いつ、どこで、不安な現代

　　　★　信じられない事件
　秋葉原で恐ろしい凄惨な事件が起こったが、そのテレビ報道を見ていて涙が
こぼれた。まだ若い方が多く痛ましいが、本当にお気の毒でならない。
「只今」と元気で帰ってくるはずの人が……ご家族の気持ちを思うとやり切れな
かった。青天の霹靂で、何と運が悪いのだろう、これからどんな素敵な人生が
送れたかも分からないのに……わたし達夫婦は怒りと同情のために、しばらく
会話が途絶えたほどだ。生まれてから死ぬまでは、もしかしたら、自分では
どうすることもできないが、命の長さは決められているのかもしれない。
　それを宿命と言うが、それにしても本当に亡くなった方が気の毒でならない。
何年前になるだろうか。決して忘れられないのが、その日池袋で起こった
通り魔事件だ。その日わたしは、埼玉県の入間市にある人事院の研修所で
キャリアのために講演に行った。
　その日の受講者はほとんどが東大出身者と聞いたが、受講者の態度は大変
真摯で、反応がよく嬉しくなった。以前霞が関で講演した同じ人事院の方と
（失礼ながら）はまったく違っていたのが大変印象的だった。
　わたしが池袋を通過したあと、その事件が起きたようだが、後で聞いて大変
驚いたので、その日の情景もはっきり覚えている。
　それにしても……毎回のようにお話しますが、天災、事故、事件など、わたし
達の周りには恐ろしいことが待ち構えているようで、その日が無事に過ごせた
ことだけで、やはり感謝をしなければならないと痛感する。
　志半ばで亡くなられた方の、ご冥福を心から祈りたいと思う今朝の心境だ。