チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 186

2019年07月06日 18時28分12秒 | 日記
完全オフ
自分を振り返る時間が十分にある日は嬉しい幸せ
なのにテレビっ子になっていた
映画一本推理(古いな)ドラマ一本合計4時間
昔人間だから、ぼーーーとテレビだけ見るのは時間に申し訳ないと思いかねて気になっていた、秋の単衣の着物を一枚ほどいた

この着物は「絹縮」と言って新潟の小千谷でつくっていただいた
つまり小千谷縮は麻だけど絹でも同じように縮ませることはできないのかと樋口工芸の当時は専務だった現社長に相談した

出来上がったらこれまた最高の素材になり、ちょうどいま時分梅雨の最中で湿気があるけど少し肌寒いそういうときの着物にもってこい

もともと縮んでいるから湿気に縮むということも気にならない
今日解いた着物は試作品で絹反物を通常より広幅に織り、小千谷ちぢみの工程と同じようにお湯につけて足で揉むという作業やっていただいた

コールドベージュに染めて芒を五つ紋のように背、両袖、胸においた
そしてこげ茶色の地色に金のすすきの帯を合わせ有頂天で着ていた
襟元もふんわりして体もゆったりと包んでくれて愛しい着物

着心地が良くて5枚も作ってしまった
お人にもお世話して自分のストック分が手元になくなり慌てて注文をしたところ
「縮のできる方があの震災でなくなってもう同じものはできないですよ」
その代り別の方法で絹縮はできますという

中越地震でなくなった人の手によってできていたこの着物大切にしなければとよく手を通した
そのため袖口は擦り切れ、裾も切れ、「頑張ってくれたねえ」と丁寧に解く

試作品として作った第一号が最も縮み具合がよくなにか作りての「新しいものに挑戰している!」という気迫を感じる
だからこそ着る方も嬉しくて力が入る
言葉は交わさないが着物は作った人と着る人の魂の会話があるように思う

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