安倍政権は一言で言えば「バカ殿時代」だったなあと思う。これは基本的には批判的スタンスで使っているんだけど、必ずしも全面的に否定しているわけではない。総理大臣があまり小事にこだわっているのも良くない。親や担任教師は適当に欺されたふりが出来た方がいい。僕も携帯電話代は高いと思うけど、総理大臣が真っ先に取り組むべき課題なのか。思い出せば非自民党政権の「細川護熙」や「鳩山由紀夫」なんかも「バカ殿系」だった。
細川護熙氏は本当に殿様の末裔だったわけだが、安倍晋三氏は単に「政治家三代目」というだけだ。しかし、「岸総理の(母系の)孫」と言われ、総理目前で病没した父安倍晋太郎の果たされなかった無念を引き継ぎ、若い頃から周りが「次代のホープ」と担いでくれた。自分でのし上がったわけじゃないし、どっちかというとチャンスの方から転がり込んできたタイプだ。
あまり勉強してない感じはずっとつきまとっていて、政治家に知性を求める評論家からは、政治的立場を別にして何となく軽侮されてきた感じがある。最初から最後まで、「憲法の基本が判ってない」「歴史の教訓が判ってない」などと言われ続けた。中でも言葉の使い方が雑で、自己陶酔的「ポエム」に自分でも酔っている感じだった。その中でも極めつけが「桜を見る会」の地元後援会員参加問題。「募っている」けど「募集してない」という歴史的珍答弁だろう。
こういう「バカ殿系」は、外から見ると「バカにしながら担ぎ続ける」ように見えるけれど、それだけではあんなに長く高支持率は維持できない。こういう人は外面はいいから、一緒にいて楽しいと思う「飯友」も現れてくる。「桜を見る会」など、自分の権力を惜しげもなく地元支持者に分配したし、そこには多くの芸能人も招かれていた。いろんなことを気にしなければ、楽しい人なのかもしれない。夫婦そろって独自の社交好きで、思わぬ人もなびいていくことになった。
(安倍夫妻)
こういうタイプを世界に探すなら、僕はアメリカのクリントン夫妻だと思う。政治的スタンスが違うけれど、何の政治的権限もないはずのファーストレディが政治的な役割を果たしていた。夫婦そろって社交好きで、ホワイトハウスでは毎夜のようにパーティが開かれたらしい。招かれた文化人のレベルが違っているけれど、似ているのである。何でもビル・クリントンは支持者にとって非常に身近な感じを与える政治家だったらしい。だからモニカ・ルインスキーとの性的スキャンダルがあったけど、弾劾を免れた。内容は全然違うけれど、安倍首相がいくつもの「疑惑」をきちんと説明しなくても支持派が崩れないのも、身近な人には魅力があるのだろう。
(クリントン夫妻)
安倍政権において、「権力の分配」のような「温かさ」は「地元支持者」や「飯友」にだけ与えられたわけではない。もし全く国民全体に無関係なお祭り騒ぎだけだったら、さすがに支持率はもっと下がっただろう。もともと日本の保守は「パターナリズム」(家父長的温情主義)である。「上から目線」だとしても、「弱者への眼差し」は持っている。岸首相にしてからが、単なる「防衛タカ派」ではない。「国民年金」も「国民健康保険」も岸政権で法律が成立している。「警職法改正」(反対運動で撤回)や「日米安保条約改定」ばかりやってたわけではないのである。
安倍政権においても、財界に賃上げを要請したり、最低賃金を引き上げたりした。「働き方改革」を進めたり、いろいろな問題があるんだけれども「高等教育無償化」や「幼保無償化」も手掛けた。「悪夢のような民主党政権」で実現した「高校無償化」も、政権復帰後に止めなかった。「所得制限」を付けたり「朝鮮学校排除の法制化」など問題があるわけだが、制度自体は存在し続けた。このような政策を「権利」としてではなく、「パターナリズム」として推進したことが高支持率が続いた背景にあるだろう。
細川護熙氏は本当に殿様の末裔だったわけだが、安倍晋三氏は単に「政治家三代目」というだけだ。しかし、「岸総理の(母系の)孫」と言われ、総理目前で病没した父安倍晋太郎の果たされなかった無念を引き継ぎ、若い頃から周りが「次代のホープ」と担いでくれた。自分でのし上がったわけじゃないし、どっちかというとチャンスの方から転がり込んできたタイプだ。
あまり勉強してない感じはずっとつきまとっていて、政治家に知性を求める評論家からは、政治的立場を別にして何となく軽侮されてきた感じがある。最初から最後まで、「憲法の基本が判ってない」「歴史の教訓が判ってない」などと言われ続けた。中でも言葉の使い方が雑で、自己陶酔的「ポエム」に自分でも酔っている感じだった。その中でも極めつけが「桜を見る会」の地元後援会員参加問題。「募っている」けど「募集してない」という歴史的珍答弁だろう。
こういう「バカ殿系」は、外から見ると「バカにしながら担ぎ続ける」ように見えるけれど、それだけではあんなに長く高支持率は維持できない。こういう人は外面はいいから、一緒にいて楽しいと思う「飯友」も現れてくる。「桜を見る会」など、自分の権力を惜しげもなく地元支持者に分配したし、そこには多くの芸能人も招かれていた。いろんなことを気にしなければ、楽しい人なのかもしれない。夫婦そろって独自の社交好きで、思わぬ人もなびいていくことになった。
(安倍夫妻)
こういうタイプを世界に探すなら、僕はアメリカのクリントン夫妻だと思う。政治的スタンスが違うけれど、何の政治的権限もないはずのファーストレディが政治的な役割を果たしていた。夫婦そろって社交好きで、ホワイトハウスでは毎夜のようにパーティが開かれたらしい。招かれた文化人のレベルが違っているけれど、似ているのである。何でもビル・クリントンは支持者にとって非常に身近な感じを与える政治家だったらしい。だからモニカ・ルインスキーとの性的スキャンダルがあったけど、弾劾を免れた。内容は全然違うけれど、安倍首相がいくつもの「疑惑」をきちんと説明しなくても支持派が崩れないのも、身近な人には魅力があるのだろう。
(クリントン夫妻)
安倍政権において、「権力の分配」のような「温かさ」は「地元支持者」や「飯友」にだけ与えられたわけではない。もし全く国民全体に無関係なお祭り騒ぎだけだったら、さすがに支持率はもっと下がっただろう。もともと日本の保守は「パターナリズム」(家父長的温情主義)である。「上から目線」だとしても、「弱者への眼差し」は持っている。岸首相にしてからが、単なる「防衛タカ派」ではない。「国民年金」も「国民健康保険」も岸政権で法律が成立している。「警職法改正」(反対運動で撤回)や「日米安保条約改定」ばかりやってたわけではないのである。
安倍政権においても、財界に賃上げを要請したり、最低賃金を引き上げたりした。「働き方改革」を進めたり、いろいろな問題があるんだけれども「高等教育無償化」や「幼保無償化」も手掛けた。「悪夢のような民主党政権」で実現した「高校無償化」も、政権復帰後に止めなかった。「所得制限」を付けたり「朝鮮学校排除の法制化」など問題があるわけだが、制度自体は存在し続けた。このような政策を「権利」としてではなく、「パターナリズム」として推進したことが高支持率が続いた背景にあるだろう。
早坂茂三によれば、日本人は、陰気なのが嫌いで、そこが、かつての日本社会党が共産党に優っていた原因だそうです。