チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

緑葉

2011年04月27日 11時03分58秒 | 日記
20日から24節気の穀雨に入ったら
俄かに雨が多くなり
その雨が降るたびに
緑葉がさえてくる

「なんと美しい!」
思わず緑葉に感嘆する

それにしてもいろんな色の緑がある
「どうして葉っぱは緑なのだろうか」
と公園の緑に囲まれながらつぶやく

緑という色は調和を意味するといわれている
人は緑の中に居ると落ち着くし癒される
緑は風水では経済の色
財を運んでくる風にあたる
風は色んなものを運んでくる
そういうところからきているのだろうか

日本には推古天皇の時代に出来た冠位十二階(603年)の中に緑はない
紫・青・黄・赤・白・黒
紫をとると五行思想の五色の色が中心になっている
この五色は体の内臓などの色とも連動されていて
日本の昔のお母さんの手作り料理は
この五色にあわせた料理が食卓の花形だった

当時から紫は最も尊い色として君臨している

さて緑は自然の中にたくさんあったので
あえて階級色に加えられなかったのか
やっと天武天皇の頃になって
緑も冠位の色の中に入ってくる

もう一つの考え方は
緑という色素は当時の植物染料の中では色としてでにくく
蓬など草や葉っぱの染液はくすんだくぐもった緑にしかならず
その色を貴族は好まず庶民の色になったよう

天武天皇の時代
美しい緑は山藍の葉と刈やすや梔子の黄色で染めると良い色になる
というのがわかり冠位の色に加えられたようだ

その緑の美しさにすっかり人は魅せられた
しかしずーーーーーと
緑は一つの素材では染まらず
いつも2種類の染材を使っていた

アア話が長い

4月29日は「緑の日」
この日に先駆け草木染作家の故山崎青樹さんが
色を掛け合わせないで単色の緑を染める素材を探し当て
今から20年前に高崎で発表
更にパリでも発表した

ヨーロッパの緑はクール系
日本の緑はウオーム系
五月の初めウイーンで新緑を観て
その足で日本に帰り日本の新緑を見たとき
緑の色の違いに驚いた

パキパキと己をを主張する欧州の人たちの性格もクール
そうかしら、でもいいわよと優柔不断に見える日本人の性格は
黄色や柿色の強いウオーム系の緑に囲まれ温かいウオーム

同じ新緑でも
樹や国によって色の違いがあって面白い

みんな違ってみんな同じ
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