チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

こんなことが珍しくなった

2009年01月06日 19時52分44秒 | 日記
今から40年前
きものの産地取材や
着物の着方、
組み合わせなどの記事を書き始めたとき

「あの子がきものに関心を持った!」
とばかり喜んだ母は
腰紐、半襟、肌襦袢、足袋、湯文字、裾よけ
など外側のものでないものを
うわっと送ってきて
私を驚かせた

半襟など
この5年位前まで一枚も買わずにすんだ

つまり
母と私は天敵同士で
私は死ぬまできものなんか着ないと
大見得切っていたのだ

それなのに
母は
ひたすら下着や小物を買って
「いつか」
という夢を抱いていたのだろう

そして
何年かして
偉そうにきものの本など出し始めたら

「何であんな誰でも知っているようなことを書いて恥ずかしい」
そんなことでお金を頂くなんてとんでもない!
とまた天敵に立ち戻った

しかし
平成の今
母の知恵を逆に時代に生かしていると
胸を張れる

今日二月発売のクロワッサンの撮影をしたが
モノの命を大切に使い切る
という一つ一つのことが
今は
「へーーー」
という新しさになる

母が生きていたら
そのぺージを見て
どんなコメントをくれるのだろうか

「全くそんなことが仕事になるの?恥ずかしくなあーい」
あなたが一番できなかったことなのにねえ
と笑い転げるように思う

でもいまはそんな時代
母達の知恵をもっと活かさねばと思う
それが私の世代の役目かもーーー。
コメント
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