5月23日(木曜日)。☀☀。きのうはカレシの胸痛でドクターや検査で午前中がつぶれたけど、午後はゆっくりして、カレシが大丈夫だと言うので早めに軽い晩ご飯をして、Arts Clubシーズン最後のミュージカル『MATILDA』のオープニングに出かけて、目いっぱい楽しんで来た。ロアルド・ダールの児童文学のミュージカル化なので、舞台には子役がたくさん、客席にも子供がたくさん。主役のマティルダを演じた女の子は11歳で、これがプロデビューだそうだけど、いやあ、将来が楽しみだなあ、この子図書館のおばさんに、想像の話を聞かせるせりふの長い場面では、思わず話に引き込まれるくらいの熱演で大喝采。歌も踊りも演技もうまくて、こりゃすごいとうなってしまった。
ワタシの脚本の先生であるキャシーも9歳の娘のエマを連れて来ていて、この子がまた大人に紹介されると握手しながらはきはきと挨拶。ものおじしないけど、おませなところもなくて、話しかけられると落ち着いて受け答えするから、Arts Clubのスポンサーや後援者を開拓する部門の部長として忙しい中でもキャシー(と夫氏)はこんな賢い子育てをしているんだと、ワタシは感心しっぱなし。今どきは子供に対人マナーや社会のルールをきちんと教えられないで、自己中の野生児のように振る舞っても「子供なんだからしょうがない」と開き直る親が増えている感じだけど、そういう親はきっと自分たち自身がきちんとした社交性を身に着けないで育ってしまったんだなと思わざるを得ない情景だったな。
ワタシは自分で子供を育てた経験がないので、子育てに関して意見を持つ立場にはないかもしれないし、何か言うと思い通りにならない子育てに奮闘しているママさんたちから猛反撃を食らうだろうけど、やっぱり子供は親の後ろ姿を見て育つというのは本当なんだと思う。子育て観には文化的、宗教的な違いもあるだろうけど、育てたように育つというよりも、むしろ親自身が育って来たように育つんじゃないかな。まあ、親が自分の育てられ方に疑問を持って、自分の子供はまったく逆の育て方をすることもあるだろうけど、それを実行するにはものすごい労力と気力と能力が必要だろうな。みんなやたらと忙しい現代では難しい課題かもしれないけど、あんがい人類の子育ては基本的には何十万年も変わっていないのかもしれないと思うところもあるな。
もし子供がいたらどんな子に育ったかなあと、ときたま思ってもみたけど、この年になって自分が歩いて来た人生を振り返ると、子供を授けてもらえなかったのは、神さまがそれがワタシには最善であると思し召してくれたからだという気がする。