リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

ストロベリームーンの光に当たったら

2016年06月20日 | 日々の風の吹くまま
夏至。日の出5時6分、日の入り9時21分(いずれも標準時より1時間進んだ夏時間)。昼
の長さは16時間14分で、冬至よりも8時間3分長い。正確には午後3時34分に「夏に至る」
ということで、北米では今日から公式に夏なんだけど、天気の方は何か今ひとつパッとしな
い。でも、トロントでは高温警報が出ていて、午後5時で気温は29度、ヒュミデックス(体感
温度)は35度。アメリカ南部のアリゾナ州では50度近い猛烈な酷暑で、ロサンゼルスやラ
スベガスでも高温注意報が出ているとか。やっぱりヘンな気候・・・。

今日は満月で、夏至と重なるのは70年ぶりとか言う話。赤みを帯びて見える(らしい)ので、
アメリカ先住民がちょうどイチゴの収穫時期なのに重ねて「ストロベリームーン」と名づけた
そうだけど、自然と共に生きた先人たちは羨ましくなるほど豊かな詩情を持っていたんだな。
まあ、月に関しては日本にだって「立待ちの月」、「居待ちの月」、「寝待ちの月」なんていう
詩的な名前があるけど、農耕の民は夜更かしする暇なんぞなかっただろうから、やんごとな
き暇人のかったるい心情という感じか。でも、昔の都会人はのほほんと待てる余裕があった
ということだな。はて、時計の発明ははたして人類にとってプラスだったのか、マイナスだっ
たのか・・・。

満月前夜のゆうべは南東の部屋に月明かりが差し込んで、新聞の大見出しくらいは読めそ
うな明るさだったので、なるほどこれがベートーベンの「月光」やドビュッシーの「月の光」が
描いた、蛍の光や窓の雪に勝る月明かりだなあとうっとり。実家住まいの独身時代に愛用
の天体望遠鏡に広角レンズをつけて昇って来る満月に向けたことがあって、視界一杯に広
がった大きな月に一瞬頭がおかしくなるという恐怖に襲われて叫びそうになったけど、太古
の人類が月の満ち欠けがサイクルであることに気づいたときに何を考えたんだろうな。満月
の光に当たると気が狂うという伝説があるけど、きっと今よりもずっと明るく輝いて見えたに
違いないから、じっと見上げて「いったい何なんだ?」と考えているうちに頭がこんがらがっ
て叫び出してしまったのかもしれないな。何となくわかるような気がするなあ。

下り坂の予報で雲が広がって来ているけど、ストロベリームーンは赤いのか、赤くないのか、
雲隠れせずに姿を見せてくれるといいな。かぐや姫とストロベリーショートケーキ・・・は関係
ないか。