竹と遊ぼう。伊藤千章の日記、

小平市と掛川市の山村を往復して暮らし、マラソン、草花の写真、竹細工、クラフトテープのかご、紙塑人形の写真があります

スペイン巡礼 その20 聖堂騎士団 ポンフェラーダ

2016-07-19 16:08:00 | スペイン巡礼

6月13日 アストルガからポンフェラーダ

バスに乗って旅をすれば私は運動不足になります。どこかでジョギングをしなければなりません。時々走っている地元の人に会いますから私もそうすればいい。私の靴はスニーカーに近い物なのでちょうどいいでしょう。早く宿に着くのですぐ走ればいい。これもまた楽しみです。

私が走るのにこだわるのは糖尿病があるから。23年前糖尿病と診断され、以来運動療法として歩くことから始め、間もなく走り始めました。フルマラソン参加40回以上、今年も3月に参加、10月にも参加の予定です。走るとつい食べ過ぎになる傾向あり、今度の毎日せっせと歩く巡礼を楽しみにしていたのです。歩くのが駄目なら走ればいい。もともと食いしん坊です。食べるために走るようなものですね。

6月13日朝からバスに乗ってポンフェラーダに来ました。宿は初めてホステルに泊まりました。二人部屋で35ユーロ、いつもの倍近くしますが彼の希望なので泊まることにしました。

実は昨日のアストルガのカテドラルでのミサの時、お祭りと同時に行われたので人がいっぱいになり、私たちは後ろの方に立っていました。すると席についていた人達が、詰めて私たちの席を開けてくれました。

その時友達はそばの低い石に腰かけていた女性に席を譲ろうとしました。幸いもう少し詰めてもらって、その女性も席に着くことが出来ました。ミサの後外に出て宿に戻ってみると彼は自分のバックだと思って、その女性のバッグを持ってきたらしいのです。すぐ教会に戻ったけれど女性はいませんでした。でも今朝バスに乗るために街に行ったらその女性に偶然出会ってバッグを返すことが出来ました。パスポートその他大切なものが入っているバックだったようです。その女性が、アルベルゲではなくちょっと高いけれどホステルに泊まっていると知って、ホステルに泊まってみようと思ったようです。

まだ昼前なので私はジョギングすることにしました。

この街の中心に城があります。バシリカや市庁舎はその回りにあります。彼を部屋に残して走り出しました。川を渡ると城や教会があり、それを抜けて走ると、すぐ山が迫って来ます。そこは巡礼路、でも逆から進むとすぐ分からなくなります。

宿に戻って昼食に出ると彼が明日から歩きたいと言い出しました。足はもう大丈夫、こんな風にバスやホステルを使っていたら友達が出来ない、それでは取材も出来ないと言うのです。足さえOKなら問題なし、明日から歩くことになりました。

宿に戻って昼寝をしてお城を見に行きました。この城は聖堂騎士団の城です。第一次十字軍でエルサレムを守り巡礼を保護するために結成された聖堂騎士団は後に大変な財力と金融力を持つにいたりました。

騎士団の財産と金融力をフランス国王がねらって、教皇庁の助力を得て騎士団は解体させられました。さまざまな伝説が生まれた聖堂騎士団(テンプラーズ)です。この城には素晴らしい書庫があり、中世の写本が展示されていました。写真も撮って良かったので何まいも撮りました。

中世の修道士たちはこのような絵入りの写本を作って、ローマ以来のキリスト教の文書を後世に伝えていきました。蛮族の侵入や西ローマ帝国の滅亡と続いた暗黒時代を通じて修道院、特にアイルランドの修道院にこのような写本による古代キリスト教文化が存続し、8、9世紀に大陸が安定してカール大帝のカロリングルネッサンスが起こったとき、それを支えたのはアイルランドやイングランドの修道士文化だったのです。

今夜のミサは宿の近くの教会で行われました。オルガンや聖歌隊が聖歌を歌い、言葉のわからない私にはとても素晴らしいミサでした。参加者も100人、高齢者が多いもののさすが人口六万の都市です。