竹と遊ぼう。伊藤千章の日記、

小平市と掛川市の山村を往復して暮らし、マラソン、草花の写真、竹細工、クラフトテープのかご、紙塑人形の写真があります

鈴と笛と月と星と梅

2010-01-31 10:05:57 | 日記
今朝は久しぶりに熊が出る可能性のある林道を走りました。
普通なら熊は冬眠中なのですが、暮に熊を見たという話があり、
冬眠しない恐れもあります。
 
鈴を鳴らし、時々呼子笛を吹いて走りました。
幸い熊にも会いませんでした。
走ってみれば、熊に会う可能性は低いはずだと、思うようになります。
むくつけき男がピーピージャラジャラ走っていれば、
熊のほうが怯えるでしょう。
 
熊出るの噂に怯え鈴鳴らし 走る我こそ熊に似たるか
 
昨日は満月、土曜で温泉は混んでいるはずなのに、
月を眺めたくて昨日に続いて温泉に行きました。
意外に空いていて、山の端を出たばかりの新鮮な月を、
ゆっくり眺めました。
 
 
一昨日は月の左下にあった火星が昨夜は左上に見えます。
月も見事ですが今火星も赤く輝いてきれいです。
ずっと右に見える一等星の中でも一番明るいシリウスと、
同じ明るさで輝いています。
 
朝走るときはさそり座が見え、やはり赤い星、アンタレスが輝いています。
赤い星の代表は火星とアンタレスでしょう。
アンタレスは、ギリシャ語で火星を表すアレース(戦の神)に対抗する(アンチ)、
赤い星と言う意味で名づけられたそうです。
 
おおいぬ座のシリウスは中国名 天狼 
星の名前の由来が、中央アジアの砂漠を通って、
メソポタミアに通じていることを感じさせます。
 
 
このところやや暖かい日が続いて、
まわりの梅も咲き出しました。
梅のかすかな香りは素敵ですね。


今頃障子はり?

2010-01-27 19:49:30 | 日記
暮の内にやればいいものを先延ばしをして、
来週人がこの家にあつまるもので、
やっと重い腰をあげて取り掛かりました。
障子は11枚、糊がなくなったので7枚で終了、
明日残りをやります。
 
昔は幅の狭い紙を切って貼ったものですが、
今は一枚張り、楽になりました。
でも古い障子でヘリと桟に古い紙が残っているので
それを取るのに手間がかかります。
さすがの無精者も障子がきれいだといい気分です。
油抜きした竹を日光で晒しているところ。数日で緑が消えてしまいます。
 
昨日今日と光がまぶしい真っ青な空が広がっています。
ここでは早朝は霜で真っ白、まだまだ真冬ですが、
梅の花もあちこちでほころび、春が近いことを感じさせます。
日当たりのいい縁側で籠編み
 

手紙が届いた。

2010-01-25 20:43:02 | 日記
初冬の山
 
友人から手紙が届きました。
小平から転送されてきて、届くまでに何日もかかかっています。
でも手紙はメールと違ってのんびりした世界、
返事も1,2週間後に出せばいいのです。
特に用事のある手紙ではなく、近況報告です。
 
この友人は中学以来の付き合い、互いの欠点もいい点もよく知っています。
彼は飛行機に乗ったことがなく、海外旅行にもいったことがありません。
若い頃にドイツ留学の機会がありましたが、奥さんの病気で諦めたそうです。
PCもやりません。若いときから仙人の風貌があったから、
飛行機などと言う野暮なものに乗らないのかも知れません。
 
大学の先生だったので専門の精神病理学は勿論、
中国文化に造詣が深く、どちらの分野でも本をいくつか出しています。
でも素人にはさっぱり分かりません。
 
専門でも分かりやすく面白く書く人はいます。
彼は分かってもらおうという気がないようです。
電話にも出たがらず、いても留守電にして、相手が分かったら電話をして来ます。
コミュニケーション能力に欠けているのでしょう。
 
 
彼とは昔から気があいました。お互い小説をよく読んでいたから、話もよくあいました。
お互いの家にもよく遊びに行きました。
一緒に短い国内旅行もしました。
時々喧嘩をしてしばらく会わなくなります。
今も数年前の激しい議論から、手紙のやり取りはしても会わないでいます。
 
私が漢詩を最近作始めたのは彼の影響です。
彼は中学のときから漢詩を作って、周りを驚かせていました。
実際作った体験から言うと、中学生でも作れます。
 
彼のほうが昔から頭がいいのです。
ツーテンジャックをやるといつも私が負けます。
はっきり負ける相手がいるのはいいことです。
自分の限界がよく分かります。
 
 
霜の山
 
彼から5千円もする著書をもらって読めないでいるので、
お詫びのしるしとご機嫌取りをかねて、漢詩を手紙に書いて送るつもりです。
ぼろくそに言うかもしれませんがが、優しい男なので、
受け入れてくれるでしょう。
おかしいところを指摘してもらえれば最高です。
 
   連 友 獨 世   日
   山 有 坐 情   暮
   寂 翰 片 多
   寂 来 雲 事
   思 斜 日 幾
   緜 照 暮 年
   緜 夕 天 年
 

静かに時の過ぎるのを待つ。

2010-01-24 18:05:34 | 日記
昨日は町に出た帰り、友人の病院を訪ねました。
11月に入院してから二ヶ月、状態はあまりよくなりません。
無理もないですね。ベッドに寝ている時間が多く、
本人が期待していたほどにはリハビリをやってくれません。
 
 
めずらしく食堂で10人ほどが集まって、
魚釣りゲームをやっていました。
友人もまあ、真面目に磁石のついた竿を垂らして、
鉄片がついた、魚やバナナを切り抜いた紙をつっていました。
勿論レクリエーションの方が貴重なので、
しばらく見て、階下のホールで終わるのを待っていました。
その後ヘルパーがついて車椅子で散歩、
病院の外にも少し行きました。
 
火曜日に来たときはあまり車椅子での散歩をしないと言うので、
外は寒いので院内を車椅子で散歩しました。
散歩は変化があって楽しみなのです。
 
 
彼がこの長期療養型病棟にいるのは、
なんといっても家では介護できる人手がないから。
奥さんは要支援2で、東京にいる息子夫婦は、
いつも来ているわけには行かないのです。
 
去年の8月から11月まで息子の嫁さんは、
ずーっと傍にいて介護をしていました。
でも体調を崩し、奥さんも具合が悪くなって、
彼は入院と言うことになりました。
 
私はお正月が過ぎたら、
もうここはいやだ、家に帰るといって、
頑張るのではないかと心配していました。
家で手厚い介護が受けられれば、それに勝ることはありません。
 
でも彼は自分の周りの状況をよく理解し、
無理を言うことはありません。
お正月に家で二泊して来ました。息子夫婦もいました。
どうでした?と聞くと回りが大変だった、と言っていました。
 
先月話をしたときに、日本の福祉のレベルは低いと言っていました。
介護保険制度は出来たものの、理想からは遠いのです。
彼の場合よくなって家に戻れるように、リハビリを熱心にやったり、
積極的に関わって欲しいと思っているのでしょう。
 
 
彼はそれでもよく分かっていて、めったに不満を漏らすことはありません。
静かに時の過ぎるのを待っている感じです。
 
こういう静かさは、いろいろ教えてくれます。
何時か私にも最後のときが来ます。
私も彼のように、従容としていられればいいなと思います。
 
  鳥 緑 村 清   午
  語 陰 園 暁   睡
  數 流 農 
  聲 汗 事 川
  竹 石 燕 雨
  影 頭 初 餘
  涼 臥 忙 香
 
写真はいずれも庭の花。

漢詩を作る練習。

2010-01-23 12:22:53 | 日記
昨日から実際に漢詩を作り始めました。
 
と言ってもびっくりするようなことではありません。
作り方の本に載っている詩語集から、
平仄が合い、韻もあっている語を選び出し、
それを並べることなのです。
 
自分の好きな言葉を使って詩を作るのじゃなく、
ひたすら詩語集から条件に合った語句を選び出す作業です。
従って詩でもなんでもないものが出来上がります。
  
平仄と並べ方を覚えること、
韻を覚えること、
その練習をしっかりやらなければ漢詩は作れない、
それが基礎の基礎で、初めから自分の独創をやりたがるなら、
漢詩はやめるべきだ、と厳しく言われます。
 
一種のパズル感覚ですね。
 
 
一人でやっていてもいずれ飽きるので、
仲間を求めて習作を披露します。
こんな披露を平気でするのが私の個性でしょう。
一日一首を目標にしています。
誰か一緒に作ってみようと言う初心者の方いらっしゃいませんか?
 
 
  霜 半 獨 寒   霜  
  降 夜 坐 林   夜 
  月 故 小 寂               
  冷 人 斎 寞
  送 携 音 夕
  君 酒 信 輝
  帰 到 稀 微
 
 
  銀 忽 燈 村   孤
  漢 驚 寒 落   月
  無 飢 夜 凄
  窮 鳥 静 々
  詩 霜 地 孤
  幾 狐 爐 月
  篇 叫 前 懸
 
七言絶句です。どうかこんな句に絶句なさいませんように。
 
 
私が参考にしている本は 新田大作「漢詩の作り方」明治書院 です。
他にもあるようです。

さそり座とオリオンと中国

2010-01-21 09:26:32 | 田舎暮らし
薪ストーブでの竹の油抜き。今日の仕事のひとつ。
 
ここ数日の早朝ジョギングについて、友人へのメールに、
朝はさそり座をいただいて走り、夜はオリオン座を眺めて温泉に行く、
まるで世界を一周したような気分と書いた。
 
夜中に目覚めて図書館で借りた本「新唐詩選続編」を読んでいたら、
杜甫が古い友人を訪ねたときの詩「贈衛八處士」に、
 
人生相見ず ややもすれば參(しん)と商との如し
 
という句があった。參はオリオン座、商はさそり座、
冬と夏の星座なので、同じ空には並ばないことから、
会わないことの比喩として用いられると言う。
 
この詩は、杜甫が二十年ぶりに会った友人の家を訪ねたときの五言古詩です。
友人はかっては未婚だったが、今は男女の子供達がぞろぞろ出てきて、
酒やつまみの仕度をしてくれた、というほほえましい詩です。
 
 家の隣の森
 
昔の漢文の授業で漢詩と言えば悲憤慷慨、大げさな表現と言うイメージがあるが、
杜甫にも日常の詩があり、特に白楽天は、まわりの世界を分かりやすい言葉で詠う事を、
自分の使命としていたようだ。
一般に中国の文人達は官吏となって世のために尽くすという意識があるが、
白楽天はその意識が強く、社会の弱者をうたう詩も多い。
 
8世紀や9世紀にすでにそういう社会意識が強いことを思うとき、
中国文明の偉大さを思わざるを得ない。
 
すでに論語のなかに、子は怪力乱心を語らず、という言葉があるように、
神秘や予言の言葉があふれている世界で、
語る言葉としては合理主義にとどまろうという強い意志があった。
 
今はあまり言われなくなったが、軸の時代という言葉がある。
 
紀元前6~4世紀頃、東西の大文明の世界に、
中国の孔子や老子、インドの釈迦、ペルシャのゾロアスター、
ギリシャの初期哲学者達やソクラテス、プラトンが現れ、
伝統的な共同体を失って世界の中に孤立してしまった個人に、
直接問いかける宗教や哲学が生まれた。
 
その時代がその後の世界史の軸になり、
現代人もその軸の周りをまわっているというのだ。
 
中国はその時に生み出した文明を、今まで存続させてきた地域である。
唐の時代の長安は世界最大の都市であり、
そのアンチテーゼとして田園、山野への憧れを持ち続けてきた文明である。
田舎と都会を往復している私なども、そんな影響下にある一人に過ぎない。
 
久しぶりに湧かしたドラム缶風呂の炎
 
そんな中国文明を日本人は愛し続けてきた。
西洋かぶれになってわれを忘れ、最も愚かになった時、
中国を侵略したのだ。
 
日本の自慢の経済力を中国が追い越しつつある今、
中国の文明も見直されつつある。
 
雨の朝、寝ぼけた頭で書いたこんな文章を読んでくれた人がいたら、
感謝します。
 

竹の丸ごと油抜き。

2010-01-20 13:08:33 | 竹工芸
今朝も少し寒さが緩んだけれど、霜はいつもよりひどく、
アスファルト道路にも霜が降りて、走りにくいところもありました。
 
昨日一昨日のように林道を登っていくつもりでしたが
気がついたら、知らぬ間にその前で折り返して下っていました。
冬の初めに二度そんなことがあって、
そのときはその日、熊の出没がニュースになり、
無意識のうちに熊との出会いを予感して
引き返したのだと解釈しました。
でもま、簡単に言えばボケて来たんですね。
 
昨日友人の病院にお見舞いに行き、
車椅子に乗せて院内を散歩したりしたので、
丸ごとの竹の油抜きが出来ず、今日やっています。
 
 
朝のうちは風が強く、前の家より庭が狭いので、苦労しています。
あまりに効率が悪いので、他の竹は一昨日のように小割りして、
明日薪ストーブで油抜きをします。
 
予報どおり日中は風も止んで暖かく、
大きなハエも出てきました。
このまま暖かくなってくれればいいのですが、そんなことはないでしょうね。
 
 

霜の朝、竹の油抜き

2010-01-18 15:53:53 | 竹工芸
 
今朝はすごい霜でした。お茶畑はまるで雪が降ったよう。
まだ新芽が出ていないからいいですが、新芽が出る頃は霜が大敵、
霜が降りそうな朝は、散水をしたり防霜ファンで風を起こしたり、
様々な対策が採られています。
 
 
今日は真竹の油抜きをしました。
今日は一定の長さに切って、一定の幅に割ってある竹を、
薪ストーブの上で熱して、浮いてきた水分を布で拭き取る作業をしました。
この竹を日光に晒すと白いきれいな竹になります。
 
私が使う竹は真竹と淡竹ですが、
油抜きをして晒し竹にするには、真竹でなければなりません。
つやが全然違うのです。
 
 
明日は長いままの真竹を丸ごと油抜きをします。
これは外での作業、今週はだんだん暖かくなるようなので、
風もないし、外で火を起こすには最適です。
 
真竹は筍をイノシシに食べられて激減しています。
でも私が使うのはわずかになってしまいました。
その程度なら間に合いそうです。

一人暮らし

2010-01-17 12:05:29 | 田舎暮らし
 
今朝3時半に家を出て、掛川へ。
日曜日は高速料金が安くなるので一般道はガラガラ、
8時頃には掛川に着いてしまいます。 
まだ図書館もスーパーも開かないので、
途中富士市で富士山の写真を撮ったり、
興津の海岸で日の出を撮ったりしました。
 
 
富士山は小平から見ると、頂上が平たいきれいな円錐形になっています。
河口湖から見るのと同じですね。
静岡県側から見ると、少し頂上がとんがっています。
雪も下まで真っ白ではありません。
 
 
結局8時半ごろ着いたので、
掛川の道の駅の地場産品コーナーで、野菜を買って家に帰りました。
 
これから2週間ほど一人暮らしです。ヤッホー、最高!
今は草刈りも必要ないし、薪も十分にある、
朝は走って昼間は仕事、夜は読書、
アコーディオンと三線の練習もやらなきゃ。
 
家内は私が予定より早く帰ったり、
何かの都合で小平に長くいると腹を立てます。
きっちり2週間ずつにしてくれとね。
家内の気持ちもよく分かります。
一人暮らしは子育てが終われば最高です。
 
家内は卓球の仲間からは、うらやましがられています。
でも私の方は、友達からうらやましがられることはありませんね。
男は一人で全部やっていく習慣が、ついていないからでしょう。
私は月の半分を掛川で一人で暮らすことを、もう20年以上やっています。
 
以前は畑で野菜を作って、作物を小平に運んでいました。
でも子供達もいなくなり、二人暮しでは野菜もそれ程いりません。
それに近頃は家のまわりにイノシシが出て、作物を荒らします。
二週間だけ住んで野菜を作るのは、無理になりました。
ちょうどいいですね。
 
面倒なことは避けて、出来るだけシンプルに暮らしたいものです。
 
でも籠作りの教室をここで開くことについて、
仲間と協力してやっていくことがあります。
これは楽しみみたいなものです。
 
 

さむーい朝

2010-01-15 10:41:29 | 日記
 
昨日は久しぶりの40キロラン、東京マラソンまで一ヵ月半、
せっかく走るんだからしっかり練習しなければ。
でも近頃の走力の衰えはひどいですね。
スピードが出せなくなっちゃった。
年齢もあるんでしょうね。
 
ここで無理に頑張っても故障してはつまらない。
健康のために走っているのですから、
走って健康を損ねるのはちょっとね。
 
昨日は小平で零下四度、霜の道も凍り、水たまりも凍り、
走る人はいつもより少なく、途中の水道も凍り、
本当に寒い朝でした。
 
 
茜空も美しく、多摩川には真っ白い小鷺が目立っていました。
玉川上水はすっかり葉を落としています。
 
 
どんなにゆっくりになっても最後まで走りきる、
それが今回の目標です。
目標は達成できましたが、
疲れが残るといけないので、夕方車で10分ほどの温泉に行きました。
小平でも掛川でも、近くに温泉があるのはいいですね。
 
一昨日は午後はデイサービスにボランテイアに行き、
夜は「篭を編もう」のサークル、
六つ目編みだったので皆さん苦労していましたが、
面白いと言う声も多く聞かれました。
しっかり覚えるために、来月も続きをやりたいとの声が多いので、
あんまり準備が要らないので、こちらは楽になります。
 
本当は今日掛川に行くつもりでしたが、
お嫁さんが静養をかねてしばらく実家に帰るので、
土曜に長男が車で送っていくので、
帰るのはその後になります。
孫を相手にする楽しみを実家の御両親にも、
味わってもらいたいですよね。
 
この春から小平でも昼間の教室を開くのに、
市の広報に募集を載せてもらうことにしました。
今日はちょうどいい準備の日になります。