竹と遊ぼう。伊藤千章の日記、

小平市と掛川市の山村を往復して暮らし、マラソン、草花の写真、竹細工、クラフトテープのかご、紙塑人形の写真があります

自然を楽しむってどんなこと?

2009-08-31 05:35:33 | 田舎暮らし
数日前から静岡のPCもADSLになったので、
しばらく休んでいた「イギリス徒歩旅行 フットパスを歩く」を
再開しました。お暇な折にはどうぞ覗いてみてください。
これは6年前の旅の記録です。


イギリスのジギタリスが咲く野原
 
スカピオサ(マツムシソウ)が咲く野原
 
南アルプスで見たタカネグンナイフウロとそっくりの花
 
総選挙の結果でジャーナリズムは大騒ぎだが、二週間以上こっちにいるので、投票できなかった私は、紅旗征戎我がことにあらず、と気取っておこう。
 
夕べ風呂に入りながら考えた。
私たちは文明という装置によって、できるだけ自然の支配から離れて、
自由になろうとして来た。
でもどうしても乗り越えられないもの、それは生と死である。
これに老と病を加えれば仏教の四苦になる。
 
病を楽しむなんてことはとても出来ないが、
その時自分の痛み、苦しみ以外の想いで、
悩むことは無いようにしたいとは思っている。
 
友人は今、老と病の真っ最中である。
体が動きにくいだけで、痛みは特に無いらしい。
 
意識はしっかりしているが言葉は出にくくなっている。
でも淡々として今の状況に耐えている。
体が徐々に動きにくくなってくる病気だが、
一ヶ月前まではまだ木工教室に意欲満々だった。
 
彼のそばにいることは苦痛ではない。
昨日は奥さんと一緒にシャワーを浴びる手伝いをしたが、
まあここにいて私がやれることは、毎日一回は顔を出して話すことぐらい。
そんなところだ。
 
もともと頭のいい、しっかりして落ち着いた人だから、
今もそのままで、周りの人にも苦痛を与えない。
ゆっくり自然の中に戻っていくことを、静かに受け入れられる人だ。
 
そういう人が30年間、もともと何のかかわりも無かったのに、
傍にいたのだから、私はなんと幸せだったのだろう。
 
田舎は自然が美しい。でも実はそこに住む人たちがいいのだ。
この地区にはほかにもいい人達が大勢いる。
 
都会にも大勢いるに決まっている。でも都会ではそれが見えない。
田舎では人の姿がよく見える。
 
田舎暮らしのいい点はそこなのだ。
生老病死すべてについて、人と一緒に自然に近く生きられることだと思う。

パーキンソンの友人の退院。

2009-08-30 03:41:23 | 田舎暮らし
 
昨日、いつもこちらに来る度に遊びに行っている友人S氏が、
病院から一時帰宅するという電話があった。
私はこちらに居ながら、S氏が入院したことさえ知らなかった。
体調がよくないことは、2週間前遊びに行ったときに言っていた。
一週間前救急車で入院したのだという。
 
夕方退院する頃を見計らって行って見ると、
退院したばかりで、ベッドに横になっていた。
熱中症と脱水症状から入院ということになったらしいが、
かなり回復したので、戻って来たという。
 
東京にいる息子夫婦も来ていて、
ベッドから一人で立ち上がれないで、もどかしがっている彼を、
私も一緒になってあれこれ過ごしやすいように手伝った。
 
近所の親しい人も来ていろいろ話しかける。
S氏はもう八十近いが、近所の人たちは私と同年輩、
なにかと彼の世話になった人たちだ。
彼は、私がこの地に住むことになったときの区長で、
山林地主の彼は長い間この地のリーダー的存在だった。
 
30年前石見銀山に住んでいた私は
地方新聞に載っていた記事を頼りに、
生涯学習をうたい、過疎地に詳しいという掛川市長に、手紙を出した。
竹細工をやっいる、母親が住む東京とあまりに遠いので、
静岡に引っ越したい、どこか過疎地を知らないか、そんな内容だった。
 
市長からすぐ返事が来た。一度来てみないかと。
私はオンボロ車で島根から掛川まで出かけた。
市役所に行く前に、過疎の進んでいそうな市の北部を少し回ってみた。
 
市長に会いに行くと、ちょうど市役所で区長会が行われており、
そこに来ていた市長の友人で、北部地区の区長をしていたS氏を紹介された。
早速S氏と一緒に彼の家に行き、一晩泊めてもらった。
翌日案内された家は、前日この地を走って、
あ、こんな家もあるなと思った家だった。
 
その家を借りることにして、島根に帰った。
それからまもなく、家内と二人の子供を連れて引っ越してきた。
 
家を見て家内は愕然としたようだ。
建具も無い、畳もろくにない、こんな家に住めるのか、と。
 
だが翌日近所の人たちが手伝いに来てくれた。
市内で区画整理をやって、いらなくなった建具や畳が運ばれた。
すぐさま何とか住める家になった。
 
風呂は鉄鍋式の五右衛門風呂、
水は山から引いた水道、電気は来ている。
テレビは?家内が嫌いだから無し。
ちなみに今の家の居間にあるテレビはDVD用だ。
 
以来30年、私は島根の3年間で覚えた竹細工、
家内も島根で始めた紙塑人形をやり、
三人目と四人目の子供が生まれた。
 
 
引っ越してから8年後、衰えてきた母親を見るために、
家族は小平市に戻り、私一人で毎月二週間ずつ行き来している。
 
S氏とはそれ以来の付き合いだ。
お互いよき話し相手でもあり、
一緒に町の水彩画サークルに参加したりして、遊び相手でもある。
 
彼はこの10年ほど、パーキンソンを患っている。
でも持ち前の積極性から、水彩画を続けたり、
製材業も始めたりして、病気の進行はゆっくりだった。
最近も木工教室を開いて、温泉に来る客を呼ぼうとしていた。
私が掛川の図書館のギャラリーで、展示会をやろうと思ったのも、
生徒が集まらない彼の木工教室の、生徒集めもかねてのことだった。
 
前の家の仕事場から見た風景
 
その彼がいよいよ衰えてきた。
今度の私の家は彼の家のすぐ近く、木工轆轤の人のすぐ下だ。
私は五年間介護の仕事をやってきたので、
なにかと彼を手伝うことが出来そうだ。         

古い家に古い人が・・・・

2009-08-29 05:57:45 | 田舎暮らし
掛川の家です。立派な家なら紹介しないんだけど、
おんぼろの家を何とか自分で直して暮らしているので、
その涙ぐましい努力をご覧ください。


 
とは言え生来の怠け者なので、ま、この辺でいいか、
と完璧を求めない性格のため、家もいまいちです。
 
家賃は月5000円、だから修理は全て自分もち。
風呂はドラム缶風呂、毎晩水を換えないと錆が出ます。
水と薪はただなので、夏は毎晩入ります。

 
暖房は囲炉裏と薪ストーブ、
煮炊きにはカセットコンロを使っています。
 
部屋は6畳が3部屋と10畳の仕事場、10畳のダイニングキッチン?
廊下が長さ3間と幅5尺あって日当たり抜群です。

 
これがまともな家なら立派なものですが、まともじゃないので・・・・・
 
写真は出来るだけ立派に見えるように撮ってあります。
不動産やみたいですね。
 
便所が工事現場用の簡易トイレなのが、難点。
私や家内や息子は、水洗じゃない便所に慣れているけど、
去年息子の嫁さんが来て泊まったときは、びっくりしていました。

 
3年前、前の古い家からこの古い家に越してきたとき、
台所の天井ははがれかけ、床が落ちかけ、すごい状態でした。
 
天井を取り払い、台所、仕事場、廊下にフローリングを張り・・・・
当時デイサービスで働いていて、毎月6日ほど来るだけだったので、
お金をかけない分、時間がかかりました。

 
まだやることはいくらでもあるんですが、しばらく休み、
 
夏は涼しく冬暖かい、見た目より遥かに快適です。
 
でも今は見た目が大事かな?

さわやかな朝、家の周りの風景

2009-08-28 08:23:30 | 田舎暮らし
今朝は快晴、さわやかな朝です。
 
近頃雨も降らないので、からっとしています。
 
室温は20度、夕べは畳で居眠りしたら、
 
体が冷えてあわてて布団の中に飛び込みました。
 
家の西側の森
 
今朝は寝坊してジョギングは休み。
 
目標にしている月間300キロを達成しているので、
 
無理はしません。
 
趣味で木工轆轤をしている家
 
ここ数日でクサアジサイが満開になりそうなので、
 
カメラを持って走るつもりでしたが、明日に延期。
 
こんな山村なので、三食自炊、どうしても作りすぎるので、
 
プラケースに入れておいて、随時食べるので、
 
食事作りは面倒がありません。
 
右は隣、といっても小さい川を隔てているのでかなり距離があります。

エコクラフトで東南アジアの籠を編む。

2009-08-27 10:10:56 | 竹工芸
 
竹細工で籠を編む材料作りをしていた時、
タクルと呼ばれる、バリ島の闘鶏を運ぶ籠が目に付いた。
面白い編み方で椰子の葉で四つ目に編んである。
 
竹では無理な編み方なので、スリッパを入れて壁にかけてあった。
 
これはエコクラフトでは編めるんじゃないか。
そう思ったらすぐ取り掛かった。
同じじゃつまらないから、市松模様にしよう。
 
かくて出来上がったのが写真の籠。
サイズは元の三分の二ほど。
 
 
編んでいて分かったが、実によく計算されている。
作りなれた手が寸分たがわぬものを作り出す。
 
同じものが「世界のかご文化図鑑」にも載っているから、
数多く作られたのだろう。
手元にあるものも、おみやげ物の安っぽさは無く、
本当に使われるために作られたものだ。
民芸のよさの典型だ。
 
エコクラフトの籠は比較にならぬ程度のもの。
素材の違いはどうしようもない。
 
市松模様にしたのが編む面倒を増した。
もう一度編めばバランスその他、
形の上では原型に近いものが出来るだろう。
 
編むのはとても面白かった。
 
 

村での仲間作り。

2009-08-26 07:03:16 | 田舎暮らし
夜、我が家よりかなり上に住んでいる人のところに、遊びに行った。
彼は木工が好きだが、普通の机や椅子を作るよりも、
木の根や幹を利用して、ちょっと変わったものを作りたがる。
作品はどれもいまいちなので、自分ではいまいち工房と名乗ってる。
 
あんまり上手な人より、これぐらいなら私にも作れるかも、
と思わせる方が私の計画にぴったり。
世話好きだし、無私で動く人、
年もほぼ同じで、仲間としては最高の人物だ。
 
我が家の下の家は木工轆轤をやる人、
今親類に取り込みがあって、ちょっとしか話が出来なかったが、
落ち着いたら三人で話し合うことになっている。
 
掛川の図書館の中に大きなギャラリーがあり、
市役所の社会教育課あたりの推薦があれば、
無料で借りられるという。
 
そこで三人で展示会を開く。
わが村に来て、こういうものをいっしょに作りましょうとアピールするわけだ。
出来合いのものを買うのではなく、
いまいちでも、作るのを楽しむ、
それは掛川市が目標にしているスローライフの精神でもある。
 
実は山の暮らしはもともとスローライフそのもの、
スロー過ぎて時代に遅れちゃったのだから、
ここは一つ、スローを売り物にして行こう、そんなことを考えている。
 
来月掛川に来たときは、二人とも図書館に行ったことがないというので、
まず図書館に行って会場をみてから、社会教育課に行くつもりだ。
 
実は地域の小学校は来年3月で廃校になってしまう。
村はさびれる一方だ。
キャンプ場があったり日帰り温泉が出来たりしても、
町の人にはよくても、地域の発展には繋がらなかった。
 
私たちの小さな試みはどうなるか分からないけれど、
私が大好きなこの村が、元気になってほしいと思っている。
 
 
下の写真はイギリスのフットパスを歩いたとき、
野に咲いていた花。日本に似た花のあるものを選んだ。
 
一昨日の日記のタカネグンナイフウロにそっくり

マツムシソウにそっくり。スカピオサだ。
 
帰化植物にありそうですね。
 

人も天に向かって咲く?南アルプス大空の散歩。

2009-08-25 00:48:58 | 日記
千枚岳から見た朝の富士
荒川岳から赤石岳を望む、今日は赤石小屋まで歩く。
荒川岳から北を望む、右の高い山は間ノ岳、中央は北岳
左の手前は塩見岳。西に中央アルプス、御岳、北アルプスを眺めながら歩くコースです。
 
 
山の花の話から、人もまた空に向かって咲くのかなと思いました。 
そう、竹細工をやるって、空に向かって自分を咲かすことじゃないか。 
経済的な意味が乏しくなった今、 
編むこと自体の面白さを追求するしかないじゃないか。 
そして編む楽しさを人と共に出来ればいい。
 
私は民芸の用の美を追求する方向で仕事をしてきました。 
今や用は消えてしまいました。
 
残るのは無用の用?
 
日記で山の雲を見たり、花を見たり、山の道を見ながら、 
去年の山旅が、今現在の私の旅に重なってきます。 
今の旅は頂上のない旅、 
でも大空の下、他の生き物達といっしょに歩いてゆく旅です。
 
今夜は四日の月が西の空にかかっています。
 
赤石岳山頂間近
 
 

南アルプスの花。

2009-08-24 08:41:53 | 山野草
千枚小屋そばの花畑、白い花はサラシナショウマ
 
南アルプスの花は北部の北岳が有名ですが、
 
東京に近いこともあって、いつも大混雑の山です。
 
人ごみが苦手な私は南アルプス南部の山ばかり歩いています。
 
タカネビランジ
 
こちらは交通が不便で、このコースは東京からだと3泊4日になります。
 
私は静岡ですから同じコースを2泊3日ですみます。
 
タカネグンナイフウロ
 
危ない場所はほとんどなく、体力勝負の山です。
 
花が終わったチングルマ
 
天気がよければ、3000メートル前後の稜線歩きになるので、
 
大空の散歩を満喫できます。
 

南アルプス、雲の美しさ

2009-08-23 03:22:32 | 日記
 
これは去年南アルプスを千枚岳、荒川岳、赤石岳と歩いたときに、
千枚小屋の前で撮った雲の写真です。
 
夕焼けなんですが、東の空の夕焼。
千枚小屋は東を向いて後ろは山なので、
東しか見えません。
 
 
でもすごい夕焼でした。
私は一人で東の空で展開する宇宙ショーを眺め、
時々写真に撮っていました。
そのうち他の人たちも出てきて賑やかになりました。
 
 
山登りの楽しみ方は人によって違うようです。
私は高山植物を見るのと、
空が近くなるのが嬉しい。
 
 
だから高い山であればいいわけで、
同じ山に登ってもいい。
このコースは去年で5回目かな。
 
 
去年一昨年と登った富士山もそうです。
ここは高山植物はないけど、
360度の展望と雲海は独特のもので、飽きませんね。
 
今年の夏はいろいろ忙しくてどちらも行けないようです。
その代わり雲の写真を眺めて楽しんでいます。
 

眠そうな月。

2009-08-19 04:14:25 | 日記

センニンソウ
 
今夜は月も星も見えません。
月は明け方の空に金星と並んでいたそうな。
なんだか眠そうな月だったようです。
 
風呂に入りながら、友達のシンガーソングライターのCDを聴いていました。
人柄のようにのんびりした、ちょっと不思議な声です。
 
この人は玉川上水をジョギングして家まで後2キロのところにある、
小さなコーヒーショップで働いている女性、
ジョギングの帰りに時々よって話をしています。
 
 ゲンノショウコ
 
初めて寄ったとき、宮古島のそばにある大神島に行ったと聞いて、
びっくりしました。宮古島に行ったことのある人は多いですよ。
だけど大神島は、南島の古い宗教に関心がある人が行くところ、
何にもない、宿も土産物屋もない島です。
宗教儀式も人には見せない、観光を拒否する島なんです
 
沖縄が好きで琉球大に入って農業だか環境だかを学んだそうな。
当時から歌を作り、CDは以前のもの、今はボサノバを歌っています。
私の次男も高円寺でどこかのバンドのウ゛ォーカルをやっているそうな。
 
今の若い人の中にも時代に流されないで、
自分の道をしっかり見つめている人たちが大勢います。
 
そんな人はみんな仲間ですね。

キツネノカミソリ