リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

無性にまたピアノを弾きたくなって、どうしよう

2023年03月03日 | 日々の風の吹くまま
3月2日(木曜日)。⛅☀。何となく春の気配がする朝。平地は雨だったようだけど、山にはかなりの雪が降ったらしく、この冬はなかなか羊顔にならないでいたコクィットラム山もやっと羊のびっくり顔。でも、あんまりかわいくないなあ。まだ雪が足りないのかな。よく見ると、あれ、ライオンの顔が見えるよ。歩いているライオンの子も見える。フクロウの顔も見えるし、牛の顔も見える気がするし、年老いた人間の顔が見えなくもない。前はこんなにいろんなものが見えてなかったんだけど、山容が変わってしまったのかな。



今日はカレシの「定休日」なので、朝ご飯はちょっと時間をかけて、刻んだベーコンとマッシュルームでオムレツ風。ミューズリに入れるバナナがなかったからなんだけど、これだと、超厚切りベーコンが2枚、卵3個で2人分なので、カロリーがそれほど高くならないのがいい。カレシが張り切って「ウォーキングに行くぞ」としたくを始めたけど、残念ながらモールが開くのは10時。時間があるからついでにリサイクルする紙類をLondon Drugsの大きな紙袋に詰めて、コンテナに放り込むだけにしておいて、10時にいざ出発。今日は7番ストリートからモールに入って、2階の吹き抜けの周りを3周。クィーンズパークよりもまだちょっと距離は短いけど、上り下りする階段が2ヵ所になるし、吹き抜けは何ヵ所かに開いていので、その間を縫って歩く側を変えれば、だいたい同程度の運動量になると思う。2階をウォーキングコースにしている(らしい)人の方が、クリニックや保育所に行く人よりも倍以上いそうで、マンションの顔見知りのご近所さんとすれ違って、「やぁ、お宅もですか」。はぁい。

今日の午後は何を思ったか、買い物に行くまで、パイプオルガンやバイオリン、オーケストラなどのいろんなバージョンのアルビノーニの『アダージョ』を聞きまくり。いつ聞いても、哀愁たっぷりのメロディで、オーケストラ版になると、もう何とも言えない甘美な哀しさなんだけど、パイプオルガンでの演奏になるとそれが荘厳な哀しさになるからすごい。ト短調の曲は大体そんな感じだけど、でもこれ、アルビノーニ氏ご本人に聞かせたら「いったい誰の曲だ」ということになるんだって。アルビノーニはバロック時代の実在の作曲家だけど、現代でもポピュラーな『アダージョ』は、アルビノーニの作品を研究していた音楽学者のジョゾットが「ドレスデンで発見されたアルビノーニの自筆の楽譜の断片から編曲した」と称して1958年に発表したもので、後でジョゾット自身の創作(アルビノーニの名前を騙ったから偽作かな)だったことがバレたといういわく付き。コンピューターも作曲ソフトもない時代に(音楽学者とはいえ)「素人」が書いた一世一代の傑作なわけで、まあ、れっきとした現代音楽なわけだけど、何度聞いても永遠の名曲だよねえ。

夜は夜で、大好きなフォーレの『シシリエンヌ』をこれまたいろんなアレンジで聞きまくり。ピアノを習っていた時に、最後の発表会で弾いたのが、初心者向けにアレンジしたこの曲で、これも永遠の名曲。現役時代に毎日10時間も仕事をしていて、息抜きが欲しくて買ったのがグランドピアノの音を出せると言うヤマハのクラビノーバ。家が近かったセロクの門を叩いたのが40代後半で、元々指は太短いし、30年もタイプを叩いて来てピアノを弾くような手じゃなかったし、仕事に追われて練習する時間もなかったから、10年レッスンしてもあまり進歩しなかったけど、ピアノに向かっている時は楽しかったな。子供たちに交じっての発表会も楽しかった。還暦を前にして諦めてからもう長いこと経つけど、芝居の翻訳をしているうちに無性にクラシック音楽が恋しくなって来て、またピアノを弾きたくなって、ついには(関節炎の手指が痛いと言うのに)折りたたみ式の電子ピアノを買おうかと思案中。(そうそう、50歳の誕生日にカレシにプレゼントしてもらったバイオリンも、まだ持っていて、ハ長調の音階しか弾けないけど、出してみようかな。)とにかく、またピアノを弾きたくなって、矢も楯もたまらなくて、渇望にも似た気持になるばかりだけど、ワタシってどうしてこうなっちゃうんだろうね。ああ、もう一度『シシリエンヌ』を弾きたいっ。



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