断捨離の大先生がいらっしゃって世界に羽ばたいているという
物を捨てるということはいま「善」らしい
家の中にときめかないものがあったら捨てなさいと言うのが捨てる基本だそうだ
「必要だから取っておこう」
「いつか扱うかもしれないから取っておこう」
という考えはいけないそうだ
少し前までは「安物買の銭失い」と言ってものを購入するときはよく吟味し10年先まで使えるものを買うという躾があった
そのためアリが物を運ぶような感じで少しずつ本物を購入するというのが普通の日本人の習慣でもあった
戦後は「消費こそ美学」と言うことが叫ばれてきて
使ったら捨てるという日常習慣ができ、ついに大量生産が必要となった
手作りのものを愛でながら使うとかということもなくなり割れないもの傷つかないものがもてはやされた
割れるから物を大事に扱う
傷つくから作った人が元通りに直し技術が継承される
消費が美学の世では物が溢れてきる
そしてそのものを今は捨てろという
矛盾してない?
ときめかないものを購入するから捨てるハメになる
ときめいて買うと捨てられないよ
孫子の代まで取っておこうと思うよ
しかし
その孫子の趣味に合わなければときめかないから捨てられる
戦火にも合わず膨大な物が蔵にあったり別家に残されたりする家が未だに多い
そういう家に残った物の価値を子孫がわからないとそれこそ「断捨離」となる
陶器に興味がない
漆器に興味を持たない
着物に興味を示さない
絵画はわからない
書は訳がわからない
それらはゴミとして消えていく
今の時代「それもあり」と肯定するべきだろうか
断捨離という言葉が虚しい
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