竹と遊ぼう。伊藤千章の日記、

小平市と掛川市の山村を往復して暮らし、マラソン、草花の写真、竹細工、クラフトテープのかご、紙塑人形の写真があります

スペイン巡礼 その18 歴史が生きている街アストルガ

2016-07-17 17:58:17 | スペイン巡礼

6月11日 ヴィラダンゴスデルパラモからアストルガへ

アストルガのカテドラル

回りのいびきが聞こえます。今私達に必要なことは心も国ももっと外に向かって開かれることではないでしょうか。教会の中にいるとそんなカトリックの心が伝わってきます。ミサの中で信者同士が握手したり抱きあったりする時があります。私も加わります。ちょっと感動します。それってすごい儀式です。でもそれはスペインでさえ忘れさられようとしている。心の中と外のバランスが大切な時代になっています。ま、それはいつも同じでしょうが。

19世紀の歴史家ランケは:あらゆる時代は神に通じる、と考えました。歴史に進歩などない、神の前では全て平等ということです。日本は明治維新で成功しました。でも日露戦争以後の傲慢さはどうでしょうか。その傲慢さは第二次世界大戦につながりました。今また傲慢な国になりつつあります。人口減少、少子高齢化、地方の疲弊、問題山積みです。国も私達も開かれなければ。

今朝は30キロ歩く予定なので5時半スタート、レオンからこちら国道沿いの道ばかりでうんざりしていました。やっと途中から山道に入りました。いつも見る花ばかりですが綺麗に咲いているのを見るのは嬉しいもの。小鳥達がいつも鳴いています。朝は時々カッコウが鳴きます。またパリでもイギリスでも聞いた小鳥の綺麗な鳴き声もいつも聞こえます。田舎の教会の尖塔にはコウノトリが巣を作り、辺りを飛び回っています。


アストルガに着いてから、友達がお腹をこわしているので、ミサが始まる8時まで一人でのんびり夕食を済ませて、街角の木陰のベンチに腰掛けています。ここのカテドラルは立派で博物館を兼ねています。中に入って写真を撮らせてもらいました。

ミサはここでは行われず隣の小さな教会でやります。その隣にはガウディが途中まで作り放棄した司教館があります。ちょっとガウディの感じがあります。

ここにも古代ローマの遺跡が残り、かってカルタゴの司教区だったこともあるようです。

古代ローマ帝国、イスラム帝国、それぞれに素晴らしい文明が栄えました。ヨーロッパはそれほどの帝国を築いたことはありません。常に戦争に明け暮れていました。それがエネルギーになって世界を支配することになったのです。その力をここでは随所に感じます。

教会の前でミサの始まりを待っていたら太鼓が響いたきました。10人ほどの昔の服装をした兵士が並んでやってきました。後ろに馬に乗った隊長が何か読み上げています。ズドンと空砲を鳴らして引き上げて行きました。

これは翌日分かったことですが、翌日の祭りの前触れでした。

ミサには土曜日とあって50人ほど集まりました。でも司祭その他が語るだけで聖歌はありません。友達も来なかったのでつまらないミサでした。

宿に帰って見ると友達の時計が壊れてしまったのです。私にはスマホがあるので私の時計を貸しました。彼はカメラも充電器をサンチアゴに送ったので使えません。忘れものは私以上、優秀な奥さんが海外旅行に一緒に行って言葉から生活からみんな面倒見てくれたのです。奥さんユネスコの職員だったので英語はペラペラなのです。今回は心ぼそい私が一緒ですからある面めちゃくちゃ、私には面倒見切れません。途方もなくいい人で途方もなくめちゃくちゃ、それが彼の魅力なんですね。明日はどうなるでしょう。

丘を上り下りしたので友達は足を痛めました。荷物は次の宿まで車で送ってもらうことにしました。7ユーロ、毎日送ってもらっても知れています。ここでは昨日から同じ宿のデンマークから来た女性二人組と少し親しくなりました。一人の名前がアンデルセン、面白いですね。