京都に工房を持つ女流染織家から
「引っ越しました」
というはがきが届いた
「へー工房全て引っ越すのは大変だったでしょうねえ」
と真面目なチャコちゃん先生は
工房内の荷物を思い浮かべながらおお大変
と思って後を続けて読むと
新居の場所は
天界、星の家
つまりその方のお父さんが引っ越して逝かれた
と書いてあり
「私どもはそのまま留まっていますーー」
80歳を超えたお父様だったのでこのようなユーモアで
逝去の案内を下さったのだろうが
暫くハガキを手にして考えこんだ
いま浅田真央ちゃんが目の前の試合を蹴って
お母様の枕辺に駆けつけたといって
非難をしている人もいる
多分あのまま試合に臨んでいたら金メタルが取れただろうと
人それぞれ色んな考え方がある
親の死に目に会えないのが当たり前の世界に居る人たちも居る
真央ちゃんはアマチユアでありお母様との絆が深い
自分がそういう場面になったらと考えたとき
人の行動にアレコレいえない
その人の選択をただ黙って受け留めるしかない
くだんの京都の染織家のように
ユーモアでご自分の悲しみを和らげている人も
それもその方の選択
男友達のお母様がなくなったとき
「白い花もって枕辺に来て」と電話があり駆けつけた
学生時代の友人だったからそのお母様とは
もう何十年もお会いしていない
お庭にはいつの季節にも白い花が咲いていた
お母様が風邪をこじらせて入院されたとき
白い花を持ってお見舞いに行った
そのとき看護婦さんから
「白い花を病院に持ってくるなんて非常識でしょう」
と付き返されそうになったとき
「そうじゃあないのよチャコは私が白い花が好きだということを
知ってて持って来てくださったのよね」
病院とか病人とかそんなことに考えが回らず
お母様お好きな白い花を持っていけばきっと元気になる
そういう一途な思いしかなかった
思いが至らなかったのだ其れが若さというものかも知れない
なにかそれ以来妙に気兼ねしてその家に足が向かなくなった
しかしそのお母様がなくなったとき
家族は白い花を持っていったチャコちゃん先生の
心情を理解してくれていたのだと嬉しかった
何を思うかはそのときのその人の心のありよう
「引っ越しました」
というはがきが届いた
「へー工房全て引っ越すのは大変だったでしょうねえ」
と真面目なチャコちゃん先生は
工房内の荷物を思い浮かべながらおお大変
と思って後を続けて読むと
新居の場所は
天界、星の家
つまりその方のお父さんが引っ越して逝かれた
と書いてあり
「私どもはそのまま留まっていますーー」
80歳を超えたお父様だったのでこのようなユーモアで
逝去の案内を下さったのだろうが
暫くハガキを手にして考えこんだ
いま浅田真央ちゃんが目の前の試合を蹴って
お母様の枕辺に駆けつけたといって
非難をしている人もいる
多分あのまま試合に臨んでいたら金メタルが取れただろうと
人それぞれ色んな考え方がある
親の死に目に会えないのが当たり前の世界に居る人たちも居る
真央ちゃんはアマチユアでありお母様との絆が深い
自分がそういう場面になったらと考えたとき
人の行動にアレコレいえない
その人の選択をただ黙って受け留めるしかない
くだんの京都の染織家のように
ユーモアでご自分の悲しみを和らげている人も
それもその方の選択
男友達のお母様がなくなったとき
「白い花もって枕辺に来て」と電話があり駆けつけた
学生時代の友人だったからそのお母様とは
もう何十年もお会いしていない
お庭にはいつの季節にも白い花が咲いていた
お母様が風邪をこじらせて入院されたとき
白い花を持ってお見舞いに行った
そのとき看護婦さんから
「白い花を病院に持ってくるなんて非常識でしょう」
と付き返されそうになったとき
「そうじゃあないのよチャコは私が白い花が好きだということを
知ってて持って来てくださったのよね」
病院とか病人とかそんなことに考えが回らず
お母様お好きな白い花を持っていけばきっと元気になる
そういう一途な思いしかなかった
思いが至らなかったのだ其れが若さというものかも知れない
なにかそれ以来妙に気兼ねしてその家に足が向かなくなった
しかしそのお母様がなくなったとき
家族は白い花を持っていったチャコちゃん先生の
心情を理解してくれていたのだと嬉しかった
何を思うかはそのときのその人の心のありよう