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miniな舞台

観劇記録+日記@不定期更新。俳優・内野聖陽さんを勝手に応援中!時々サカナクション。

今後の観劇予定

直近はナシです… コロナめ!

No.542 「エレクトラ」

2017年04月26日 22時17分01秒 | 過去の観劇記録
2017年4月22日(土) マチネ 世田谷パブリックシアター 1階 L列 カミテサブセン

エレクトラ=高畑充希、オレステス=村上虹郎、イピゲネイア=中嶋朋子、アイギストス=横田栄司、クリュソテミス=仁村紗和、アガメムノン=麿赤兒、クリュタイメストラ=白石加代子。
原作=アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデス「ギリシア悲劇」より、演出=鵜山仁、上演台本=笹部博司。

アガメムノン(麿赤兒)はトロイアとの戦争を自分の長女、イピゲネイア(中嶋朋子)を生贄として差し出すことで終結させる。
しかし、帰還したアガメムノンは妻のクリュタイメストラ(白石加代子)とその情夫アイギストス(横田栄司)によって暗殺されてしまう。
アガメムノンの娘、エレクトラ(高畑充希)は末妹クリュソテミス(仁村紗和)に諭されるも母への憎悪は日々増していき、他国へ亡命させた弟オレステス(村上虹郎)と共に父の復讐を果すことを唯一の希望としていた。
ついに再会した姉弟は父の仇、実母と義父を討ち取るべく立ち上がる。
(あらすじはホリプロHPより)

昔、藤原竜也くん主演の「オレステス」を観劇した思い出が…
その時に姉のエレクトラ役を演じたのは中嶋朋子さんだったと記憶している。
ギリシア神話は結構なじみがある方だと思うけど(^_^;)
今回の「エレクトラ」はコロスもいないしキャスト7人しかいないコンパクトなものでした。
舞台シモテ奥で芳垣安洋さん、高良久美子さんの生演奏つき。

1幕目は中央にギリシア風な柱が1本建っているだけの、シンプルなセット。2幕はこの柱がガーッと上がって、柱の中からイピゲネイアがお勤めしている女神アルテミスの像が出てくる。

1幕の前半部分が、ちょっとダルかったかな…
アガメムノン→クリュタイメストラ→エレクトラ→オレステス
と一人ずつ独白っつーか。
またエレクトラがパパン大好きだからねw 母ちゃんの様々な事情なんか どーでもいいんだよね。
アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデスという別々の作者の寄せ集め(いいとこ取り、とも言う?)なので、若干散漫になった気もする。

アイギストスの横田さんが非常に勿体ない(?)使い方!
登場の白いロングコートがメッチャ似合う! 自分大切なのよアイギストス♪
2幕はタウリケ王(麿さん)に仕える兵士とか演じてました。
エレクトラの妹クリュソテミスの仁村さんは初見す。とっても現実的な妹。いや、コレが普通なんだと思う(^_^;)
それとオレステス役の村上虹郎くん。蜷川さんが生きていたら、すごく出演してそうなw
アガメムノンにアポロンにタウリケ王に老人に、と結構活躍の麿さん。白塗りさせちゃルール違反だろ(笑)
クリュタイメストラ&女神アテナ(これも、出てきただけで笑いが起こるってーいうのもw)の白石加代子さん!
うーん さすがの存在感。しかしエレクトラ役の高畑充希ちゃんとのセリフのテンポというか間が違いすぎる。
重鎮二人と若者二人をつなぐような位置付けの、イピゲネイアの中嶋朋子さん。2幕のみ出演。こちらも もっと早く出演させて欲しかった。
高畑充希ちゃんは熱演でした。だが役的にずーっと恨みで沸騰中な為、テンションの起伏が難しかったかも。

恨みは何も生まないんだよねー。
弟オレステスと二人で、母クリュタイメストラと情夫アイギストスを父の仇で討ったはいいものの、その後にぽっかりと空いた自分の中の穴を埋めるものは何一つ無い。しかもその仇討ちによって、自分がその仇になる恐れだって相当に孕んでいるんだから。
あと、ギリシア悲劇の神様って案外テキトーw

カテコで男性が手紙を舞台上に投げていた。劇場関係者が走って行こうとしてたけど、とりあえず危害ななさそうなので踏みとどまってました。手紙は係員か受付に預けた方が良いと思う。

No.541 「髑髏城の七人~Season花」

2017年04月16日 22時59分23秒 | 過去の観劇記録
2017年4月16日(日) マチネ IHIステージアラウンド東京 Cブロック 23列 シモテブロック

捨之介=小栗旬、無界屋蘭兵衛=山本耕史、天魔王=成河、極楽太夫=りょう、兵庫=青木崇高、沙霧=清野菜名、狸穴二郎衛門=近藤芳正、贋鉄斎=古田新太、他。
作=中島かずき、演出=いのうえひでのり。

あらすじ省略。

世界で2番目、日本国内初登場の客席が回転するというアラウンドシアターのこけら落としに行ってきました。
劇場のさまざま(^_^;)は別記事にて。

髑髏城はワカドクロ観劇してます。小栗捨之介の時ですわ。ストーリーを追うことが出来たので長さをカバーできたかも。
今回鉄扇なのねー。キセルの方が絵になったかな?
前回よりも余裕は出たんだろうと思う。相変わらず着物の裾からのぞく おみ足がw
あれだけの殺陣、さらに劇場構造と相まって動きが多くなっただろう。本水もあるしねぇ。
もーね、幕開きのウォータースクリーンにタイトルが出る所がめっちゃ格好良かった!
山本くん@蘭兵衛。ちょいゴツいかな(^_^;) この前が早乙女太一くんだしねぇ。最初のうす水色の着物より、薬飲まされてダークサイドに走ってから黒い衣装になるんだけど、こっちの方が似合ってた。ああー蘭兵衛のヅラを東宝に輸出しましょうよ!→ぜひメンフィスにw
成河くんの天魔王!ついつい目で追っちゃうyo!狂気の天魔王っす。ちょい身長がね…ま、そこを置いても素晴らしい。
天魔王、顔の左側がケロイド状になってて、マスクするんだけど、ついつい「オペラ座の怪人」か?とか、ヅラが白髪なんでトート閣下か?とか脳が腐ってますがな(笑)
極楽太夫は、りょうさん。線が細いけど男前の太夫でしたわ!紫色のマントが良く似合う。あ、竜胆だからか~。
兵庫は青木崇高くん。背が大きい!んで兄者の磯平との兄弟感がイマイチかもorz
でも真っ直ぐでね~ 蘭兵衛と天魔王に荒武者隊を殺されちゃったシーンでは思わず目頭がチビっと熱くなったよ(T_T)
沙霧は清野菜名ちゃん。「サンバイザー兄弟」の時にもアクションがあって、ほほぉと思っていたけど、こちらでも頑張ってました。だけどセリフは聞き取りづらいか…な。
近藤芳正さんの狸穴二郎衛門。まみあなー。今回もオイシイぜw 
オイシイと言えば贋鉄斎の古ちん。出オチだし!なんですかあの衣装(?)しかもSっけたっぷり(笑)刀に名前つけてるし!
「みつこーー!」ってば!自分の身体で試し切り?違う刀に「妬いてんのか?」なんつーて。
兵庫の刀がサビてたから、「前は天海祐希みたいにキレイだったのに、これじゃ うつみ美登里だ」(爆)
捨之介百人斬りのシーンではローラースケートで登場!(あ、これはちゃんと説明のシーンがあるんでw)

もーね、見終わって古ちんと成河くんが全部持っていったな、って感じっす。

セットチェンジしなくて良いので、かなりちゃんとしたセットを組むことが出来るんだな、コレが。
無界の里、髑髏城、森、無界の里の外、野っぱら、贋鉄斎の工房、白い曼珠沙華、本水付きの荒野、と様々。
場面によって可動スクリーンを開く距離を調整して、ウマい具合になってます。
客席の回転と共に映像も動くので、かなりスピード感がある。あと上に行く映像の時は浮遊感もあり。
休憩時には入った時とは半回転した状態でした。トイレ2階部分。個室はそこそこ数があるので、20分の休憩時間でだいたい捌けていたようです。

カテコでこの各セットに場面にちなんだ各キャストが立ってご挨拶。ここも見事な使い方でした。
しかしまぁ上演時間が長いからオシリが痛くなるわ…

No.540 「ハムレット」

2017年04月13日 23時06分28秒 | 過去の観劇記録
2017年4月8日(土) ソワレ 東京芸術劇場 1階 G列 カミテブロック

ハムレット/フォーティンブラス=内野聖陽、オフィーリア/オズリック=貫地谷しほり、ホレイショー=北村有起哉、レアティーズ/役者ほか=加藤和樹、ローゼンクランツ/バナードー/役者ほか=山口馬木也、ギルデンスターン/マーセラス/役者たち=今拓哉、ポローニアス/墓堀りの相棒=壤晴彦、墓堀り/役者たち/コーネリアス/隊長ほか=村井國夫、ガートルードほか=浅野ゆう子、クローディアス/亡霊=國村隼。ほか。
作=ウィリアム・シェイクスピア、翻訳=松岡和子、上演台本=ジョン・ケアード/今井麻緒子、演出=ジョン・ケアード、音楽・演奏=藤原道山。

プレビュー公演2日目観劇。

張り出し、かつスゴい八百屋舞台。シモテ手前が低く、カミテ奥にかけて高くなっている、二重の八百屋だった。
舞台上シモテ側にも客席が設置されている。カミテ側には尺八をライブで音付けしてくれている藤原道山さんの席と、階段状になったキャストのウエイティングエリアがあった。

セットほぼナシ。和風のような、でも洋も感じる衣装(宮本宣子)。
音楽が尺八…?と始まる前は少し不安だったが、杞憂に終わった!

ホレイショーの記憶の泉から湧き出た、といった風情でスタート。
井出茂太さん振り付けの動きもマッチしてて面白かった。劇中でのハムレットとオフィーリアの、ふとしたリンク具合とか、オフィーリアが狂気に陥ってしまった時に、舞台上をぐるぐる回る神経質な動きとか。

また各キャスト複数の役を演じるのだが(ホレイショーの有起哉さん除く)、各役の割り振りも見事!
特にロゼギルを演じる山口馬木也さんと、今拓也さん。最初 見張りの兵隊からロゼギル、殺されちゃうと役者や伝令として。最後は「ローゼンクランツどギルデンスターンは死にました」と伝える役…ってオイオイw さっきまで当人だったやないかーい!とツッコミつつ(笑)

あと國村隼さん演じる先王ハムレット(亡霊)と、その弟であるクローディアス。亡霊の時はまるで能を彷彿とさせるような動き。亡霊としての出番が終わり舞台奥に移動すると、衣装を脱ぎカツラを外し王冠をかぶせてもらう。あっという間に(?)クローディアスのできあがり、である。
蜷川ハムレットの時も平幹二朗さんが先王とクローディアスの2役を演じられたが、ジョン・ケアード版の演出だと、より兄弟の血の繋がりを感じられて目から鱗が落ちた気分。

まさかねー。内野さんが48歳でハムレットの役を演じてくれるなんて夢にも思わなかったけど(^_^;)
ジョンさんキャスティングしてくれて有り難う!
まだまだ大丈夫。いえいえ、全然大丈夫!心の目も実際の目でも王子に見えるぜ!
しかも熟成肉のような味わいのある(比喩が変か?)ハムレットでした。
今まで見た事ある、どのハムレットより『人間的』な気がした。
独白が多いんだよね、ハムレット。つねにブツブツ言ってるんだよ。「おまえは誰に向かって話してるんだい?」ってw
ちょっと「え?」と思ったのは、だいたい『尼寺へ行け!』と翻訳されるのだが、今回のは『尼僧院へ行け!』。に、にそういん???
それと例の有名なセリフ『to be, or not~』。最近ぢゃ『生きるべきか、死ぬべきか』なんて~のが耳なじみしていたが『あるか、あらざるか、それが問題だ』になっていた。
そうなるとハムレット自身が「生きる」べきか「死ぬ」べきか、という個人的な感情から、もっともっと人間その他イキモノとして、または木や草なんかでもそうだけど、「存在する意味」という高みにまで行ってるのか?
内野さんはハムレットの他にフォーティンブラスも演じたんだけど、衣装と兜(なんとなくジブリ風?)つけるの。
ハムレット亡くなった後に遺志を継いでデンマークの統治者になるのだが、若干マイク不調でした。

オフィーリアの貫地谷しほりちゃん。内野さんと並ぶと どうしても「風林火山」的なw
恋人ラブラブ感が余り描かれないのがこの戯曲なんだよ~。もうハムレット悩んでからのスタートだからねぇ。
しほりオフィーリア、案外しっかりしてますよw
狂気シーンでチビっと歌あり。兄レアティーズに溺愛されとるね!
ホレイショー有起哉さん(あ、メタマク!)。飄々としたホレイショー。有起哉さんが演じるから軽やかで素敵。
八女姉さん ご贔屓な加藤和樹マン。トンボ切ったり リュート演奏したり、白塗りしたり立ち回りしたり、何でもやるマン!
頑張っておりました。歌もほんの少し。うん。だがこのメンツの中だと まだまだ若いなw
ラストの決闘シーンで死に際、シモテで白目剥いてますがな… そういう役が良く似合う(^_^;)
壤晴彦さん、ポローニアスはまぁ解るけど、まさかの墓堀り相棒!村井パパと墓掘ってるという凄い贅沢な使い方です。
村井さんも沢山の役を演じられるけど、やはり劇中劇の王でしょ!なんとなくベガーズ・オペラ思い出すよね~
浅野ゆう子さんてば、昔内野さんと夫婦役だったのよorz(ドラマ「昨日の敵は今日の友」)まさかの親子役!
ちゃんと親子に見えるよぉぉ~。あと、衣装が素敵。着物風だけどドレス風。良くお似合いでした。
寝室でハムレットと対峙するシーンは、もうすこしエロス成分欲しかった気もするが(笑)
ラストで、その衣装を脱ぐとガートルードとオフィーリアが一緒だった。これって二人がイコールということか。または いわゆる「弱きもの、その名は女」。
國村隼さんのクローディアス。一応兄殺しを反省したいんだよね。懺悔しようとしてたんだからねぇ。

國村さん・壤さん・村井さんのオヂさんズの存在感、声の良さとか、他も観る所が多く目が忙しくて仕方なかった。

ラストでホレイショー以外は衣装を脱ぎ捨てて舞台奥に去っていくんだけど、ガートルード&オフィーリア、クローディアス&ハムレット、なの。この組み合わせもイイな、と思った。
最後に記憶の泉の中に戻っていく、かつて生きていた人々。ホレイショーの頭ぽんぽんして去るハムレットに萌ぇましたw

No.539 「死の舞踏」

2017年03月12日 22時21分22秒 | 過去の観劇記録
2017年3月11日(土) ソワレ シアターコクーン 右ブロック 2列 右側

エドガー=池田成志、アリス=神野三鈴、クルト=音尾琢真。
作=アウグスト・ストリンドベリ、翻案=コナー・マクファーソン、演出/翻訳=小川絵梨子、美術=松井るみ、照明=原田保、音響=高橋克司、他。

もともと「死の舞踏」とは、中世後期(14世紀~15世紀)のヨーロッパで伝えられた寓話であり、「死は誰のもとにもいずれ必ず訪れる」ということを表現したもので、14世紀のフランスの詩によって描かれた、黒死病(ベスト)の蔓延からくる「死」の恐怖を前に、人々が半狂乱で死ぬまで踊り続けたという詩が起源とされている。
さて、その寓話をタイトルにもつ、ストリンドベリの戯曲の舞台は、「小地獄」と呼ばれている孤島。そこに住むのは、退役間近の砲兵隊大尉エドガー(池田成志)とその妻アリス(神野三鈴)だ。二人は銀婚式を三ヶ月後に控えて、普通ならば仲むつまじく…と言ったところだが、夫エドガーは、傍若無人、傲慢不遜を絵に描いたような暴君。そして、妻アリスも負けてはいない!辛辣無比、凶暴過激のいわばモンスター化した女。二人は毎日、心底憎み合い毒づき、激しい喧嘩を繰り広げる。そして、この冷め切った家に、アメリカ帰りのアリスの従弟クルト(音尾琢真)が15年ぶりにやってくる。この島の検疫所長として赴任してきたのだ。そのクルトも、一見、善人のようでいて、その実…。だが、エドガーとアリスは、それぞれにクルトを自分の味方につけようとする。次第に、3人三つ巴の主権争いのバトルが過熱して…!クルトを交えたエドガーとアリスの闘いの結末は…。
(あらすじはシスカンHPより)

こちらの「死の舞踏」は通常舞台の奥に設置され、脇の通路を通って行くのでした(この通路 久しぶり)
細長い舞台を両側から客席が挟む対面式。私が座った右側席からは、シモテに大きなガラス扉(この扉上部が半円形でね…あれ、ジュリーの半円窓と一緒でしょ?。それとこの扉&カーテンがイイ仕事してますw)エドガーの机と椅子、アリスが弾くピアノなど。
中央部分には寝椅子とテーブル。カミテ側にはお酒が並んだテーブルと燭台。ここにも伝声管がある(しかもエドガー&アリス夫妻の使用人の名前が、クリスティン!)あとキャスト出入りの通路(左側客席)

時々、なるしー先輩に平幹二朗さんを重ねてしまった。平さんが演じていたらどういうエドガーだったろうか? でも なるしー先輩の良さが十分に引き出された舞台になったと思う。

「死ぬのは怖くない」と言いながらも死が怖くて仕方ない。自分が死んだら妻がソッコー再婚するんではないか?と疑心暗鬼。
妻は元女優なので交際範囲も広かったろうが、それをプチプチと断絶させ、孤独な女へと追い込んだ。
エドガーとアリスは互いに傷つけあって、どれだけ相手のHPを減らすことが出来るか、が楽しみ(?)なような…
我が家もアレほどではないが、数パーセントかそこらは合致する所があるので、非常に納得(^_^;)しながら観劇してしまった。
何や かんや言っていても、「共生」しているエドガー&アリスの夫婦ぢゃなかろうか、と思った。

また面倒くさいんだよね~エドガーww
見栄っ張りで強がりで。もう命が長くないのは自分が一番解ってると思うんだけど、認めたら「死」がやってくる。
エドガーが一人、見えない「死」を避けるシーンでは私の目の中にトート閣下が映ったのは認めよう(笑)
あと貴重なダンスシーンもあったしね♪

神野三鈴さんのアリスも素敵なのー。もちろん強いんだけど!「悪魔」だからね@クルト
あれだけ言いたいことが言えれば良いと思うわw
深紅のベルベットのドレスもお似合いで、エドガーより11歳若いという事で、『もう棺桶に片足突っ込んでいる夫と、私は違うの!私は若いの!』。従弟のクルトとはお互いちょっと意識している感で、クルトが持ってきたモルヒネを舌の上にスポイトで落としてもらうシーンや、クルトがアリスに詫びるシーンでは膝を床に付けさせ、「靴にキスして」「靴を舐めて」ってばー(おおおお、こちらでも靴キス!)

クルトは厄介な所に来ちゃったね。浮気してバレて妻は子供の親権を持って離婚しちゃった、という思い出したくもない過去をネチネチと(汗)エドガーに堀り起こされるわ夫婦のもめ事に付き合わさせられるわw
振り回されるだけ振り回わされて、いい迷惑だわw

結構面白いシーンやセリフのやりとりもあり。
両側客席なので、左側から観たらどんな風だろうなぁ、とも思ったけど、とにかく3人の演技に引き込まれてしまった。

私は「令嬢ジュリー」→「死の舞踏」と観たけど、自分的には正解と感じた。
これもまた逆パターンだったらどうかな、ともw

1幕休憩ナシ約110分。

No.538 「令嬢ジュリー」

2017年03月12日 21時44分06秒 | 過去の観劇記録
2017年3月11日(土) マチネ シアターコクーン 1階 J列 シモテブロック

ジュリー=小野ゆり子、ジャン=城田優、クリスティン=伊勢佳世、他アンサブル30人。
作=アウグスト・ストリンドベリ、演出/上演台本=小川絵梨子、他。美術=松井るみ、照明=原田保、音響=高橋克司、他。

1880年6月。聖ヨハネの祝日前夜(夏至祭)。夏のクリスマスとも言われるこの日は、北欧の人々にとっては最も心華やぐ一夜である。この邸の気位が高い伯爵令嬢ジュリー(小野ゆり子)は、母の手で男まさりに育てられ、つい2週間ほど前には婚約を解消したばかり。夏至祭で高揚した気分のジュリーは台所に現われ、この邸の下男ジャン(城田優)をダンスに誘う。躊躇するジャンに、「祭の日には、身分の上下はない」と強引に相手をさせ、徐々にその行動は大胆な誘惑へと変わっていく。下男のジャンは、年上の料理女クリスティン(伊勢佳世)と婚約中の身。その夜、クリスティンはすでに休んでしまい、台所には誰もいない。最初はジュリーをいさめるジャンだったが、「子供の頃、あなたに恋をしていた。でも、あなたは、自分がこの貧しい身分から抜け出すことは絶望的だと思い知らされる、その象徴だった」と打ち明ける。そして、2人の間を支配していた緊張感が、ほんの一瞬はじけた途端に、何かに取り憑かれたかのように激しく求め合う2人…。
この瞬間から、この貴族と平民の男女関係の上下が逆転していく…。
(あらすじはシスカンHPより)

コクーン内に小劇場を2つ作るという試みは初めてじゃないだろうか。
「令嬢ジュリー」は通常客席のH列までを潰し、張り出しの長方形の舞台。取り囲むように通路と特設席が設けられた。
半地下のような使用人部屋。高い所に半円形の窓があり、シモテ側に階段。伯爵から用事があると呼び鈴がなり、伝声管で会話する。

もーね、城田くんがデカいの何の!使用人のお仕着せ制服&長靴(ちょうか、だからねw)が似合うのよー♪
城田くんはもう少し猫背が治ると尚良いのだけど…
かなりセリフの量も多く、感情を押し殺したり爆発させたり。
あの麗しいお顔と大きな手で顔を包まれたり押し倒されたりしたら、お嬢様やクリスティンでなくてもポヤッとなってしまうぞ(笑)

以下ネタバレありあり。


お嬢様ジュリーは完全男性不信なのだけど、でも頼ってしまうんだよね。
不信なら自分から行動を起こせば良いものを(^_^;) あとジャン達とは「愛」の価値観も違うようだし。
さんざん自分からジャンを誘っておいて、いざ「本気になっていいのですか?」とジャンが追い詰めると途端に怖くなって手のひら返し。
さらにジャンが自分の夢であるホテル経営の話をするも、途中まではハナシに乗った気もするけど、それにはお金が必要。
その金づるは令嬢である自分であることが解ると怖くなる。
かなり面倒くさいお嬢様なんですよ、はい。
ポスターのような誘う衣装のお嬢様かと思いきや、白いドレスときちっと結んだ髪の毛。かなり少女性を感じた。
ジュリーがジャンを誘う時にテーブルに腰掛け、下にいるジャンに「靴を舐めて」だの、ひざまずかせたりするものだから、若干萌ぇましたです(笑)

ジャンも結構なゲスさなんですけどw 
いや、夢は見ている。ホテルのオーナーになってお金をかせぎ、やがて外国で伯爵の地位を金で買うことが出来るかもしれない。
ジュリーを看板マダムに仕立て上げ、客からふんだくってやる…と。
「自分は伯爵になれるかも知れないが、あんたは俺を伯爵にすることはできない」と泣きすがるジュリーを突き放す。
彼の方が余程「まとも」な思考な感じなんだけどw

ジュリーが決心を固め、父の所からお金を盗んで下に降りてくる。
彼女の手には鳥かごが。飼っているカナリアを一緒につれて行きたいと言うのだw(おい。逃避行にカナリアなんてw)
「カナリアと一緒じゃなければ嫌」と言うジュリーに、ジャンは鳥かごに手を入れてカナリアをつかみ、奥にある台所の包丁で鳥の首を刎ねて殺してしまうのだ!
(わーーーーー 「今日も鳥を殺した」だ)←えw

やがてジャンの婚約者であるクリスティンにも関係が知られてしまう。
彼女は冷静に状況を見て、ジャンを誘ったお嬢様の父親である伯爵を尊敬できなくなったから奉公はできない、さらにジャンにも「あんたがそんな男だと思わなかった」と愛想を尽かして教会へのお祈りに一人でさっさと出かけてしまうのだった。

伯爵から呼び出されたジャンは制服を着ると、もう「伯爵に仕える自分」でしかない。
「逃げるなら今だ、一人で逃げろ。自分は行けない」とジャンに言われ、どうしたら良いのか解らず悩んでいたジュリー。
やがてジャンからカミソリを渡され、一人階段を登っていく。
この階段を登るジュリーが、断頭台へと向かうアントワネットのように高貴な雰囲気がした。

夏至祭りでうかれる老若男女の役で30人のアンサンブルさんが突然登場し、舞台上や通路で らんちき騒ぎ。
これだけの為に贅沢な事ですw

1幕休憩なし約80分。

No.537 ミュージカル「ビッグ・フィッシュ」

2017年02月26日 22時15分52秒 | 過去の観劇記録
2017年2月26日(日) マチネ 日生劇場 1階 O列 カミテブロック

エドワード・ブルーム=川平慈英、ウィル・ブルーム=浦井健治、サンドラ・ブルーム=霧矢大夢、ジョセフィーン・ブルーム=赤根那奈、ドン・プライス他=藤井隆、魔女他=JKim、カール(巨人)他=深水元基、ヤング・ウィル=りょうた、ジェニー・ヒル他=鈴木蘭々、エイモス(サーカス団長)他=ROLLY、東山光明、大谷美智浩、他。
脚本=ジョン・オーガスト、音楽・詞=アンドリュー・リッパ、演出=白井晃、翻訳=目黒条、訳詞=高橋亜子、美術=松井るみ、他。

エドワード・ブルーム(川平慈英)は昔から、自らの体験談を現実にはあり得ないほど大げさに語り、聴く人を魅了するのが得意。
自分がいつどうやって死ぬのかを、幼馴染のドン・プライス(藤井隆)と一緒に魔女(JKim)から聴いた話や、共に故郷を旅立った巨人・カール(深水元基)との友情、団長のエイモス(ROLLY)に雇われたサーカスで最愛の女性、妻・サンドラ(霧矢大夢)と出逢った話を、息子のウィル(浦井健治)に語って聞かせていた。
幼い頃のウィルは父の奇想天外な話が好きだったが、大人になるにつれそれが作り話にしか思えなくなり、いつしか父親の話を素直に聴けなくなっていた。そしてある出来事をきっかけに親子の溝は決定的なものとなっていた。
しかしある日、母サンドラから父が病で倒れたと知らせが入り、ウィルは身重の妻・ジョセフィーン(赤根那奈)と両親の家に帰る。
病床でも相変わらずかつての冒険談を語るエドワード。本当の父の姿を知りたいと葛藤するウィルは、以前父の語りに出ていた地名の登記簿を見つけ、ジェニー・ヒル(鈴木蘭々)という女性に出会う。
そしてウィルは、父が本当に伝えたいことを知るのだった――。
(あらすじは公式HPより)

pippiさんの超絶オススメ&浦井先生が出演ぢゃなければ、もしかしたら観てなかった…かも知れない。
そして映画未見でミュージカル版を観に行きました♪

先月(フランケンシュタイン)とは真逆の(笑)雰囲気を醸し出す日生劇場。
ブルーの照明がとても映えて、独特の天井や壁がまるで海のような魚のような(一瞬ジンベエザメの背中かとw)
それと紗幕に映し出される映像もイイし、魔女や巨人が出てくるシーンでの照明の当て方も見事(照明=高見和義)。
絵本をめくっているような感覚にもなった。
オケピがシモテ側で、カミテはその分 すこし張り出し舞台になっていた為、若干カミテ側の演技が多かったかも。

大きな話が大好きな父エドワード。なんだか「フーテンの寅さん」みたいだな、と思った(^_^;)
時々出張先から帰ってきては本当なのかウソなのか良く解らない話をして、みんなを楽しませたり喜ばせたりする。
だけどエドワード、時々イイこと言うんだよ~ 理論派の息子に、『本の事や知識ばかりが本当じゃない、目の前のモノを良く見ろ』とか『大きな夢を持て』とかね。
でも父がアレ(^_^;)なら息子は ああいう風に育つよな、って気もするw
そんな父を川平慈英さん超熱演!ほんと久しぶりに舞台で拝見しますよ!えっと前は「五右衛門ロック」だよね…
オイラ、慈英さん初見は21年近く前(!)の「雨に歌えば」なんです~(この時も日生劇場!)
あと、キャラ設定的には三谷幸喜さん演出の、伝説の(?)ミュージカル「オケピ!」で慈英さんが演じた超ポジティブなキャラにそっくりでした(もーね、頭の中に「ポジティンブシンキングマ~ン」ってナンバーが蘇ってキタ!)
出番およびナンバーが少ないけど息子ウィル役の浦井先生。また歌がウマくなった気がする。特に「ストレンジャー」というナンバーは、とても良かった。2幕後半の西部劇のシーン(ダンス含め)も良し!
霧矢さんも母と若い娘時代との演じ分けが良かったです。理解力のある妻だなぁ~。エドワードと出会うシーン(アラバマの子羊!)、2人以外はスローモーションで、非常にロマンチックですた(*^_^*)
夢咲ねね改め赤根那奈(また改めて夢咲ねねに戻るんだけど)さん。こちらも理解力のある妻なんす。妊婦さんの設定なので、だいたい腰に手を当てているんだな、コレが。
あとはイイ味出してる藤井隆さん&ROLLYさんに、魔女のJKimさんの怪しげなシーン(水晶玉って、もう少し何とかならないの?)蘭々ちゃんも後半の年老いた役の演じ分け含め良し。
巨人カール役の深水元基さんは、本当に背が高い!
モナミーこと(おいw)大谷美智浩さんも出演してた!エドワードが入院する病院のドクター役で、白衣着て(八女姉さんの影響で、白衣の前ボタンが気になってしょうがない。ちゃんと閉めてたyo)、ラスト近くにエドワードが危篤状態で見る夢の中では突然踊り出したりして、可愛かったw

あ、黄色い水仙も印象的でしたよ。1幕最後なんかキレイだった~
黄スイセンの花言葉って、何かな?って気になったので、帰ってきて調べたら『私のもとへ帰って』『愛に応えて』だそうで!
おお!これを知ってから観たら、また別の感慨もあったかも!?

いやぁ幕開きから妙に涙が出て、特に2幕はかなりの率で えぐえぐしてたorz
オイラもあんな風に最期を迎えたいっす。

No.536 「ノートルダムの鐘」

2017年02月12日 23時27分16秒 | 過去の観劇記録
2017年2月12日(日) 四季劇場・秋 マチネ 2階 2列 センターブロック ほぼセンター

カジモド=海宝直人、フロロー=野中万寿夫、エスメラルダ=宮田愛、フィーバス=清水大星、クロパン=吉賀陶馬ワイス、他。
作曲=アラン・メンケン、作詞=スティーヴン・シュワルツ、日本語台本・訳詞=高橋知伽江。

15世紀末のパリ。街の中心に存在するノートルダム大聖堂の鐘突き塔には、カジモドという名の鐘突きが住んでいた。
幼き時に聖堂の聖職者フロローに引き取られた彼は、その容貌から、この塔に閉じ込められ、外の世界と隔離されていた。
塔上から街を眺めて暮らす日々。友と言えば、何故か彼を前にした時に生命を宿す石像(ガーゴイル)と、鐘だけ。いつも自由になることを夢見ていた。
今年も、年に一度の“らんちき祭り”の日がやってきた。
大いに盛り上がる人々の様子に堪えることができなくなったカジモドは、ガーゴイルたちにそそのかされ、塔を抜け出した。美しきジプシーの踊り子エスメラルダと出会う。折しも、最も醜い仮装をした者を決めるコンテストが始まったところ。自分が持っているものを活かすべきと言うエスメラルダに手を引かれ、カジモドはステージに上がる。
その容貌が仮装ではないと知った聴衆は、残酷なまでに嘲りの言葉を浴びせ、彼を捕えようとする。エスメラルダは咄嗟にかばう。
大聖堂へ戻ったカジモド。彼を大衆の面前にさらしてしまったことの責任を感じたエスメラルダも、後を追う。
差別の情なく、誠実で優しい言葉をかけるエスメラルダ。カジモドにとっては生まれて初めての経験。彼女へ愛を抱くことは必然だった。
一方、聖職の身でありながら、エスメラルダの美しさに邪悪な欲望を抱いたフロローは、市民と教会を守るという名目で、大聖堂警備隊長フィーバスにジプシー排除を命じ、彼女の捜索を始める。
しかし、フィーバスもまた、以前からエスメラルダの魅力にとりつかれていた。彼は命令に背き、エスメラルダを救出しようとするが、逆にフロローに刺され重傷を負ってしまう。
大聖堂へ逃げ込むフィーバスとエスメラルダ。二人の間に愛の萌芽を感じたカジモドは、これまで感じたことない心痛を得ながらも、愛するエスメラルダのために、二人をかくまう。
エスメラルダはジプシーの隠れ家“奇跡御殿”の地図が暗示されたペンダントのお守りをカジモドに託し、姿を消す。
カジモドのエスメラルダへの愛情を察したフロローは、その想いを利用すべく、故意に奇跡御殿襲撃計画を漏らす。
危険を知らせようと御殿へ向かうカジモドとフィーバス。ペンダントに導かれるままたどり着くが、フロローの罠にはまり、エスメラルダもろとも捕らえられてしまう。
大聖堂に幽閉されたカジモドたち。フロローはエスメラルダへ自分の愛を受け入れるのならば解放すると迫る。取引に応じるよう説得するフィーバス。しかしエスメラルダは頑なに拒む。
フロローの愛は憎しみへと変わり、エスメラルダを火刑へ。やがて刑執行のそのとき、カジモドは縄をほどき、エスメラルダを救出するが…。
(あらすじは劇団四季公式HPより)

11年降りの四季劇場・秋。浜松町駅や劇場周辺も、変わっている所と変わっていない所と。
さすがディズニー。さすがアラン・メンケン、さすが劇団四季。
カジモドが海宝くん、という素敵な偶然!

2階センターブロック、ほぼセンターでストレスない観劇が出来ました。
「ノートルダムの鐘」はアニメ映画(四季吹き替え版)を2回くらい見た程度です。
アニメ版とはラストが違うとか。
舞台版はエスメラルダが死んじゃうのねorz
あとカジモドがフロローを大聖堂の上から突き落として殺してしまうのよ。
ずっと後に大聖堂の地下から2つの白骨化した遺体が見つかり、しっかりと抱き合っていた、と(亡くなったエスメラルダと、最後まで彼女のそばにいたカジモドですね…)

カジモドが生まれる前の話もチラっと。フロローの弟の息子だったのか。ジプシーの女性との間に出来た奇形の子供。
世間に触れさせず、自分の事を「ご主人様」と呼ばせ、威圧感でカジモドを支配するフロロー。
フロローがジプシー達を毛嫌いする様が、某国の某新大統領を何故か彷彿とさせる。

幕開きのクワイヤのハーモニーで心、わしづかみ。
ガーゴイル達はグレーのフード付きマントを着ることで表現。ぱっと脱ぐと街の人達やジプシー達に。
カジモドも普通の青年として登場。せむしになるものを背負ってマントを着て、顔を黒く汚し、姿勢とゆがんだ顔つき(海宝くん、顔も身体も大丈夫だろうか?)で一気にカジモドとしての生を得るのだった。

海宝くん、さらに歌がレベルUPしている感あり。「道化の王」として一瞬だけ祭り上げられ、すぐ蔑まれモノを投げつけられ痛めつけられ… 『自分とは違うもの』に対する、そして集団心理も相まっての暴力。
フロローはエスメラルダに一目惚れしてから自分を抑えられなくなり、権力を行使し力尽くでもエスメラルダを手に入れようと躍起になる。歪んだ愛。
一方エスメラルダはフィーバスと恋に落ちる。フィーバスは自分の出世や地位も捨ててエスメラルダを助けようとする。映画版だと筋肉バカ(?)的な印象だったが、舞台版はもう少しマシな人で良かったですw

「地獄の炎」ほか大ナンバーも目白押しで、色々な体液が(笑)出まくったですよ。

ラストで人々が黒く顔を汚し、身体が歪む中、カジモドであった青年は「普通の青年」として一人戻っていく。
誰しもがカジモドであり、誰しもがフロローである。そんな問いかけをされたのか。

ジプシーの隠れ家の名前、なんとかならなかったのか?「奇跡御殿」って(^_^;)

No.535 「陥没」

2017年02月12日 22時56分16秒 | 過去の観劇記録
2017年2月11日(土) ソワレ シアターコクーン 中2階 ML列 シモテ 舞台キワ

木ノ下是晴(きのうち・さだはる)=井上芳雄、大門瞳(だいもん・ひとみ)=小池栄子、木ノ内清晴(きのうち・きよはる)=瀬戸康史、大東結(おおひがし・むずぶ)=松岡茉優、八雲浜二(やくも・はまじ)=山西惇、木ノ内鳩(きのうち・はと)=犬山イヌコ、船橋=山内圭哉、下倉渡=近藤公園、道下ゆかり=趣里、丸山窓子(まるやま・まどこ)=緒川たまき、諸星光作=山崎一、上妻ツマ子=高橋惠子、大門真=生瀬勝久。声の出演=峯村リエ、三宅弘城。
作・演出=ケラリーノ・サンドロヴィッチ。

昭和の東京オリンピックを目前に控えた1963年頃、とあるホテルで繰り広げられる2日間のドタバタ劇。
ケラ版「真夏の夜の夢」かな。

ともかくねー。舞台シモテ端(ホテル裏口)が全く見えない。声しか聞こえない。非常に残念であった。
幕開きのプロジェクション・マッピングもとても格好良くて素敵だったが、真横近くからなのでセットとのマッチングが微妙。
しかし中2階および2階の横壁にも電車や車が映し出され、このような使い方は初めてなので目を見張った。

ホテル建設中。創業者の諸星光作、娘の瞳、その夫の是晴。雨が降ってて、瞳と是晴の2ショットは紛れもなく(?)「シェルブールの雨傘」を彷彿とさせるぜ!
光作は交通事故ですぐ亡くなってしまうので(^_^;)、その後 亡霊として登場。お目付役の神様wの声は峯村さんと三宅さんだった!(見終わってから気づくorz)

数年後、ホテル完成。瞳と是晴は離婚していて、是晴は若い婚約者=大東結ちゃんと婚約パーティを、瞳のホテルで開こうとしている。母の鳩さん(また、犬山イヌ子さんが可愛らしいママンでね♪)、結の恩師=八雲(鳩さんにホレ中)、結の親友で新進歌手の道下ゆかり、そのマネジャーの下倉、ホテルに滞在中のマジシャン上妻ツマ子、瞳の夫である大門真。
さらに是晴の弟=清晴、清晴が連れてきちゃった全然関係ない船橋が入り乱れてワチャワチャである。

神様の息子が七つ道具を色々と駆使(?)しちゃってねぇ。特にホレ薬とかでw

井上芳雄がなかなのブラックっぷりを発揮!12月に続いて2月もいいキャラの弟をお持ちで。
2幕後半で、真に対して「殺してやる」的なセリフがあるんだけど、トート閣下に言わせるのか!?おい!
瀬戸康史くん演じる清晴は、自閉症気味なのかな…(車の運転は出来るようだが)数字に執着したり、ティッシュ収集癖があったり。
キラキラした目と無垢な笑顔で「にーちゃん!」とか言うと、もうキュンキュンですよ。たけこ嬢お気に入りのモンチッチ風な髪型(笑)
瞳ちゃんの小池栄子ちゃん、今回は結構耐える女性でした。頑張ってるのよ、瞳ちゃんは!
結ちゃんは恵まれない家庭環境で若干面倒な(いや、気持ちがわからなくもないが)女子に。
あと、船橋(別名・厚木の妖怪)他3役の山内圭哉さんもイイのよー。
趣里ちゃん、年齢不詳すぐる!
高橋惠子さん登場シーンの、何という女優オーラ!
それと緒川たまきさんの、セリフの言い方とか動きとかがgood jobなんですよ!
生瀬さんのダメダメっぷりもね!

最後は色々カップルが出来たよねー。瞳に将来の夢を語る是晴。2017年もその夢のほとんどは叶ってないけど、まだ夢は持てるのかな。

爆発するテレビの中のミイラのミーちゃん、きみはメス(?)だったのか…
カテコで真が抱えて出てきて欲しい、と思った観客は多いハズ(笑)


No.534 「ミュージカル ロミオ&ジュリエット」

2017年02月04日 23時34分40秒 | 過去の観劇記録
2017年1月29日(日) マチネ 赤坂ACTシアター 1階 M列 カミテブロック カミテ端

ロミオ=古川雄大、ジュリエット=木下晴香、ベンヴォーリオ=馬場徹、マキューシオ=小野賢章、ティボルト=広瀬友祐、死=宮尾俊太郎、キャピュレット夫人=香寿たつき、乳母=シルビア・グラブ、ロレンス神父=坂元健児、モンタギュー卿=阿部裕、モンタギュー夫人=秋園美緒、パリス=川久保拓司、ヴェローナ大公=岸祐二、キャピュレット卿=岡幸二郎、他。

2011年、No.355No.357と観劇してから久々のミュージカル版ロミジュリ。
今回、新演出になるということで期待していたのだが…
うーん。演出は余り「新しさ」を感じなかった。2040年だかの近未来の設定だったようだが、中途半端なんだよね…
台詞は「尼寺に行くわ」とかそのまま。だいたい、その頃はスマホがまだあるのだろうか?ツイッターも?AEDとか。
『「ロミオがいなくなった、探して」送信。』って説明しすぎな感もあり。
幕開きすぐ、死のダンスで始まるのだが、舞台奥には荒廃した街の映像と、銃声が聞こえて、ちょっと蜷川さんを思い出した。

セットは高さがあるパイプ足場みたいなので、LEDの照明がついて若干どぎつい。衣装も何かな~。特にジュリエット登場の衣装(チュールレースのスカートにスタジャン、ソックスにスニーカー)。

2013年の再演時は観ていないので、初の古川雄大ロミオ。このキャストの中ではちょっとお兄さんかな?
ジュリエットの木下さんは、現役高校生とか!また上手な人 見つけてくるよねイケコ先生。
(あ、ラストのウェディングドレスのデザインが まともになってて良かったw)
短報にも書いたけど、マキューシオの小野賢章くんが、チビルド(2001年)だった知って、本当に衝撃的でした。
広瀬くんのティボルト!いやいや、エリザでシュテファン演じてる場合ぢゃないよね~ 次は絶対エルマーか、もっと大きな役演じられる!
こんなにワイルドだったかw

今回タイトルロールよりも(おい)注目なのはアダルトチームですよ♪
キャピュレット夫人は香寿さんだし、モンタギュー夫人は秋園美緒さん(エリザコンビや!)
乳母のシルビアさんもイイ(衣装、というか無理に太った設定にする必要ってあり?それとも原作がそういう指定なのかな)
若干お笑い担当のサカケン兄さん神父(手を合わせる時は、組んだ方がいいんぢゃね)
モンタギュー卿の阿部さんやら、ほのかにジャベール臭(笑)がする岸さんの大公!
濃ゆい岡さんのキャピュレット卿とかね~

特筆は「死」の宮尾俊太郎さんだよー。手がデカい!トレンチコートと中折れ帽が似合うの何の!熱量を感じさせないダンスに目が釘付け。
ねっとりと纏わり付くような「死」でした。
古川くんとのダンスシーンは、もうトート閣下とルドルフにしか見えない腐なオイラ(^_^;)
霊廟のシーンでも上の十字架の所で踊る宮尾さんばっかり見てる、という(ハーネス着けてるな、とかw)

楽曲はこの上なく好きなんだけど。
演出、正統派に戻しませんかね…小池先生?

No.533 「ミュージカル フランケンシュタイン」

2017年02月04日 22時55分43秒 | 過去の観劇記録
2017年1月28日(土) ソワレ 日生劇場 2階 H列 カミテブロック 壁際

ビクター・フランケンシュタイン/ジャック=中川晃教、アンリ・デュプレ/怪物=加藤和樹、リトル・ビクター=難波拓臣、リトル・ジュリア=齋藤さくら。

東京公演前楽。中川ビクター&加藤アンリ東京楽。
いや~盛り上がったね。
公演始まって評判が上がって、チケットが売れて客席も盛り上がる、っていう一番良い展開だよね。

2回目の方が面白く感じた。曲も少し頭に入るようになったし。2階席だったから照明もキレイだった。
1幕の間、ずっと「ピーーーー」というモスキート音のようなものが聞こえて気になったけど2幕は大丈夫だった。
だが2階席は台詞や歌詞が聴き取りづらかった。オケの音がストレートにガツンと来てしまう感じ。

アッキー、よくこんな素晴らしい声が出るものだと感心しまくり。
加藤和樹マンはますますトート感がUPしてるし(笑)
シングルキャストの皆様は少しお疲れが見えたかな。

八女姉さんの詳しい解説を終演後に聞いて、「ふんふん、なるほど!」と納得すること多し。
だけれども、それを劇中でもう少し解説というか説明してくれても良かったかもしれない、と思う。
長いシーンは少し削ってもビクターに心酔するアンリの心情やら怪物の胸の内など入れると、もっと良い作品になりそう。

白衣着ようよ、とか
怪物が鉄のベッドで雷の電流を浴びるシーンはどうなっているのか、とか
ビクターが怪物に「僕のコートを!」って。アッキーのサイズじゃ怪物つんつるてん(死語)ぢゃないか!とか(笑)
コート3年経ったら伸びてる!とかww
葬儀屋に殺されちゃった青年は、ちゃんとパーティーのシーンで自己紹介してた、とか(2回目でやっと気づいた)
「細胞電気に反応、死亡は一時の放電、充電できうる生命…」って妙に頭ぐるぐる

2幕の怪物を痛めつけるシーンで、ジャックが「まー!みー!むー!めー!も~~!」とか言ってましたけどw
それから「キーーン」byアラレちゃん
ルンゲの日替わりメニューはハヤシライスでした(15日に観劇した時はチキンソテーだった)

カテコも盛り上がって、アッキーのテンションが(^_^;)
加藤和樹マン、役が役だけに余りはじけてなかったですが、最後はアッキーと熱いハグ!
コートの裾をバフッとしてみたり、アッキーと一緒に妙に発音の良い「テンキュー!(Thank you!)」でした。