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NHKのラジオ深夜便で女優が代り番で自分の人生を語っていますが、つい最近、渡辺美佐子さんが登場していました。そこで紹介されたのがこの本です。
著者の生の声によると、この本はお母さんのために書いたのですが、出版されたときお母さんは入院していて、病室にこの本をもっていったのだけれど、看護婦さんが面白そう、ともっていってしまいました、翌日、美佐子さんが本を読んであげようと再び病院にいったところ、母は他界してしまい、ついにこの本の内容を伝えそこなった、といようなことを語っていました。
さらに本書で書きたかったことは、戦争の経験、とくに小学校の頃、心をよせていた男の子が広島に疎開して被爆したこと、人探しのあるTV番組で彼を探してもらったのだけれど、そこで男の子のご両親と対面し辛い思いをしたことだったとのことでした。
早速、本書を取り寄せて読了しました。幼児の体験、姉と兄のこと、戦争体験、偶然に入ることができた俳優座のこと、好きな海外一人旅(ソ連、インド、スペインなど)、結婚と出産のことなど興味深く書かれています。とくに一人芝居、「化粧」がスタートし、600回ほどの公演、その過程での脚本家井上ひさしさん、演出家木村光一さんとのコミュニケーションが印象に残ります。
最初は(1982年)6人の女優の6本の一人芝居のひとつで、一本45分。それが3本づつ、二日間にわたって演じられたらしいです。6本のうち「化粧」が独立し、2幕ものと長くなり、今では日本の一人芝居の代表的作品となりました。
美佐子さんは、今年78歳。最後の「化粧」公演が4月末から5月上旬にかけて、「ザ・高円寺」で開催されます。
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