チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

物の価値

2008年08月09日 10時44分14秒 | 日記
「三丁目の夕日」のポスターで着る三田佳子さんの仮縫い
先日の打ち合わせで二枚の候補を着る
縫製方の目を見張るようなうまさに感嘆!

ピッタリ
寸法だけでよくからだの特長を掴んでいると感心する

三田さんはもちろん満足
しかし
「コレ使ってみない」
と昔のご自分の洋服やベルトをばさっと衣装さんに提供

「ええ三田さんウエストこんなに細かったの?」
言わずもがなの一言を言ってしまうチャコちゃん先生

洋服のすべてがオートクチュールなので
素材も良いし形ももちろんセンスがいい
「1960年代のものって素材探すだけでも大変ですものね」
とご自分の洋服を作り変えて他の舞台の方々に生かすといいと衣装さんへ

「先日の夏目雅子さんのテレヴィでの衣装もほとんど私物よ、当時の色や素材のもの見つけるの大変ですもの」

まさしくプロの女優
洋服を作るときからこういう日もありなんと考えているのだと驚いた

ああ
チャコちゃん先生はぱっぱと人に差し上げてしまう
今回も
「竜郷柄の大島を着せましょう」
と演出家に提案しておきながら探すの大変
赤と青の差し色3枚持っていたがみーーーんなどこかへ

衣装さんも必死で探してくださったが「ない」
本場にも問い合わせたがもう生産をしていない
作るとしたら16枚買い取らなければならないとーー。

チャコちゃん先生はプロでないね
先見の明があれば定番の着物の柄、其の時代にはやったものは手元においておかなけりゃね

でも死ぬときはたった一枚あれば良いと思う
だから手元からきものを放しているのだがーー。

どこの産地も
アマリにもその土地の定番柄を見捨てている
日本国中他のものもそうかもしれない
手間隙かけてその土地の人に愛されるものの影が薄くなってきた

三田さんの手入れされた昔の衣装を見ていて
つくづく物の価値と言うものを考えさせられた
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