チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

桑蚕を見てきました

2013年06月28日 09時07分19秒 | 日記
もとはといえば蚕は桑の木の害虫だったわけ
しかしアノ蓑虫のように糸を葉っぱと葉っぱに繋いで繭を造っている姿を見て
古代の人たちがその繭から糸を引いて見たら
細くて美しい糸が出来るのでそれでは家の中で育ててみようと
卵を収穫して何百年いえ何千年も掛けて
今のような蛾になっても飛べない蚕を作り上げそれを「家の繭」と呼んだ

農薬や肥料を施さない桑の木には
自然に桑蚕が戻ってきた
いま家蚕は何回も雄は交尾するが
桑蚕は一回しかしない
交尾した後はどこかに飛んでいってしまい卵を見つけるのも苦労
そういうことは本来自然にまかさなければいけないことだが
とにかく人間は糸がほしくて様々な研究をし
卵の数も多くしたし一年中その卵が孵化する研究も成功している
その結果
強い糸は出来たがしなやかで柔らかく絹本来の優しさが失せてしまった

桑蚕は自分だけのシェルターである繭を作り上げたけど
その繭からとった糸はことのほか美しい
きっと昔の人は此の美しい繭を宝のように大事にしたに違いない
そのいとが本当に美しい
コメント
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