【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

「鼓動 神秘」(芸術監督・坂東玉三郎 鼓動ワン・アース・ツアー2014)

2014-06-30 23:52:58 | 音楽/CDの紹介

         

 浅草公会堂で「鼓動 神秘」(芸術監督・坂東玉三郎 鼓動ワン・アース・ツアー2014)を観ました。一度、観たいと思っていたので、実現でき、いいひととき(2時間)を過ごしました。

 
 「太鼓集団 鼓動」は、太鼓中心にした伝統音楽に可能性を見出し、くわえて現代音楽の要素をそこに加味した試みを続ける集団です。新潟県佐渡島を活動拠点に、ワン・アース(一つの地球)をテーマに掲げ、世界中で音楽活動を展開しています。2012年からは「伝説」を作品をてがけてきましたが、2014年からはこの「神秘」の作品を掲げています。


 演目は下記のとおりでした。

 勇壮で力強い太鼓は、魅力的です。男性の打ち鳴らす大太鼓の響き。ズシンズシンと、魂の声が伝わってきます。ひとりで、長い時間、打つ続けるのですが、力が弱くなってきたとか、乱れがでてきたという様子がないのには驚きです。男性の背中の筋肉の躍動には感動です。

 複数の太鼓が鳴り響くレパートリーもたくさんありますが、拍子が全くみだれがありません。鍛え抜かれた技であり、芸術です。女性の演者も何人かいて、力強い打ちっぷりでした。

 太鼓芸能集団「鼓動」は、太鼓を

<第一部>
・蛇舞
・夜道
・ウォール
・あじゃら
・明けの明星
・晴れわたる
・なまはげ
・ミュート
・草分け
・KEI KEI

<第二部>
・Chit Chit
・獅子舞
・夕闇
・Color
・三宅
・屋台囃子
・蛇舞
・霹靂


「超絶技巧 明治工芸の粋」(三井記念美術館)

2014-06-22 22:29:44 | イベント(祭り・展示会・催事)

         
 三井記念美術館で「超絶技巧 明治工芸の粋」が開催されています(7月13日まで)。

 展示会には村田コレクション(約1万点)のうちの選りすぐりの160点ほどが出品されています。この村田コレクションとは、村田理如(まさよし)さんが収集した明治期の超絶技巧の技をもった職人、工芸家による精緻きわまりない作品からなるもので、それらの多くは海外輸出用でした。

 そのため、日本国内で目にすることはできず、またかなりのものが散逸状態にあったものです。村田さんはそれらの価値を認め、オークションなどで買い集め、一大コレクションとなり、現在は京都・清水三年美術館に所蔵されています。

 今回は、並河靖之らの七宝、正阿弥勝義らの金工、柴田是真・白山松哉らの漆工、旭玉山・安藤禄山らの牙彫などが陳列され、驚愕の展示会になっています。他に印篭、蒔絵、刀剣など素晴らしいものばかりです。

 わたしは七宝の輝き、また昆虫のクワガタなどに特別、眼がいきました。

 日本人の技のこまやかさに、あらためて目を見張り、感銘を受けました。


「ウィーン少年合唱団 2014年日本公演」(於:東京オペラシティ・コンサートホール)

2014-06-15 22:35:53 | 音楽/CDの紹介

      
 「ウィーン少年合唱団 2014年日本公演」(於:東京オペラシティ・コンサートホール)に行ってきました。

 幼少の頃に観た映画「野ばら」以来、この合唱団には特別な想いをもってきました。映画の内容はほとんど忘れてしまったのですが、合唱団の男の子たちの歌声は新鮮でした。

 一度是非、と毎年思いながら実現できないでいたのですが、今回ようやく夢を果たしました。20人ほどの構成です。背丈はさまざまです(10歳から14歳)。振付、演出に工夫がみられました。大きなピアノが舞台の真ん中にあり、指導者のジミー・チャンさんがピアノを弾き、指揮をします。この人物がまた圧倒的な音楽性を発揮し、楽しい演奏をしていました。一曲だけチェロも弾いていました。

 日本の曲が3曲ありました。荒井由実:《ひこうき雲》、菅野よう子:《花は咲く》、岡野貞一:《ふるさと》です。

 最後のシュトラウスの3曲は盛り上がりました。観客席からは「ブラボー」が連発でした。

 天使の歌声、といわれていますが、ほんとうにその通りです。


 いろいろなことがわかりました。まずこの少年団の創設がいまから500年以上も前の1498年であること。また「ハイドン組」「シューベルト組」など4つの組があること(宝塚のようです)。そして、日本人がなかにいること。今回は「ハイドン組」の来日公演でしたが「アツシ」君という日本人がいました。

 わたしが聞いたのはAプロで、曲目は以下のとおりです。 

 

< 第1部 Part 1>
ヴィルト:《ワルター・フォン・デア・フォーゲルワイデによるメロディ》Gerald Wirth: Nach einer Melodie von Walter von der Vogelweide
ルス:モテット《この日こそ》Claudio Monteverdi: Ave Maria, SV213, from "Sacrae cantiunculae tribus vocibus"
ハイドン:《くるおしく浅はかな心配は》Joseph Haydn: Insanae et vanae curae, Hob. XXI :1, 13c
モーツァルト:《無限なる宇宙の創造者を崇拝する汝らが》Wolfgang Amadeus Mozart: Die ihr des unermesslichen Weltalls Schöpfer ehrt, cantata
シューベルト:《反抗》Franz Schubert : Widerspruch, op. 105, 1 (D. 865)
メンデルスゾーン:《目をあげよ》Felix Mendelssohn-Bartholdy: Hebe deine Augen auf, from "Elijah", Op. 70
ブルックナー:《真夜中に》Anton Bruckner: Um Mitternacht, WAB 98
ヴィルト:《ウィ・ドリーム・トゥギャザー》Gerald Wirth: We Dream Together

< 第2部 Part 2> 
J・シュトラウスⅡ:《ハンガリー万歳》Johann Strauss, jr.: Eljen a Magyar, fast polka, opus 332
マイケル・ジャクソン/ライオネル・リッチー:《ウィ・アー・ザ・ワールド》Michael Jackson & Lionel Richie: We Are the World 
オーストリアの民謡:《ハスルー谷にて》Drin im Håslgråbn, carter's song from the Mühlviertel (Upper Austria)

ヴィルト:《トラディギスト村のヨーデル》Gerald Wirth: Tradigister, Austrian yodel
オーストリア・アルプスの民謡:《ご機嫌ですね》Leitln, miassts lustig sein, folk song from the Austrian Alps
ハンガリーの民謡:《ティサ川のこちら側、ドナウ川の向こう側》Tiszan innen, Hungarian traditional melody
ブルガリアの歌 クーテフ:《夢見るトドラ》Philip Koutev: Polegnala e Todora, Thracian folk song
クロアチアの歌:《おお、深い海よ》O more duboko, Croatian love song
ウクライナの民謡:《彼は井戸を掘る》Kopav, kopav kryny enku, Ukrainian folk song
アイルランドの民謡:《ダニー・ボーイ》Danny Boy, Irish folk song
トルコの民謡:《ウスクダラ》Üsküdar'a gider iken, Turkish folk song
スペインの歌:《ウン・ポキート・カンタス》Un poquito cantas, Spanish song 

荒井由実:《ひこうき雲》Yumi Arai: Hikoki-gumo
菅野よう子:《花は咲く》Yoko Kanno: Hana wa Saku
岡野貞一:《ふるさと》Teichi Okano: Furusato
J. シュトラウスⅡ:《山賊のギャロップ》Johann Strauss, jr.: Banditen-Galopp, opus 378
J.シュトラウスⅠ:《ラデツキー行進曲》
Johann Strauss, sen.: Radetzky March, opus 228
J.シュトラウスⅡ:《美しく青きドナウ》Johann Strauss, jr.: An der schönen blauen Donau, waltz, opus 314

 


前橋汀子・名曲コンサート「珠玉の名曲にひたるひと時」 ピアノ:松本和将 (於:リリア音楽ホール)

2014-06-10 21:27:20 | 音楽/CDの紹介

   過日、前橋汀子さんのコンサートを聴きました。久しぶりです。
 前橋さんと言えば、情熱的な演奏が特徴です。
 この日の、曲目は下記のとおりでした。前半はモーツアルトとべートーヴェンの比較的大きい曲。前橋さんは黄色の衣装に身をつつんで登場。後半は、珠玉の小品を演奏。衣装は真赤で鮮やかでした。
 たっぷり2時間、ヴァイオリンの音を楽しみました。ますます円熟の境地に入った演奏でした。
 前橋さんも気持ちよく、演奏されていました。アンコールに5曲(「ユーモレスク」「愛の挨拶」など)も弾きました。拍手喝采。ブラボー。


<曲目>

・ モーツアルト:ヴァイオリン・ソナタ ト長調 K.301
・ ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 op.47「クロイツェル」
   (休憩)
・ ドビューッシー(ハルトマン編曲):亜麻色の髪の乙女
・ ラヴェル:ハバネラ形式による小品
・ ドヴォルザーク(クライスラー編):わが母の教え給いし歌
・ クライスラー:中国の太鼓
・ フォーレ:夢のあとに
・ ショパン(サラサーテ編):ノクターン op.9-2
・ ブラームス(ヨアヒム編):ハンガリー舞曲第1番
・ ブラームス(ヨアヒム編):ハンガリー舞曲第5番

       


「休暇 Holidays」(地人会新社;於 赤坂RED/THEATER)栗山民也演出

2014-06-05 23:31:22 | 演劇/バレエ/ミュージカル

              

 イギリスの劇作家ジョン・ハリソンの未上演作品。


 乳がんで余命いくばくもないと診察を受けているローズ(保阪知寿)は、片方の胸を14年前に切除した。その後、転移して、再発。西洋医学に疑問をもつ彼女は、ヨークシャーの別荘で静養している。ここは彼女のカウンセラー所有で、ローズのここでの日課は、自分の想いをテープに吹き込むこと。

 夫(永島敏行)はまじめなビジネスマン。彼女のケアもおろそかにしない。しかし、ローズはお互いの母との葛藤、かつてほしかった子供がもてなかったこと、好きな絵を描くことをつづけられなかったことを悔やんでいて、それらのことで夫への不満もあった。

 ローズはここで修理工のラルフ(加藤虎之介)と出会う。ラルフは教養の持ち主で、たくさんの詩を暗記している。哲学や文学の知識も生半可でない。

 舞台はきわめて簡素。登場人物は3人。ここでヨークシャーでの一週間の生活と、プロヴァンスでの過去の数回にわたるふたりの休暇が再現される。

 3人それぞれの間で、さまざまな確執があって、最後・・・。彼女は意を決して・・・・。

 永島さんは体格がよく、声がとおり、オーラがあった。保坂さんは、役にすっかりはまって存在感がありました。加藤さんは素敵なキャラクタです。このキャラクタは、間違いなく、女性に好かれますね。


ジル・パケ=ブレーネル監督「サラの鍵」(2012年、111分)

2014-06-02 23:22:57 | 映画

                           

 1995年、フランスのシラク大統領は、フランス国家がユダヤ人迫害に加担していたという事実を認め、謝罪した。

 その事件は1942年に起こった。パリのマレ地区のアパートに住んでいたユダヤ人家族がある日突然、警察の一斉検挙で屋外競馬場に引き立てられ、そこから収容所に送られた。一斉検挙の朝、サラは弟を納戸にかくまい鍵をかけた。連れ去られたのは両親とサラ。収容所でサラは両親から引き離されるが、弟のことが心配でならない。収容所で知った女の子とサラは、逃亡を試みる。警備の男の手助けもあり、逃亡途中の農家の老夫婦にも助けられ、マレ地区のアパートに着く。サラは鍵で納戸をこじ開けるが弟は・・・。

 建築関係の仕事に従事する夫とパリで暮らすアメリカ人女性ジュリアは、45歳で待望の妊娠をするは、夫は子どもを産むことに消極的だった。産むか産まないか岐路にたったジュリアは、ある取材で衝撃的な事実を知る。そして、夫の祖父母から譲り受け住んでいたアパートのかつての住人は、1942年のパリでのユダヤ人迫害事件でアウシェビッツに送られたユダヤ人家族だった。その一家の長女サラが収容所から逃げたことも突き止める。ジュリアはサラの、その後の消息を追う。突き当たったのはサラの予想もしなかった人生だった。
 ジュリアは、夫と離婚し、女の子を産み、自身の新たな人生を切り開いていく。

 原作は同名の小説で、作者はタチアナ・ド・ロネ。主人公のジュリアを演じたのは、イングリッシュ・ペイシェントのクリスティン・スコット=トーマス。

 この映画は、第23回東京国際映画祭最優秀監督賞受賞/観客賞の栄誉に輝いた。