毎回のように国政選挙の後では、各党の比例区票を比較検討してきた。今回も書いておきたい。参議院選挙と衆議院選挙では、同じ比例区と言ってもずいぶん違うけれど、他に比較できるデータがないわけである。最初に書いておくと、比例代表の総得票数は、5007万2172票だった。選挙区の方は5036万3770票で、選挙区だけ投票して比例区はパスする人が30万近くいるのだ。
2016年参院選は5600万票ほど。2017年衆院選は5575万票ほど。2014年衆院選は5333万票ほどで、この時は戦後の衆院選史上最少だった。もっとも2016年参院選から「18歳選挙権」が実施されたので、有権者数そのものがかなり増えている。18歳選挙権が実施されて2回目の参院選になるが、今回は600万票ほど少ない。まあ、ほとんど5千万票ピッタリなので計算しやすいけど。
各党の票数を見る前に。今後絶対に破られない参院選当選の大記録が現れた。それは比例区で8回当選の自民党山東昭子である。もう山東昭子がタレント議員だったと知らない人も多いだろう。古い日本映画を見ていると、時々若い頃の姿を見ることがある。大スターというわけではなく、テレビのクイズ番組で知られていた。32歳で立候補して、今77歳。もっともずっと継続しているわけではなく、一度1992年に落選、その後繰り上げ当選、辞任して衆院選出馬(落選)、参院選に戻って当選を続けた。自民党には一応70歳定年制があり、2回連続して特例を認められた。今回は19人当選中の18位だった。当選回数新記録に敬意を表して、新参議院議長に就任する見込みという。
(当選を喜ぶ山東昭子)
一応、2005年の郵政選挙から見て行くことにする。千票単位四捨五入。
05衆院選→07参院選→09衆院選→10参院選→12衆院選→13参院選→14衆院選→16参院選→17衆院選→19参院選 の順番。直近3回は太字で。
★自由民主党
2589万→1654万→1881万→1407万→1662万→1846万→1766万→2011万→1856万→1711万
★公明党
899万→777万→805万→764万→712万→757万→731万→753万→698万→654万
与党側から見てみると、自民党は前回2016年参院選で2000万票を獲得したが、今回はそれよりも300万票も減っている。前回衆院選からも140万票減った。今回から2議席増えていることもあり、議席数は前回と同じ19議席だった。公明党も16年参院選から100万票、17年衆院選から44万減った。自公連立以後最も少ない。他党も減っているので、獲得議席は7議席と変わらない。21世紀初めには一時800万票を超えたが、得票数は減少傾向にある。「少子高齢化」など構造的な要因も大きいだろう。両党とも票を減らしても議席数が変わらないのは、今回は与野党双方に棄権があったのだろう。
野党側は16年参院選と大きく変わったので、とりあえず変わってない共産、社民から。
★日本共産党
492万→516万→494万→426万→369万→515万→606万→602万→440万→448万
★社会民主党
372万→263万→301万→224万→142万→126万→131万→154万→94万→105万
ちょっと前まで両党合わせて700万票以上獲得していたが、今回は合計で550万票ほど。前回参院選から見ると共産は150万、社民は50万も減らしているが、17年衆院選からは少し増えている。そのため社民党も政党要件をクリアーした。共産党は4議席で1議席を減らした。社民は前回と同じ1議席。
(社民党で当選した吉田忠智氏)
さて、問題なのはかつての民主党。2014年衆院選までは以下のような得票だった。
★民主党
2100万→2326万→2984万→1845万→963万→713万→976万
〇2016年参院選は、維新の党の一部と合同して「民進党」として臨んだ。
1175万
〇2017年衆院選は、「立憲民主党」と「希望の党」を見てみる。
・立憲民主党 1108万
・希望の党 968万
この「希望の党」と「民進党」が合同して「国民民主党」となり、前回は「生活の党と山本太郎と仲間たち」で1議席を獲得した小沢一郎グループも合流した。一方山本太郎は分離独立して新党を樹立。
〇2019年参院選
・立憲民主党 792万(8議席)
・国民民主党 348万(3議席) 合計1040万票
前回「民進党」は11議席を獲得したので、今回両党で11議席だから同じとも言える。でも小沢一郎が合流していることを考えれば1議席減である。立憲民主党も結党直後の衆院選から、316万票も減っている。立憲民主党が出てない選挙区が多いので、参院選で減るのはやむを得ない。だが、衆院選からの減は自民よりも立憲民主の方が多い。野党第一党の地位は確立できたけど風は吹かなかった。国民民主党は支持率低迷が続く中、まあそこそこ頑張ったのかもしれないが、展望は見えない。
維新は3年前は「おおさか維新の会」だった。2017年衆院選から「日本維新の会」に戻した。2019年春の大阪ダブル選で息を吹き返して、今回は地域政党と連携するなどして議席数は1議席多かった。ところが票数で見ると、3年前の方が多いから不思議。
★16参院選 おおさか維新 515万 →17年衆院選 339万→19年参院選491万
・今回登場の新党が二つ。
★れいわ新撰組 228万 (2議席)
★NHKから国民を守る党 99万 (1議席)
前回参院選より、自民が300万、公明が100万、共産が150万、社民が50万減らした。民進党+生活の党系で、250万減。計850万ほど減った分が、「れいわ新撰組」「N国」と600万の棄権で大体つじつまが合う。細かく見るともっと判るだろうが、簡単に言えば投票率が減った分は既成の与野党どっちにも同じ影響を与えたと思われる。
2016年参院選は5600万票ほど。2017年衆院選は5575万票ほど。2014年衆院選は5333万票ほどで、この時は戦後の衆院選史上最少だった。もっとも2016年参院選から「18歳選挙権」が実施されたので、有権者数そのものがかなり増えている。18歳選挙権が実施されて2回目の参院選になるが、今回は600万票ほど少ない。まあ、ほとんど5千万票ピッタリなので計算しやすいけど。
各党の票数を見る前に。今後絶対に破られない参院選当選の大記録が現れた。それは比例区で8回当選の自民党山東昭子である。もう山東昭子がタレント議員だったと知らない人も多いだろう。古い日本映画を見ていると、時々若い頃の姿を見ることがある。大スターというわけではなく、テレビのクイズ番組で知られていた。32歳で立候補して、今77歳。もっともずっと継続しているわけではなく、一度1992年に落選、その後繰り上げ当選、辞任して衆院選出馬(落選)、参院選に戻って当選を続けた。自民党には一応70歳定年制があり、2回連続して特例を認められた。今回は19人当選中の18位だった。当選回数新記録に敬意を表して、新参議院議長に就任する見込みという。
(当選を喜ぶ山東昭子)
一応、2005年の郵政選挙から見て行くことにする。千票単位四捨五入。
05衆院選→07参院選→09衆院選→10参院選→12衆院選→13参院選→14衆院選→16参院選→17衆院選→19参院選 の順番。直近3回は太字で。
★自由民主党
2589万→1654万→1881万→1407万→1662万→1846万→1766万→2011万→1856万→1711万
★公明党
899万→777万→805万→764万→712万→757万→731万→753万→698万→654万
与党側から見てみると、自民党は前回2016年参院選で2000万票を獲得したが、今回はそれよりも300万票も減っている。前回衆院選からも140万票減った。今回から2議席増えていることもあり、議席数は前回と同じ19議席だった。公明党も16年参院選から100万票、17年衆院選から44万減った。自公連立以後最も少ない。他党も減っているので、獲得議席は7議席と変わらない。21世紀初めには一時800万票を超えたが、得票数は減少傾向にある。「少子高齢化」など構造的な要因も大きいだろう。両党とも票を減らしても議席数が変わらないのは、今回は与野党双方に棄権があったのだろう。
野党側は16年参院選と大きく変わったので、とりあえず変わってない共産、社民から。
★日本共産党
492万→516万→494万→426万→369万→515万→606万→602万→440万→448万
★社会民主党
372万→263万→301万→224万→142万→126万→131万→154万→94万→105万
ちょっと前まで両党合わせて700万票以上獲得していたが、今回は合計で550万票ほど。前回参院選から見ると共産は150万、社民は50万も減らしているが、17年衆院選からは少し増えている。そのため社民党も政党要件をクリアーした。共産党は4議席で1議席を減らした。社民は前回と同じ1議席。
(社民党で当選した吉田忠智氏)
さて、問題なのはかつての民主党。2014年衆院選までは以下のような得票だった。
★民主党
2100万→2326万→2984万→1845万→963万→713万→976万
〇2016年参院選は、維新の党の一部と合同して「民進党」として臨んだ。
1175万
〇2017年衆院選は、「立憲民主党」と「希望の党」を見てみる。
・立憲民主党 1108万
・希望の党 968万
この「希望の党」と「民進党」が合同して「国民民主党」となり、前回は「生活の党と山本太郎と仲間たち」で1議席を獲得した小沢一郎グループも合流した。一方山本太郎は分離独立して新党を樹立。
〇2019年参院選
・立憲民主党 792万(8議席)
・国民民主党 348万(3議席) 合計1040万票
前回「民進党」は11議席を獲得したので、今回両党で11議席だから同じとも言える。でも小沢一郎が合流していることを考えれば1議席減である。立憲民主党も結党直後の衆院選から、316万票も減っている。立憲民主党が出てない選挙区が多いので、参院選で減るのはやむを得ない。だが、衆院選からの減は自民よりも立憲民主の方が多い。野党第一党の地位は確立できたけど風は吹かなかった。国民民主党は支持率低迷が続く中、まあそこそこ頑張ったのかもしれないが、展望は見えない。
維新は3年前は「おおさか維新の会」だった。2017年衆院選から「日本維新の会」に戻した。2019年春の大阪ダブル選で息を吹き返して、今回は地域政党と連携するなどして議席数は1議席多かった。ところが票数で見ると、3年前の方が多いから不思議。
★16参院選 おおさか維新 515万 →17年衆院選 339万→19年参院選491万
・今回登場の新党が二つ。
★れいわ新撰組 228万 (2議席)
★NHKから国民を守る党 99万 (1議席)
前回参院選より、自民が300万、公明が100万、共産が150万、社民が50万減らした。民進党+生活の党系で、250万減。計850万ほど減った分が、「れいわ新撰組」「N国」と600万の棄権で大体つじつまが合う。細かく見るともっと判るだろうが、簡単に言えば投票率が減った分は既成の与野党どっちにも同じ影響を与えたと思われる。