H子と小さな室内コンサートに行く
その会場へ行くエレヴェーターの中で
「おっとーーー」
H子の昔の男が乗り込んできた
二人一瞬息を呑む
わずかにH子が会釈をする
男の目が泳いで私を捉え「あっ」
言葉にならない
この緊張は更に続き同じコンサートに招待されていた
しかも席が隣
名曲に耳を預けながらも
H子のその男にたいした狂乱が思い浮かぶ
男が気持ちを他の女に移したことを知ったH子
その女のいる場所を突き止め
其処に止めてあった男の車のタイヤの空気を全て抜いた
その場から興奮したH子の声がピアノのフオルテシモと重なる
新しい女と歩いている男の後ろをつけていき
いきなり背広にケチャップをチューブから噴出させる
此処ま来ると可愛くもなんともない
おぞましい
そこでやめるようにという忠告は絶対に効かない
「殺傷だけは我慢してね」
としか言いようがない
戦勝?結果をただ黙って聞いているだけ
やるだけやったら「ツキモノ」が落ちたように穏やかになった
一言もその男の話は出ない
コンサートでさすがに隣り合わせはまずいだろうと
私が中を割って座った
平常心のH子は呼吸も静かピアノに集中をしている
かたや隣の男
落ち着きなくどうやら上の空の気配
終わって飲み物が運ばれてきた
H子は知人を見つけて華やかに会話を楽しんでいる
男は目をカップにおいたまま
飲むでなく岩のように椅子にくっついている
女は凄いや
たいしたもの
その会場へ行くエレヴェーターの中で
「おっとーーー」
H子の昔の男が乗り込んできた
二人一瞬息を呑む
わずかにH子が会釈をする
男の目が泳いで私を捉え「あっ」
言葉にならない
この緊張は更に続き同じコンサートに招待されていた
しかも席が隣
名曲に耳を預けながらも
H子のその男にたいした狂乱が思い浮かぶ
男が気持ちを他の女に移したことを知ったH子
その女のいる場所を突き止め
其処に止めてあった男の車のタイヤの空気を全て抜いた
その場から興奮したH子の声がピアノのフオルテシモと重なる
新しい女と歩いている男の後ろをつけていき
いきなり背広にケチャップをチューブから噴出させる
此処ま来ると可愛くもなんともない
おぞましい
そこでやめるようにという忠告は絶対に効かない
「殺傷だけは我慢してね」
としか言いようがない
戦勝?結果をただ黙って聞いているだけ
やるだけやったら「ツキモノ」が落ちたように穏やかになった
一言もその男の話は出ない
コンサートでさすがに隣り合わせはまずいだろうと
私が中を割って座った
平常心のH子は呼吸も静かピアノに集中をしている
かたや隣の男
落ち着きなくどうやら上の空の気配
終わって飲み物が運ばれてきた
H子は知人を見つけて華やかに会話を楽しんでいる
男は目をカップにおいたまま
飲むでなく岩のように椅子にくっついている
女は凄いや
たいしたもの