙なんだけど、現場は我が家から直線距離でわずか20キロのところだから、東や北東の風になったらもろに煙が押し寄せて来るわけで、早く鎮火することを祈るばかり。(夕方にはポートマン橋がはっきり見えるようになったから、煙は薄まりつつあるのかもしれないけど、AQHIは「4」のまま。)

コロナがあまり話題にならなくなって、市町村議会の選挙の焦点はどこも「住宅問題」。賃貸アパートが極端に不足していて、部屋が見つかっても家賃が高騰していて低所得者には手が届かないという差し迫った状況なんだけど、賃貸アパートの建設を促進するとか、戸建てオンリーの住宅地にも二世帯住宅やタウンハウスの建設を認めて賃貸住宅の供給を増やすとか、どの候補者も気の長い解決策しか出せないのは、政治や行政が法律や条例を作ることで解決できるという問題じゃないから。メトロバンクーバーは住宅バブルが20年以上続いていて、極端な話、バンクーバー市内にあった旧居の戸建ては、標準より小さい敷地に建てた築27年の小さな家だったのに、住み替えで売った7年前の査定評価額は新築の時の10倍になっていた。(当時バンクーバー市内ではどんなボロ家でも1億円以下で買えないと言われていた。)つまり、賃貸で結婚生活を始め、子供が生まれたら(庭のある)戸建てに移るという伝統的なパターンが完全に崩れて、平均以上の世帯収入でもマイホームは夢になってしまって、賃貸に住み続けるから空室が出なくなり、開発業者が儲けの大きい分譲マンションに集中したために賃貸アパートの供給が人口増加に追い付かず、家賃が高騰すると言う構図ができたわけ。今はインフレと金利の上昇でどうやら住宅の売れ足にブレーキがかかったらしいけど、そうなると賃貸市場はますます逼迫するんじゃないかな。

住宅バブルの始まりは、たぶん1997年の香港の中国返還だったと思う。お金のある香港人が続々と移住して来て、家を買い、余力があればついでに投資として住宅を買い漁って、マイホームの価格はうなぎ上り。学力ランキングで州のトップクラスだった高校の通学区域は特に人気で、あちこちに中国名前の不動産エージェントの「売家」の看板が立ち、その通学区域に住んでいた私たちは3日と空けずに「売らないか」と言って来るエージェントたちに辟易したもんだった。(ちなみにその高校はESLクラスが香港人で占められ、教室の外では広東語をしゃべるために卒業まで普通クラスに編入できないままという生徒が増えて、学力ランキングのトップレベルから陥落してしまった。大学への編入を狙ってコミュニティカレッジに入る生徒がたくさんいて、カレッジに近かった我が家の前の道路に真新しい高級車がずらりと並ぶようになったのはその頃だったな。)香港からの移住が一段落して、高層マンションの建設ブームが始まると、資金集めのための事前販売(賃貸向きの低層階が多かった)を地元を差し置いて香港で始める開発業者もいて批判を浴びていたけど、特に上等とされるウェストサイドに空き家のまま放置される戸建て(評価額数億円)が増えて「非居住者(外国人)の住宅保有」に批判が高まって、州政府は「空家税」を導入。おかげで、私たちも自宅マンションについて毎年「現在住んでいます。別宅も別荘もありません」と申告しないと空家税を請求されるので、けっこうめんどくさい。こんなことを考えていたのは、円安が追い風になって京都で中国人が土地を爆買いしているという報道を見てのこと。土地を保有したがるのは農耕民族の血筋なんだろうけど、ことお金が絡むと、どこでも似たようなことが起きるみたい。


都会の空に木星(48X)。ガス惑星の木星には土地というものはない


日曜日だけどリタイア暮らしの週末は休みじゃないの

2022年10月03日 | 日々の風の吹くまま
10月2日(日曜日)。☀☀。ブラインドの隙間から朝日に直撃されて目が覚めた。日の出は7時15分くらいで、ちょうどブラインドの隙間から昇って来る時期で、まぶしいったらない。でも、けさは何となく赤みの強い日の出の空で、はて、きのうからのミネカダ地域公園の山林火事はまだ燃えてるってことかな。起きて見ると、公園のある方角はすっかり霞んでポートマン橋が見えないくらいで、パティオドアを開けたら、うはっ、何だか煙くさい。それでも大気の質の指数(AQHI)はごく普通の「3」(低リスク)なので安心して、とにかく断食明けの朝ご飯。今日は掃除の日でエネルギーが要るからと、超厚切りベーコン3枚を細切れにして炒めて、余分の油をきってシャンテレルきのこを加えて炒め、溶いた卵3個を流し込んでスクランブルエッグ。チーズパンをトーストして、バルコニーで育ったミニトマトを添えて、うん、元気が出そうな朝ご飯。





朝ご飯が終わる頃には南西の風になって、煙雲を郊外の奥の方へ押し流してくれたようで、煙くささはなくなって、AQHIも「2」に下がったけど、公園の方角には煙と思われる白っぽい薄い雲が低く垂れて込めていて、コクィットラムの西端のバークィットラム(バーナビーとコクィットラムの境目)地区のタワマン群の眺めがちょっと幻想的。午後には霞んでいるのは東端の方になって、ポートマン橋が霞の中。そのうち霞は真ん中の公園があるあたりに集中したのは風がなくなったからかな。ランチの後でウォーキングに出かけた頃には、頭の上は(ちょっとばかり残暑気味だけど)普通の秋の空。でも、午後遅くのニュースでは、初動の消火活動は成功したように見えたけど、現場が急峻な斜面なために作業が困難を極め、ヘリコプターを動員しての作業でけさは2ヘクタールに抑えていたのが、午後になって急に12ヘクタールに燃え広がって、「out of control」(制御不能)になってしまったとのことで、市街地から10キロも離れていないところだから心配だな。

しっかり腹ごしらえをしたら掃除開始。今日はさっさと担当のバスルームの掃除を済ませたカレシがソファで本を読んでいる間にオフィスのカレシの側のエリアラグを取り替えることにして、まずは強力な粘着テープで床に止めてあったラグを引っ剥がす作業。引っ越して来た時に「とりあえず」道路向かいのLondon Drugsから買って来た安物だから、裏に塗ってあったゴム塗料が乾いてしまって、剥がした後の床は粉だらけ。そこで、掃除機に付属品のブラシを付けて、カレシの「領域」を念入りに掃除(ついでにワタシの領域も掃除)。レクルームで使っていた同じサイズのエリアラグを持って来て、全周をしっかりテープで押さえて、作業が終わった頃には鼻の頭から汗がぽたぽた。これで1、2年は持つだろうけど、標準的なキャスターの付いた椅子は、フローリングの上を転がすとゴロゴロとうるさいので、階下に響かないようにエリアラグを敷くわけで、今にも壊れそうな椅子がほんとに壊れた時には、ワタシの椅子と同じフローリング仕様のウレタンキャスターが付いたのにしてくれたら、エリアラグは不要になって、それだけ掃除しやすくなるんだけどなあ。

メトロバンクーバーの各市の市議会選挙は再来週の15日が投票日で、バンクーバー市では不在者投票が始まったと聞いて、あれ、我が家にはまだ投票券が来ていないじゃないの。連邦議会選挙も州議会選挙もちゃんと郵便で投票券が来ていたから、有権者名簿に載っていないわけがないんだけどな。ニューウェストミンスター市に住所を移して7年になるから、過去に市議会選挙があったはずだけど、は、あのときはクルーズに出かけていて、不在者投票の日も不在だったから、投票券が来ていたのかどうかも覚えていない。何とかしなくちゃと、まずは市役所のホームページをチェックしたら、あぁら、今年は郵便投票ができるようになったんだ。申請期限は6日で、投票用紙の投函期限は11日の正午だけど、市役所の裏口に設置した投票箱に入れるなら期限は投票日。前の連邦議会の選挙の時も郵便投票で済ませたので、さっそく登録のページを開いて、名前、住所、電話番号を入力して、「18歳以上」と「カナダ市民」にチェックマークを入れて、後はコロナワクチン接種の証明書を取るのに使った運転免許証のスキャンのファイルを添付するだけで、実に簡単。確認番号が表示されたので、ダウンロードしておいて、カレシの分も申請。投票用紙は選挙の直前のファーマーズマーケットに行く途中で市役所の裏口(!)の投票箱に入れるのが一番確実そうかな。裏口投票ってのも、何だかおもしろいし・・・。


断食の土曜日にしてはいろいろあっておなかが空いた

2022年10月02日 | 日々の風の吹くまま
10月1日(土曜日)☀☀。とうとう10月になっちゃった。でも、天気は残暑と言うものでもないけど、夏の名残りが感じられるような陽気。今日はフルの断食で、朝ご飯の後は明日の朝ご飯まで水だけ。ルーフデッキでいつの間にか熟れていたイチゴを4個おまけ。いつもトーストは食べないカレシが風邪の後だから今日だけ食べると言うので、ブリオシュローフのスライスを2枚トースターにポン。ジャムがあるかと聞くので、冷蔵庫の隅にあったイチジクのジャムをテーブルにポン。食べながら、「携帯の修理屋に行って電池を取り替えてもらうよ」。あ、やっとね。「住所がマクブライド・アベニューの800番台で、10時に開くんだ」。あ、州営の酒屋がある小さいモールね。「あ、あそこか。じゃあ、ジンが切れたから、ついでに買って来よう」。おお、それは一石二鳥。ついでにウォーキングもしちゃえば一石三鳥だねと言ったら、「酒瓶を何本も抱えて、そりゃあないだろ」。うん、片道30分だから、ないよね。

お酒も買うならと大きいトートバッグを持って、ふと閃いて充電ケーブルも持たせて、車で数分のモールへ。モールと言ってもローカルの商店街に毛が生えたようなもので、場所を確認するのに入ってすぐの案内板でユニットの番号を見たら、外のファストフード店やテイクアウトの食べ物屋が並んでいるストリップモール部分の端の方にあるのはわかったけど、カレシが「ないじゃないか。名前が違うよ」。あは、サラ金会社の名前になっている。きっと携帯の修理屋が入ったのはつい最近で、案内板がまだアップデートされていないんだと思うよ。外に出て案内板で見た方向に歩いて行ったら、あった、小さな店。フランチャイズのようで、若いお兄ちゃんが1人できりもり。カレシが携帯が充電しなくなったので電池を取り替えたいと言ったら、まずケーブルをつないでみて、「ちゃんと充電してますよ」。へえ。カレシが「ケーブルをつないでもゼロのままだった」と食い下がると、「ケーブル、今持っていますか」。ワタシのトートバッグに入れて来たのを出して渡したら、携帯につないでみて「問題はケーブルですね」。えっと思ったけど、お兄ちゃんがプラグの根元でケーブルのワイヤが解れているのを見せてくれてナットク。新しいケーブルとどのみち賞味期限が過ぎた電池の取替えでしめて約1万円。てっきり電池の寿命が切れたと思って、ケーブルのことは考えても見なかったな。午後6時に取りに来ることにして店を出たけど、ケーブルを一緒に持って来なかったら原因がわからないままで、電池を取り替えても充電しないとクレーム騒ぎになるところだったよねえ。

ま、一件落着と言うことで帰って来て、ワタシは土曜日の洗濯と先週は手抜きで済ませたキッチンの掃除。レンジの五徳を外して、ステンレスの台をワイヤたわしでごしごし。今日はレンジフードのステンレスのフィルターが、特に脂がたくさん撥ねる料理はあまりしないのに、3枚とも油でギトギトになっていたので、全部外して食洗機にセット。フードはガスレンジの幅いっぱいで大きいし、900cfmとパワフルだから、ちょっとだけの油撥ねでもがっちり吸い上げているってことかな。時たまじゃなくて、もう少し頻繁に洗わなくちゃね。食洗機が回り出したら、今度はシンクの徹底掃除。ぬめりが付き始めたシンクグリッドをスポンジとワイヤたわしで表、裏とごしごし洗って、次にかなり曇っていたステンレスのシンクの内側を熱いお湯をスプレーしながらまたごしごし。ひとつのことに集中していると、ちょっとぐらい力のいる家事をしても、おなかが空かないからおもしろい。シンクがピカピカになって、グリッドを戻したら、気分がすっきりして、ランチを食べていないことも忘れていた。最後にトースターオーブンの内と外もきれいにして、家事はおしまい。きのこ屋のマットに何かおもしろいものあるかとメールを飛ばしたら、今日は2時間しか寝ていなくて頭がもうろう気味だし、グランヴィルアイランドで6時まで仕事があるので寄れそうにないと言う返事。それじゃあ、きのこは来週と言うことにして、居眠り運転にならないように、瞼にダクトテープを貼って下がらないようにするといいよぉ~と茶々を入れたら、「あはは、そうするよぉ~」。でも、若いとは言え2時間しか眠っていないで、バンクーバーから自宅のあるハリソン・ホットスプリングスまで2時間近くも運転するのはキツイなあ。くれぐれも気をつけてね。

マットが来ないので、まずは乾いた洗濯物を片付けて、ウォーキングに行って来てから、頃合いを見計らって携帯を取りに、また車でモールまで。帰って来たら、風邪のせいでまだ体力がすっかり回復していないのか、日が暮れる7時過ぎには大あくびの乱発になって、空腹感はないけど、今にもこっくりと船出してしまいそう。まあ、いつもの断食土曜日よりも動き回ったので、エネルギー消費が赤字になって、疲労が出て来たのかもしれないな。無糖のハーブドリンクで元気を付けて、やっとひと息入れてのんびり。ローカルのメディアを見たら、あらら、コクィットラムのミネカダ地域公園の中で山火事だって。オフィスでPCに向かっていたら前方まっすぐの方向で、何かヘンな白っぽい煙のような塊が低く長くたなびいているなあと思っていたら、そっか、山火事の煙だったんだな。都会のすぐ後ろにある面積200ヘクタールの自然公園だから、ごく小さいうちに消火作業を始められて、燃え広がるのを食い止められたそうで、ほっ。夜になっても特に空が明るく見えるわけでもないので、無事に鎮火したのかな。ああ、何だか2人ともおなかが空いて来て、断食明けの朝ご飯はベーコンと卵のオムレツがいいねえ、チーズトーストと一緒にね、と食べる話。うん、今夜は早寝しちゃおうじゃないの。


人間ってのはほんっとにややこしい動物だと思う

2022年10月01日 | 日々の風の吹くまま
9月30日(金曜日)。🌫🌤☀。あぁ~あ、ついこの間もう9月になっちゃったと言っていたのに、気が付いたらもう9月最後の日。まあ、今月は騒音イベントから避難してトフィーノに行ったり、そこでカレシが拾って来たらしい風邪をもらっちゃったりしているうちにいつの間にか過ぎてしまったというな、何だかなあと言う感じの1ヵ月だったな。でも、今日は暑くもなし、寒くもなしで、朝の霧が晴れれば視野いっぱいの空は見渡す限り秋の色。そして、明日からは10月・・・と。

今日はNational Day for Truth and Reconciliation(真実と和解のための国家の日)という長ったらしい名前の去年できた「祝日」。連邦政府の管轄下では法定休日なので、連邦政府のお役所を始め、郵便局や銀行も閉まって、そこで働く人たちは有給で休み。でも、BC州では「記念の日」というだけで法定休日に指定していないので有休にはならないけど、州政府や公社、公立の学校、UBC(BC大学)やバンクーバー市役所などは(有給で?)休みで、公共交通は「休日運賃」で運行、その他は「先住民に対する過去の過ちを真実として受け入れて(反省し)、和解を目指そう」という趣旨に沿って(仕事を休んで?)思索しようとかいう日で、あちこちで特別イベントが目白押し。いつも1日中かけっぱなしのロック専門のラジオ局まで、先住民の声を聞こうとか何とかで、1曲終わることに先住民の活動家やアーティストの「声」が流れて、常連のコマーシャルが流れて、ときどき「ラジオ放送局の全国組織が企画したものです」。ふむ、「うちが企画してやってるんじゃないから、苦情の電話はかけないでくれ」という予防線を張っているみたいで、つい笑っちゃった。

要するにリベラル族が大好きな「イベント」の日なのよね。自分たちがどんだけ差別や偏見の存在を認識(wokeという)している進歩的な「上級」人間であることを認めて(称賛して)欲しい「自意識高い系」にとって、イベントは自己肯定感を高める手っ取り早い手段なんだと思う。こんなことを大っぴらに言ったらwoke族の攻撃目標になりそうだけど、ワタシは彼らが差別や偏見を排除し(てあげ)ようとしているIBPOC(先住民、黒人その他有色人種)のうちのPOCに分類される巷の人間なんで、悪しからず。まあ、趣旨はともあれ、掲げる目的がどれだけ立派なものであっても、メディアを動員しての大がかりなイベントは詰まるところ夏中いたるところでやっているストリートフェスティバルと変わらない集客イベントで、終わってしまえば「また来年も来てね」のビジネス。集まった人たちもイベントがあるから行ってみたという向きが多いだろうから、一夜明けたら「おもしろかった」でおしまいで、結局は社会を変えるきっかけにはならず、政治が押し付ける「変革」以外には何も変わらないんだと思う。

まあ、人間のやることはなぜかいつもパラドックス満載だから、頑迷で狭量な保守主義に対峙して進歩的な自由社会を理想としていたはずのリベラルが、あれはダメ、これはダメ、こうすべき、ああすべき、これを優先、あれは排除と、どんどん偏狭になり、人間を人間たらしめる言語から言葉を消し去り、はては人間の歴史から過去の記憶まで抹消するという、保守派や差別主義者さえびっくりの不寛容な押し付け社会を作ってしまっているのもそのパラドックスのひとつと言えそうで、だからアメリカでもヨーロッパでも、エリート意識丸出しの「イリベラル」左翼が社会をどんどん窮屈にしていると感じ始めた庶民が右翼のポピュリズムに惹かれているんだろうと思う。歴史は振り子のごとく、一方に強く押すと同じように強く自分の方に振れ戻って来るわけ。それはともかく、ラジオから流れて来た先住民の「声」の中で、「先住民のレッテルは害でしかない。誰にもレッテルを貼らない社会になればいい」と言う人がいて、日ごろから「人間」以外のレッテルを貼られたくないと公言しているワタシは手を止めて聞き入ってしまった。そうだよね。やたらとIBPOCとか2SLGBTQQIA+なんてレッテルをつけて中身のない特権意識を擦り込むこと自体が、ワタシには自意識高い系(woke族)の差別意識の表れそのものに見える。もっとも、自他の区別は人間が「自分」のアイデンティティを確立する上で不可欠の要素でもあるんだけどね。人間ってのは、ややこしい動物だなあ、ほんとに。